戦略への目覚め
自分の中で「戦略」を意識するようになったのは失敗の本質(戸部良一他、中公文庫、1991)を読んだことがきっかけだった。戦術の失敗は戦略で補えるが、戦略の失敗は戦術で補えないということを腑に落とさせてくれる本であった。その後、社会人になり戦術Tactics中心の生活に追われて3年くらいだろうか。本屋でみつけた当時無名の2冊の本があらためて戦略を考えるきっかけを与えてくれた。それは大本営参謀の情報戦記(堀栄三、文春文庫、1996)日本海軍の戦略発想(千早正隆、中公文庫、1995)である。特に堀著はインテリジェンスの重要性を教えてくれる名著で、ここで得られた発想、スキルは仕事で活用している。さて、何故約10年前に読んだ本を挙げたかというと、最近発売された(佐藤晃、光文社ペーパーバック、2006)を読んだのだが、元ネタはかなり上記2書から引用されていたのであった。また堀著は2006年の週刊文春の夏休みのお勧め本にも選ばれたり、千早著も小室直樹の著作の参考文献に挙げられている。今年修士論文を書いてみてわかったことだが、論文を書く際にかならず参考文献として引用される名論文というものがある。この堀著と千早著も戦略、インテリジェンスの研究において同じような名著といえるのではないか。ちなみに、この発想を検索にいかしたのがグーグルのページランクである。