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鳥居

『霊感~』と『闇は~』の他作品の絵を比較

 『霊感商法株式会社』と『闇は集う』の他の作品の絵を比較する


 今度は『霊感商法株式会社』と『闇は集う』と、シリーズ全体を見くらべて、先程から述べている「七週間」「闇にその名を呼べば……」とは別の話からいくつか画像を引用してみる。
 ここでも向かって左が『霊感商法株式会社』の画像、向かって右が『闇は集う』の画像になっている。一部の初出が不明の物を除いて、『霊感商法株式会社』画像の方が初出がはやい。



資料画像9


資料画像10


秋霊/松闇 椿


 このページの内容を端的に示す為にトップにも置いてある画像二枚。モノクロとカラーの差はあるが、どちらも、漫画の一コマではなく、一枚で独立した絵である。この画像は双方扉絵ではない為、正確な初出は不明。予告用、懸賞用、付録用に使用されていたカットだったかも知れないが、確認が困難なので、仮に、単行本の発行日を初出とすると、『霊感商法株式会社』2巻は奥付によれば1990年9月15日初版発行。『闇は集う』1巻は奥付によれば1994年10月6日発行なので、『霊感商法株式会社』の方が発表がはやい。『闇は集う』の第一回が載った雑誌がなかよし1994年2月号だということを考えれば、『霊感商法株式会社』より発表がはやいということは、まずあり得ないと思って良いだろう。
 絵は、シリーズ通しての主人公の顔と椿の花の絵で、どちらも椿の花がかぶって顔が半分見えなくなっている。画面向かって左上部に散っているのが片方は血、片方は椿の花びらと違うが、それ以外の部分、特に椿の花の向きや花びらの形が殆ど同じであることがこの画像でわかるだろうか?
 『霊感商法株式会社』単行本版2巻の目次口絵がこの絵であるのには理由がある。2巻の最後に収録されている「赫い囁き」という作品が、椿の花が物語の重要な要素として出てくる話であるので、おそらくその関係でだろう。かえって『闇は集う』であるが、こちらは、椿に関係する話も収録されていないし、なぜ椿の花の絵が裏表紙なのか全くわからない。(絵の構図に必ずしも理由が必要な訳ではないが。)


 資料画像9


資料画像10

秋霊鎮魂/松闇ライ 9と10 花束 

 左の絵の人物と、右の絵の中心に全身が描かれている人物とが、背を丸めて花束を抱き、片足をまげたポーズをとっている。この2作品はストーリーは全く違う。「秋の鎮魂花」は、運ぶべき魂を見失ってしまった天使が主人公のもとに助力を乞うてくる話で、「ライバル」は、成績のトップを競っていた2人が、憎みあい、殺し合ってしまう話だ。このポーズを使用している場所も片方は最終ページ、片方は扉絵、と全く違う。にも関わらず、同じポーズを使用している。
 ここからは絵を描かない私の勝手な考えなので、間違いがあったら指摘して欲しいのだが、私にはこのポーズが偶然にカブったりカット集にのっていたりする程、汎用性があってよく使用されるポーズとは思えない。花束を抱いている絵、且つ、背を丸めて花束を抱き込むようにしている、且つ、片足は真っ直ぐに伸ばしているが、もう片足は、曲げている。立っているとすると片足でつま先立ちになるという不可能に近いポーズだし、かといって座っていたり、何かに寄りかかっているようにもみえない。横になっているか、それこそ宙に浮いている状態でもなければ使用しないポーズではないかと思う。

 また、「秋の鎮魂花」は最終ページの絵なので、当然、絵の人物が花を抱いているのに理由がある。物語のオチに当たる部分なので本当は書きたくないが、説明の為には仕方がない。この物語中で天使が見失った魂は実は人の物ではなく、花の魂だった。画像は無事天使が花の魂を天へ運ぶシーンで、人の魂も花の魂も天使にとっては別なく重要な物であることが花束を抱く絵で表現されている。「ライバル」の方は、話に花が特に関係するわけでもないので、なにか私が読みとりそこねている行間(と、漫画でも言うのだろうか)がない限り、表紙で主人公が花を抱いていることに理由はない。

 以上の各2点の画像のように、物語や設定とは一切関わりなく、絵が似ている例が複数みられる。
 
 
 絵の類似点2でとりあげた画像3・4のように複数のコマにわたって、流れと構図とが似ている例としては、たとえば「病院は嫌い!」と「呪われた日記帳」がある。

資料画像11


資料画像12
(作中6及び7ページにも
一部コピーした物があり)


秋霊病院/松闇日記 11と12 手元 
 
 

資料画像13


資料画像14

秋霊病院/松闇日記 13と14 男女 



 双方2ページにまたがっているシーンで、連続した3コマが似ている。生命維持装置のスイッチを切ろうとする左手、その左手を掴む誰かの右手、自分の左手を掴んだ男を仰ぐ女の3コマだ。生命維持装置のデザインや人物の服装などは違うが、腕を掴む男の右手人差し指と中指との角度や、ナナメに女性を見下ろしている男性の肩のラインの延長線上に女性の目の部分があたる人物の位置関係はほぼ同じである。(画像12の2コマは、資料としてあげたコマをコピーしたらしき絵が「呪われた日記帳」内では他2カ所に使用されている。画像12と14のこの3コマは、同じ場面を別の人物の目から見ているバージョンがある為、「幸福な少女」という話でもコピーとトリミングをして使用されている。)

 このように、1つのポーズが似ているというわけではなく、連続したコマ同士が似ている例も「七週間」と「闇にその名を呼べば……」だけでなく、複数見られる。


絵の類似点であげた画像1・2のように一つの話の中で、連続していないコマにおいて人物のポーズやコマの構図が似ている例としては、たとえば「Replay」と「Good-bye my dear」がある。



資料画像15
ななめに撮影した物


資料画像16
こちらは本来の向き

秋霊リプ/松闇バイ 15と16 少女 

資料画像17


資料画像18

秋霊リプ/松闇バイ 17と18 幼子


資料画像19


資料画像20

秋霊リプ/松闇バイ 19と20 父母



 15は作中の一コマ、16は表紙。15は、見比べやすいようにと思い、ななめにして撮ってある。本来の角度は文字が普通に読める角度で、資料画像一覧ページに参考としてあげてある。この画像では不鮮明だが、手の握り方、セーラー服の後襟?のまくれ方、スカートの後ろのよれ方などよく似ている。
 17・18は上の画像の子が子供の頃の絵。デザインは違うがどちらも兎のぬいぐるみを抱いている。左手はどちらの絵も同じようにぬいぐるみの前に回されているが、右手は、片方はぬいぐるみに回されている、もう片方は隠れて見えないと、違いがある。蛇足だが、この兎のぬいぐるみは双方クリスマスのプレゼントとしてもらった物である。
 19・20は父親が「がんばってはたらく」と母親に言っているシーン。向かって左側に父親、右側に母親という配置、父親が右手を拳にして持ち上げる所謂ガッツポーズをとっている点が似ている。
 念のために書き添えておくが、この二作品は、話も設定も全く違うものである。『霊感商法株式会社』は人生の岐路に戻り、自分の人生を変えられるとしたら? という物語で、『闇は集う』は18で抱いている兎のぬいぐるみにまつわる思い出を語る物語である。
 かくの如く、設定は似ていない一つの作品内で、連続しない数コマに於いて、絵が似ている例も「七週間」と「闇にその名を呼べば……」だけでなく複数ある。

 仮に、ポーズの一致が同一のポーズ集を参考にしていた所為で、同じポーズが使用されているのかもしれないと考えた場合でも、連続した数コマで同じ構図が続くことや、一作品の中で表紙を含めて何ヶ所も同じポーズのコマがある理由としては、いささか弱いだろう。

 
 ここに挙げた実例は、作品を読んでいて見つかったもののほんの一部である。 
 
 
 



 

 

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