新潟県の三角点を訪ねるブログ（目標1.000点）

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  丈ヶ山（Ⅲ竹ノ山）

  丈ヶ山（Ⅲ竹ノ山）訪問日　2024年6月15日、晴れ等級：三等標高：571.6ｍ1/25000地形図：新井　丈ヶ山（たけのやま※）は上越市板倉区にあるお手軽登山の山で、登山道は猿供養寺（さるくようじ）ルート、栗沢ルート、林道ルートがあり、容易なのは林道ルートですが、山寺薬師など見どころの多い猿供養寺ルートか栗沢ルートが一般的かと思われます。2019年（令和元年）9月5日の新潟日報の記事に「身の丈の幸せ 地蔵に願う」のタイトルで紹介され、気になっていた山の一つでした。　※山名について　コンサイス日本山名辞典や武内正著「日本山名総覧」には「たけがやま」になっていますが、新潟日報の記事や上越市板倉区の寺野地区を紹介するパンフレットには丈ヶ山に「たけのやま」のルビが振ってあり、このブログもそれに倣っています。この山行記録は、一部寺野地区や山寺薬師のパンフレットも参考にしまています。登山道、農道、林道を歩きましたコースタイム：駐車場（12:01）→山寺薬師（着12:05、出12:19）→丈ヶ山（着12:36、出13:04）→農道分岐（着13:18、出13:21）→駐車場（13:36）　南葉山縦走の翌日、妙高市の林道五日市線終点近くに止めておいた車を回収し、上越市板倉区東山寺（ひがしやまでら）にある山寺薬師へ向かいました。参道の近くに広い駐車場（写真）があり、数十台は留めれそうです。時刻は12時でお手軽登山にちょうどよい機会でした。　山寺薬師の参道の様子です。杉並木は樹齢700年を超え、石段は209段あるとのことです　参道の脇に点在する石仏の表情がとてもかわいらしく、好感が持てました。　山寺薬師の本堂に着きました。今回も含め3回は訪ねていると思いますが、丈ヶ山に登るのは初めてです。左に納経堂がありました。先ず、薬師如来、阿弥陀如来、釈迦如来を参拝、これらは新潟県の文化財に指定されています。　本堂の後ろに風神洞がありました。　さらにジグザグの小径を3分ほど登ると日吉神社の奥社があり、見ざる聞かざる言わざるの三猿が祀られていました。　参拝後、登山口に向かって歩き始めました。墓地の脇に立派な道標がありました。　西へ向かって幅の広い道を歩きました。　登山口に到着しました。写真左の道標には「・猿の終焉の地、・丈ヶ山猿供養寺登山口」と記されており、写っていませんが車道側の道標には「・猿供養寺跡、・聖の岩窟、・丈ヶ山栗沢登山道」とありました。猿供養寺跡は集落名の由来となった伝説のお寺の跡です。　登山口から2分ほどで「サル終焉の地」に到着、猿供養寺伝説に登場する2匹の猿が、ここで穴に落ちて死んだと推定される場所です。　径は鬱蒼とした林の中を進みました。急な登り坂には歩きやすいように石段が設けられていました。　さほど苦労することなく山頂に到着、山頂標識の他に「身の丈地蔵」と名付けられた石仏が鎮座していました。山頂には人為的に作られたと考えられる盛り土部分があり戒壇の跡らしいとのことです。　三角点標石はお地蔵様の後ろにあり、　補修されていました。点名は竹ノ山（たけのやま）です。　国土地理院の成果は北緯 37°00′57″.4293、東経 138°20′22″.5860です。　眺望は、空気の澄んだ日は素晴らしいはずですが、当日はどんよりしており北西方向に昨日登った南葉山塊が見えました。　南西は妙高山（写真左）や火打山、　南東に黒倉山・鍋倉山が見えました。暑い日でしたが、心地よい風が吹いていました。　山頂から少し先へ進むと分岐があり、聖の岩窟（ひじりのいわや）へ下山できるようになっていました。栗沢ルートです。筒方登山道は林道ルートです。　聖の岩窟へ下山したかったのですが、径に草が被っており（写真）当日はTシャツでしたので、林道ルートで下山することにしました。　数分で作業道の終点に到着。軽トラならここまで入ることができそうです。　作業道をしばらく歩くと農道に出て、すぐに林道丈ヶ山線に着きました。林道は舗装されており、駐車スペース（写真）もありましたので、ここまで車で来れば容易に山頂へ登れます。しかし、味気ないものになります。　林道の途中、丈ヶ山が見えました。　最後に延命清水に立ち寄りおいしい水をごちそうになりました。新潟県の銘水百選に選ばれており、「どんな気候であっても水量は変わることなく」と紹介され、人気があるようで先客がいました。

  2024.06.26

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  南葉山縦走　籠町南葉山（Ⅲ南波）、青田南葉山（Ⅱ難波山）、海前峰（Ⅲ中ノ俣）

  籠町南葉山（Ⅲ南波）訪問日　2024年6月14日、晴れ等級：三等標高：909.0ｍ1/25000地形図：重倉山青田南葉山（Ⅱ難波山）訪問日　2024年6月14日、晴れ（初回訪問日1992年7月5日）等級：二等標高：949.1ｍ1/25000地形図：重倉山海前峰（Ⅲ中ノ俣）訪問日　2024年6月14日、晴れ等級：三等標高：660.9ｍ1/25000地形図：重倉山 　南葉山塊は1992年7月に青田南葉山に登ったきりでしたが、籠町南葉山にトレッキングコースができ、さらに青田南葉山まで縦走可能との話を聞いていましたので、かねてより歩いてみたいと思っていました。そこで今回の山行を計画、どうせなら「〇〇南葉山」と名が付いているところはすべて通ることにし、また「くわどり湯ったり村」の予約が取れましたので、そちらへ下山して一泊することにしました。途中、海前峰（大明神山）にも立ち寄ることができますので一石二鳥です。駐車地点から猪野山南葉山登山口まで林道歩き、籠町南葉山三角点まで登山道、青田南葉山まで手入れされていない登山道、くわどり湯ったり村まで登山道（行動図のサイズは1800×1900ですが縮小され文字が小さくなっています。詳しく見たい場合は保存するなどして拡大してください）コースタイム：駐車地点（9:02）→猪野山南葉山登山口（着9:26、出9:32）→猪野山南葉山（着9:52、出9:59）→五日市南葉山（着10:06、出10:13）→籠町南葉山三角点（着10:43、出11:13）→猿掛南葉山（着11:46、出11:54）→青田南葉山（着12:24、出13:04）→明神峠（着13:29、出13:36）→中ノ俣分岐（着13:54、出13:59）→海前峰（着14:11、出14:37）→中ノ俣分岐（14:48）→二俣（着14:58、出15:08）→くわどり湯ったり村（16:02）　妙高市の国道18号線、あらい再資源センター近くの交差点から林道五日市線へ入り、終点まで進むと林道重倉線との交差点があり、車止め（写真）が置かれていました。車止めは移動可能なごく簡単なもので、進入は容易でしたが、手前にある路肩の広い場所に駐車しました。林道五日市線は草刈りがされておらず、草が道にはみ出し幅が狭くなっていて、どうしても車のボディと接触する箇所があります。また路上に泥水が流れていたり、砂利の部分もありましたので、翌日、車の回収時にタクシーがここまで入ってくれるかどうか気がかりでした。　駐車地点です。横または斜めに留めれば4～5台駐車可能です。　今回は着替えやアメニティグッズを携行しているためいつもより荷物が多く、また終始登山道歩きが予想され歩行距離も長いことからトレッキングポールの助けを借りることにしました。まだ6月の中旬ですが、夏の日差しが照り付け暑くなりそうな日でした。準備後歩き始めました。　林道を歩くこと25分弱で猪野山南葉山の登山口（写真）に到着しました。ここも路肩が広がっており5台程度駐車できるスペースがありました。　登山口は眺めがよく、大毛無山（右）、火打山、雲がかかった妙高山が望まれました。林道歩きの途中にも新井市街地などを見下ろせる場所が所々ありました。　登山道の様子です。整備状況は良好でした。始めはそこそこ急登でトラロープが設置されている場所もありました。　六合目の「矢代の窓」に到着しました。斑尾山や緩やかにカーブする上信越道（写真）、ほかに妙高山などが見えましたが、霞んでいて遠望が利きませんでした。この付近はナラが多く見受けられました。　八合目は「上吉棚（うわよしだな）」です。径の左にあるのは合目を示す標石で、各所に置かれていました。登山口から猪野山南葉山の山頂まで標高差は174m程度で、単純計算で17m登るごとにひとつづつあることになります。　猪野山南葉山（755m）に到着しました。周囲はブナが多く眺望はほとんどありませんでした。　ブナ林（写真）の通過は心地よく、途中、切り通し状になっている「風の道」、さらに進むと「斐太の窓」と呼ばれる場所があり眼下にふもとの集落が見えました。斐太（ひだ）は中頸城郡の村名で1954年に新井町などとともに新井市になりました。猪野山、五日市、籠町、青田などの各集落は斐太村に属していました。　五日市南葉山は猪野山南葉山から近く、ほとんどアップダウンもなくすぐに到着しました。ここもブナ林で眺望はほぼありませんでした。　その先で「馬の背」と呼ばれる場所を通過、途中、次の籠町南葉山が見え隠れしました。ちょうどササユリ（写真）が見頃で、歩き始めの林道から終盤近くの二俣のあたりまで随所に咲いていました。　さらに進むと「新幹線の窓」で眼下に平野部がぼんやりと見えましたが、新幹線の高架ははっきりしませんでした。　籠町南葉山の三角点に到着、南東方向に信越国境の黒倉山、鍋倉山あたりが望まれました（写真略）。　点の記は明治期のもののみで、それによると所在地は中頸城郡斐太村大字籠町字南波山と記されています。　国土地理院の成果は北緯 37°02′34″.1381、東経 138°11′08″.6245です。　軽めの食事をした後、写真の重倉林道方向へ進みました。しかし、下りが続くため5分ほど歩いた時点でおかしいと感じ、ハンディナビで位置を確認したところ間違っていることに気付き、籠町南葉山の三角点に戻りました。標高差にして約30m下っていました。　籠町南葉山の三角点のある場所は、国土地理院の地形図を見る限り分岐はありません。笹などが被った径らしきもの（写真）があるのに気付いていましたが、道標もなく、まさかこちらへ進むのが正しいとは思っていませんでした。また今回はTシャツで登山をしており、通常このような径に入るときはロングスリーブかつハイネックのシャツを重ね着しています。しかし、当日はそれを持っておらず、そのまま入るしかありませんでした。　入ってみるとすべてヤブになっているわけではなく、足元はしっかりしており歩きやすい場所もありました（写真）。トレッキングポールはしまわずに持っていた方が、笹や蜘蛛の巣などを払うのに役立ちました。　すぐに籠町南葉山三叉路に着きました。道標（写真）がありましたがクマに引っかかれておりすべてを確認することはできませんでした。左は「至 栃ノ木峠・西野谷集落」と読めました。右へ進みました。　猿掛南葉山に到着しました。単に南葉山（901m）とだけ記された簡素な標識がありました。藤島玄氏の「越後の山旅 下巻」には猿掛山と記されています。灌木ヤブで何ら眺望はありませんでした。　この付近の登山道の状況です。Tシャツでしたので腕を数か所毛虫などに刺されてしまいました。　猿掛南葉山から少し下ったところに炭焼き窯の跡らしきもの（写真）がありました。この辺りもブナ林が広がっていました。　青田南葉山の山頂手前はユキザサ（写真略）が多く咲いており、その先で昭和レトロな看板を見つけました。　青田南葉山に到着しました。山頂は三角点、南葉神社、二つの山頂標識がありました。特に左の標識は新しく、裏に「寄贈 高田ハイキングクラブ 六十周年記念 令和五年」と記されていました。平日ということもあり誰もいませんでした。　標石は補修の跡がありました。点の記によると、所在地は上越市大字中ノ俣字ナンバ となっています。山頂は妙高市青田と上越市中ノ俣、上越市横畑の境界です。　国土地理院の成果は北緯 37°03′38″.3517、東経 138°10′37″.4988です。眺望は妙高山、火打山方向が見えそうでしたが厚い雲に覆われてました。　南葉神社に参拝。くわどりゆったり村のチェックインを16時30分にしていましたので、時間に余裕があり山頂で食事をしながらのんびり過ごしました。　ここは「明神沢」、「木落し坂」と「籠町南葉山」の分岐になっており、明神沢へ進みました。　径は分かりやすくよく踏まれており、主としてブナ林（写真）の下りでした。路傍にチゴユリやササユリが咲いていました。　明神峠に到着、ここも分岐になっており左の桑取へ進みました。　このルートはブナ林の中を緩やかな下り坂が延々と続いており、昨年歩いた信越トレイルのセクション4を凌駕する距離です。　途中、中ノ俣集落への分岐があり、道標に「海前峰頂上まで500m、南葉林道まで2100m」と書かれていました。右折し海前峰（かいぜんぼう）を目指しました。　分岐点のブナにも「ナカノマタ→」の鉈目がありました。　こちらの径も刈り払いは良好で、途中にヤマツツジやササユリが咲いていました。最後は急登でしたが何とか登り切り海前峰に到着しました。山頂に大明神山と書かれた簡素な標識があり、「越後の山旅 下巻」や後述する湯ったり村の登山口にある案内図も大明神山と記されています。　周囲の草を刈り標石を接写しました。　国土地理院の成果は北緯 37°04′44″.0946、東経 138°09′45″.9307です。　眺望は360度ではありませんでしたが、そこそこ良好で南は今しがた下ってきた青田南葉山（写真）が見え、　北東は眼下に上越市の市街地を望みました。米山も見えましたがぼんやりしていました。　分岐点に戻り最終目的地の湯ったり村を目指しました。途中、進行方向右側に先ほど登った海前峰（写真）が見えました。　その先、二俣と呼ばれる小さな沢の渡渉点に到着。ここで水を飲んだり、顔を洗ったり……。今回、水やドリンク類は合計1リットル程度で出発しており、節水モードに入っていましたので、この水場は助かりました。　二俣から先、緩やかな勾配で距離も長く時間が掛かりましたが、やがて登山道と散策道の分岐点（写真）に到着、矢印方向へ進みました。この辺りもブナ林が広がっていました。　幅の広いジグザグの径を下ると湯ったり村（写真）が見えてきました。時刻は既に16時近くでした。　登山口に色褪せた案内板があり、それによると湯ったり村コースの所要時間は、　湯ったり村（100分）二俣（70分）明神峠（70分）青田南葉山の合計4時間です。標高1000mにも満たない山で、これだけ時間が掛かるのはかなりのロングコースです。ちなみにこの登山口から青田南葉山までの標高差は約750mです。　翌日の車の回収は、本数は少ないものの湯ったり村の玄関から路線バスが運行しており8時55分発の便に乗り谷浜駅前で下車（650円）、すぐにトキ鉄の直江津行きが連絡していて直江津で妙高高原行に乗り換え10時20分に新井駅に到着しました（550円）。駅前にタクシーがいませんでしたが、しばらく待っていたら現れ、それに乗車。林道五日市線の通過は草がはみ出している部分などで渋っていましたが、山登りに理解のある運転手さんで何とか駐車地点まで行ってくれました。洗車代の名目で運賃に色を付けて渡したら喜んでいましたのでホッとしました（約3700円＋α）。その日も暑い日でしたが、気になっていた近く山へお手軽登山をして帰宅しました。

  2024.06.21

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  ロクロノ頭（Ⅱ土樽）

  ロクロノ頭（Ⅱ土樽）訪問日　2024年6月6日、晴れのち薄曇り等級：二等標高：1292.4ｍ1/25000地形図：巻機山（越後湯沢）　ロクロノ頭は湯沢町と南魚沼市の境界にあり、国土地理院の地形図では無名ですが、昭文社の山と高原地図にはその名が記載されており、山頂に二等三角点が埋設されています。ロクロ沢の源頭があることからその名が付いたと考えられます。また、点の記には俗称 カゲノサワノ峯と記されています。　先日の東谷山に続き、登山道の無い湯沢町のヤブ山に懲りもせず登りましたが、今回はクマ撃退スプレーを携行するなど対策を講じました。林道の先、沢まで作業道、取り付きまで沢を遡行、それ以降径なし、山頂の手前に所々けもの径ありコースタイム：駐車地点（8:12）→取り付き（着8:45、出8:50）→手前のピーク（着11:17、出11:29）→ロクロノ頭（着12:06、出12:39）→取り付き（着14:38、出14:50）→駐車地点（15:22）　先日登った東谷山の教訓からクマ対策グッズとして「護身用熊よけペッパースプレーTW-1000（ドイツ製）」と「熊よけ鈴（消音機能付き）」をネット通販で入手。TW-1000は説明書を読むと「向かい風では絶対に使用しないでください」とか「スプレーをかければ絶対に助かるわけではありません」と書いてあり条件によってはうまくいかないこともありそうです。熊よけ鈴は鳥の鳴き声や川のせせらぎなどの音が聞こえづらくなるので、今まで一切使用することはありませんでしたが、付けていないよりは確実に効果があるとのことで、背に腹は代えられず購入に至りました。しかし、付けてみるとやっぱりうるさいので今回はTW-1000のみ携行し時々ホイッスルを吹くことにしました。　湯沢ICから大源太キャニオン方向へ進むと、途中で谷後（やご）集落へ向かう町道が分岐、集落に入る手前のヘアピンカーブに三叉路があり左折し林道一之沢滝ノ又線に入りました。林道は行動図のスタート・ゴール地点で路肩工事（5/28～9/1）のため通行止（写真）になっており、その手前にある路肩の広い部分に駐車し歩き始めました。すぐ先に見えるカーブで作業道に入りましたので、工事の影響は受けませんでした。　作業道の入口（写真）です。カーブの直前にありました。　作業道は最近車が往来していない様子でした。周囲はスギの植林地です。　途中で幅が狭くなり不明瞭になりました（振り返って撮影）。　岩ン沢（写真）に出ました。行動図の取り付き地点まで遡行あるいは沢のほとりを進みました。今回、膝まであるゴム長を履いて出発、ソールがすり減っていて滑りやすかったものの傾斜は緩やかで対応可能でした。　当初、行動図に記載した復路のルートを往復する予定でしたが、手前の尾根がスギ植林地（写真）になっており、歩きやすそうに見えましたので、かなり悩みましたが往路はそちらを選択しました。　植林地を抜けるとブナなど広葉樹の林（写真）に変わり、勾配が増し、つま先登りになりました。　ヤマツツジが咲いていました。　標高850m付近からシャクナゲのヤブが現れました。イヌツゲもありました。　岩場（写真）は巻くことにより容易に通過できましたが、途中に尾根の右側が切れ落ちているところがあり足がすくみました。この尾根は急斜面に加えヤブのため体力の消耗が早く（歳のせいかもしれませんが……）休憩を挟みながらスローペースで登りました。　稜線に出る直前の急斜面では、しつこいほどのシャクナゲのヤブが続き、これならまだネマガリダケの密ヤブの方が進捗が早いなと感じました。　苦労しましたが、ようやく手前のピーク（標高約1194m、仮称）に到着しました。狭いピークで古いコンクリート製の標識（写真）が傾いていました。　眺望は思いの外良好で南東から北西にかけて開けており、谷川連峰の展望台になっていました。南東は中央に大源太山、その右奥に七ツ小屋山、左手前に大栗ノ頭、その後方に大烏帽子山が見え、　時計回りに見ていくと、茂倉岳や一ノ倉岳、　南は中央奥に万太郎山、手前左はコマノカミノ頭、手前右はクロガネノ頭、足拍子岳、写っていませんがすぐ下にゴールド越後湯沢カントリークラブが見え、　南西は奥に仙ノ倉山から平標山へ続く稜線、手前中央やや左に荒沢山が見えました。　西は眼下にJR上越線がループを描いている様子や先日登った秋葉山、その後方にNASPAスキーガーデンが見え、　北西に飯士山が見えました。肉眼ではもう少しはっきりしていましたが、写真にするとぼんやりしてしまいます。この時期は仕方がないのかもしれません。　手前のピークからロクロノ頭までシャクナゲは影を潜め、けもの径（写真）らしきものが所々現れ、多少歩きやすくなりました。　ロクロノ頭の山頂に到着しました。標石は写真のような状態でしたので、すぐに見つかりました。保護石もありました。　周囲を整理して接写しました。点の記は明治期のもののみで、それによると割引岳、一ノ倉岳、仙ノ倉山、白板山、Ⅱ高石山を観測したようです。　国土地理院の成果は北緯 36°56′09″.1532、東経 138°53′54″.3712です。　こちらは先ほどのピークと違い灌木ヤブのため眺望は今一つで、かろうじて巻機山（写真）が見える程度でした。そのことを考慮すると、当初の予定を変更し手前のピークを経由した甲斐があったのではないかと思いました。　標石の近くにはアカモノや　ウラジロヨウラクが咲いていました。いずれもツツジ科です。また今回、ギンリョウソウ（写真略）も随所で見ました。同じくツツジ科です。　復路は当初予定していた尾根（写真）を下りました。往路で苦労したシャクナゲもありましたが、きつく感じるほどではありませんでした。しかし、こちらも急斜面で尾根がはっきりしないところがありました。ヤブの中、先の様子が見えないことからルートを外しやすく、何回か軌道修正を行いつつ慎重に取り付きまで下りました。　このブログでも何回か登場しているヒメシャガ、今年初めて見ました。　下山も終盤に差し掛かり、往路と復路の間にある沢に出ました。ここで顔を洗ったり……。　登っている途中で沢に雪が残っているのが見えましたので水は冷たく、おいしく感じました。安堵感とともに達成感を得た瞬間です。

  2024.06.13

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  室島城山を経てⅢ甘酒

  Ⅲ甘酒訪問日　2024年5月30日、晴れ一時薄曇り等級：三等標高：397.9ｍ1/25000地形図：岡野町　室島城山（367m）は、山頂に三角点はありませんが登山道が整備されています。Ⅲ甘酒はその西にあり稜線続きで国土地理院の地形図には室島城山から破線の径があることから、室島城山に登りさらにⅢ甘酒へ足を延ばしました。室島城山まで整備された登山道（散策道）、その先やや不明瞭な山径コースタイム：駐車場（9:52）→展望広場（着10:09、出10:13）→室島城山（着10:22、出10:41）→Ⅲ甘酒（着11:24、出11:54）→展望広場（着12:39、出12:53）→駐車場（13:04）　赤谷城山を往復した後、道の駅がある中仙田から国道403号線を南下し十日町市室島へ向かいました。集落内で国道から分岐する狭い道を室島城山へ向かって進むと駐車場（写真、4台可）があり、車を留め準備後歩き始めました。　駐車場に案内板（写真）がありました。ここから山頂まで標高差190mほどで、ちょうど30分くらいかかりましたので家族連れの場合はもう少し余裕を見ておいた方がよさそうです。　登山口の様子です。しばらく幅の広い径が続き、整備は良好でした。　この散策道は見どころに標柱や案内板が設置されており、時間に余裕がありましたのであちこち見ながらのんびり登りました。歩き始めて2分ほどで「庚申塔（家内安全五穀豊饒）」の標柱があり、少し離れたスギ林の中に青面金剛（写真）が祀られていました。よくある「庚申」の文字が刻まれた石碑ではなく、台座に「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿が彫られた典型的な石仏タイプの庚申塔です。　昔は車の往来があったと思わせる径（写真）で、途中、左側の斜面に好ましい広葉樹の林が広がっていました。　その先に「三十三番石仏」の案内板があり「薬師如来、大日如来を中心に群をなしており信仰の地となっている」とあります。　階段を登ると、左に大日如来、右にかなり古そうな薬師如来が鎮座しており、それらを取り囲むように三十三体の石仏が並んでいました。　さらに進むと展望広場に出ました。　北東（写真）が開けていましたが、地図を見てもその方向に高い山はなく、当日はやや曇り気味で遠望が利きませんでした。　ガマズミに蝶らしきものが留まっていましたので、これは絵になると思い写真を撮りましたが、調べてみるとキンモンガという蛾の仲間でした。　その先に分岐点があり、「右：室島城跡（頂上）約10分、左：黄金の湧水 約3分」とあり、地形図を確認すると、左は室島城跡を巻く破線の径で、そちらは後回しにして先に山頂へ行くことにしました。後々、左にあるとされる黄金の湧水で苦労することになりました。　最後にきつい階段があり登り切ると山頂でした。　山頂に案内板（写真）がありました。裏側に「室島城の豆知識」とあり築城年代などが記されていました。　他に山頂標識と石でできた工作物（写真中央）があり、食事がしやすいように木製のテーブルとベンチが置かれていました。　山頂標識には望める方向にある代表的な山が記されており、東は八海山や駒ヶ岳がうっすらと見え（写真）、室島集落を見下ろしました（写真略）。　南は苗場山、　北西は、手前の山が邪魔でしたが、刈羽黒姫山がかろうじて頭を覗かせていました。山頂標識に弥彦山の名もありましたが見えませんでした。また、稜線伝いにⅢ甘酒方向に踏み跡があるのを確認しました。　休憩後、分岐へ戻り黄金の湧水を目指しました。ところが途中から刈り払われておらず（写真）、強引に進んでみるものの湧水は見当たりませんでした。かなり勾配がきつく、崩落があったような斜面でした。　急斜面を登り室島城山より少し先の稜線に出ると堀切（写真）があり、やや不明瞭な山径がそこを通りⅢ甘酒方向へ続いていました。　径は手入れされていないようでしたが明瞭な場所（写真）もあり歩きやすく、Ⅲ甘酒の手前まで拾うことが可能でした。　ヤマツツジの花が咲いていました。　Ⅲ甘酒へは破線の径から外れるものの踏み跡（写真）がありました。心地よいブナ林の中を通りました。　Ⅲ甘酒に到着しました。標石は完全に落葉に埋もれており見つけにくい状況でしたが、山頂は数人いればいっぱいになるくらいの狭さで、さほど苦労することなく見つかりました。　国土地理院の成果は北緯 37°10′46″.4358、東経 138°39′45″.7914です。周囲はナラやブナなどの林で、ほとんど眺望はなく、かろうじて巻機山方向が見える程度でした。ここでお昼を食べようとしましたが、すぐ近に動物のうんちがあり別の場所で食べることにしました。　復路、おとなしく稜線伝いに山径を辿り室島城山に戻ればよいものを黄金の湧水が気になり、逆方向から再び巻き径に入りました。案の定、径はすぐになくなり茎に棘がある草などが繁茂した急斜面を横切る羽目になり再度難渋しました。結局湧水は見つからず余計な苦労をしてしまった自分が嫌になりました。唯一の収穫はオオバギボウシの花を見たことでした。お昼は展望広場で取りました。　室島城山は石仏など見どころが多く、登る価値のある山だと思いました。

  2024.06.09

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  赤谷城山（Ⅲ赤城）

  赤谷城山（Ⅲ赤城）訪問日　2024年5月30日、晴れ一時薄曇り等級：三等標高：296.4ｍ1/25000地形図：岡野町　5月30日は気分転換を兼ねたお手軽登山に切り替え、十日町市仙田地区の三角点巡りをしてきました。先ずはじめは赤谷城山です。地名辞典には赤谷に赤谷城跡があるとだけ記され、築城年代や城主など詳しい説明はありません。現地へ行ってみると曲輪や複数の土塁など城の遺構が残っていました。廃村となった越ヶ沢から登山道があるものの、手入れされておらず草木が繁茂しており、この時期ではなく4月下旬など春早い頃に訪ねた方がよさそうです。分岐まで農道歩き、その先登山道（跡）コースタイム：駐車地点（7:49）→分岐（着8:00、出8:03）→赤谷城山（着8:27、出8:54）→分岐（9:15）→駐車地点（9:27）　国道252号線、十日町市越ヶ沢にある越ヶ沢スノーシェッド2号の十日町側に農道の入口（写真）があります。国道の路肩が広がっていましたので、そこに駐車し歩き始めました。　はじめのわずかな区間だけ舗装されていましたが、すぐに写真のような状態になりました。農作業小屋（写真）があり、この先でカモシカが目の前を横切り森の中へ消えて行きました。ノイバラの白い花が咲いていました。　国道から10分ちょっと歩くと分岐があり左折しました。軽トラならここまで来ることが可能です。　左折側は車両がほとんど通っていない悪路でしたが徒歩なら問題ありません。途中、左側にブナを主体とした美しい広葉樹林（写真）が広がっていました。　その先、径は歩きやすい部分も残っていましたが、手入れされている様子はなく、草などが繁茂している場所（写真）が多くなりました。　山頂の一画が見えてきました。急斜面のため直接登らずに横から回り込むことにしました。　専門家やお城マニアではありませんので遺構についての詳しい考察は控えますが、手前と奥に土塁が2か所ありました。　登り切った山頂は主郭（曲輪）と呼ばれる平たんな地形で、そこに三角点はなく、その先、緩やかに北へ下って行く途中にありました。さらに標石の上に朽ちた木や落ち葉が積もって目につきにくくなっており（写真）、山頂到着から標石発見まで約5分ほどかかりました。　写真を撮りやすいように標石周りを整えました。　最近は見つけるのに手間取る三角点が多くなりました。　国土地理院の成果は北緯 37°11′56″.9140、東経 138°41′47″.8806です。近くにイタヤカエデの大木などがあり、測位精度は半径6mを示していました。通常は3m前後です。　標石のある場所から主郭を眺めました。かなり鬱蒼としたスギ林です。眺望もほとんどありませんでした。　主郭の端に大きな杉の木が2本並んでいました。このように2本並んでいるとよく夫婦杉とかと呼ばれますが、ここはどうなんでしょうか……　下山時、農道で越ヶ沢出身の古老に出会いました。子供の頃、越ヶ沢に43軒の家があったと話していました。今や国土地理院の地形図から地名が消え、唯一、国道のトンネルにその名を残すのみとなりました。

  2024.06.08

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  東谷山（Ⅲ東谷）

  東谷山（Ⅲ東谷）訪問日　2024年5月22日、晴れ等級：三等標高：1553.8ｍ1/25000地形図：土樽　湯沢町の三俣から三国にかけて国道17号線の東側に、タカマタギ、東谷山など地味な山々があり、その中心に位置する日白山（ニッパクサン、1631m）は最も高いものの三角点がありません。周辺の山には三角点が設置されており、先日登った白板山が予想以上に容易だったことから味を占め、今回は難度を上げ東谷山にチャレンジしました。この山は残雪期に日白山への経路としてよく登られていますが、標石も雪に埋もれている恐れがあり、無雪期に行かざるを得ません。この山の呼び名について、武内正著「日本山名総覧」には「ヒガシタニヤマ」とありますが、コンサイス日本山名辞典は「ヒガシヤサン」、昭文社の山と高原地図も「ヒガシヤサン」、点の記のフリガナは「ヒガシヤ」と記載されています。取り付きまで国道および遊歩道、その先のわずかな区間以外は径なしコースタイム：駐車地点（8:15）→取り付き（着8:34、出8:35）→クマ遭遇（着10:22、出10:29）→東谷山（着11:33、出12:21）→取り付き（着14:35、出14:42）→駐車地点（14:58）　貝掛温泉バス停から二居峠を経て平標登山口バス停へ至る遊歩道が「越後三国街道石畳のみち」と名付けられ、中部北陸自然歩道に選定されています。今回はほんのわずかですが、その一部を歩きますのでスタート地点である貝掛温泉バス停付近の路肩が広がっている場所に駐車しました。　ヘアピンカーブの国道を歩き、新境橋（写真）を渡ると左に遊歩道の入口があります。　遊歩道に入ってすぐの場所に車1～2台分のスペースがあり、ここに留めればよかったと後悔しました。遊歩道は車道になっており自動車も進入可能ですが、先に見える看板には「この道は遊歩道です。自動車・バイクの通行はできません」と書いてありました。　しばらく歩くと分岐（行動図の取り付き）があり左へ進みました。遊歩道は右です。　遊歩道の方には道標がありました。　左折後、道がはっきりしていたのはほんのわずかな区間で、スギ植林地に入り不明瞭な山仕事の小径を拾いながら進みました。　植林地の途中で径が分からなくなり、やがて広葉樹林に変わりました。このルートはブナの他、ウダイカンバ（写真）などカバノキ属やミズナラ、ウリハダカエデ、ヤマモミジなどが目立ちました。　標高1200m付近までは写真のようなヤブでした。ルートについては行き当たりばったりで選んだわけではなく、ある程度事前に調べています。適度に休憩を取りながらスローペースで登りました。　シラカンバでしょうか　ダケカンバの林もありました。　標高が上がるにつれネマガリダケが増え、難渋し始めました。　行動図に「クマ遭遇」と記したネマガリダケのヤブ（写真付近）で、7～8m左に動物の気配を感じました。クマでした。先に気付かれたようで、俊敏な動きでこちらへ突進してきました。後ずさりしつつ、ブナだったと思いますがたまたま近くに大きな木があり、直接襲ってこれないように隠れ、クマから見えないようにしていたところ、やがて一目散に逃げて行きました。覚悟しただけに事なきを得て安堵しました。もし怪我をしたとしても国道17号線に近いせいかスマホの電波状況は良好でした。　ヤブの中はクマの好物でもある姫タケノコが出始めており、それゆえ遭遇する確率が高かったのではないかと思われました。下の方へ逃げて行きましたので、時々ホイッスルを吹きながら登山を続けました。その先で一段とヤブがひどくなりました（写真）。　山頂に到着、ネマガリダケ混じりの灌木ヤブで地面はその枯葉で覆われており、標石の確認は甚だ困難ではないかと予想しました。しかし頭をし少し出していましたので探すこと約10分で見つかりました（写真中央）。保護石はありませんでした。　びっしり生えているコケは剥がすのが面倒でそのままにしておき、字面側を刈り払い接写しました。点の記は明治期のもののみで、それによると所在地は南魚沼郡三国村大字二居字東谷、ほかに「（測量）機械等の運搬稍困難なり　案内人を要す」と記されています。　国土地理院の成果は北緯 36°51′29″.1640、東経 138°47′56″.7257です。　ヤブで眺望は今一つでしたが、平標山（写真左）から仙ノ倉山へ続く稜線を望むことができました。他も多少見えましたが特筆するほどの山ではありませんでした。昼食を取り休憩した後、下山はハンディナビで進行方向を頻繁に確認しながらほぼ往路を戻りました。　今年は雪解けが早いせいか残雪は全くありませんでした。山頂付近にある程度雪が残っているとかなり楽に登れそうです。また、この時期にこの手のヤブ山に登る際は、数秒で噴射できる位置にクマ撃退スプレーを用意しておくべきとの教訓を得ました。

  2024.06.01

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  白板山（Ⅱ三俣）、湯沢町の秋葉山（Ⅲ秋葉山）

  白板山（Ⅱ三俣）訪問日　2024年5月18日、晴れ等級：二等標高：1248.3ｍ1/25000地形図：土樽　白板山は、仙ノ倉山、ロクロノ頭、筍山などとともに湯沢町にある二等三角点で、登っておきたい山の一つでした。先週、神立高原スキー場から稜線伝いに白板山を目指しましたが、途中ヤブがひどく急遽行き先を前ノ山に変更しました。モチベーションが高いうちに片付けておこうと思い、ルートを再検討した結果、三俣から水無林道・水無作業道をアプローチとして利用し登ることにしました。下山後、時間に余裕があったことから、車で移動中に登山口の看板が見えた秋葉山を再訪しました。　今年は年初にまだ訪ねていない三角点を調べ、それらを優先的に訪ねたことが功を奏し、例年になく速いペースで数を増やしており、前回記事にした犂山で900点に到達、この白板山で901点目になりました。重複や数え違い等があるかもしれませんので、今シーズン終了後に精査しようと考えています。水無作業道に遮断機あり駐車地点から作業道終点まで徒歩、その先径なし（ヤブ薄い）コースタイム：駐車地点（8:27）→水無作業道終点（着8:57、出9:02）→白板山（着10:06、出10:35）→水無作業道終点（着11:19、出11:21）→駐車地点（11:50）　最近工事が多い関越道を湯沢ICで降り信号を左折、国道17号線を通り三俣を目指しました。道の駅三俣を通過後、集落内に入り途中で左折し水無林道へ進みました。墓地を過ぎ、送電線が横切る標高点670m付近に駐車スペース（写真、4台程度可）がありましたので、車を留め準備後歩き始めました。　この辺りは国有林で水無作業道の入り口に遮断機（写真）があり、一般車両は進入できないようになっていました。　途中、これから登る白板山が見えました。見えているのは山頂ではなく尾根の先端部かもしれません。　先週登った前ノ山（右のピーク）も見えました。　歩くこと約30分、作業道の終点に到着しました。標高は867mです。　その先、踏み跡がどうか分かりませんが、スギ植林地のヤブが薄いところを歩きました。　徐々に広葉樹が混じるようになり、ヤブが濃くなってきました。　植林地の先はブナ林でした。踏み跡はありませんが薄いヤブです。新緑が心地よいものの勾配が急で楽ではありませんでした。　ブナの大木（写真）もいくつかありました。倒れている木も見られましたので原生林かもしれません。　このルートは等高線の間隔が狭く急斜面で、手がかりがないところを登ると滑り落ちる危険がありました。　ユキザサが咲いていました。若芽は山菜として人気があります。　山頂が近くなると笹（ネマガリダケ）がうるさくなってきました。尾根にけもの径らしきものがあり、マダニもいました。　拍子抜けするほど容易に到着、標石は笹ヤブの中にありました。　周りを少し刈り接写しました。山頂の笹は身長程度の高さでしたが、ミズナラ・ブナなどの林で眺望はほとんどありませんでした。　国土地理院の成果は北緯 36°53′07″.5601、東経 138°48′10″.8720です。点の記は明治期のもののみで、所在地は南魚沼郡三俣村字白板山、俗称 蝙蝠山とあります。標石の設置当時、ロクロノ頭、仙ノ倉山。筍山。苗場山。Ⅱ高石山を観測しています。軽く食事をした後、往路とほぼ同じルートを戻りました。（白板山 終了）秋葉山（Ⅲ秋葉山）訪問日　2024年5月18日、晴れ（初回訪問日1992年7月19日）等級：三等標高：590.2ｍ1/25000地形図：越後湯沢　白板山の往復が思いのほか呆気なかったことから、予定になかった秋葉山（あきばさん）を再訪ことにしました。湯沢町のホームぺージには「秋葉山は越後湯沢駅から近く、初級ハイカーに最適な山です。百体の観音様をまつる「百番観音」のルートであり、地元信仰の対象でもあります。 標高が590.2メートルと低いことから、夏季よりも新緑の春、紅葉の秋がおすすめ。温泉街に近く、気軽にトレッキングを楽しむことができます。山頂からは湯沢温泉の町並みが一望できます 」と記されています。山頂の道標によると、国道17号線七谷切と湯沢温泉・熊野からのコースがあります。送電線が山頂近くを通っているため、ほかに巡視路もありそうです。整備された登山道を歩く（国道17号線七谷切からのルート）コースタイム：駐車地点（12:20）→秋葉山（着12:37、出13:00）→駐車地点（13:14）　ここは過去3回登っていますが、国道17号線七谷切からのルートが短距離かつ標高差も小さいため、もっぱらここを利用しています。国道17号線の広い路肩に駐車し歩き始めました。登山口の看板（写真）は国道からよく見えます。　径は整備され、はじめは階段登りでした。　早速、路傍に観音様が現れました。台座に坂東一番とあることから坂東三十三観音の一番札所、杉本寺の十一面観音です。　その先で鳥居をくぐり鉄塔（写真）を通過しました。観音菩薩は番号順に随所に置かれ、途中の小ピークには四体並んでいました。　フジが咲いていました。つる性の植物で先日猿倉山に登った時はだいぶ苦しめられました。　暑かったので汗はかきましたが、苦労することなく山頂に到着しました。　ここは湯沢町で最も標高が低い三等以上の三角点（590.2m）です。昔、岩原スキー場のゲレンデにⅢ大原（当時の標高549.1m）がありましたが、廃点になったようで地形図から消えています。　国土地理院の成果は北緯 36°55′30″.0892、東経 138°49′00″.2870です。　石祠がありました。　ここまで坂東三十三観音の一番から十三番まであり、山頂に十四番から十九番まで並んでいました（写真）。先へ進み全部見たい気もしましたが、登り返す必要があるためあきらめました。　山頂は杉の木が多数あり眺めは今一つでしたが、西にNASPAスキーガーデンが見え、　南東に足拍子山（左）や谷川連峰の山（右）を望み。北は湯沢町の市街地が見えました。　下山開始後、5月11日に歩いた神立高原スキー場を望みました。左の急斜面はスキー場名物のオリオンコース、今日登った白板山（写真中央）も見えました。　下山後、三国川ダム周辺の下見をして帰宅しました。（秋葉山 終了）

  2024.05.28

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  高ノ峰（Ⅱ大峰）を経て犂山（Ⅲ鬼伏）

  高ノ峰（Ⅱ大峰）訪問日　2024年5月14日、晴れ（初回訪問日1995年5月7日）等級：二等標高：577.5ｍ1/25000地形図：梶屋敷犂山（Ⅲ鬼伏）訪問日　2024年5月14日、晴れ等級：三等標高：750.9ｍ1/25000地形図：梶屋敷　糸魚川市の犂山（からすきやま）は難読山名で「犂」を辞書を引くと「田畑を耕す農具の一種」とあり、山容がそれに似ているのか、えぶり差岳のように犂を持った人の雪形が現れ農事暦として利用されているのか、その由来は分かりませんが名前に惹かれて登りたくなります。整備された登山道ではありませんが、途中まで山径があるとのことです。また、高ノ峰※は、1995年5月に崩山集落から林道や送電線巡視路を利用して登りましたが、最近、えちごトキめき鉄道の浦本駅から立派な登山道があると聞き、これら二つの山が稜線続きであることからつないで登りました。　※国土地理院の地形図では「高峰」と記載されていますが、案内図や道標はすべて「高ノ峰」となっていますのでこのブログも高ノ峰の呼称にしました。高ノ峰まで整備された登山道、山径合流まで不明瞭な踏み跡、コルまで山径、その先犂山まで不明瞭コースタイム：浦本駅（8:32）→登山届提出所（着8:37、出8:43）→展望台（着9:09、出9:14）→ヘリポート（着9:33、出9:36）→高ノ峰（着9:56、出10:20）→山径合流（着11:08、出11:12）→コル（着11:46、出11:51）→犂山（着12:09、出12:40）→山径合流（着13:25、出13:29）→高ノ峰（着14:12、出14:21）→展望台（着14:52、出14:57）→浦本駅（15:25）　北陸道を能生ICで降り、高ノ峰登山口があるトキ鉄の浦本駅（写真）を目指しました。高ノ峰の登山だけなら特急しらゆきで直江津まで行き、そこから泊行きの普通列車に乗り換え浦本駅で下車し往復できますが、浦本駅の到着時刻が10時19分であることから、犂山まで足を延ばすとなると話は変わってきます。1本前の列車もありますが、長岡から先は普通列車になるため途中で通勤・通学ラッシュと重なります。そのような理由で今回は自動車を使用しました。ただし難点があり、浦本駅付近に駐車場がありません。車の置き場で苦慮していたところ、駅の横にある間脇会館に十数台分の契約駐車場があり、そのうち数台分空いているとのことで「留めてもOKですよ」と近所の奥さんに教えてもらいお言葉に甘えさせていただきました。承諾を得る必要があるかと思います。　駅の横に浦本山の会が設置した分かりやすい案内図があり、それを頭に入れ登山口を目指しました。　トキ鉄のガード（写真）をくぐり右折しました。左折は浦本駅のホームに直結しており、直江津からの列車を降りると駅舎を通ることなく、登山口や海岸寺へ行くことが可能です。ガードの突き当たりに飲めるかどうかわかりませんが水が出ている場所があり、泥落とし用として設けられているなと思いました。　道標もきちんと整備されていました。　海岸寺の横を通過、路傍に如意輪観音や地蔵菩薩などたくさんの石仏が鎮座していました。　登山届の記入所がありました。投入箱に鍵がかかっていましたので個人情報の漏洩はなさそうです。　径は丁寧に刈り払われ、歩きやすいように整備されていました。その先でスギ植林地に入り、しばらくジグザグに登りました。　一合目の八方の坂（写真）を通過しました。高ノ峰までの間にいくつか送電線巡視路が分岐しますが、道標があり迷うことはありません。　二合目の展望台は休憩に好都合な場所にあり、ベンチも多数設置されていました。　そこに道祖神（さいの神）が祀られ、花も供えられていました。　展望台と呼ばれるだけあって眺めも良く、南西は青海黒姫山や朝日岳などが見えました。　北西は眼下に浦本漁港が見えました。地名辞典によると、浦本は明治22年～昭和29年の西頚城郡の村名で間脇、中浜、中宿の各大字で構成されていたとあります。　その先しばらく進み六合目のヘリポートに到着。地形図では標高点472m付近でちょっとした広場（写真）がありました。ここを過ぎると高ノ峰山頂まで緩やかな登りが続きました。道中、径の傍らに木や草花を紹介する名札が多数ありましたが、春と夏の花の入れ替わりの時期に当たっているせいか、咲いていたのはタニウツギやイワカガミ、チゴユリくらいでした。名札の中にササユリに混じってスカシユリがあったのには少々驚きました。　七合目を過ぎ滝見台と呼ばれる場所に着きましたが滝は見えませんでした。その先、心地よい林の中（写真）を歩くようになり、九合目に最後の分岐がありました。　山頂の一画に到着しました。ブナ林の中に不動明王が鎮座していました。新しめの石仏です。歩きやすかった登山道に感謝し貯金箱に賽銭を入れました。　三角点は不動尊の少し先にあり、南から西にかけて開けていました。標石の周囲に保護石が4個ありました。　接写の際に刈り払いの必要はありませんでした。基準点配点図の点名は大峰Ⅰですので、近くに大峰Ⅱの点名の山があるものと思われます。　国土地理院の成果は北緯 37°03′19″.5218、東経 137°57′08″.9708です。前回登った当時の写真を見ると高ノ峰の山頂は三角点だけでこれほど整備されていませんでした。　眺望は全方向見えませんが、西から南西にかけて青海黒姫山や明星山、朝日岳や雪倉岳などの山々（写真）を望みました。左手前に戦国時代の山城跡である不動山もかろうじて見えました。　南側をのぞき込むと、左から雨飾山、鋸岳、鬼ヶ面山、駒ヶ岳も見えました。眺望図があり山座同定がしやすくなっており、至れり尽くせりの山です。　高ノ峰の先は不明瞭な踏み跡で、パッと見、ヤマウルシ、ユズリハ、ツバキなどのヤブで入るのがためらわれました。トレッキングポールをデポし意を決して進みました。　広い稜線ではブナ林が広がり、その下はユズリハぐらいで歩きやすい場所（写真）もありましたが、狭くなると踏み跡はヤブを避け稜線のすぐ下を歩くようになり、斜面ゆえに足場が悪く、よく観察しないとわかりづらい上に、横に張り出している木を跨いだり、くぐったり、踏みつけて進んだりと楽ではありませんでした。特に標高点651mの手前がきつく感じました。途中、ツクバネウツギが咲いていました。　標高点651mに到着、ここで山径（写真）に合流、一時はどうなることかと思いましたがホッとしました。行動図に合流方向を矢印で示しました。この山径は東海（ひがしうみ）集落から一部送電線巡視路を利用し、さらに標高点460mを経て登ってきているものと思われますが、実際に歩いたわけではありませんので詳細な経路などは分かりません。犂山だけであればこちらの径を利用した方が楽に登れると思われます。　山径と不明瞭な踏み跡では格段の差がありとても歩きやすく感じました。所々、布やリボンが木に付けられていました。　途中見晴らしの良好な場所があり、海谷山塊などが見えました。　犂山手前にある標高約730mのピークに到着しました。そこから梢越しに犂山（写真）が見えましたが、一旦コルまで標高差70mほど下る必要がありました。　コルの手前にも見晴らしの良い場所があり、焼山（中央やや右）や火打山（左）が見えました。　山径はコル付近まで拾えますが、その先で不明瞭になりました。やや急な斜面ですが、山頂へ向かってヤブの薄い場所を選んで登りました。この辺りから山頂までブナ林が広がっていました。　到着しました。眺望はありませんがブナの新緑が心地よく感じられました。　こちらも周囲に4個の保護石がありました。点名の鬼伏（おにぶし）は糸魚川市の大字で日本海に面した小さな集落ですが、古川の上流部までその範囲に含まれます。由来は八幡宮の神が鬼と力比べをして懲らしめ伏せたという言い伝えによるものとされています。　国土地理院の成果は北緯 37°02′54″.8894、東経 137°58′10″.0882です。　山頂に名前の記された木製のプレートがありました。記念に名を残したいという気持ちはわからなくはありませんが、SNS等で晒される危険があり、いかがなものかと思います（一部画像処理しています）。

  2024.05.24

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  前ノ山（Ⅲ滝ノ平）

  前ノ山（Ⅲ滝ノ平）訪問日　2024年5月11日、晴れ等級：三等標高：1079.3ｍ1/25000地形図：土樽　前ノ山（Ⅲ滝ノ平）は南魚沼郡湯沢町三俣の東にある標高1079.3ｍの山で、国土地理院の地形図では無名ですが、武内正著「日本山名総覧」にその名が記載されています。当初、この山ではなく白板山に登るべく神立高原スキー場からのルートを計画しましたが、誤算が重なり急遽行き先を変更、前ノ山へ行ってきました。スキー場管理道や不明瞭な踏み跡などを歩くコースタイム：駐車地点（8:13）→分岐（9:03）→Ｅリフト終点（着9:16、出9:25）→Ａ地点（着10:21、出10:39）→鉄塔（着11:06、出11:08）→前ノ山（着11:20、出11:38）→Ａ地点（着12:23、出12:43）→Ⅳ神立（着13:30、出13:34）→正面山側の鉄塔（着13:47、出13:59）→駐車地点（15:00）　関越道を湯沢ICで降り、国道17号線を通り神立高原スキー場へ向かいました。駐車場へ通じる車道のすべてに車止め（写真）が設置され中に入れないようになっており、歩いて行く必要がありました。第一の誤算です。1995年（平成7年）10月に神立高原スキー場から正面山へ登った際、どこに駐車したか覚えておらず、計画段階では進入可能と考えていました。地元の山菜採りの車は何台か入っていました。　車止め手前の路肩の広い場所に駐車し、ゲレンデ内の管理道（写真）を最上部目指し歩き始めました。　歩くこと約50分、稜線に到着、行動図の分岐地点（写真）で右折しました。直進は正面山方向です。車で入れると想定した場合、この付近まで乗り入れ可能です。　　右折した道は急勾配かつ悪路で、乗用車は入れそうもありませんでした。写真左上のEリフト終点がこのスキー場の最も高い場所で標高約965mです。　Eリフト終点は眺望が良好で、東は尾根伝いに正面山（写真中央）が見え、その背後は巻機山（左）から柄沢山へ続く上越県境で大源太山（写真右端）も見えました。　北は眼下に湯沢の市街地、飯士山もよく見えました。西は尾根伝いにさらに高い場所があるため見えませんでした。　国土地理院の地形図にはEリフト終点の先、稜線に沿って破線の径が記載されていますが、ほぼ廃道化していました。そこそこ明瞭な径があると思っていましたので、第二の誤算です。　しかし、かろうじて拾える程度の踏み跡はあり、それを外さないようによく観察しながら進みました。稜線上に林野庁の境界標（写真）が点在していました。タムシバやユキグニミツバツツジ、イワウチワやイワカガミが咲いていました。　標高が高くなるとシャクナゲのヤブが現れ始めました。　シャクナゲはちょうど花の終わりで、まだ咲いているものもありました。　白板山との分岐点である行動図A地点（標高約1150m）に到着しました。ここにも境界標がありました。白板山へ向かって歩き始めましたが、シャクナゲ、リョウブ、クロベ、イヌツゲ、ササなどのヤブで早々にあきらめました。後で考えると、もう少し先へ行き状態をよく観察すべきでした。　計画段階では、ここから白板山まで直線距離で約1,060mと短いことから踏み跡くらいはあるだろうと予想していました。第三の誤算です。先日登った猿倉山は距離1,120mを3時間かかりましたので、最悪同等のヤブを想定すると、強引に突き進んでも結局途中で引き返す事態になりかねず、ボウズで終わる可能性があり、踏み跡が続く前ノ山へ行くことにしました。　前ノ山方向へ進むと見晴らしの良い場所があり、苗場山や神楽スキー場を望むことができました（写真）。他にも高石山や飯士山が見えました。　行動図B地点の境界標（写真）から稜線に沿ってかなり気合の入った切り開きが現れました。大きな標石が終点でしたので、林野庁かその下請け業者が刈ったものと思われます。　今までと打って変わってすこぶる歩きやすくなりました（写真）。木に巻かれたテープに2023.7.17と記されており、昨年刈ったものと判明しました。　しかし、利用できたのはほんのわずかな区間で、刈り払われた径をそのまま進むと方向が変わり前ノ山へ行けなくなりますので、途中でブナ林（写真）に入りました。　鉄塔に到着しました。送電線に沿って巡視路が南西から北東へ通じていました。東北電力ではなく東京電力の鉄塔です。　前ノ山の三角点は鉄塔の西にありますので、そちらへ向かいました。不明瞭な踏み跡（写真）がありました。　さほど苦労することなく到着しました。周囲は灌木ヤブで眺望はありませんでした。　邪魔なササなどを刈り接写しました。この三角点を訪ねるだけなら、三俣から送電線巡視路を利用した方が短距離・短時間で着きます。　国土地理院の成果は北緯 36°53′50″.0514、東経 138°47′32″.2990です。ブヨがうるさかったので軽く食事を済ませ早々に出発しました。その後、A地点で残っているものを食べ、行動図の分岐まで戻りました。最近、日が長くなっていることから、もし明瞭な径があればついでに正面山にも登ろうと思い、稜線に沿ってさらに進みました。　途中、Ⅳ神立（891.2m）の保護石が遠目で確認できましたので立ち寄りました。コンクリート製の柱石の上に金属標が付いた軽量標識でした。　Dリフトの終点までスキー場管理道を歩き、その先でブナ林に入ると、途中で送電線巡視路（写真）に合流しました。　正面山側の鉄塔に到着しました。こちらも東京電力の鉄塔です。　正面山は、さらに稜線に沿って進む必要があり、入口にリボンがあり踏み跡もありそうでしたが、見たところかなりヤブっぽく（写真）時間が掛かりそうなので、ここで引き返すことにしました。前に一度登っていますのであっさりあきらめました。　復路、Eリフト西側にあるスキー場名物のオリオンコースを下から見上げました。このコースは最大斜度45度（平均斜度35度）とのことで、若いころスキーをやっていましたがとてもじゃないけど怖くて滑れないなと思いました。　今回、広範囲に動き回った割に満足な結果が得られませんでした。登る予定だった白板山については、後日ルートを再検討することにしました。

  2024.05.23

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  男山（Ⅲ男山）

  男山（Ⅲ男山）訪問日　2024年5月4日、晴れ等級：三等標高：585.0ｍ1/25000地形図：石黒　柏崎市の高柳町地区にある男山。一昨日の猿倉山に引き続きゴールデンウィークに登る山としてはかなり地味ですが、この時期に登っておかないと苦労します。国土地理院の地形図には、男山から北西に延びるの尾根が県道78号線（廃道）と交わる場所に神社記号と建物（行動図に拡大図を掲載）が記されており、そこも気になっていましたので併せて訪ねてきました。　ここは2023年11月16日に、4時間もあれば往復できるだろうと甘い考えで、11時頃から神社記号から男山山頂へのルートで登りはじめましたが、途中、ススキの草道で難渋、その先ヤブをかき分けて進むようになり、時間が押してしまいやむなく引き返した苦い思い出があり、今回は本腰を入れて取り組みました。農道→廃道化した作業道→径なし（赤のラインが今回歩いたルート、茶色のラインは2023年11月16日に歩いたルート、スタートから渡渉点までほぼ同一ルート）コースタイム：駐車地点（7:44）→A地点（8:01）→渡渉（着8:45、出8:49）→男山（着9:39、出10:09）→石祠（着10:42、出10:52）→渡渉（着11:46、出11:50）→駐車地点（12:34）　柏崎市にある磯之辺集落センターに駐車しました。5台程度駐車可能です。後ろに十二神社がありました。磯之辺には黒姫山の登山口があり、行動図の作成中に気付きましたが、尾根伝いに直線だった黒姫山登山道がジグザクに変わっていました。より実態に即して好ましいのですが、相変わらず廃道化している県道78号線を載せているのがいただけません。　集落センター横の農道を歩き始めました。沢を通過し、しばらく進むと分岐（写真）があり右折しました。　軽トラなら行動図のA地点まで入ることが可能です。その先、径は写真のような状態になりますが、歩きやすいのはこの時期だけで、夏から秋にかけては背丈を越えるススキなどが繁茂し、刈り払いされませんので手間取ります。　途中、これから登る男山（写真）を望む場所がいくつかありました。　この径は作業道が廃道化したものと思われ、徐々に不明瞭になりますが、砂防堰堤（写真）まで拾うことが可能です（行動図の渡渉地点）。　往路は途中で遠回りをしてしまい、堰堤のかなり上流側を渡渉しました。　堰堤から先へ進むと、昔の水田跡と思われる棚田のような場所がありました。　スギ植林地の斜面を登り、男山へ通じる主尾根に近づくとヤブをかき分け進むようになりました（写真）。きついヤブではありませんが、同じような場所が続き、ハンディナビに頼りがちになりました。ナビはスイッチの調子が悪く、下山終了まで何とか持たせるため丁寧に取り扱う必要がありました。　主尾根に出ると踏み跡が現れ、男山の山頂へ近づくにつれ徐々に明瞭（写真）になりました。イワカガミやチゴユリが咲いていました。　山頂は鬱蒼とした広葉樹林の中にあり、薄暗く感じました。三角点標石は落ち葉に埋もれかかっていました（写真）。　少しだけ笹などを刈り接写しました。　国土地理院の成果は北緯 37°12′45″.4420、東経 138°36′05″.8231です。　山頂の北側は新緑のブナ林が広がっていました。展望は皆無に等しく、刈羽黒姫山が樹間からかろうじて見える程度でした。ブヨがうるさく、軽く食事を済ませた後、30分ほどで退散しました。　遠回りになりますが、男山から北西へ延びる尾根が県道78号線（廃道）と交わる場所を目指しました。地形図を拡大すると建物のマークが記載されていますので、何があるのか期待がふくらみました。所々、地形図に破線で記載された廃道跡（写真）が山の斜面に観察されますが、横に木が張り出していたり、一部崩れていたり、歩きにくい状態でした。　到着しました。石祠のパーツでしょうか？、ヤブの中に石で出来た人工物がいくつか散らばっていました。　社（やしろ）があるのではないかと期待していただけに少々がっかりです。10分ほどで下山を開始、適当に下ったため砂防堰堤まで往路とかなりずれてしまいました。　下山時、農道を歩いている途中でアナグマが向かってきましたが、こちらに気付いた途端、慌てて逃げて行きました。表情がユニークでかわいらしく、写真を撮っておくべきでした。そこからは巻機山など上越県境の山々がうっすらと見えました（写真）。

  2024.05.19

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  南魚沼市の猿倉山（Ⅱ猿倉山）

  猿倉山（Ⅱ猿倉山）訪問日　2024年5月2日、晴れ等級：二等標高：687.8ｍ1/25000地形図：五日町　猿倉の名が付く山は長岡市に猿倉岳、魚沼市の守門岳の近くに猿倉山がありますが、いずれも三角点はなく、唯一、南魚沼市の猿倉山に二等三角点があります。五十嵐秀太郎著「新潟県地名考」によると「猿」のつく地名のほとんどは崖崩れの意味があり、この山の北斜面に崖の記号がいくつか見られます。　登山道の有無は知りませんが残雪期によく登られており、無雪期の登山記録では六万騎山から長森山を巡る登山道の途中、標高点551mの西側から稜線伝いに堂平山を経て猿倉山に登るというのがありましたが、途中かなりのヤブ漕ぎを強いられたようです。そのようなことからいろいろ検討した結果、南魚沼市山口から林道を歩き、行動図の取り付き地点から猿倉山に直接突き上げる尾根を登ることにしました。取り付きまで林道、その先、密ヤブ径なしコースタイム：駐車地点（7:52）→取り付き（着8:12、出8:16）→猿倉山（着11:18、出12:00）→取り付き（着14:09、出14:15）→駐車地点（14:36）　六日町八海山スキー場にほど近い南魚沼市山口の林道山口明川線の入口付近に駐車しました（行動図スタート・ゴール地点）。遮断機は無く車で入れそうでしたが、悪路が予想されるため歩いて行くことにしました。　橋を二つ渡りしばらく進むと路傍に庚申塔（写真）がありました。数人の山菜採りとすれ違いました。　途中に分岐（写真）があり、左折しました。左は通る車が少ないようで荒れていましたが、タイヤ痕はありました。　一旦、沢を跨いでから尾根に取り付きますので、下りやすい場所を探していたところ、リボンがあり沢へ向かって鉈や鋸で切り開かれていましたので、そこを通ることにしました（行動図の取り付き）。　沢のほとりに境界標（写真）があり、切り開かれていたのはここまででした。　登りやすそうな場所を探しながら、少しだけ沢伝いに進みました。　尾根に出たところ、つる草が多く、それが体に絡みついて身動きできなくなり大幅ペースダウン、モチベーションが低下しました。たちの悪いことに鋭い棘のイバラも混じっており、せめてナイフを乗ってくるべきだったと後悔しました。筋金入りの密ヤブで、この尾根を選んだのは大失敗でした。　つる草はなるべく上から踏みつけ、もがきながら進みました。振り返るとふもとの集落が見え、多少高度感がありました。　草地を脱しても歩きやすいところはほとんどなく、今度はツバキやリョウブ、ツツジ、ネマガリダケなどの密ヤブが現れました。　何とか到着しました。沢からの直線距離1,120m、標高差380mに約3時間かかってしまいました。　山頂は狭いものの5～6人ほど休憩できるスペースがありました。　国土地理院の成果は北緯 37°06′45″.5169、東経 138°57′09″.5858です。　眺望はそこそこありそうでしたが、当日は雲が多く、八海山（写真）の山頂は雲の中、左に八海山ロープウェーの山頂駅が見えました。　阿寺山（写真中央）はかろうじて頂上まで確認可能でした。　こちら左は巻機山ですが山頂は雲の中、右の金城山は確認できました。他は六日町の市街地が背伸びをしてやっと見える程度でした。　ギフチョウ（写真）やヒオドシチョウ、アゲハ、カラスアゲハが多く、乱舞していました。　やや不明瞭な山径が山頂に通じているように見え、そこを下ってみたかったのですが、駐車地点から離れた場所に着く可能性もありますので、往路を戻ることにしました。方向を間違わないように頻繁にハンディナビを確認しながら慎重に下りました。途中で雲が取れ始めた八海山を望みました（写真）。

  2024.05.09

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  放山（Ⅱ放山）

  放山（Ⅱ放山）訪問日　2024年4月28日、晴れ等級：二等標高：1189.4ｍ1/25000地形図：湯川内　放山（はなれやま）は二等三角点ということもあり訪ねておきたい山の一つでした。そのアプローチとしてシャルマン火打スキー場が利用可能と聞きホームページをチェックしていたところ、一週間くらい前から4月29日をもって今シーズンの営業を終了とアナウンスしてました。標高が1200m近くあり、早すぎると三角点標石が雪に埋もれている可能性がありますので、終了間際の好天の日を狙っていたところ、ゴールデンウィーク前半の日曜日である4月28日が快晴の予報でしたので満を持して出掛けました。主として残雪を歩く、夏道が出ているところありコースタイム：リフト山頂駅（8:43）→放山（着9:23、出9:34）→ヤブ地点（着9:45、出9:50）→放山（着9:58、出11:32）→リフト山頂駅（12:02）　北陸道を能生ICで降り右折、糸魚川市西飛山にあるシャルマン火打スキー場を目指しました。リフトの運転開始時間は8時30分ですが、自宅を出発するのが早かったため8時前に到着しました。既にかなりの車が留まっていました。スキー場を眺めるとゲレンデ下部はほとんど雪が無い状態でした（写真）。　放山に登るには入山届が必要で、あらかじめ記入しておいたものをレンタルコーナーの受付に提出しました（入山届の用紙はスキー場のホームページからダウンロード可能）。その際、山の様子やコースタイムなどを教えてもらいました。雪の状態にもよるかと思いますが、リフト山頂駅から放山まで約1時間、そこから空沢山（1420.8m）まで2時間とのことでした。リフトは1回券を2枚（往復）購入する必要があり1200円でした。　リフトの運転開始15分くらい前に乗り場へ行くと、すでに常連さんが一人並んでおり、朝一番のリフトに相席しました。山頂駅まで7～8分、スキーやスノーボードの話に花を咲かせました。　山頂駅到着後、トレッキングポールの組み立てや靴ひもの締め直し等を行い、パトロール室右手にある入山入口（写真）から歩き始めました。　歩き始めてしばらく進むと、夏道歩くようになりました。その先、雪で確認できませんが放山まで夏道がありそうです。　雪解け直後の路傍にイワウチワ、　ユキグニミツバツツジ（写真）やイワカガミが咲いていました。　パトロール隊員の話では、前日に2組入山したとのことで雪の上に複数の足跡が残っていました。　山頂目前で「放山山頂 すぐそこ1分」「P1205あと300m」の標識がずいぶん高い場所に掲げられていました。他にも所々リボンが木に巻き付けられていました。　到着しました。あたりを見回したところ三角点標石は見当たらず、雪の下ではないかと思いました。時間に余裕がありましたので、しばし休憩後、尾根続きの空沢山に向かって歩き始めました。　しかし尾根がやせてくると高密度のヤブが現れました。ここを突破したとしても、その先にもブッシュの出ている場所がありましたので、しばらく悩んだ後、引き返して放山の山頂でのんびり過ごすことにしました。もし行ったとしても、放山の標石すら雪の下なのに空沢山の標石が出ている可能性は低いと判断しました。　放山の山頂は雪のおかげで360度のパノラマが広がっていました。南から時計回りに焼山が見え、　焼山山頂に噴煙らしきものが見えましたのでクローズアップしました。　南西から西にかけて海谷山塊、　北に鉾ヶ岳（左）や突鶏峰（右）、　東に大毛無山、　南東に不動山。昔は不動山の登山口付近まで車で入れましたので2度登りました。芭蕉池を通るコースも利用可能でした。　容雅山。登るのが難しい山です。　再び南に戻って火打山です。右端に尾根続きの空沢山が見えますが、ピークのように見えません。　頂上で景色を眺めたり昼食を取ったりしていると夫婦と思われる二人の方がやってきました。そろそろ下山しようかと思っていた頃、山頂標識のすぐ近くに標石がうっすらと見えることに気付き、雪をどかしました（写真）。休んでいる間に雪解けが進んだものと思われます。前出の山頂標識の写真と見比べるとわかります。　ハンディナビが指す標石の位置は実際に位置から数メートルずれており、見つかったのはラッキーでした。　国土地理院の成果は北緯 36°58′58″.1307、東経 138°03′07″.8570です。　時間がありましたので下山は歩くことも可能でしたが、滑っている人の邪魔になりますし、リフト券を持っていましたのでリフトに乗りました。　高速道路料金やリフト代金を考えると、絶景をお金で買っているようなものだと思いました。しかし、その価値は十分ありました。顔がほてるくらい日焼けしました。

  2024.05.06

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  鉢巻山（Ⅲ鉢巻山）、八ヶ峰（Ⅲ八ヶ峰）

  鉢巻山（Ⅲ鉢巻山）訪問日　2024年4月26日、晴れ等級：三等標高：412.2ｍ1/25000地形図：高田西部八ヶ峰（Ⅲ八ヶ峰）訪問日　2024年4月26日、晴れ等級：三等標高：291.0ｍ1/25000地形図：高田西部　ゴールデンウィーク突入前の4月26日は好天の予報で、前から気になっていた上越市高田の西部にある鉢巻山と八ヶ峰をセットで登ってきました。両方とも標高が低いのでさほどきつくありませんが、不明瞭な山径で、特に鉢巻山はいろいろと難度が高い山でした。鉢巻山：上湯谷集落跡まで径なし、その先不明瞭な山径コースタイム：ゲート1（8:35）→沢（8:43）→上湯谷集落跡（着9:06、出9:13）→標高点365m（着9:59、出10:03）→鉢巻山（着10:25、出11:01）→上湯谷集落跡（着11:54、出12:01）→ゲート1（12:28）八ヶ峰：不明瞭な山径コースタイム：駐車地点（12:54）→八ヶ峰（着13:34、出14:09）→駐車地点（14:40）　北陸道から上信越道を通り上越高田ICで降り、県道63号線を北へ進むと県道199号線との交差点があり左折しました。上越高田ICを利用すると通勤ラッシュで混雑している市街地を通らずに済むので利便性に優れます。儀明（ぎみょう）集落を通過し、さらに進むと左にゲート1（仮称、写真）があり、開いていましたので左折し上湯谷（かみゆだに）集落を目指しました。陸上自衛隊上湯谷射撃場の入口にゲート2（仮称）があり、若い自衛隊員が見張りをしていましたので目的を告げ、上湯谷まで入れてもらおうと許可を求めました。上司と連絡を取ったり、いろいろ便宜を図ってもらいましたが、結局許可が下りず、あきらめざるを得ませんでした。国土地理院の地形図を見る限り、そこを通らないことには上湯谷へ車で入れません。当日は射撃訓練が行われており、ゲート1は夕方まで開いているとのことで、ゲート2の手前までは大丈夫と言われました。このやり取りで30分以上タイムロスをしてしまいました。　辺りを調査すると水路が沢へ通じている場所があり、その横に草が被ったコンクリートの階段（写真）がありましたので、県道脇のスペース（数台可）に車を移動し、そこから歩き始め階段を下り沢へ行き、遡行して上湯谷へ行くことにしました。　沢に着きました。鉄分が多そうな茶色の沢です。　途中に古い砂防堰堤があり、巻いて通過しました。　やがて水田の跡らしき平坦な場所（写真）が現れ、そこを進みましたがぬかるみに足を取られました。至近距離でアナグマが慌てて巣に戻りこちらもびっくりしました。　上湯谷に到着しました。廃村です。建物や放置された車がありました。地名辞典によると「上湯谷は江戸期に温泉が出て、その後冷泉になったものの効能が認められ、沸かし湯を開業して評判になった」とあり、湯治客でにぎわっていた頃もあったようです。途中、自衛隊の施設や多くの軍用車がちらっと見えました。射撃練習の発砲音がかなりうるさく感じました。　廃屋がありました。当日は誰もいませんでしたが、人が立ち寄っている気配がありましたので、自衛隊の施設を通らずにここに来るルートがあるのかもしれません。　雨量所です。ここまで電線は来ています。その先、墓地の脇を通過し、スギ林の中へ入りました。　スギ林を抜け、しばらく水田跡を歩きましたが、途中で径が分からなくなり、笹ヤブ（写真）を通過し、斜面をよじ登り尾根に出ました。地形図を見ると2系統の送電線が上湯谷集落の北と南を横切っていますが巡視路は見当たりませんでした。　尾根を進んで行くと山径が現れました。ヤブっぽい場所と明瞭な場所が入り混じっていました。　尾根の東側に防衛庁の立ち入り禁止の注意書きがありました。　境界標が点在しており、5m程度の間隔で横に2個並んで設置されている場所もありましたので、確認すると建設省（現 国土交通省）と防衛庁（現 防衛省）の2種類ありました。　標高点365mを通過すると、行程中、唯一見晴らしの良い場所があり、眼下に直江津の市街地（写真）が見えました。この辺りはユキグニミツバツツジやイワカガミが咲いていました。　歩き始めてから山頂まで2時間かかりませんでしたが、ずいぶん疲れました。あたりは発砲音の他にヘリコプター音まで鳴り響いていました。　少しだけ標石周りを刈り接写しました。近くに測量用の長い定規が放置されていました。周囲は2m以上の笹ヤブで眺望はほとんどありませんでした。隙間からわずかに青田難波山が見えました。　国土地理院の成果は北緯 37°06′03″.9248、東経 138°11′15″.2201です。理にかなっていないと思いつつも下山は往路を戻りました。途中、間違いやすいところがいくつかありましたので、GPSがあると安心です。（鉢巻山 終了）　続いて八ヶ峰です。上湯谷射撃場入口から県道199号線をさらに西へ進み上綱子（かみつなご）を通過、標高約200mの尾根の路肩（数台可）に車を留めました。国土地理院の地形図はここから八ヶ峰へ向かって破線の径が延びています。準備後歩き始めました。　尾根は前途多難を思わせる高密度の笹ヤブで、かすかに踏み跡らしきものがありましたが難渋しました。　途中、右の方からの幅の広い径（写真）が合流、下に県道が見えましたので、そちらから歩き始めるべきでした。下山時、ここから県道に出ました。　しばらく笹の密生が続き辟易しましたが、そこを通り過ぎると快適に歩けるようになりました（写真）。径は不明瞭なところが多く、よく観察していないと外しやすいのですが、尾根伝いですので迷うことはありません。　山頂が近づいてくると、主としてナラの林になり新緑が心地よく感じました。路傍にイワカガミが咲いていました。　到着しました。標高差100m程度の山でしたが、午前に登った鉢巻山の疲れが尾を引き、最後はバテ気味でした。歳のせいかもしれません。　周囲を刈り払い接写しました。上湯谷射撃場の発砲音がここまで聞こえてきました。　国土地理院の成果は北緯 37°07′12″.0966、東経 138°09′39″.0025です。　眺望はさほどよくありませんでしたが、日本海（写真）や鉾ヶ岳や峰山などが梢越しに見えました。　山頂はナラの他にブナもあり、ユキグニミツバツツジ（写真）が咲いていました。（八ヶ峰 終了）　帰宅の際、24年ぶりに高田城址公園の本丸跡にあるⅡ本丸の標石（写真）を訪ねました。咲いていればラッキーとの思いで、その足で社地山のエドヒガンを見に行きましたがすでに花は終わっていました。開花時期は4月中旬くらいかと思われます。

  2024.05.03

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  Ⅲ池ノ袖、Ⅲ炭釜、天王山（Ⅲ天王山）

  Ⅲ池ノ袖訪問日　2024年4月15日、晴れ等級：三等標高：170.1ｍ1/25000地形図：岡野町　前日の村上市朝日地区の三角点巡りに引き続き、翌4月15日は柏崎市の南部と旧高柳町にある三角点を計3点訪ねてきました。まだ4月というのに出発前の天気予報では、長岡市の予想最高気温がフェーン現象で29℃になると報じていました。しかし径が不明瞭な低山・丘陵地はこの時期に行っておかないと草が繁茂してしまいます。　今回訪ねた三角点は、Ⅲ池ノ袖の近くに大沢ブナ林、Ⅲ炭釜のスタート地点である荻ノ島にはかやぶき民家、天王山のスタート地点の門出（かどいで）にもかやぶきの家など、それぞれ見どころがあり、それらも含め記事にまとめました。林道、遊歩道を歩く、三角点へ径は無いが林道から2分程度コースタイム：駐車地点（8:14）→Ⅲ池ノ袖（着8:18、出8:40）→遊歩道入口（着8:48、出8:50）→大沢ブナ林（着8:54、出9:05）→駐車地点（9:20）　先ずⅢ池ノ袖です。柏崎市の国道252号線を南下し、南鯖石農協付近から小清水を経て高柳町岡田へ通じる市道を進むと、小清水集落の先で林道小清水大沢線が左に分岐しますので、その付近に駐車しました。林道の入口には「大沢ブナ林 1km」の案内板（写真）がありました。　Ⅲ池ノ袖は、2分の林道歩きと約1～2分程度のヤブ斜面登り（径なし）で到着する容易な三角点でした。　保護石はきちんと4個揃っていました。周囲はナラやブナなど広葉樹の林で見晴らしは悪く、すぐ下にある大輪池も見えませんでした。　国土地理院の成果は北緯 37°14′49″.1799、東経 138°38′21″.2205です。あまりにもあっけない上に、今日は3点の予定で時間に余裕があることから「大沢ブナ林」の新緑でリフレッシュすることにしました。新潟県森林浴の森にも指定されています。　遊歩道の案内板です。入口付近はスギ植林地でした。　遊歩道を歩くこと4分ほどでブナ林に到着、ここの標高は約100～150m程度で新潟県のブナ林の垂直分布で最も下限に位置する自然林とのことです。先日訪ねた社地山のブナ林よりも低い場所にあります。10分ちょっとの短い時間でしたが新緑を満喫しました。　林道を下山時、まだ山頂付近に雪が残る刈羽黒姫山が正面に見えました。（Ⅲ池ノ袖 終了）Ⅲ炭釜訪問日　2024年4月15日、晴れ等級：三等標高：258.1ｍ1/25000地形図：石黒（岡野町）農道、スギ植林地、踏み跡などを歩くコースタイム：駐車地点（9:46）→農道終点（10:00）→Ⅲ炭釜（着10:22、出10:37）→駐車地点（11:07）　柏崎市の高柳町岡野町で国道252号線から県道12号線へ進み、荻ノ島を目指しました。環状集落とのことでそれも含め見学したかったので、荻ノ島集落センター（写真）に車を留め、歩いて行くことにしました。　集落内を通過中に「かやぶきの宿」が見えました。下山時、立ち寄ることにしました。周囲は山村の原風景を彷彿とさせます。　歩き始めて4分ほどで農道の入口に到着しました。　入口から10分弱で農道の終点に到着、その先スギ植林地を経てさらに進むと水田の跡らしき場所（写真）がありました。このようなところを容易に歩けるのはこの時期ならではの特徴です。山菜を採ることはしませんが、コゴミが群生（写真）し、他にゼンマイも見かけました。花はカタクリやショウジョウバカマが咲いていました。雪の残っている場所もありましたが、気温が高く汗だくになりました。　途中から尾根を歩くようになり、そこに不明瞭な踏み跡がありました。　イワカガミは一部咲いていましたが、まだ蕾のものが大半でした。　ヤブに難儀することもなく三角点に到着しました。　所在地は柏崎市高柳町門出、俗称「炭釜」と点の記に記載されています。　国土地理院の成果は北緯 37°11′49″.2342、東経 138°36′51″.1278です。周囲はナラやブナ、アカマツなどの雑木林で、梢越しに刈羽黒姫山や周辺の山々が見える程度でした。　かやぶきの宿は「荻の家」「島の家」の2棟あり、一棟貸しで家族やグループで泊るとコストパフォーマンスがよさそうです。（Ⅲ炭釜 終了）天王山（Ⅲ天王山）訪問日　2024年4月15日、晴れ等級：三等標高：343.2ｍ1/25000地形図：岡野町（石黒）登山道の跡はあるものの不明瞭コースタイム：駐車地点（11:40）→石祠のピーク（着12:31、出12:40）→天王山（着12:44、出12:58）→石祠のピーク（着13:02、出13:23）→沢（着13:44、出13:48）→駐車地点（14:03）　荻ノ島から高柳町門出を目指しました。写真は門出集落センターにある集落の案内図です。北部にブナ林の散策路があるものの、南東にある天王山やその登山道に関する記載はありませんでした。天王山の点の記（平成20年11月7日基準点現況調査）には、歩道状況が「距離約1.0km天王山登山道、その先道なし」、徒歩時間は「約50分（1200m）」と記されており、登山道がある（あった）ようです。　登山口へ向かう途中にⅣ門出があり、立ち寄りましたが傾斜していました。　門出集落内を通過、鯖石川に架かる萬世（まんせ）橋を渡り東詰に駐車しました。写真手前側です。廃屋らしき建物が１軒ありました。　早速、天王山へ向かって歩き始めましたが、崖崩れや落石があり土砂が取り除かれておらず廃道化していました。地震等で石が直撃する可能性もあり足早に通過しました。　さらに進むと径は荒れ放題、夏から秋にかけてヤブでひどい状態になっているのが想像できました。この付近はすべて廃田でした。　途中で径を見失い、滝の上を通り小さな沢伝いに進むと再び径が現れました（写真）。トラロープが設置されている場所もあり登山道の跡と思われました。この先でスギ植林地に入り、そこに崩壊した小屋がありました。　再度径を失ったものの、ヤブ斜面を登り尾根に出ると登山道跡に合流しました。　合流地点は眺めが良好で刈羽黒姫山に加え、眼下に門出集落を一望することができました。　山頂が近づいてくると堀切など城の遺構が現れました。地名辞典には「天王山に山城の跡が見られる」と記載されています。　南西のピークに到着しました。ここが山頂なのか、三角点のある場所が山頂なのか知りませんが、石碑や多数の石祠（写真）が並んでいました。夏は草に埋もれていそうで、顧みる人もいない残念な山なのではと感じました。一部眺めがよく、沢を隔てて南に十日町市の清水集落にある大きな建物が見えました。腹ペコでしたので昼食をと思いましたが、先に三角点ピークへ行くことにしました。　石祠群のあるピークから三角点のあるピークへは、径の有無は不明ですがヤブは薄く、城の遺構と思われるやや平坦な場所を進みました。カタクリとオオバキスミレが咲いていました。　笹に覆われた三角点ピークが見えてきました。手前の急斜面は土塁のように見えました。　到着しました。最近、誰かが訪ねてきたのか、標石周囲の笹を刈った形跡がありました。三角点周りを整理、さらに刈り払いしました。　国土地理院の成果は北緯 37°10′44″.6533、東経 1138°37′45″.0743です。笹ヤブに囲まれ展望はなく、風もなく暑苦しいので石祠のピークに戻り昼食を取りました。　下山は登山道跡を忠実に辿ろうとよく見ながら進みましたが、どこかで外したらしく、尾根の先端部で急斜面（写真）を下り沢に出ました。　膝まであるゴム長を履いていましたので、沢の中を歩くことも可能でした。その先で往路に合流、スタート地点に戻りました。　門出にも宿泊できるかやぶきの家が2軒あり、桜が見頃でした。帰路、天王山温泉の看板を掲げた建物を見ましたが閉館して久しいとのこと。今日はとても暑い一日で三条市で32.5℃を記録したとラジオが報じていました。これでは先が思いやられます。（天王山 終了）

  2024.05.01

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  Ⅲ大場沢、赤溝山（Ⅲ赤溝）、Ⅲ岩崩、Ⅲ中原

  Ⅲ大場沢訪問日　2024年4月14日、晴れ等級：三等標高：130.1ｍ1/25000地形図：越後門前　このところ好天が続き、4月14日（日）は村上市朝日地区の丘陵地の三角点、Ⅲ大場沢、赤溝山（Ⅲ赤溝）、Ⅲ岩崩、Ⅲ中原の計4点訪ねてきました。Ⅲ大場沢は前回の写真が悪かったため再訪となりすが他3点は新たに訪ねる三角点です。いずれも片道20分～40分程度で着くお手軽な三角点ですが、さすがに4点となると最後は疲れました。今回は1点あたりの写真枚数を5～8枚程度に絞り込み手短にまとめました。送電線巡視路→笹ヤブコースタイム：駐車地点（8:03）→Ⅲ大場沢（着8:38、出8:55）→駐車地点（9:26）　先ずⅢ大場沢です。大場沢と言えば大葉沢城跡が有名で、普済寺の西、神社マークのあたりが城跡で三角点は別の場所にあります。前回は西側の沢伝いの径から登ったものの途中から不明瞭になりましたので、今回は熊登集落から送電線巡視路を利用することにしました。ちょうど行動図のスタート・ゴール地点付近（写真）の桜が見頃でした。　準備後、南へ進むと送電線巡視路の入口を示す表示板がありました。　この巡視路は鉄塔ごとに小さな沢を跨ぐためアップダウンも多く、見回りの電力会社の方も大変だろうと感じました。　鉄塔No.52の尾根（写真）に到着しました。三角点はこの尾根伝いにあります。この辺りの丘陵地は国有林です。　巡視路から外れると、かすかな踏み跡が認められるもののクマザサのヤブになりました。　鉄塔からササをかき分け8分ほどで三角点に到着しました。三角点の位置を示すリボンが木にぶら下がっていました。保護石もありました。眺望はほとんどなく、かろうじて旧朝日村の平野部が見える程度でした。　国土地理院の成果は北緯 38°14′17″.6296、東経 139°32′14″.3384です。下山は往路を戻りました。お花見の準備かどうか知りませんが、集落の人達が忙しそうに動き回っていました。（Ⅲ大場沢 終了）赤溝山（Ⅲ赤溝）訪問日　2024年4月14日、晴れ等級：三等標高：219.8ｍ1/25000地形図：塩野町林道→廃道化した作業道→スギ植林地（行動図は復路のみ記載）コースタイム：駐車地点（9:46）→赤溝山（着10:11、出10:35）→駐車地点（10:53）　続いて赤溝山です。県道349号線を布部から岩崩へ向かう途中、左に林道赤溝線が分岐する場所（写真）があり、その近くに車を留めました。　林道を歩き始めて3分ほどで廃道化した作業道が左に分岐（写真）しますのでそちらへ進みました。車は入れませんが徒歩は可能です。　作業道を約10分弱進むと切通（写真）があり、右の斜面を登り始めました。周囲はスギ植林地です。　はじめは傾斜が緩やかで下草もほとんどない状態（写真）でしたが、途中から急登に変わりました。　山頂が近づいてくると尾根が明瞭になり、三角点に到着しました。山頂標識等はありませんでした。　国土地理院の成果は北緯 38°15′38″.3658、東経 139°35′33″.3229です。　春霞のせいか遠望が利かず、木々の隙間から久藏山（写真）やウソ山などローカルな山々を望む程度でした。南西側はスギの植林地で眺望はありません。　植林地ではない方の尾根に大きな天然スギがありました。ギフチョウが多く飛び回っていました。（赤溝山 終了）Ⅲ岩崩訪問日　2024年4月14日、晴れ等級：三等標高：206.3ｍ1/25000地形図：越後門前スギ植林地を歩く（GPS衛星の捕捉状況が悪く、行動図は復路のみ記載）コースタイム：駐車地点（11:07）→Ⅲ岩崩（着11:25、出11:50）→駐車地点（12:04）　岩崩には鷲ヶ巣山の登山口があり、鷲ヶ巣山と言えばタケン沢の周辺にヤマビルが数多く生息しています。ここに生息しているかどうかわかりませんが春先に訪ねておきたい三角点です。　赤溝山の往復後、県道349号線をさらに進み岩崩へ向かいました。集落内へ通じる道を少し入ると山側に庚申塔（写真）があり、山径がありましたのでその付近に駐車しました。　山径はスギ植林地に通じており、すぐに不明瞭になりました。　しかし、ヤブというほどではなくどこでも歩ける状態でハンディナビで位置を確認しながら三角点を目指しました。周囲は鬱蒼としたスギ林でGPS衛星の捕捉状況はよくありません。　到着しました。標石や保護石は埋まっていましたが、その所在を示す白い杭がありましたのですぐに見つかりました。　国土地理院の成果は北緯 38°14′30″.4117、東経 139°36′35″.3171です。南東側、梢越しに鷲ヶ巣山の前ノ岳が見えましたが、北側はマツやスギの植林で眺望はありませんでした。（Ⅲ岩崩 終了）Ⅲ中原訪問日　2024年4月14日、晴れ等級：三等標高：246.0ｍ1/25000地形図：塩野町往路：スギ植林地を経て雑木林のやや急な斜面を登る、尾根に出ると踏み跡あり復路：踏み跡を下山するも途中から不明瞭になり、やがて県道に出るコースタイム：駐車地点（12:38）→Ⅲ中原（着13:10、出13:34）→駐車地点（14:00）　最後はⅢ中原です。村上市朝日地区の県道507号線を村上市薦川方向へ進み、ため池を通過、標高点72mの少し先にある路肩の広がっている場所に駐車しました。東側は水田でしたが、西はスギ植林地で作業道（写真）があり、先ずそこを歩き始めました。　スギ植林地はすぐに終わり、その先やや急なヤブ斜面（写真）を登りました。　途中、久しぶりにエチゴキジムシロを見ました。この先のヤブで枝が右目に入り、痛みがありました。下山後、鏡で確認したところ内出血を起こしていました。普通に物は見えていましたが少々気になりネットで検索したところ内出血の場合は医者に行くまでもなく数週間で自然に治癒するとのことで安心しました。この日記を書いている現在順調に回復しています。　山頂へ通じる東側の尾根に出ると、踏み跡（写真）が現れました。　山頂は笹ヤブでしたが、三角点標石の周囲は刈られていました。　国土地理院の成果は北緯 38°17′13″.8076、東経 139°34′09″.5903です。　山頂からは梢越しに北東は日倉山（写真）が、南西はため池や朝日中野集落が見えました。ため池は中野1号堤と呼ばれ、1917(大正6)年、当時石油王といわれていた金津村（現新潟市秋葉区）の中野貫一氏が私財を投じ原野を開墾、1921(大正10)年に建設したとのことです。山頂の周囲にタムシバの花がたくさん咲いていました。　南側の尾根によりはっきりした踏み跡があり、そちらから下山することにしました。境界標（写真）も点在していました。途中で踏み跡を見失いましたが、ほぼ尾根伝いに下り県道に出ることができました。（Ⅲ中原 終了）

  2024.04.30

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  筒石駅周辺の三角点巡り、城ガ峰（Ⅲ城ヶ峰）・大峰（Ⅲ仙納）

  城ガ峰（Ⅲ城ヶ峰）訪問日　2024年4月12日、晴れ等級：三等標高：260.1ｍ1/25000地形図：名立大町大峰（Ⅲ仙納）訪問日　2024年4月12日、晴れ等級：三等標高：464.5ｍ1/25000地形図：名立大町　えちごツーデーパスを利用し、モグラ駅・秘境駅と呼ばれる筒石駅の見学も兼ね糸魚川市にある城ガ峰と糸魚川市と上越市の境界に近い大峰を訪ねてきました。最近、働き方改革や運転手不足から過疎地域の路線バスが次々廃止されていることもあり、廃止される前に乗っておこうと途中バスにも乗車しました。　城ガ峰は、地名辞典によると「徳合（とくあい）城の支城として築かれ山頂の本丸跡に狼煙場、下って蔵跡、二の丸、三の丸と続く」とあります。大峰も同じく徳合城の支城で大峰砦と呼ばれる狼煙場の跡です。先ず駅に近い城ガ峰から登り、地形図記載の破線の径を海側へ下り、筒石の磯部小学校入口バス停からバスに乗車、江代（えしろ）バス停で下車し、農道を歩き大峰に登り筒石駅に戻る計画を立てました。コースタイム：筒石駅駅舎（10:21）→城ガ峰（着10:59、出11:50）→磯部小学校入口バス停（着12:30、出12:52）→（路線バス）→江代バス停（着13:11、出13:17）→大峰（着14:03、出14:30）→崩落個所（着14:40、出14:46）→天狗山登山口（着15:17、出15:26）→筒石駅駅舎（15:56）・筒石駅→城ガ峰：主としてスギ植林地内を歩く、リボン多くあり・城ガ峰→磯部小学校入口バス停：地形図記載の径は不明瞭、廃道化・磯部小学校入口バス停→江代バス停：路線バス（行動図藍色のライン、天狗山登山口から筒石駅まで徒歩区間と重複）・江代バス停→大峰：山頂近くまで農道を歩き天狗山登山道へ、途中から踏み跡・大峰→天狗山登山口：踏み跡を経て天狗山登山道を下山・天狗山登山口→筒石駅：県道および市道を歩く　当日の朝、東三条駅でえちごツーデーパスを買い8時10分発の特急しらゆきに乗車しました。今回は「大人の休日倶楽部」会員用の発売期間外で、かつ4月から若干値上げされた影響で2800円でした。それでも東三条⇔筒石間の乗車券は往復で4250円くらいですのでだいぶお得です。なお特急に乗るには別に特急券が必要です。　直江津駅で普通列車泊行きに乗り換え、10時6分筒石駅に到着しました。他に降りた乗客が一人いました。秘境駅とは言うものの、先日、糸魚川市の三角点巡りをしたときはハイキングの格好をした3人組のご婦人がこの駅で降りて行きましたし、夕方の時間帯に高校生2人降りていましたので、そこそこ乗降客があるようです。プラットホーム内はフラッシュ禁止のため写真は暗めです。　駅舎にあったリーフレットによると、ホームの標高26m、駅舎は66mで、階段は上りホーム280段、下りは290段とのこと。正確に測っていませんがホームから駅舎まで5分ちょっとでした。　駅舎の所在地は糸魚川市大字仙納（せんのう）です。向かって左に駅の説明板がありました。周囲に民家数軒あり秘境駅と言うほどではないと感じました。靴ひもの締め直しなどを行い出発しました。　駅から市道仙納筒石線に出て仙納方向へ少し行くと分岐（写真）があり、右へ進みました。　はじめは軽トラ程度なら通れる道でしたが、しばらく進むと写真のようになりました。　その先、スギ植林地内の城ガ峰方向にピンクのリボン（写真右上）を発見、取り付きではないかと考え、そちらへ進みました。　径ははっきりしませんが、リボンが次々あり植林地内を縫うように進みました。ヤブも薄く、よく観察しながら登るとGPSを持っていなくても山頂へ行くことができます。　シラネアオイが咲いていました。ここは標高約120mくらいで、昔、同じく糸魚川市の高峰に登った時もさほど標高の高くない場所に咲いているのを見たことがあります。上越地方はシラネアオイが多いと感じます。他にミヤマカタバミの花が咲いていました。　スギ植林を抜け、山頂が近づくと急登になり、ロープも設置されていました（写真）。カタクリが咲いており、綿を付けたぜんまいが頭を出していました。　登りきるとやや広い山頂に到着です。　山頂標識など一切なく三角点標石のみでした。　国土地理院の成果は北緯 37°07′25″.5304、東経 138°03′17″.1579です。　眺望の見どころは西側で、眼下に日本海を望みました。東から南にかけてスギ植林地になっていました。　南側の尾根伝いに径らしきものがありましたが調べていません（写真）。　山頂到着10時59分、磯部小学校入口バス停の出発時刻は12時50分ですので、時間に余裕があり、景色を見ながらのんびり食事をして、50分ほどくつろぎました。　下りもゆっくりペースで歩き始めましたが、しばらくすると径が不明瞭に……。こちらにリボンは全くありません。しかしスギ植林地内の通過が大半でした。　途中、径を失いヤブの急斜面を下ったり少々苦労しました。一部崩落したのかもしれません。地形図には径に沿って畑記号がありますが、耕作されていませんでした。径が現れすぐ下に車道が見えた時はホッとしました（写真）。これからバスに乗ろうかというときに靴の底が泥だらけになりました。　梢越しに磯部小学校が見えました。　小学校の西側に「いそべの森」があり、桜が見頃でした。磯部（いそべ）は明治34年～昭和29年までの西頚城郡の村名で、今回歩いた筒石や仙納、徳合などが含まれます。　磯部小学校入口バス停に到着しました。国道8号線ではなく、内陸部の高台の道沿いにあり筒石漁港がよく見えました。漁船の入港を知らせる放送が流れていました。バスの到着時刻まで20分ほどありましたので、靴の泥落としをしました。　12時52分にバスがやってきました。女性の運転手さんでした。乗客は顔見知りの人達が多いのか、知らない人の乗車が奇異に映ったらしく降りる場所を聞かれました。一番前の席に座り、後ろを見ると乗客は他に3人、途中で2人降りて行きました。13時11分に江代バス停（写真）に到着、運賃は250円、もう一人の方もここで下車しました。バスの写真撮影をお願いしたところ快諾を得ました。なお、日曜日は全便運休です。　過去、路線バスを利用した山行を何回か計画しましたが、津川駅から丸渕へ行くバスがいつの間にか廃止され、また昨年、府屋駅から中継へ行くバスに乗りⅢ源ヶ沢（源賀山）の再訪を考えていたらそれも廃止で、過疎路線は運行しているうちに乗っておかないといつ廃止になってもおかしくない状況です。　江代は糸魚川市大字徳合の一部で、そこから大峰に向かって農道が延びています。写真は農道の途中から見た大峰です。　水田は放棄されずにかなり上部まで耕作されており、そのおかげで農道が維持されていて助かりました。振り返ると日本海が見えました（写真）。　途中、数十mだけヤブっぽいところを通過すると、天狗山登山道に合流しました。バスに乗る前は天狗山やその登山道の存在を知りませんでした。バスに乗車中、仙納下バス停付近で「天狗山登山道入口」の案内板が見え、どの山を指すのか不思議でしたが、まさかその登山道に合流するとは思ってもいませんでした。　「大峰＝天狗山」であればいいなと考えていましたが、違うようで登山道は大峰の山頂を巻いていました。しかし大峰に向かって踏み跡（写真）がありました。　踏み跡は笹が被っており（写真）、不明瞭な箇所もありました。路傍にスミレサイシンや小ぶりのトキワイカリソウが咲いていました。　山頂に到着しました。広めに刈り払われており、10人くらいは休憩できそうです。　標石の周りに保護石が4個ありました。山頂標識などはありませんでした。　国土地理院の成果は北緯 37°07′16″.5916、東経 138°05′03″.0113です。　周囲を木に囲まれ眺望はいまいちで、北の海側の景色（写真）と南にパラボラアンテナや鉄塔が建つピーク（天狗山か？）、その奥に不動山と思われる真っ白な山が見えました。　下山時、時間に余裕がなかったものの、もし近ければという思いで天狗山に向かって進みました。しかし、登山道が崩落している場所（写真）がありました。　崩落個所は斜面をへつって通過できそうでしたが、鉄塔が建つ天狗山らしき山頂（写真）が遠く、そこまで行くと列車に乗り遅れる恐れがあり、残念でしたが引き返すことにしました。　道標に「下仙納」とあり、そちらへ下った方が往路を戻るより好都合で登山道を下山することにしました。尾根伝いの心地よい径でした（写真）。　途中、徳合への分岐がありました。その手前には道標が設置されていない分岐がありました。この付近にある標高点308mのピークはトヤ峰と呼ばれ徳合城があった場所です。　登山道の取り付きにある道標です。ここから農道歩きに変わりました。　農道を10分ほど歩いたのち県道に出ました。写真は交差点にある案内板です。予想通りパラボラアンテナや鉄塔に近い標高493mのピークが天狗山（地形図では無名）です。地形図を見ると、そこに三角点はなく上越市側から車道が通じていることが分かりました。この案内板には徳合城跡や大峰砦跡は図示されていませんでした。筒石駅は見学者が訪れることから、ここで上着を着替えました。　途中、仙納バス停（写真）を通過しました。本来ならここがバスの終点ですが、県道431号線が路肩決壊・全面通行止のため、現在は能生を出発し磯部小学校入口バス停から徳合崎バス停へ行き、再び磯部小学校入口バス停に戻り市道を通り仙納から徳合へ向かっています。　予想より早く筒石駅に着きました。16時10分発の直江津行きに間に合いそうでしたが予定通り16時41分の便に乗車しました。金曜日ということもあり列車は下校する高校生で混雑していました。この写真は駅舎の外にある説明板です。　今回、登山というより小旅行と呼ぶ方が相応しく充実感も得られました。翌13日もえちごツーデーパスは有効でしたが、疲れもあり自宅で休養しました。

  2024.04.22

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  鳶ケ峰（Ⅲ伊ノ川）、細越南城跡（Ⅲ細越）

  鳶ケ峰（Ⅲ伊ノ川）訪問日　2024年4月6日、薄曇りのち晴れ等級：三等標高：146.7ｍ1/25000地形図：越後野田　今春はまだ訪ねていない三角点の数を稼ぐため地味な丘陵地巡りを積極的に行っており、4月6日は柏崎市の南にある鳶ケ峰（とびがみね）や細越南城跡（Ⅲ細越）などを訪ねてきました。鳶ケ峰には山径がありましたが、やや荒れ気味で、この時期か晩秋の頃に訪ねたい場所です。特筆すべき点は雪割草が咲いていたことです。一方、細越南城跡はGoogleマップにその名が記載されているものの国土地理院の地形図では無名です。今回、鳶ケ峰と細越南城跡を記事にし他は割愛しました。最近整備していないと思われる山径を歩くコースタイム：駐車地点（8:00）→鳶ケ峰（着8:22、出8:40）→駐車地点（8:59）　柏崎ICから国道252号線を南へ進み中加納集落を目指しました。集落に入り鳶ケ峰方向へ通じる農道（写真）を終点まで進み駐車しましたが、もしほかに車が来た場合方向転換ができなくなることから行動図のスタート・ゴール地点まで戻り、路肩の広い場所に駐車し準備後出発しました。　農道を突き当たりまで歩き、支尾根に取り付きました。踏み跡かどうかの判別は微妙ですが薄いヤブです。　すぐに広い径に合流しましたが、倒木があり最近手入れされているかどうか怪しく感じました。　雪割草です。径の傍らしか見ていませんので5～6株程度でしたが、もっと広範囲に探せばさらに咲いているのではないかと感じました。他にカタクリやショウジョウバカマも咲いていました。　主尾根に出ると山頂に向かって緩やかな登りに変わりました。　歩き始めて20分ちょっとで山頂に到着しました。標石は落ち葉の下に隠れていましたが、その所在を示す国土地理院の白い杭がありましたのですぐに見つかりました。最近、埋もれているものを多く見ます。GPSの普及で三角点が利用されなくなったことが原因と考えられます。　国土地理院の成果は北緯 37°19′15″.7530、東経 138°36′49″.9734です。点名の伊ノ川は柏崎市大字安田の小字です。復路は山径を忠実に辿り、駐車地点へ戻りました。（鳶ケ峰 終了）細越南城跡（Ⅲ細越）訪問日　2024年4月6日、薄曇りのち晴れ等級：三等標高：225.2ｍ1/25000地形図：越後野田　鳶ケ峰の往復後、宮平集落からⅢ久米（標高165.2ｍ、1/25000地形図越後野田）を訪ね、ドライブを兼ね周辺の下見を行ったのち、柏崎市細越にある標高225.2ｍのⅢ細越に向かいました。Googleマップはこの山頂に細越南城跡の名がありますが、集落の北西にある細越城跡と違い、地名辞典などを調べても当時の城主などこの城に関する情報は得られませんでした。三等三角点「細越」の点の記によると、順路は苛島集落から尾根を登り約50分（径なし）とあるものの、等高線の間隔が狭く急登が予想されることから東側から登ることにしました。他にも点の記には山頂に監視所跡が図示されており、現地にコンクリートの土台が残っていました。はじめスギ植林地、尾根に出ると不明瞭な踏み跡（ヤブ薄い）コースタイム：駐車地点（12:42）→尾根（12：53）→細越南城跡（着13:10、出13:36）→駐車地点（13:55）　国道353号線柏崎市野田から城山トンネルを抜け細越集落に入ると三叉路があり、近くに細越城址案内図（写真）があります。こちらは三角点が無い標高約170mのピークで登ったことはありませんが、近くの神社から登山道が整備されています。　細越南城跡へは、集落から南へ延びる農道を進み、取り付きやすそうなスギ植林地（写真）がありましたので、そこに駐車（数台可）し、準備後出発しました。植林地内は歩きやすいところを選んでますので、往路と復路の軌跡が一致しません。　支尾根に出ると踏み跡のようなものがあり、ヤブも時期的に薄い方でした。途中、堀切状の段差（写真）が一か所ありました。　主尾根（写真）も不明瞭な踏み跡がある程度で、細越城跡と細越南城跡を結ぶ小径があるのではないかと予想していましたが見込み違いでした。　山頂です。カタクリが咲いており、ヒオドシチョウが飛んでいました。　春先ですので、雑草もなく接写も容易です。カタクリの葉はそのままにしておきました。　国土地理院の成果は北緯 37°16′21″.4526、東経 138°34′19″.3409です。　標石の右側に鉄筋むき出しのコンクリート製の土台（落ち葉に埋もれており少々見づらい）があり、さらに写真右上に小さな正方形の穴がありました。　先日記事にしたおくば山山中の監視所跡にも似たような穴があり、トイレの跡ではないかと考えましたが、監視所に入ったことがないので間取りはよくわかりません。過去にこのような構造物があったことから、どこかから山頂に通じる明瞭な径があるのではないかと思いましたが、見当たりませんでした。　ヒオドシチョウはギフチョウと比べると警戒心が弱くすぐ写真に納まってくれます。山頂は樹木に囲まれ見晴らしが悪く、強いて言えば米山の一部や刈羽黒姫山が枝の隙間から見える程度でした（写真略）。25分ほど滞在し、山頂を後にしました。（細越南城跡 終了）

  2024.04.19

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  Ⅲ宝屋

  Ⅲ宝屋訪問日　2024年4月2日、晴れ等級：三等標高：266.2ｍ1/25000地形図：笹川　村上市寒川からおくば山（Ⅲ松影）に登った後、国道345号線を南へ進み、今度は今川からⅢ宝屋（ほうや）に登りました。ここも国土地理院の地形図では無名です。三等三角点「宝屋」の点の記は、平成15年（2003年）12月4日標石調査とあり、つい最近更新されています。それによると蓬莱山南方約500mの国道345号線路側帯から登っており、徒歩時間は約1時間30分（径なし）と記され、標高の割に手強いのではないかと思っていました。そこで点の記の順路ではなく、今川右岸の径を辿り途中で尾根に取り付き山頂を目指すルートを計画しました。今川右岸の狭い農道から尾根に取り付く、踏み跡ありコースタイム：駐車地点（11:56）→取り付き（着12:08、出12:10）→Ⅲ宝屋（着12:59、出13:30）→駐車地点（14:22）　寒川から今川へ向かいました。集落の北側で分岐する車道に入り、今川に架かる橋を渡った広い路肩に駐車しました（数台可）。すぐそばに今川キャンプ場（釜の前）がありシーズンオフですので、そちらに駐車することもできそうです。今川キャンプ場は上山と釜の前の二つあります。準備後出発し、今川踏切（写真）を渡り左へ進みました。右は林道今川線です。　踏切が鳴り出し振り返ると特急いなほが酒田方向へ走り去りました。　今川の右岸へ行くと、再び分岐があり、右へ進みました。　今川の右岸周辺は、地形図を見ると水田や畑の記号が大多数を占めていいるものの現在耕作されているのは畑のみで、それもごく一部でした。この道は狭く軽トラや大型の農耕車が入れないこともその理由の一つかもしれません。途中、畑仕事のご婦人とすれ違いましたので径や山の様子を尋ねましたが、春先で雑草がまだ成長していないのでなんとか行けるのではないかと言っていました。　右岸の径が不明瞭になったことからⅢ宝屋に向かって北側の尾根に取り付きました。写真ではヤブが薄いように感じますが、低灌木がまだ葉をつける前で、かき分けながら進む場所もあり、それが顔面や体に跳ね返ってくると鞭で打たれたような痛みを感じました。　尾根がはっきりしてくるとそこそこ明瞭な踏み跡があることに気付きました。しかし、倒木や棘のある木など障害物も多く、楽ではありませんでした。　Ⅲ宝屋の南西に標高約250mのピークがあり、踏み跡はその頂上部を巻いていました。写真はその付近見たⅢ宝屋です。　一旦、コルまで下りました。この辺りは歩きやすく感じました。　踏み跡はⅢ宝屋も巻いており山腹をへつりました。　急登でしたが、途中で山頂に向かって進むとすぐに到着しました。　春の日差し一杯の明るい山頂で、ギフチョウやヒオドシチョウが飛んでいました。イワウチワはまだ蕾でした。出発してから山頂まで1時間強、「点の記」記載の蓬莱山付近の国道345号線からのルートよりは短時間で山頂に到着しましたが、サバを読んでいる可能性もありますので少し早い程度と判断しました。よく確認したわけではありませんが北西方向からも踏み跡らしきものがありました。　国土地理院の成果は北緯 38°25′06″.5438、東経 139°28′44″.1085です。点名の宝屋は村上市脇川の小字です。アカマツなど邪魔な木が多く、展望は木や枝の隙間からわずかに蒲萄山や日本海、眼下の脇川集落などが見えました。遅い昼食を取り、下山は往路を戻りました。　下山時、開墾した人の頌徳碑（写真）があるのに気付きました。現状を見ると残念がっているのではないかと思いました。地名辞典によると、開田の際、多くの石斧・石鏃が出土したとあります。　駐車場所に戻る途中、海のかなたにうっすら粟島が見えました。

  2024.04.17

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  おくば山（Ⅲ松影）

  おくば山（Ⅲ松影）訪問日　2024年4月2日、晴れ等級：三等標高：352.4ｍ1/25000地形図：勝木　4月1日の上越市周辺の丘陵地巡りに続き、好天続きの翌日、村上市のおくば山（Ⅲ松影）などを訪ねてきました。おくば山は国土地理院の地形図では無名ですが、平成16年3月に閉校した寒川小学校から登山道があるとのこと。しかし、最近手入れされていないようでヤブ化が進んでいる懸念があり優先度が高い山の一つでした。山頂から先、不明瞭な踏み跡があったことから復路は林道小峰無沢線の終点へ下山しました。当日は3点訪問する予定でしたが、復路の林道歩きで時間が掛かったため、その後、今川集落に近いⅢ宝屋（記事は後日アップ予定）を訪ね帰宅しました。往路：Ⅲ松影まで主として登山道跡を歩く、ヤブ薄い復路：林道小峰無沢線終点までほぼ径なし、その後林道・車道を歩くコースタイム：寒川小学校跡（8:46）→監視所跡（着9:07、出9:12）→Ⅲ松影（着9:49、出10:10）→林道小峰無沢線終点付近（着10:47、出10:50）→Ⅳ水無（着11:08、出11:10）→寒川小学校跡（11:27）　自宅から村上市寒川までカーナビで検索すると日本海東北自動車道を村上瀬波温泉ICで降り国道345号線で海沿いを通るルートが表示されます。しかし、通勤ラッシュが始まりそうな時間帯に村上市街を通過するため、朝日まほろばICまで進み国道7号線を通り村上市蒲萄から県道6号線を経て寒川へ行きました。県道6号線は一部道幅が狭くカーブが多いのがネックです。寒川集落に入るとおくば山の登り口がある寒川小学校跡へ行き、プール横のスペースに駐車しました。小学校の入口には「寒川小学校発祥之地」の石碑や校歌が刻まれた閉校記念碑（写真）があり哀愁を誘います。　校舎は解体されることなく残されていました（写真）。準備後出発したものの、登り口を探して右往左往、はじめは体育館の横を調べましたが見つからず、グランドを横切り南西側の農道も調べました。近くの畑で道は不明瞭になりました。　時間を10分ほど無駄（コースタイムに含めず）にしましたが、結局、踏み跡がありそうな体育館横の尾根の先端から取り付くことにしました。クマザサが繁茂していましたがヤブは薄い方でした（写真）。　登り始めて6分ほどで登山道跡（写真）に合流、振り返ると校舎の裏側が見えたことから、下山後、もう一度登り口を探そうと思いました。　合流後はやや急な尾根をジグザグに登りました。　路傍にカタクリやショウジョウバカマが咲いていました。　20分ちょっとで監視所跡に到着しました。コンクリート製の土台が残っており水が溜まっていました。　その奥には赤レンガで出来た何かの跡がありました。　尾根が広くなると径の形が不明瞭になりましたが、ヤブは薄く歩きやすいと感じました。　境界標と思われる赤や黄色の杭が尾根に沿っていくつか点在していました。　ハンディナビが目的地に着いたことを知らせるアラーム音を発したため、付近を調べると三角点標石がユズリハの陰に隠れていました。　ここは尾根の小ピークのような山頂でした。標石周りを刈り接写しました。保護石もありました。　国土地理院の成果は北緯 38°26′15″.1424、東経 139°29′56″.7048です。点名の松影（まつかげ）は村上市脇川の小字です。　眺望は梢越しに日本海が見える程度（写真）でした。山頂標識等が無かったことからここがおくば山かどうか少々疑問が残ります。　復路は点の記に記載された順路を辿り東にある林道へ向かって下りました。三角点から先は不明瞭な踏み跡（写真）がありました。　下るに連れ踏み跡が怪しくなり途中から径なし状態になりました。この尾根は少し複雑で予定ルートを外しやすく一回軌道修正を行いました。その後、右側に砂防堰堤が見え、沢を跨ぐと林道小峰無沢線終点の終点付近（写真）でした。尾根を下っている途中、イワウチワを見ましたがまだ咲き始めでつぼみのものも多数ありました。　林道はその先で水無川に沿った別の林道と合流、付近にログハウス風の建物が2軒ありました。林道の脇にはキクザキイチゲの花が多く、畑があった場所にはクロッカス（写真）やスイセンも咲いていました。　水無川に架かる橋を渡ると舗装道路（写真）に変わりました。その先、右にJAにいがた岩船山北水稲育苗センターが見え、近傍にⅣ水無があることから行ってみましたが標石は頭を覗かせておらず、地下に埋まっていると判断、構うことなく早々に立ち去りました。やがて県道6号線に合流、寒川集落内を通り小学校に戻りました。　体育館の裏側（山側）まで行ってみると笹ヤブの中に登り口を示す道標（写真）を確認しました。平成七年十月と書かれていました。　復路は予想以上に林道・車道歩きが長く辟易し、おとなしく往路を戻るべきだったと後悔しました。

  2024.04.11

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  社地山（Ⅲ社地山）、上越市三和区のⅢ城山、Ⅲ神谷

  社地山（Ⅲ社地山）訪問日　2024年4月1日、晴れ時々薄曇り等級：三等標高：200.9ｍ1/25000地形図：安塚　4月1日は大気の状態が不安定で雷注意報が出ていましたが、天気予報では下越よりも上越地方が安定しているとのことで、上越市近郊の丘陵地巡りをしてきました。朝、目的地へ移動中に雨がぱらつくこともあり心配しましたが、すぐに止みました。今回訪ねた三角点は合計5点で上越市三和区塔ノ輪にあるⅢ城山（しろやま）、同じく三和区岡田にある社地山（しゃちやま、Ⅲ社地山）、牧区神谷（かみや）のⅢ神谷、三墓山の山頂からふもとに移転したⅢ南方（みなみがた）、2月18日に訪ねたものの積雪のため断念した清里区馬屋（まや）にあるⅢ前山です。　この記事では、訪問順が入れ替わりますが、印象深かった社地山をメインに、Ⅲ城山とⅢ神谷については手短にまとめ、残り2点は標石の遠景写真のみとしました。奥社への分岐まで整備された山径、その先踏み跡（距離わずか）コースタイム：駐車地点（10:27）→エドヒガン分岐（10:32）→社地山（着10:37、出10:48）→奥社（着10:51、出10:57）→エドヒガン（着11:02、出11:04）→駐車地点（11:09）　上越市三和区岡田を目指しました。県道13号線に風巻神社の標識があり、すぐ参道（写真）に到着しました。広く知られた神社で風の神を祀り、地名辞典によると天歴2年（948年）の創立といわれ、上杉謙信・大久保石見守が社地を寄進したと伝えるとあります。　参道の入口で左折し、わずかに進むと林道社地山線の起点で、写真の案内板がありました。　林道は舗装されており5分ほどで山径の入口に到着、道標が整備されていました。路肩に数台駐車可能です。準備後歩き始めました。　道幅は広く、軽トラでも入れそうな気がしました。　路傍にカタクリが咲いていました。　歩き始めて5分ほどでエドヒガンとブナ林との分岐に到着、先ず三角点を目指し直進しました。　奥社（案内板ではカブロ山）と三角点ピーク（城見平）の鞍部に到着、詳しい説明板（写真）があり、ここは空堀とのことでした。　鞍部で右折、三角点へは踏み跡程度の急な登りに変わるものの距離は短く、すぐに城見平と呼ばれるピークに到着（写真）しました。広く平らな頂でしたが、三角点以外は何もありませんでした。ここは戦国期春日山城と安塚直峰城を結ぶ狼煙場とのことです。　標石を接写しました。山名・点名は風巻神社の社地であることに由来、周囲は雑木林で眺望は梢越しに平野部がかろうじて望める程度でした。　国土地理院の成果は北緯 37°07′08″.4384、東経 138°23′10″.7031です。　鞍部に戻り、今度はカブロ山と呼ばれるブナ林のある奥社を目指しました。石碑（写真）に「風巻神社 本宮」と刻まれていました。　ほんのひと登りで到着、鍵がかかっていて中は覗けませんでした。左の灯籠には文政十一年とありました。説明板等によると、この周囲は標高が低いながらもブナの自然林で現在40本ほど残っており、上越市の天然記念物に指定されているとのことです。　復路、風巻神代桜とも呼ばれるエドヒガンを見学、こちらも分岐から1分ほどで到着しました。樹齢は200～300年と言われており、市の天然記念物です。花が咲く頃にもう一度訪ねたいと思いました。（社地山 終了）Ⅲ城山訪問日　2024年4月1日、晴れ時々薄曇り等級：三等標高：97.8ｍ1/25000地形図：高田東部　「城山」の点名を持つ三角点は県内あちこちにあります。「じょうやま」と読んだり「しろやま」と読んだり紛らわしく感じていますが、ここは「しろやま」とのこと。山頂の周囲に数ヶ所、城の遺構と思われる堀切などが観察され、何らかの城館跡と思われますが資料は見つかりませんでした。ただこの近くに有名な大間城跡があります。山径、途中径なしコースタイム：駐車地点（8:42）→Ⅲ城山（着9:04、出９:20）→駐車地点（9:41）　県道184号線、上越市三和区神田と塔ノ輪の境界付近、長池（神田池）の堤防が見える場所（写真）に駐車し、準備後歩き始めました。すぐ近くに雪中梅で有名な丸山酒造場（行動図に雪中梅と記入）があります。　堤防の階段を登ると池が一望できました。左の奥に見える建物は鯉料理の店、清風亭です。　池に向かって堤の右端に合掌した地蔵菩薩が鎮座していました。この先、池に沿った径は無く、右の斜面を登りました。　しばらく進むとやや幅広な山径が現れました。　路傍にはショウジョウバカマ（写真）、カタクリ、キクザキイチゲなどごく一般的な春の花が咲いていました。　径は池のほとりの沿って続いているようで、山頂へ行くために径から外れ、沢伝いに進みました。　山頂の手前で別の整備された山径に合流しました。　到着しました。ここも三角点以外何もありませんでした。　標石です。眺望は梢越しに上越市街地方向が見える程度でした。　国土地理院の成果は北緯 37°08′48″.3566、東経 138°21′58″.2823です。　復路は山頂まで通じていた径を歩いてみたかったのですが、駐車地点から遠くなるため尾根伝いに池に向かって下り、ほとりの径を県道まで歩きました。（Ⅲ城山 終了）Ⅲ神谷訪問日　2024年4月1日、晴れ時々薄曇り等級：三等標高：357.2ｍ1/25000地形図：安塚　続いてⅢ神谷です。ここは地形図を見るとの南側斜面が崩れており、気になっていた三角点の一つです。どうなっているのか現地へ行って確認してきました。農道、雪の上、スギ植林地を歩くコースタイム：駐車地点（12:04）→Ⅲ神谷付近（着12:19、出12:44）→昼食（着12:48、出13:02）→駐車地点（13:09）　県道61号線、上越市牧区大月を目指しました。集落内の特別養護老人ホーム付近から市道を北東へ進むと神谷です。老人ホームがある場所は1997年に閉校した沖見小学校の跡地です。地形図を見ると沖見郵便局の先からⅢ神谷へ向かって農道が分岐していますが、写真のように雪が残っているところもあり、民家の方の了承を得て農道の入口付近に駐車させてもらいました。　中央奥がⅢ神谷です。雪の上やあぜ道を歩きました。廃田と思われるものが多く、夏は雑草が繁茂しそうです。　主尾根に到着しました。地形図にある通り山頂の南側がU字型に大きく崩落しているのを確認しました。写真の奥に見える山々は関田山脈です。　尾根と崩れた斜面の境界で電子コンパスを用いて標石の位置を調べると14m先を示しました。標石が空中に存在していることになります。と言うことは、崩落が進行し標石もろとも落下したと判断せざるを得ません。昭和57年発行の1/25000地形図「安塚」を見ると全く崩落していませんので、最近崩れ始めたものと思われます。さらに崩落が進む可能性もありますので、この場所に長居するのは危険と判断し、早めに立ち去ることにしました。標石が確認できなかった三角点は訪問数に加えていませんのでⅢ神谷については徒労に終わりました。　ちょうどお昼時でしたので、復路景色のよい場所で食事をしました。左から米山、尾神岳、兜巾山、霧ヶ岳などを望みました。　この標石はⅢ南方（標高112.6ｍ、1/25000地形図新井）です。Ⅲ神谷の後に訪ねました。平成6年8月に三墓山（255m）の山頂からふもとの事業所に移転しました。敷地内にありますので許可を得て写真撮影等を行いました。　当日最後に訪ねたⅢ前山（標高76.4ｍ、1/25000地形図新井）の標石です。山頂らしくない平坦な林の中にあり、あまつさえ落ち葉に埋もれ、確認が難しい三角点です。ここは1990年7月に訪ねましたが1/25000地形図だけでは見つけられず、今年の2月18日に訪ねた時は雪が30cmほどあり、三度目の正直でようやく確認しました。

  2024.04.09

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  名引山遊歩道を歩きⅢ芹川

  Ⅲ芹川訪問日　2024年3月16日、晴れ等級：三等標高：215.2ｍ1/25000地形図：糸魚川　3月16日は前回記事にした勝山に登った後、名引山遊歩道の途中にあるⅢ芹川を訪ねる予定を立てていました。しかし登山口や経路、径の状態が詳しく分からず、現地に着いてから調査することにしていました。幸いにも案内図が見つかり、登り口の位置を国土地理院の地形図と照らし合わせルートを検討、遊歩道を周回することが出来ました。送電線巡視路を兼ねた遊歩道を歩きましたコースタイム：駐輪地点（13:13）→南ピーク（着13:44、出13:47）→Ⅲ芹川（着13:58、出14:15）→分岐（着14:28、出14:31）→駐輪地点（14:45）　勝山登山口から青海市街へ戻り、青海駅の南側を通る広い車道を進むと、青海小学校の入口手前、グランドが見える場所に色褪せた名引公園案内図（写真、行動図に位置を記入）を見つけました。図に名引山遊歩道登り口と記載された場所が2か所あり、案内図中央付近の登り口へ向かいました。　道標はなかったものの遊歩道の登り口（写真）らしきものを発見、近くに名引山公園テニスコートがありました。少し先に広い駐車場があり、そこに駐輪し準備後歩き始めました（行動図スタート・ゴール地点）。見たところあまり歩かれていない遊歩道で、夏は草が繁茂しているかもしれません。案内図のように見える表示板には「芹川 地すべり防止区域」とあり開発等に当たって知事の許可が必要な区域が図示されていました。　登り口付近にはヒメリュウキンカの光沢のある黄色い花が咲いていました。園芸種が野生化した帰化植物です。昨日も糸魚川市のえちご押上ひすい海岸駅近くの公園で咲いているのを見ました。　薄暗いスギ林の中を登って行くと写真の注意書きがありました。尾根に出ると分岐があり左折し南側へ進みました。　この周辺は複数の送電線が通っており、尾根上に鉄塔が多く、遊歩道はその巡視路も兼ねていました。径は整備されていましたが、やや荒れ気味の区間（写真）もわずかにありました。　久しぶりに北陸電力の鉄塔標識を見たような気がしました。　尾根の途中に見晴らし良好な場所があり青海黒姫山が見えました。勝山から見た時と同様に霞んでいました。　眼下にデンカ青海工場を望みました。　さらに先へ進むと、Ⅲ芹川のある東側の尾根が見え、重機などが置いてあり何やら工事をしている様子でした。　行動図記載の南ピーク（標高約210m、仮称）に到着しました。ここは南と東へ行く径の分岐点になっており東方向へ進みました。アップダウンが多い遊歩道です。　東側の尾根径は工事を行っているせいかよく踏まれていました。　途中に注意書きがあり「ご通行中の皆様へ　ご迷惑をおかけしないよう安全・安心を最優先で作業中です。しばらくの間ご協力をお願いします」とあり通行禁止になっていませんでした。　現場の様子です。新たに鉄塔を建設していましたが、土曜日のため誰もいません。従事している人達の邪魔にならずに済み、休日でよかったと思いました。　現場を登りきったところに三角点標石がありました。写真右上は日本海です。　現場の人も標石の大切さがわかっているようで、ほとんど毀損もなくきれいな状態でした。点名の芹川は糸魚川市大字青海の小字です。　国土地理院の成果は北緯 37°00′50″.9274、東経 137°48′22″.0713です。　眺望は送電線鉄塔がやや邪魔に感じる程度で良好でした。北東側（写真）は眼下に北陸道、田海ヶ池、デンカ田海工場、糸魚川市街地、日本海などを望みました。　さらに進むと分岐（行動図分岐地点）があり、青海町当時の古い案内図が倒れていました。ここで左折すると駐輪場所へ戻る近道になりますので、そちらへ進みました。　径は階段が連続するつづら折りの急な下りでした。　途中、青海小学校や青海駅、日本海などが見えました。　最後はスギ植林地を通り車道に出て駐輪場所に戻りました。道標が無いため順路を逆にする場合は入口が分かりづらいと感じました。土曜日でしたがこの遊歩道ですれ違った人はいませんでした。　帰路はサイクリングを楽しみつつ糸魚川駅まで自転車で行き、当駅始発の直江津行きに乗車しました。輪行袋は丈夫な造りのため重いうえにかさばるので自転車乗っている時は邪魔になるかと思いましたが、丸めてバックパックの横に装着することができ、さほど苦になりませんでした。　今回、2日間とも往復でJR東日本のしらゆき号やえちごトキめき鉄道に乗車、えちごツーデーパスのありがたみを実感しました。（写真は直江津駅停車中の特急しらゆき）

  2024.03.26

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  勝山（Ⅲ勝山）

  勝山（Ⅲ勝山）訪問日　2024年3月16日、晴れ等級：三等標高：328.3ｍ1/25000地形図：糸魚川　昨日に引き続き糸魚川市を訪ねてきました。起床時に疲れや筋肉痛があり、のんびり休養したい気分でしたが「えちごツーデーパス」を無駄にしたくないという義務感に駆られました。出発してしまえば、旅の過程で知見が広がり、達成感も得られ、帰宅した時は「あー、よかった」となります。家で過ごしていたら後悔していたかもしれません。　今回も東三条駅8時10分発のしらゆき2号に乗り、直江津駅でえちごトキめき鉄道の泊行き普通列車に乗り換えました。違う点は青海駅まで足を延ばしたこと、昨日の車道歩きで足が痛くなったことから輪行したことです。訪ねた三角点は2点、勝山と名引山遊歩道途中のⅢ芹川で、いずれも青海地区にあります。それぞれ別の記事にしました。整備された登山道を歩きました登山口（11:08）→勝山（着11:40、出12:09）→展望所（着12:12、出12:16）→登山口（12:41）　東三条駅まで自転車で行き、そこで折り畳んで輪行袋に入れました。JRの規則では輪行袋に入れないと列車に持ち込めないことになっています。今回、軽量の折り畳み自転車を携行しましたが、予想以上に重くかつ大きいので改札の通過すら気を遣いました。しらゆきの座席指定は、往路は車両の最前列、復路は最後列にしてもらいました。青海駅で下車後、自転車を組み立て勝山登山口へ向かいました。　青海市街から先の国道8号線は民家が無くなると歩道も無くなりかつ道幅も狭くなります。そのうえ大型車が頻繁に通りますので、少々危険を感じました。運転手の立場からすると自転車は邪魔で、対向車がいる場合は減速する必要があり「迷惑だろうな」と思いました。しかし、距離は短く駅から8分ほどで登山口（写真）に到着しました。国道を挟んで登山口の反対側に5台程度駐車可能なスペースがあり、既に4台留まっていたのには少々びっくりしました。　登り始めると路傍にキクザキイチゲ、今年始めて見ました。波の音が心地よく感じられました。　山頂までほぼ急登の連続で、始めはジグザグ登りでしたが途中から梯子やロープなどが現れました。標高100m地点と250m地点に標識がありました。　距離が短いこともあってあっけなく山頂に到着しました。誰もおらず、途中ですれ違った人もいませんでした。石祠や説明板、三角点がありました。　先ずは少し高い場所にある三角点へ……　標石周りを少しだけ刈り接写しました。　反射して見づらいのですが、 ハンディナビの表示は N 37°00′54″.54、 E 137°46′15″.04でした。国土地理院の成果は北緯 37°00′54″.5594、東経 137°46′15″.0728です。　特に意識しているわけではありませんが、今年の春は城跡の訪問が多くなっています。　石祠は立派なものでした。　山頂には大きな松などが5～6本ありましたが、見晴らしはそこそこ良好でした。しかし春霞のせいで遠望が利かず能登や佐渡は見えませんでした。　こちらは青海や糸魚川の市街地ですがやはり霞んでいました。　青海黒姫山も然り。ちょうどお昼でしたので景色を眺めながら昼食を取りました。　山頂から先、径は続いており進んでみることにしました。途中に「水場跡」を示す道標があり、　次のピークが「展望所」で、海側の見晴らしに優れていました。さらに続いていましたが次の予定もあることからここまでにして往路を戻りました。　下山後、駐車場には出発時の4台に加えさらにバイクも留まっており、ナンバーを見ると滋賀、大阪、富山、練馬で県内は長岡が1台だけでした。県外の方がわざわざ勝山の登山に来ることは考えられず、海岸の方を見ると何人かいましたので、ヒスイ拾いだろうと納得しました。　写真は登山口にほど近い国道8号線脇にあった勝山大雪崩遭難碑の説明文で、その横に石碑がありました。

  2024.03.24

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  糸魚川市の金山（Ⅲ金山城）、京ヶ峰（Ⅲ京ヶ峰）

  金山（Ⅲ金山城）訪問日　2024年3月15日、晴れ等級：三等標高：196.5ｍ1/25000地形図：梶屋敷京ヶ峰（Ⅲ京ヶ峰）訪問日　2024年3月15日、晴れ等級：三等標高：118.0ｍ1/25000地形図：梶屋敷　JR東日本の「えちごツーデーパス」は、金・土・日・祝日の連続する2日間、新潟県の長い海岸線に沿って府屋駅から市振駅、内陸部は小国駅、野沢駅、越後中里駅、大白川駅、津南駅や妙高高原駅へ行けるお得な切符で、えちごトキめき鉄道と北越急行線の利用も可能です。時々大人の休日倶楽部会員用が期間限定で発売されており、その存在は承知していましたが、天候が優れなかったり日程が合わなかったりで利用したくてもできない状況が続いていました。ここ6～7年は大人の休日倶楽部の年会費やカード年会費を支払うだけで恩恵にあずかることはなかったものの、今回（3月15日・16日）ついにその切符で糸魚川市の三角点巡りをしてきました。初日は梶屋敷駅から金山と京ヶ峰を訪ね、えちご押上ひすい海岸駅から帰途に着きました。この記事はその時のものです。金山：往路は不明瞭な山径、復路は車道、一部登山道京ヶ峰：明瞭な径があるものの、分岐が多く道標が無いコースタイム：梶屋敷駅（10:29）→薬師堂付近（10:43）→金山山頂（着11:19、出12:06）→薬師堂（着12:30、出12:36）→京ヶ峰登山口（13:25）→京ヶ峰山頂（着13:37、出14:03）→石祠（着14:06、出14:10）→満長寺（着14:20、出14:23）→えちご押上ひすい海岸駅（14:32）　えちごツーデーパスは通常2740円ですが、大人の休日倶楽部会員用（写真）は1690円で、さらに特急を利用した場合、特急券も割引になります。直江津駅から糸魚川駅までの片道の運賃が900円ですので、その安さはすさまじいものがあります。但し4月5日から若干値上げが予定されています。　東三条駅まで自転車で行き、8時10分発のしらゆき2号に乗車しました。金曜日でしたがさほど混んでおらす、当日の朝でも海側の指定席を取ることが可能でした。直江津駅で9時46分発えちごトキめき鉄道の泊行き普通列車（写真）に乗り換え梶屋敷駅へ向かいました。こちらは1両編成でのんびりしていたらすべての座席が埋まっていました。　直江津から37分で梶屋敷駅に到着、この駅で降りた人は他にいませんでした。ハンディナビのスイッチを入れ、靴ひもを結び直し歩き始めました。　駅から大雲寺（写真左）へ通じる跨線橋を渡り反対側へ、地形図を見ながら金山の登り口を目指しました。　国道8号線のバイパスをくぐると薬師堂方向への分岐がありましたが、地形図には尾根伝いに金山へ通じる径も記載されており、そちらを利用することにしました。しばらく国道に沿って歩き、林道西谷線の起点で新幹線のガード（写真）をくぐりました。　すぐ送電線巡視路の入口（写真）がありましたのでそちらへ入り、地形図記載の尾根伝いの径を探しました。しかし、はっきりせずこのルートは明らかに選択ミスでした。　何年も手入れされていないと思われる不明瞭な径らしきもの（写真）はあり、かき分けるほどの密ヤブでもなく、山頂まで距離も短いので戻ることなくそのまま進みました。　やがてスギ植林地に変わり、進行方向左側に車道が見え、テラスのような場所を複数越えると小広く平坦な山頂（写真）に到着しました。標識や石碑、ベンチ、説明板、三角点がありました。　三角点標石遠景。　接写しました。　国土地理院の成果は北緯 37°02′48″.8508、東経 137°54′30″.5000です。　こちらは山頂標識です。横に昭和四十九年と記されていました。　石碑には「神 奴奈山」と刻まれていました。　説明文もありました。　展望は360度ではありませんが、眼下に糸魚川の街並みや日本海、　火打山や焼山方向も見えましたが、強い風が吹くたびにスギ花粉が舞い上がり、はっきりしませんでした。　山頂には東側の車道方向と南側から整備された径が通じていました。少し早かったのですが、ここで昼食を取りました。　車道のコースから下山することにし、そちらへ進むと道標（写真）が設置されていることに気付きました。　2分ほどで車道の終点（写真）に到着、1～2台駐車できそうです。車でここまで来ることもできますが道がよくありません。少し先へ行くと舗装道路に変わりそこにも駐車場（数台可）がありました。そこから山頂まで歩いても8分程度です。　薬師堂の横を通過、なかなか風情のある建物です（写真略）。写真は入口に鎮座する地蔵菩薩です。　往路と合流しました。ここにも「金山城史跡コース」の道標がありましたが往路の時は目に入りませんでした。　薬師堂からは主として県道222号線を歩き京ヶ峰を目指しました。当日は風が強く国道8号線バイパス付近で地図を水路に落としてしまい流されましたがなんとか回収しました。県道221号線との交差点で左折し満長寺付近で右折、しばらく進み左折し京ヶ峰団地を通過、登山口（写真）に到着しました。この度の地震で京ヶ峰団地は大きな被害を受け、50世帯に避難要請が出されたそうです。＊道標等はありませんでしたが、舗装道路が途切れる場所を便宜上、登山口として行動図に記入しました。　スギ植林地や雑木林を通過し「京ヶ峰」の標札（写真）がある場所で左折しました。　その先でさらに左折をすると、竹林混じりの雑木林になり、トラロープが設置されたやや急な登りになりました。　苦労することなく山頂に到着、周囲はアカマツやナラなどの林で眺望はありませんでした。　標石周りを少しだけ刈り接写しました。三等三角点「京ヶ峰」の点の記によると標石から北西方向0.5mの位置に「奴奈川日姫ノ墓」が図示されていますが、墓碑や墓標は見つかりませんでした。見たところ三角点のある場所はこんもりした塚のような形状をしており、この周囲全体が墓なのではないかと感じました。　国土地理院の成果は北緯 37°02′18″.4973、東経 137°52′48″.2360です。これで1/25000地形図「梶屋敷」図幅の三角点は7点目になりました。自宅から距離がありますので全点制覇は容易ではありません。　径はさらに続いており（写真）、時間に余裕もあることから、往路を戻らず先へ進むことにしました。　三角点から3分ほど進むと石祠がありましたが倒れていました。地震のせいかもしれません。左右2体ずつ石仏が鎮座しており、中には滅多にお目にかかれないものもありました。　こちらは右の2体で、大黒天と薬師如来です。　左の2体は奴奈川姫とその子供の建御名方命はないかと推測しました。あくまでも私見です。　途中に分岐がありましたが、迷うことなく満長寺側の登山口に到着、京ヶ峰団地を通るよりも近道でした。　県道221号線を北上し、えちご押上ひすい海岸駅に着きました。この駅は2021年3月13日に開業したばかりの駅で、県道の踏切を挟んで上り線と下り線のホームが別々に設置されていました。　現在の時刻は14時32分。予定では16時21分発の直江津行きに乗り、直江津駅発17時38分のしらゆき7号で帰宅ですので、だいぶ時間が余ってしまいました。駅前に案内板（写真）があり、時間つぶしに「百霊廟」など近い場所にある観光スポット訪ねました（行動図への記載は省略｝。当日は車道歩きが長かったせいか、最後は足が痛くなりました。

  2024.03.21

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  Ⅰ黒井、Ⅰ松ヶ崎

  Ⅰ黒井訪問日　2024年2月18日、晴れ（初回訪問日1990年3月2日）等級：一等標高：4.5ｍ1/25000地形図：潟町　前日の長岡市やその周辺の三角点巡りに次いで、好天続きの2月18日も尻に火が付いたかの如く今度は上越市や妙高市の三角点を訪ねてきました。当日は柿崎区下灰庭新田にあるⅢ浦ノ沢（97.2m、1/25000地形図：原之町）から始まり頸城区手島にあるⅢ手島（68.4m、1/25000地形図：潟町）などいくつか標石を確認しましたが、まだ2月ですので雪の下に埋もれていたり、車道が除雪しておらず引き返したり、無駄が多い一日になりました。その中でも、再訪ですが、最後に訪ねたⅠ黒井がひときわ印象に残ったこと、日にちが前後しますが2月13日に一等三角点松ヶ崎へ行ってきましたので、同じ一等三角点同士でⅠ黒井とⅠ松ヶ崎を記事にしました。黒井神社の境内に三角点あり徒歩1分　15時近くになりましたが、当日の三角点巡りの締めとして上越市黒井の黒井神社（写真）境内にあるⅠ黒井を訪ねました。ここはかれこれ6回目になります。車道はやや狭いものの神社の入口付近に駐車、早速境内の北側にある三角点へ行こうとしたところ、写真からは何とも言えませんが、建物が若干傾いているように見え、立入禁止の意味か幾重にもトラロープが張られ、コーンが置かれてました。　すぐ三角点に到着しました。ちょうど神社の見回りをしてる人に出会い、会話を交わしたところ、1月1日の能登半島地震で液状化が発生、建物が被害を受けたとのことでした。写真左上のくぼんでいる部分が液状化の名残で、かなり標石に近い位置です。　標石は正常のように見えました。この一等三角点は補点です。　国土地理院は地震後の2月15日に改定した成果として、北緯 37°11′28″.0229、東経 138°16′09″.6536を公表しています。ハンディナビが表示する高度は補正を行わなかったこともあり実際の値と大きく異なっていますが、補正の必要がない緯度経度もかなり違っています。液状化のためズレが大きいのではないかと感じました。　液状化の状況です。　建物も被害を受けており、応急処置が施されていました。　話は変わりますが、境内の入口右側に「八千浦（やちほ）村道路元標」があります。今回撮った写真は光の加減で文字がはっきりしませんでしたので、2000年7月30日に撮ったものを載せました。私の自宅近くにも栗林村道路元標があり、写真を撮っている人が時々います。この手の標石探しを趣味にしている人もいるようです。三角点巡りの途中で稀に見掛けることもあります。　こちらは黒井神社のすぐ近くにある一等水準点3725です。前回の記事で三角点の廃止うんぬんについて述べましたが、水準点についてはニーズが高く増設を望む声も多いとのことで今後も維持されるものと思われます。（Ⅰ黒井 終了）Ⅰ松ヶ崎訪問日　2024年2月13日、晴れ（初回訪問日1989年8月12日）等級：一等標高：24.2ｍ1/25000地形図：松浜　2月13日は新潟市から新発田市かけて平野部の三角点巡りを行い、その途中でⅠ松ヶ崎にも立ち寄りました。こちらも神社の境内にあり、2000年12月30日に訪ねた時は地上に標石がありましたが、今回は地下に改埋されており少々残念な気分になりました。当日は他にⅢ鳥穴（1/25000地形図：天王）なども訪ねましたので、最後に少しだけ記事に追加しました。松浜稲荷神社参道まで車で行けるものの道狭い。三角点は境内にあり　松浜稲荷神社（写真）は新潟市北区松浜本町3丁目にあり、道幅は狭いものの車で行くことができます。参拝後、神社裏手にある三角点へ向かいました。　標石は前回とは異なり容易に確認できないようになっていました。帰宅後、点の記を確認すると2005年（平成17年）6月23日低下改埋とありました。この神社は例年8月24、25日に祭礼があり、屋台が並び多くの人で賑わいます。邪魔者扱いされても不思議ではないなと以前から思っていました。　国土地理院の成果は北緯 37°57′04″.8226、東経 139°08′33″.7724、この一等三角点は本点で冠字選点番号「以2」、明治28年に陸地測量師館潔彦が選点しています。本点網図によると、北から時計回りに粟島、朴坂山、日本平山、弥彦山、山毛欅ガ平山に線が引かれています。点名の「松ヶ崎」は昔の地名で、ここは明治22年～昭和29年まで北蒲原郡松ヶ崎浜村、同29年から新潟市松浜町になりました。1731年に松ヶ崎掘割が決壊し阿賀野川本流と化した話は有名です。　在りし日のⅠ松ヶ崎（2000年12月30日撮影）。　2月13日は他にも過去に確認できなかった三角点、移設された三角点なども訪ねました。この写真はそのうちの一つⅢ鳥穴（2.0m、1/25000地形図：天王）です。　1989年～2000年にかけて活発に三角点巡りをしていた当時、唯一頼りにしていたのは国土地理院の1/25000地形図で、今のようにGPSもなく、点の記も容易に見ることができず、平野部のものは地上にあるのか地下にあるのかすら分からず探しあぐねて諦めた三角点がいくつかありました。点の記の交付は、先ず国土地理院から申請書を取り寄せ、基準点配点図（これも交付が必要）で等級・点名を調べ申請書に記入、1点につき200円？の印紙を貼り、切手を貼った返送用の封筒を同封して申し込む必要があり、面倒なことこの上なくどうしても欲しいもの以外は申請しませんでした。　今はインターネットで閲覧できますので、Ⅲ鳥穴については点の記とGPSでおおよその位置を絞り込み、長さ30cm程度のバーベキュー串で地下の標石を探索、園芸用スコップで掘り出しました。夏はススキが繁茂しそうな場所でしたが、躓いて転倒する人がいるかもしれませんので、確認後埋め戻しました。

  2024.03.04

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  Ⅲ地下城、堀之内城跡（Ⅲ城山）、Ⅲ雀田

  Ⅲ地下城訪問日　2024年2月17日、晴れ等級：三等標高：95.5ｍ1/25000地形図：栃尾　ブログのタイトルにもある通り1,000点を目標に新潟県の三角点を訪ねていますが、現在の到達数は約880点、ここ5～6年は年間10～20点（再訪は含めず）程度で遅々として増えていないのが現状です。そこで今年は既に訪ねた三角点のデータと国土地理院の地形図を照らし合わせ、未訪問の三角点（三等以上）をしらみつぶしに洗い出し積極的に訪ねることにしました。とは言え新潟県は広く、出掛けるのが容易ではない佐渡市や上越市から糸魚川市にかけての丘陵地に相当数残っており、近いエリアだけではなく広範囲に動き回り、早く目標を達成したいと考えています。　急ぐ理由に年齢もありますが、国土地理院が基準点体系分科会（Ⅴ）報告において、「従来の一等から四等までの三角点は、その果たしていた測地網の密度補完並びに公共基準点に対する近傍既知点としての役割が終わることから、少数の三角点を除き今後 10 年程度で測量の基準としての用途を廃止する」と述べており、危機感をつのらせたことに因ります。最近では上越市柿崎区にあったⅢ法音寺（1/25000地形図 柿崎）がおそらく傾斜が原因であっさり廃点になりました。以前なら改埋か移設されていたはずです。　そのような事情から、好天に恵まれた2月17日、このところの陽気で雪解けが進んでいる長岡市やその近郊のまだ訪ねていないⅢ地下城、堀之内城跡（Ⅲ城山）、Ⅲ雀田の3点と、他に平成11年に再設されたⅢ蓮潟、過去に訪問済みではあるものの同じく平成11年に移設されたⅢ堀金などを訪ねてきました。この記事では容易に行くことができるⅢ蓮潟、Ⅲ堀金の2点は割愛しました。径はあるが墓地の先が不明瞭コースタイム：駐車地点（9:22）→Ⅲ地下城（着9:37、出10:19）→駐車地点（10:40）　Ⅲ地下城に向かうべく長岡市浦瀬町を目指しました。車で集落内をうろうろしたものの駐車に適した場所が見当たらず、少し離れた浦瀬小学校と郵便局の間にある駐車スペースを利用しました。土曜日でお休みのため問題なく留めることが可能で、準備後出発、歩き始めてすぐ「石油の道開削記念碑」（写真）が目に留まりました。　地形図を見ながらⅢ地下城へ通じるコンクリートの階段を登って行くと、　注意書きがあり「……。油井戸が点在しています。転落の恐れがあるため立ち入らないでください。」と書かれていました。このような場所は深くて狭い落とし穴のようなものが草に隠れたいたりしますのでとても危険です。できれば行きたくないのですが足元を確認しながら進むことにしました。　1992年（平成4年）と1995年（平成7年）に黒川村（現胎内市）のⅢ下館（1/25000地形図 中条）を訪ねましたが、三角点近くの山林に昔の油井が点在しており、それらが草に覆われてよく見えずかなり危険を感じました。実際にかなり深そうな陥穽がいくつかあったのを覚えています。現在その三角点は地形図から消失しており、おそらくそれが原因で廃点になったと考えられます。その周辺は臭水油坪跡として知られています。　階段の先は墓地になっていました。さらにその先で不明瞭な山径（写真）に変わりそれがⅢ地下城の近くまで続いていました。　さほど労せずして到着、周囲は主に竹林で眺望はありませんでした。　点名の地下城は長岡市浦瀬町の小字です。この付近に「地下城」と呼ばれる戦国時代の城があったとされますが、この先にもう少し高い場所があり、どこが城跡なのかよく分かりませんでした。　国土地理院の成果は北緯 37°27′50″.8615、東経 138°54′30″.1818です。今年の1月1日に発生した能登半島地震を受け、国土地理院は新潟県の一部地域（長岡市、上越市等）で成果の閲覧を停止していましたが、2月15日に改定した成果を公表しています。　すぐ近くに小屋があり、中を覗くと薪が積んでありました。15分ほど滞在した後、のんびり往路を戻りました。（Ⅲ地下城 終了）堀之内城跡（Ⅲ城山）訪問日　2024年2月17日、晴れ等級：三等標高：146.8ｍ1/25000地形図：西山　城山の点名を持つ山は県内に多数あります。ここは国土地理院の地形図では無名ですが、Googleマップには堀之内城跡と記載されており、調べてみると室町時代の城館跡であることが分かりました。通った経路にかすかな踏み跡があった程度で城跡として整備されていませんでした。なお、点名の読みは「じょうやま」です。取り付きまで積雪がある農道、その先径なし、あるいは不明瞭な踏み跡コースタイム：駐車地点（11:51）→堀之内城跡（着12:10、出12:47）→駐車地点（13:06）　浦瀬町のⅢ地下城からⅢ堀金、Ⅲ蓮潟を訪ねた後、国道8号線を柏崎方向へ進み、宮本東方町にある宮本温泉を目指しました。行動図のスタート地点近くにある温泉記号がそれです。除雪してあるのはスタート地点（写真）までで、そこに駐車（2台程度可）せざるを得ず、農道は歩く必要がありました。無雪期は取り付きまで車で行くことが可能です。近くに作業をしている人がいたので、堀之内城跡について尋ねましたが詳しくない様子でした。ついでに宮本温泉が現在営業しているかどうか聞いておくべきでした。　雪が腐っていて歩きづらいものの、五百川（いもがわ）に沿った農道を歩いて行くと目指す城山（写真）が見えてきました。　橋を渡り取り付きに到着、尾根よりも谷の方が雪があり歩きやすそうでしたので、そこを登り始めました（写真）。　途中で尾根に出るとうっすらと踏み跡があるのを確認しました。山頂の手前には城の遺構と思われる空堀（写真）がありました。　空堀の先、山頂に向かって急斜面を登りました。　山頂はそこそこ広く、城があったことから人為的に平坦になっていました。ちょうどお昼時でしたのでここで昼食です。　邪魔な笹を刈り接写しました。保護石も4個揃っており、標石は瑕疵もなく良好でした。　国土地理院の成果は北緯 37°26′59″.7958、東経 138°43′54″.2417です。細長い山頂で三角点付近は眺望がありませんでしたが、東側へ行くと梢越しにかろうじて長岡市街地方面が見えました。　復路は尾根伝いに下りましたが、春先のせいか歩きやすく感じました。（堀之内城跡 終了）Ⅲ雀田訪問日　2024年2月17日、晴れ等級：三等標高：227.7ｍ1/25000地形図：西山　本日はさらにもう1点、柏崎市西山町妙法寺にあるⅢ雀田を訪ねることにしました。ここは三角点の近くを送電線が通じているため、巡視路の入口を見つけさえすれば容易ではないかと考えていました。ただ標高が227.7ｍであるため雪が解けきっておらず標石が埋もれているのではないかという懸念がありました。送電線巡視路を歩くコースタイム：駐車地点（13:53）→Ⅲ雀田（着14:21、出14:35）→駐車地点（15:00）　県道393号線を通り柏崎市西山町妙法寺へ向かいました。県道に沿った集落の途中に「草生水献上場」を示す道標があり、そちらへ進みました。民家が途切れ少し進むと車道の左側に送電線巡視路の入口を示す案内板（写真）があり、その少し手前の路肩の広がっている場所に駐車しました。案内板には「刈羽線 No.53 No.54｝と表示されており、No.53方向へ進みました。　はじめは急なジグザグ登りで、写真のような階段も設置されていました。　6分ほどで鉄塔No.53に到着、次の鉄塔No.52（写真）が見えました。　途中、スギ植林地内も通過しました。　標高約190mのピークに到着、梢越しに西山町方向を望みました。　鉄塔No.52（写真）を通過すると目指すⅢ雀田のピークが見えてきました。　三角点は山頂の北西側にありました。　標石周りを整理し接写しました。点名の雀田は西山町妙法寺の小字です。　国土地理院の成果は北緯 37°26′06″.1965、東経 138°40′28″.1886です。　山頂の様子です。左下が三角点標石。その部分は雪がなく助かりました。　下山後すぐに車に戻らず、車道をさらに先へ進むと、道標や案内板（行動図の道標地点）がありました。中央の白い標柱には「左 旧長岡街道沖見峠へ1,000米　右 やま道草生水献上場へ1,100米」とあり、左の石碑も年代物の道標でした。当初、草生水献上場の見学も考えていましたが、距離があるのでここで引き返すことにしました。　道標の反対側には馬頭観音（中央）など複数の石仏が鎮座していました。この辺り一面に石油の匂いが立ち込めていました。（Ⅲ雀田 終了）

  2024.02.24

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  Ⅲ嘗床蔵、Ⅲ吉浦

  Ⅲ嘗床蔵訪問日　2023年12月9日、晴れ等級：三等標高：385.0ｍ1/25000地形図：柏尾　12月もそろそろ中旬に差し掛かり、自宅の窓から望む粟ヶ岳や越後白山などの山々は中腹より上が雪化粧していますが、弥彦山に雪がある気配は感じられません。広葉樹はすでに葉を落とし見通しも良好なことから標高低いヤブ山の三角点を狙うチャンスではないかと考え、先日記事にした能化山にほど近い村上市近郊の海寄りの三角点であるⅢ嘗床蔵（なめとこぞう）とⅢ吉浦を訪ねてきました。　記事のタイトルと行動図だけではどこにあるのか分かりづらいため村上市柏尾周辺の概略図（配点図）を示します。Ⅲ嘗床蔵（385.0ｍ）とⅢ吉浦（172.6ｍ）は能化山の北にあり、いずれも初めて訪ねる三角点です。Ⅲ嘗床蔵：不明瞭な踏み跡コースタイム：駐車地点（9:20）→標高点299m（着10:03、出10:07）→Ⅲ嘗床蔵（着10:34、出11:27）→標高点299m（着11:48、出11:50）→駐車地点（12:24）　日本海東北自動車道を神林岩船港ICで降り国道345号線へ進み村上市街地や能化山登山口がある間島を通過し柏尾に到着、集落手前で分岐する林道柏尾猿沢線に入りました。林道は冬季閉鎖のようでしたが、車止めが中央に置かれておらず入れるようになっており、今回は猿沢集落へ通り抜けるわけではなく、せいぜい標高約100m地点までしか行きませんので入らせてもらいました。途中で能化山方面へ行く林道海府南線が分岐し、そこから約950m進むと路肩の広い場所（写真）があり、駐車しました（スタート・ゴール地点）。今回はゴム長を履いて出発しました。　Ⅲ嘗床蔵へは、大川（写真）を渡渉し対岸から取り付く必要がありますが、川への下りはかなりの急斜面でほぼ真下に見えました。　なるべく緩やかそうな斜面を選んで下降、標高差25mほどでしたが問題なく大川に降り立つことができました。川幅が広い場所に出たこともあり、濡れることなく渡渉可能で写真中央の尾根に取り付きました。川はその先、狭くなり水深も深くなりました。ここから三角点までの標高差は約300mです。　尾根はクマザサなどが繁茂し歩きづらい場所もありましたが、不明瞭な踏み跡があるのを確認しました。　始めは急登でしたが、徐々に緩やかな登りに変わり、至って歩きやすいところ（写真）もあり、このルートを計画して正解だったと思いました。　標高点299mの小ピークに到着しました。木々はすでに葉を落としていますが、見晴らしはあまりよくありませんでした。　一旦コルに向かって下りになり、Ⅲ嘗床蔵へ続く東のピークが正面に見えました。他に梢越しに日本海も見えました。　標高差100mほど急登が続き、標高340m付近でクマザサのヤブが鬱陶しく感じましたが、さほど苦労することなくⅢ嘗床蔵に到着しました。山頂は尾根上の小ピークで、今回も標石がすぐに見つからずまたかと感じたものの、6分ほどで見つかりました。そこそこ深く埋まっていましたが、山頂が細長く狭かったこと、ハンディナビの精度が良好だったこと、この辺だろうという長年の勘が的中したこと、など好条件が重なりました。　平成の大合併前の村上市周辺にある三等三角点は、明治42年に陸地測量手渋田国作氏によって設置・観測されており「容」の冠字が付けられています。先日訪ねたⅢ藤次郎山（容6）の三角点標石も地下に埋もれていましたが、嘗床蔵（容43）と同様に冠字が「容」で、測量手の癖で深く埋設しているのかなと思いました。しかしながら、能化山（Ⅲ間島、容44）は「三等」の文字がはっきり見えていましたし、下渡山（Ⅲ下渡山、容47）は標石下部の露出が進んでいたり、一概に言えないようです。一般に登山者が多いと山頂が踏み固められたり、裸地化が進み地表の土や砂が流出し三角点標石が露出する傾向にあります。　国土地理院の成果は北緯 38°17′55″.7692、東経 139°28′59″.6626です。3個の準天頂衛星「みちびき」を捕捉しており、そのうち2個の強度が良好でした。　また奇妙な点名である嘗床蔵は、所在地である村上市吉浦字ナメトコ沢に由来すると思われ、俗称「ナメトコゾ」と点の記に記載されてます。　梢越しになりますが眺望は北に登立山（820m、三角点なし）が見えました。山頂近くは雪があるようで、やや白っぽくなっていました。　その右側、北東方向にⅢ井戸（745.7m、地形図に山名なし）が見え、　南東にぼんやりと鷲ヶ巣山（写真奥中央）を望みました。西方向にある日本海は見えませんでした。昼食にはまだ早いと思いましたが、軽く食事をしました。　踏み跡があったことから、この先尾根伝いにそれを辿りⅣ大川を訪ね、そこから直接林道へ下る周回ルートを考えましたが、少し進んだところでヤブっぽくなり、時間が掛かると判断、今日は後述するⅢ吉浦の訪問も予定しており、無難に往路を引き返しました。　下山途中で望んだⅢ嘗床蔵（写真中央）です。これといった特徴のない山容です。（Ⅲ嘗床蔵 終了）Ⅲ吉浦訪問日　2023年12月9日、晴れ等級：三等標高：172.6ｍ1/25000地形図：柏尾Ⅲ吉浦：最近手入れされていない山径コースタイム：駐車地点（12:54）→見晴らし（着13:08、出13:09）→Ⅲ吉浦（着13:18、出13:40）→見晴らし（着13:48、出13:51）→駐車地点（14:08）　Ⅲ嘗床蔵を訪ねた後、国道345号線に戻り北上、吉浦集落を目指しました。集落の東に雷神社があり、登山口はその付近にありますが、駐車場所が見つからず羽越本線に近い農道の突き当たりに留めました。写真は雷神社の参道です。この辺りの田畑は広範囲に電気柵が設置されていました。　階段を登ると左に雷神社、右に祠（写真）がありました。お地蔵様かなと思い覗いてみたところ、不動明王が祀られていました。雷神社は下山時立ち寄ることにしました。　その先、分岐（写真）があり右へ進みました。途中、路傍に動物捕獲用の罠が仕掛けてありました。　さらに進むと畑へ通じる径と山径の分岐があり、山径（写真）へ進みました、最近手入れがされていない様子で、少し荒れていました。　尾根を直接登るわけではなく、くねくねと緩やかに径付けされていました。　眺望が良好というほどの場所ではありませんが、行動図記載の「見晴らし」に着くと、梢越しに吉浦集落、海岸線に沿って国道345号線、山寄りに羽越本線、海のかなたにうっすらと粟島を望みました。　その先、径は一段と荒れてきました。木々はすでに葉を落とし分かりやすいものの、夏の頃はかなり不明瞭になっているのではないかと感じました。国土地理院の地形図を見ると、この山径は鍋倉山（448m）の近くまで延々と続いており、鍋倉山に三角点はありませんが歩いてみたいと思いました。　径はⅢ吉浦を巻いていましたが、その付近はちょっとしたピークになっており、そこへ行くと国土地理院の白い杭があり、標石の所在はすぐにわかりました。落ち葉や枯れ枝に埋もれかかっていたものの半分ほど頭を覗かせていました。　この三角点も前出のⅢ嘗床蔵や先日登ったⅢ藤次郎山同様、陸地測量手渋田国作氏によって設置・観測されており、そのこともあって地面近くまで埋まっているのかなと思いました。　国土地理院の成果は北緯 38°18′21″.0630、東経 139°27′30″.0504です。　周囲はアカマツやナラなどの林で眺望良好とは言えず、日本海（写真）や内陸の低い山々が見える程度でした。集落に近いせいか踏切の警報音や波の音が聞こえてきました。持参のおにぎりを食べた後、あちこち見物しながらのんびり往路を下りました。　雷神社に立ち寄りました。冬囲いされていましたが中に入ることは可能でした。それに該当するかしないか知りませんが、一般に雷神社は雷神が祀られており、日照りの時に雨乞いが行われるとのことです。

  2023.12.17

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  藤次郎山（Ⅲ藤次郎山）

  藤次郎山（Ⅲ藤次郎山）訪問日　2023年11月22日、晴れ等級：三等標高：603.5ｍ1/25000地形図：三面（越後門前）　前日の能化山に続き、再び村上市の山を訪ねました。今回は大栗田にある標高603.5ｍの山で国土地理院の地形図では無名ですが、藤次郎山（とうじろやま）と呼ばれているようです（点名：藤次郎山、俗称：藤次郎）。登山道はありませんので、大栗田集落から林道を終点まで行き、赤沢川の枝沢を遡行、途中より小尾根に取り付き山頂を目指す最短ルートを計画しました。往復後、時間に余裕があれば近くのⅢ浦沢（395.5m）も訪ねる予定でしたが、大栗田へ向かう際に遠回りをしてしまい時間が掛かったこと、藤次郎山の三角点標石の確認に手間取ったこと（これが大きい）により、諦めざるを得ませんでした。林道終点より先、赤沢川の枝沢に沿って右岸に200mほど踏み跡、その先径なしコースタイム：駐車地点（8:42）→林道終点（着9:02、出9:05）→取り付き（着9:41、出9:46）→藤次郎山（着10:44、出12:51）→取り付き（着13:33、出13:38）→林道終点（着14:13、出14:25）→駐車地点（14:46）　日本海東北自動車道の村上山辺里ICから県道207号線で門前集落を経て大栗田へ向かいたいところですが、相変わらず工事を行っており通行止めでした。しぶしぶ迂回路である県道273号線で、光兎山登山口がある関川村中束を経て大栗田へ向かいました。集落を通過しさらに進むと、幅員が狭くなり道もぬかるみ始めたため、行動図のスタート・ゴール地点（写真）に車を留め（数台可）、準備後歩き始めました。今回は沢の遡行をしますのでキャラバンの渓流シューズ（ラバーソール）で出発です。　車道（林道？）を進んで行くと、途中で門前川が赤沢川と綱木川に分かれ、道も分岐します。綱木川沿いの道も国土地理院の地形図では実線で記載されていますが、見たところススキなどが生い茂った草道になっており車は進入できそうにありません。赤沢川に沿った道をしばらく進むと林道終点（写真）に到着、辺りはちょっとした広場になっていました。ここまで路面状況はよくありませんが、途中に車止めは無く、軽トラやオフロード車なら入ることが可能です。スタート・ゴール地点から林道終点までは徒歩20分ぐらいの距離でした。　遡行予定である赤沢川の枝沢は右岸（写真）に踏み跡がありはじめはそこを歩きました。所々、朝露に濡れた草の中を歩きましたが、今回は濡れることを想定した服装ですので問題ありませんでした。　踏み跡は200mほどで終わり、その先、沢の中やそのほとりを歩きました。季節柄、水が冷たく感じました。　この沢は途中に滝などは無く、水深は浅いところを選べば膝下で、長めのゴム長でよかったのではないかと思いました。写真は行動図の「取り付き」付近で、ここで沢は左右に分かれ、その中央の小尾根を登り始めました。正面に高い山が見えますが、藤次郎山はその先にあります。　尾根を忠実に登るのではなく、なるべくヤブの薄いところを選びました。取り付きからしばらく急登が続きました。　途中から尾根の上を歩きましたが、周囲はブナ林でヤブは薄く助かりました。踏み跡は無いようです。　11月下旬ですが、まだまだ紅葉が楽しめました。　標高500mを越えると勾配が緩やかになり歩きやすくなりました。　幹が分かれていましたがブナの大木もありました。山頂が近づいてくると小さなブナに混じってツバキやユズリハがうるさくなってきました。　到着しました。やや広い山頂です。　三角点標石は頭を覗かせていませんでしたが、保護石らしきものが3個あり、その中心を調べれば出てくるだろうと思いました。　3個の保護石の中心付近を持参のペグで突き刺してみるもののまるで手応えがありませんでした。どうも保護石ではないようです。あらかじめ三角点標石の位置をハンディナビにインプットしておきましたので、電子コンパスで確認したところやはりこの付近を指しました。　徐々に調査範囲を広げると、保護石らしきものから1mほど離れた場所で、地中にある標石を発見しました。山頂到着から標石確認まで1時間20分ほど掛かってしまいました。　木が邪魔でしたが、今回鋸を携行していませんでしたのでそのままにしておきました。標石の南側を指でなぞり「三等」の文字が刻まれていることを確認しました。　国土地理院の成果は北緯 38°10′53″.2709、東経 139°38′35″.4115です。このように標石が地中に埋まっているケースは時々あり、直近では昨春登った阿賀町の金凍山がそれに該当します。　山頂からの眺望はすべて梢越しになりましたが、北に左から前ノ岳、中ノ岳、鷲ヶ巣山が見え、　鷲ヶ巣山（写真）をクローズアップすると山頂付近がやや白くなっていました。北東は完全に雪化粧した朝日連峰、　南に頭布山（写真）や　光兎山が見えました。　山頂は心地よく、標石の発見後も食事などをしてのんびり過ごし、2時間以上滞在した後、下山を開始しました。　渓流シューズはソールがフラットに近く、落ち葉の積もった急斜面（写真）の下降では滑りやすく少々苦労しました。　途中、沢の近くで窪んだ場所（写真）を発見、炭焼き窯の跡ではないかと思いました。その後、林道終点に14時13分に到着、「秋の日は釣瓶落とし」と言うこともあり、予定していたⅢ浦沢は取り付けそうな場所を下見をする程度にし、おとなしく帰宅しました。

  2023.12.01

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  能化山（Ⅲ間島）

  能化山（Ⅲ間島）訪問日　2023年11月21日、曇りのち晴れ（初回訪問日1999年11月20日）等級：三等標高：380.4ｍ1/25000地形図：柏尾　JR東日本が「GW・お盆・年末年始365日いつでも使える！ 乗車日当日の購入もOK！ 1570円でフリーエリアが1日乗り放題！」のキャッチフレーズで「えちごワンデーパス」を発売しており、今回それを利用して村上市間島（まじま）にあるハイキング入門編のような山、能化山（のっけさん）に登ってきました。やや雲の多い日でしたが小春日和の暖かな一日、海を望む景色を満喫しました。・登山道を歩く（焼山コースの林道より西側がやや荒れ気味）・地形図の更新が遅く、登山道を横切る林道海府南線は記載されていないコースタイム：間島駅（10:38）→柳沢コース登山口（着10:44、出10:47）→林道（11:07）→能化山（着11:31、出12:58）→林道（着13:15、出13:18）→焼山コース登山口（着13:35、出13:45）→間島駅（13:51）　えちごワンデーパスは新潟市を中心にフリーエリアが設定され、北は村上や小国まで行けますが、東や南は出雲崎や小千谷までしか行けない少々残念な切符です。フリーエリア内の指定券券売機やみどりの窓口で発売しており、東三条駅で購入しました。　能化山の登山口がある間島は村上の一つ隣の駅でフリーエリア外ですのでその区間の切符も買い、7時53分東三条発新潟経由村上行きの普通列車に乗り込みました。東三条⇔間島はえちごワンデーパスを使うと1970円で往復できますが、普通の乗車券では3670円（行き新潟経由、帰り水原経由）かかり、前者の方が1700円もお得です。　平日のため列車は通勤・通学客でそこそこ混雑していました。それが新潟駅に近づくにつれ首都圏の通勤ラッシュ並みに変わり、越後石山駅でピークを迎えました。普段、家でのんびり仕事をしている身としては耐え難いものがあり、せめて新潟まで新幹線にすべきだったと痛感しました。ところが新潟を出発すると超ガラガラに変わり、その落差に驚きました。えちごワンデーパスは特急券を買えば特急にも乗車できますが、今回普通列車を利用した理由は村上から先の接続が悪く、特急いなほで行っても普通列車で行っても間島駅の到着時刻が同じになるためです。写真は村上駅に待機中の酒田行き普通列車です。　10時32分、間島駅に到着しました。無人駅ですが2面3線の構造で、帰宅時2番線で待っていたところ3番線に入線してきたのにはびっくりしました。　靴ひもの締め直し等、出発準備を行い歩き始めました。駅前に案内図（写真）がありましたが、詳しくないと感じました。下山後に見直すと確かにこうなっていたなと納得した次第です。　集落内を進み右折、羽越線のガード（写真）をくぐり登山口へ向かいました。　柳沢コースの登山口と思われる場所に到着、ここから登り始めることにしました。広くはありませんが路肩に数台駐車可能です。看板が見えましたので、てっきり登山口と書いてあるだろうと思いましたが「栽培した農作物採るな」とありました。近くに焼山コースの入口もあるはずですが、この時点では分かりませんでした。　この写真は1999年11月20日に登った時のもので、当時は道標がありました。　登山道の様子です。途中に分岐が二か所ありましたが、リボンがぶら下がっており、その方向へ進んで行けば大丈夫でした。　標高点150mのピークは巻いて進み、ほどなくして林道海府南線（写真）に出ました、国土地理院の地形図は更新が遅く林道は記載されていません。　林道からはすぐに急登になりました。　しばらく登るとあっけなく山頂に到着しました。　三角点は山頂標識の北、路傍にありました。　標石周りを刈り払い接写しました。　国土地理院の成果は北緯 38°16′34″.2281、東経 139°27′58″.7288です。　山頂には他に小さな石塔や　ナラに鐘がぶら下がっており、内側をのぞき込むと「2017 3 恒」と記されていました。　眺望の見せ場は粟島（写真）で、他はふもとの集落を見下ろす程度、内陸部は木々が邪魔でほとんど見えませんでした。　当初の計画は、夕焼けを眺めながら下山し間島駅16時48分発の新津行きに乗車する予定で、ややゆっくりペースで登り山頂に長居しました。しかし、それでは間が持てないので、電波の受信状況が良好だったことからスマホで時刻表を検索、14時45分発の列車があることが分かり、それに乗ることにしました。それでも時間が余りそうです。　周回可能との情報から焼山コースで下山しました。すぐに急な下りになり、径に緑色のロープが設置されていました。　こちらも林道を横切りました。登り方向・下り方向とも道標が設置されていました。　この辺りは径の中央が凹んでおり、昔は相当往来があったのではないかと推察されました。　ふもと近くで砂防ダム（写真）の横に出ました。ダムから流れ出る水で顔などを洗いました。　写真は車道から見た焼山コースへの入口で、ここに道標はなく少し先の砂防ダムの近くにあり、歩いた経験がないと分かりづらいのではないかと感じました。ここから柳沢コースの登山口も見えました。　駅到着後も50分以上時間に余裕がありましたので、周辺をうろうろ、国道345号線に出て堤防から粟島を眺めると、山頂よりも近いせいかより鮮明に感じました（写真）。　今回、初めてえちごワンデーパスを利用しましたが、復路も下校する高校生で混雑していた区間があり居心地が悪く、基本的に休日に普通列車でのんびり旅を楽しむのに適しており、もし平日であれば優等列車で快適に移動した方がいいのではないかとの教訓を得ました。

  2023.11.29

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  大鱒谷山（Ⅲ 大升谷）、二倉山（Ⅲ二倉）

  大鱒谷山（Ⅲ 大升谷）訪問日　2023年11月9日、晴れ等級：三等標高：729.3ｍ1/25000地形図：越後豊川二倉山（Ⅲ二倉）訪問日　2023年11月9日、晴れ等級：三等標高：587.6ｍ1/25000地形図：越後豊川　11月9日、現地へ向かう途中、霧が立ち込めていましたが好天が期待できるとのことで、阿賀町の大鱒谷山と二倉山を訪ねました。この二つの山はアプローチに林道新箕輪線を利用すると便利ですが、計画段階だった2021年頃は災害のため通行止でした。それが昨秋通れるようになっていることに気付き、今春行こうとしたところ倒木処理のため通行止で、今回やっと実現しました。最近異常気象が頻発していることから、行ける時に行っておかないとまた通れなくなる危険性があり、地味な山ですが自分の中では優先度が上位にランクされていました。　当日は大鱒谷山を先に登り、時間に余裕があれば二倉山も登る予定を立てており、スタート地点からの標高差は大鱒谷山で約170m、二倉山に至ってはいくつかのアップダウンがあるものの30m弱（累積ではない）で大したことは無く、懸念されるのは踏み跡の有無とヤブの状態です。大鱒谷山：やや不明瞭な山径二倉山：廃道化した作業道を終点まで歩き、その先は径なしコースタイム：駐車地点（8:20）→A地点（着9:09、出9:13）→大鱒谷山（着9:26、出10:04）→A地点（着10:18、出10:20）→林道（着10:55、出10:59）→廃道終点（着11:33、出11:37）→二倉山（着12:51、出13:20）→駐車地点（15:08）　阿賀町の国道49号線、赤岩トンネルを津川側に抜けるとすぐに林道赤岩線の入口があり右折、その先、林道箕輪線、林道新箕輪線を通り行動図のスタート・ゴール地点（駐車地点）へ向かいました。改めて地図を見返すと国道49号線揚川発電所付近から県道17号線へ進み、新箕輪線の起点がある谷沢集落からアプローチした方が近いことが分かりました。　これらの林道は荒れており、路面に落ち葉が積もり、路肩にある草や木の枝が道の中央へ張り出し幅が狭く、また落石もあり、通れないことはなかったもののできれば通りたくない道でした。写真は新箕輪線の途中で見えたカタガリ山（三角点なし）です。今回登る山と無関係ですが、特異な山容をしていること、通り道にあったことから写真に収めました。この手前で4頭のイノシシを目撃、徐行しながら通行しました。　新箕輪線は旧三川村と旧上川村の境界である標高560m付近が最も高く、峠になっており、その少し先にある路肩の広がっている部分（写真、4台程度可）に駐車し、準備後出発しました。国土地理院の地形図には、この付近から二倉山へ向かって作業道（廃道）が記載されています。　大鱒谷山へ向かってヤブの薄い場所を探しましたが見当たらず、仕方なく密度の高いツバキなどのヤブをかき分けながら進み、小さな尾根に出ると山径が現れました（写真）。　踏み跡かと思いましたが、所々リボンがぶら下がっており、また鉈の跡も新しかったことから、やや不明瞭ながらも山径としました。径があると思っていなかったのでうれしい誤算でした。　外さないように慎重に山径を辿ると、やがて行動図のA地点に到着しました。山径はさらに南へ続いている様子でしたが、大鱒谷山の三角点は北西にありますので、そちらへ進むと今度は踏み跡程度の山径が現れました（写真）。　大鱒谷山は三角点ピークの手前により高いピークがあり、それを越えて少し下ると大きな岩（写真）が現れました。　岩から少し進むと三角点標石がありました。その先も少し高い場所があり、さらに北へ向かって不明瞭な踏み跡が続いているように見えましたがよく確認しませんでした。　標石周りの草などを刈り接写しました。点名は大升谷ですが、山名の大鱒谷は谷沢の小字で、郡誌によると東蒲原郡の三川地区には「小鱒（増）谷・大鱒谷」という地名が多く、「鱒」は当て字で「増」を意味し、雨が降った時に増水して流れが早い沢と考えられるとあります。　国土地理院の成果は北緯 37°38′11″.9870、東経 139°22′53″.8116です。　辺りは葉を落としているもののブナなどの木に囲まれ見晴らしが悪く、北東にカタガリ山、その奥に飯豊連峰、南西に日本平山や鍋倉山が梢越しに見える程度で写真は割愛しました。ここで軽く食事をして、二倉山へ行くため少々早めに下山を開始しました。　大鱒谷山から山径を忠実に引き返し新箕輪線との取り付き点を確認後、二倉山へ向かうべく廃道となった作業道（写真）に足を踏み入れました。廃道は人が往来している形跡がありましたが、全く刈り払いされておらず、歩くたびにススキの穂が種を舞い上げ煩わしく感じました。　廃道の終点（写真）に到着しました。ここから二倉山へ通じる主尾根にある標高点601mを目指すことにしました。　すぐにツバキやユズリハ、リョウブなどの激ヤブに変わり、通過に手間取り辟易しました。　主尾根に出ると激ヤブから解放され、所々けもの径のようなものが見受けられました。しかし、ヤブの濃い場所もいくらかあり楽ではありませんでした。　途中、ラクダのこぶのような双耳峰の二倉山が梢越しに見えました。　この山も山頂の少し手前に大きな岩がありました。　山頂直前でゴヨウマツやブナの林に変わり、歩きやすくなりました。　到着しました。　標石周りを刈り払い接写しました。ここと大鱒谷山の三角点はいずれも「剱岳 点の記」で有名な陸軍参謀本部陸地測量部の柴崎芳太郎陸地測量手が選点・観測しています。　国土地理院の成果は北緯 37°37′49″.0560、東経 139°24′38″.1743です。　眺望は限られ目立っていたのは笠倉山（写真中央）で、写っていませんがその右に御神楽岳、左に会越国境の鍋倉山でしょうか、それらが確認できました。他に上川小学校のある両郷集落が梢越しながら眼下に見えました。　山頂で食事などをしつつ30分ほど滞在し出発、途中の激ヤブ部分は多少ショートカットし廃作業道に出て駐車地点に戻りました。　帰宅は新箕輪線を終点の栃堀集落まで行き、県道227号線を通り国道49号線に出ました。林道の途中に人ヶ谷岩陰遺跡や道標姫桂など見どころもありました（写真は栃堀側の新箕輪線の案内板）。

  2023.11.15

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  阿賀町柴倉から沼越峠、国土山（Ⅲ國土）を経て福島県金山町へ

  国土山（Ⅲ國土）訪問日　2023年11月3日、晴れ朝のうち霧等級：三等標高：858.3ｍ1/25000地形図：安座（沼沢沼）　昨春登った金凍山（2022年5月10日）、今春登った大倉山（だいくらやま、2023年5月5日）に引き続き、阿賀町柴倉シリーズの第3弾として同集落から会越国境の沼越（ぬまごえ）峠へ行き、県境稜線伝いに会津百名山に選定されている国土山を訪ね、福島県金山町中川に下山しました。　会津百名山ガイダンスなどによると「沼越峠は、またの名を鉾峠あるいは大山越えとも言い、近世において越後と奥会津の金山谷を結ぶ塩の道で、寛文年間（1661～1673年）に会津藩の飯田兵左衛門が開いたと伝えられ、天明の大飢饉には越後の米や塩が会津に運ばれたという」とあり、藩政時代は物資や人の往来が盛んでしたが、現在は送電線保守と登山のためごくわずかな人が通るにすぎないとのことです。　この山行を計画するにあたり、柴倉から中川まで歩き通した記録が見つからず、径の状態やコースタイムが不明で、ある程度時間に余裕を持って出発しました。今回、幸運なことに地元の方と一緒になり、柴倉川の渡渉点手前まで案内してもらい事なきを得ましたが、林道から巡視路への取り付きなどが国土地理院の地形図と相違しており、的確に巡視路を歩き始めるのが難しいことが分かりました。また沼越峠⇔国土山間のヤブの状態も気になりましたが、こちらはそこそこ明瞭な踏み跡があり容易に往復が可能でした。柴倉からA地点まで林道（遮断機あり）、A地点から上田（うわだ）発電所まで送電線巡視路、途中の沼越峠から国土山は踏み跡、上田発電所から会津中川駅まで国道などの車道を歩きました。コースタイム：大黒天（7:46）→A地点（着8:33、出8:36）→B地点（着8:52、出8:58）→看視小屋・阿賀町側（9：10）→渡渉点（着9:42、出9:48）→石祠（着10:59、出11:07）→国土山（着11:23、出11:58）→石祠（着12:12、出12:16）→看視小屋・金山町側（着12:22、出12:25）→吊り橋（着13:24、出13:26）→ダム南詰（着13:36、出13:41）→会津中川駅（13:58）　今回は下山後、列車で帰宅しますので、前日に「えきねっと」で購入した切符を東三条駅で受け取り、駅に駐輪しておきました。登山の他にもう一つ目的があり、それは「復旧なった只見線に是が非でも乗る」ことです。　県道228号線、最奥の集落柴倉にある大黒天（写真）の祠まである人に送ってもらい、準備後歩き始めました。　歩き始めて9分ほどで遮断機を通過、時刻はまだ8時前で霧が立ち込めていました。　ふもとの村々は雲海の中にあるようです。　林道を歩くこと47分で送電線巡視路の取り付き（行動図のA地点、写真）に到着しました。国土地理院の地形図ではここから破線の径が始まっており、地形図通りに径があるものと思っていました。しかし、送電線は2系統あり各鉄塔へ行くための分岐が多数、まただいぶ前に敷設されたようで低く、樹木に接触しないよう一部広範囲に刈り払われており、径かどうか判断に戸惑う場所もあり、一旦行動図B地点の林道へ行き進むべき方向を再確認することにしました。　ちょうどそこに柴倉の方と思われる年配者と若手（親子？）の二人組がキノコ狩りの出発準備をしており、かなりびっくりした様子で事情を聞かれ、結果途中まで案内してもらうことになりました。彼らは山仕事の出で立ちで、地下足袋を履き大型のバックパックを背負っていました。若手は好青年で、この辺りは典型的な限界集落だと思いこんでいましたが、しばらく安泰なのではと考え直しました。　径はB地点の林道（標高約650m）から柴倉川の渡渉点（標高約360m）まで、つづら折り気味に下りはじめました。途中、東北電力の送電線看視小屋（写真）があり、注意書きに「立入禁止　この避難小屋は当社の送電線路を保守するために設けられたものですから 当社社員以外は立入らないようにしてください」と書かれていました。　時折、先の様子が見えますが、写真の一番高い鉄塔付近が峠であることを教えてもらいました。二人組とは柴倉川の渡渉点のかなり手前で別れました。感謝。　要は林道をB地点まで行き、そこから始まる送電線巡視路を柴倉川に向かって下ればまず迷うことはないと思いました。　その先、西に菅倉山（写真やや左）が見えました。かなり迫力のあるスラブです。右奥は井戸小屋山のようです。霧が無くなり、視界が良好になってきました。　「錦秋染まる」というのはこういう風景でしょうか……。　渡渉点に到着しました。東北電力が維持・管理している径ですので立派な橋でも架かっているのではと思いましたが違っていました。とは言え、水量は少なく、滑りやすいものの飛び石伝いに渡ることが可能で、靴を濡らさずに済みました。対岸にリボンがぶら下がっており迷うこともありません。この付近の径も国土地理院の地形図と違っており、幾多の変遷があったのかもしれません。　穏やかな渓相で、遡行したくなりました。　渡渉後、標高点631mに向かってジグザグの急登が始まり、登りやすくするために径にプラスチック製の階段が設置されていました。季節は11月ですが暑く、途中で上着を脱ぎロングスリーブのTシャツ1枚のみになりました。　標高点631mを通過すると尾根伝いの登りに変わりました。ゴヨウマツが多く、振り返ると今まで歩いてきたルートが一目瞭然見渡せました（写真）。右の山は土地倉山（とちのくらやま）です。　標高点831mを通過、鮮やかなモミジがありました。県境稜線手前のこの付近が峠径の最高地点です。　さらに進み県境に出ると、一旦、コルに向かって標高差80mほど急降下しました。国土地理院の地形図にはコルに沼越峠（鉾峠）の記載があります。沼越峠は福島県大沼郡沼沢村の「沼」に由来しているのではないかと思いました。稜線の西に沼ノ峠山があります。　コルから再び登りになりピークに石祠（写真）がありました。ここで大休止です。　石祠の後ろに立つと、登って来た尾根の東側が荒々しいスラブの斜面だったことに気づかされました。　径は福島県側に入りますが、国土山へ行くために県境稜線を東へ進みました。この部分のヤブの状態が気になっていましたが、踏み跡はそこそこ明瞭で強引にかき分けて進むほどではなく安堵しました。　石祠から16分で国土山の山頂に到着、辺りはヤブでしたが、標石の上にたくさんのリボンがぶら下がっており容易に見つかりました。　周りを刈り払い接写しました。標石の位置が県境からやや福島県側にあるように感じ、点の記で所在地を確認すると福島県大沼郡沼沢村大字中川字國土と記載されていました。　国土地理院の成果は北緯 37°30′27″.7445、東経 139°33′02″.7134です。　リボンに混じって小さな山頂標識がありました。スギが多く眺望はほとんど得られませんでした。先日、仙ノ倉山に登った際、山頂でのんびりしすぎて電車に乗り遅れそうになった経験から、今回は食事をした後、やや早目に出発しました。　再び石祠に戻り、今度は金山町中川へ向かって歩き始めました。厳しいアップダウンがあった新潟県側から一変して極めて緩やかな下り勾配が続き、歩きやすく感じました。　今しがた登って来た国土山（写真）を東に見ながらしばらく歩きました。　福島県側にも東北電力の送電線看視小屋（写真）がありました。　その先、送電線に近い位置にあるブナなどが広範囲に伐採されており、少々残念な気分になりました。　それでも径は時々林の中に入り、美しい紅葉を楽しむことができました。　緩斜面は標高約550mで終わり、只見川に向かって急降下が始まりました。途中、上田集落や上田ダム、国道252号線などが見え、バイクのけたたましい騒音が聞こえてきました。この時点で予定の列車に余裕で間に合うことが分かり、ゆっくりペースで歩くことにしました。　くねくねとした急な下りも終わり、北の湖沢に架かる立派な吊り橋を渡りました。　上田発電所を通過しました。「うわだ」と読むとのことです。　ダムの南詰に発電所の案内板があり、しばし休憩しました。　会津中川駅に到着、時刻は13時58分でした。1面1線の無人駅です。駅舎のベンチに撮り鉄らしき人物がスマホをいじってました。　この駅に停車する小出行は一日わずか3本で、予定の15時7分発の列車を逃すと18時46分までなく、それでは日が暮れて車窓の風景を楽しめませんので、どうしても間に合う必要がありました。計画段階ではかなり心配していましたが、結局、1時間以上も早く着いてしまいました。近くに中川温泉があるらしいのですが、そこへ行くと逆に時間が足りなくなる恐れがあります。この付近の地形図を見ると、歩いて行ける範囲に電子基準点と四等三角点がありますので、それらを訪ねることにしました。　電子基準点「金山」です。駅近くのグランド脇にあり目立ちますのですぐにわかりました。右下の写真は二等水準点を兼ねた付属の金属標です。　こちらはⅣ中川です。標石はスギ植林地の中にありました。　この後、一旦駅に戻りましたが、それでも時間に余裕があり、着替えを済ませ、すぐ近くの道の駅「奥会津かねやま」へ行き、ソフトクリームを食べてきました。　紅葉シーズン真っ盛りの三連休初日（11月3日）ということもあり、只見線の大混雑を予想していました。案の定、乗車した時は満席で立っている人が多数いました。小出までの乗車時間は2時間40分で、これは大変だなと思いましたが、次の会津川口駅でツアー客が大挙として下車、座ることができました。　登山を楽しみ、只見線の車窓も楽しむ、ある意味贅沢な日帰り旅行を頓挫することなく実現できたことに感謝、充実した一日を過ごしました。（写真は会津川口駅に停車中のキハE120-2）

  2023.11.10

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  五泉市の権現山（Ⅱ権現山）、愛宕山（Ⅱ愛宕山）

  権現山（Ⅱ権現山）訪問日　2023年10月31日、晴れ（初回訪問日1989年11月3日）等級：二等標高：630.3ｍ1/25000地形図：高石　好天に恵まれた10月31日、特に予定を入れておらず遅い出発になりましたが、まだ記事にしていない近郊の山に登ろうと考え、川内山塊の権現山を訪ね、また帰路、時間に余裕があったことから村松公園内にある愛宕山の三角点も併せて訪ねてきました。権現山は標高が低いものの旧村松町内から眺めると一峰独立した端整な三角形の山容で、中蒲原郡誌をひもとくと山頂の小祠は安土権現と称し埴山姫命を祀るとあり、かつては「安土（あづち）山」とも呼ばれたこともあるようです。新潟県には「権現山」の点名を持つ二等三角点は二つあり、もう一つは魚沼市にある上権現堂山です。　この山は今回を含め三度目で、一回目は中川原から登山道を往復、その後、山頂南側に送電線鉄塔が建設され下杉川からも登れるようになったことから二度目は中川原→山頂→下杉川→中川原のルートを歩きました。今回は中川原から登山道を、山頂から送電線巡視路を利用し田川内（たこうぢ）側へ下山しました。権現山、愛宕山の順でまとめて記事にしました。　権現山山頂まで登山道、その先送電線巡視路、ゴールからスタート地点への移動は自転車コースタイム：駐車地点（9:46）→天狗の投岩（着10:25、出10:29）→巡視路合流（着10:45、出10:47）→権現山（着11:07、出11:36）→鉄塔89（着11:41、出11:52）→駐輪地点（12:30）　予めゴール地点に駐輪するため、五泉市（旧村松町）小面谷の県道564号線を早出川ダム方向へ進み、途中で分岐する林道哺土原線に入りました。入口（写真）に「道路陥没のため2.6km先通行止」とありましたが、ゴール地点まで問題なく車で行くことが可能でした。地形図に記載されていませんが、行動図に示したA地点とゴール地点は舗装道路でつながっています。　駐輪後、権現山登山口へ向かうべく県道17号線に戻り、中川原橋を渡ると突き当たりに「忠犬タマ公」の案内板（写真）があり右折、集落西側の行き止まりにある数台分のスペースに駐車しました。　登山口（写真）は車道を少し戻り、民家の玄関先へ通じるような場所にありました。　分かりづらい場所には写真のように道標がありましたが、無い場所が一か所あり、少しうろうろしてしまいました。　急な登りを経て、笹目集落からの林道に出ました。　林道歩きはわずかな区間で、すぐ沢（写真）伝いに進むようになりました。　しばらくスギ植林地内を歩きましたが、沢から離れると広葉樹などの林に変わり、「天狗の投岩」に到着しました。20mほど先にも似たような大きな岩があり、どれが天狗の投岩か分かりませんでした。　昔は案内板がありましたので、下山後、前回登った時の写真を確認したところ、径の左側に最初に現れる岩がそれと判明しました（1997年11月15日撮影）。あるいは二つとも天狗の投岩かもしれません　ブナなどの林の中も通りました。急登が多い径です。　標高460m付近の尾根に出ると、下杉川からの送電線巡視路と合流しました。　その後再び急登を経て権現山の山頂に到着しました。小広い山頂です。　三角点の設置当時、菅名岳、日本平山、越後白山、護摩堂山、愛宕山を観測したようです。　国土地理院の成果は北緯 37°39′01″.0628、東経 139°15′51″.1037です。　山頂標識もありました。　石祠を覆っている社は前回登った時よりもコンパクトになっていました。石祠の上部中央に「奉寄進」とあり、少しはっきりしませんでしたが右側に「安永五 十月 丙申」 と刻まれていました。左側は寄進者の名前かと思いましたが読み取れませんでした。安永五年は1776年ですので古い石祠です。　1997年11月15日当時の石祠です。　山頂はスギが多く、眺望はいまいちで菅名山塊方向が望める程度でした。　食事を済ませた後、田川内側へ下るべく鉄塔89へ向かって歩き始めました。ブナ林の心地よい径です（振り返って撮影）。　約5分で鉄塔に到着、この鉄塔は権現山の肩にあり遠目に見てもすごく目立ちます。眺望は南西から南にかけて開けていました。南西に越後白山（写真）が見え、　その少し南寄りに粟ヶ岳（中央奥）、その手前やや左に毛石山、　さらに南寄りに堂ノ窪山（中央右）や灰ヶ岳（中央やや左の鋭鋒）、　南側は銀次郎山、銀太郎山から五剣谷岳（中央）へ続く稜線を望みました。右に頭を覗かせているのは青里岳です。　田川内側へ通じる送電線巡視路は、鉄塔89から送電線に沿って東側の尾根に径付けされていました。写真は鉄塔88から望んだ権現山山頂と鉄塔89です。　幅が広く整備も行き届き、歩きやすく感じました。　山頂から1時間ほどで駐輪地点に到着しました。中川原から登るよりもこちらから登った方が、標高が高いところからスタートするため、短時間かつ楽に登れるのではないかと思いました。　ここから中川原の駐車地点まで自転車で20分ちょっとでした。（権現山 終了）愛宕山（Ⅱ愛宕山）訪問日　2023年10月31日、晴れ（初回訪問日1989年10月28日）等級：二等標高：103.0ｍ1/25000地形図：村松公園内の散策路を歩くコースタイム：駐車地点（13:30）→愛宕山（着13:40、出13:59）→駐車地点（14:08）　村松公園の横を通る県道17号線の路肩が駐車場になっており、愛宕山への入口に近い位置に車を留めました。桜並木を進んで行くと道標があり、展望台へ向かいました。　径はコンクリートの階段で、ウォーキングシューズでも容易に登れます。左側はアジサイ園になっていました。　階段は途中で分岐し、右に愛宕神社（写真）が見えましたのでそちらへ向かいました。　参拝を済ませた後、左へ進むと41もの赤い鳥居が連なる「於菊稲荷神社」がありました。　その先、再びコンクリートの階段を登り、少し進むと三角点のある山頂に到着しました。　標石の周りを刈り払う必要はなく、容易に接写できました。傾斜のため昭和63年（1988年）6月に改埋されています。　国土地理院の成果は北緯 37°41′19″.8442、東経 139°11′21″.7339です。周囲はアカマツなどの林でGPSの精度も今一つのようです。　山頂は眺望が悪く、近くに「ふるさと展望台」があることから、そこから展望を楽しむことにしました。　眼下に村松市街が広がり、　北東方向に大蔵山や菅名岳、　南東に今しがた登って来た権現山を望みました。他にも五頭連峰や護摩堂丘陵など素晴らしい眺めが広がっていました。山頂へ通じる径は複数あり、遊歩道として「希望の道」、「見はらしの道」などが整備されています。（愛宕山 終了）

  2023.11.06

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  明神山（Ⅳ明神山）を経て大倉山（Ⅲ明神峠）

  大倉山（Ⅲ明神峠）訪問日　2023年10月26日、晴れ等級：三等標高：975.5ｍ1/25000地形図：大湯　魚沼市の大倉山（おおくらやま）へ行ってきました。新潟県には同名あるいは似たような名前の山として妙高市に大倉山（おおくらやま、2171m、三角点なし）、上越市安塚区と大島区の境界に大倉山（おおくらやま、497.3m）、また阿賀町に大倉山（だいくらやま、950.3m）、五泉市の菅名山塊に大蔵山（おおくらやま、864.2m）があり、後者二つはすでに記事にしています。詳しく調べていませんが、よく耳にする山名ですので思ったよりも少なく感じました。　10月14日に魚沼市に2座あるうちの高い方の土崩山（Ⅲ押折山、934.3ｍ）を訪ねた際、下山時この山が見え、登りたい山の候補の一つに挙がっていたことから今回山行を計画しました。・車止めから取り付きまでは廃道となった林道（刈り払いされており、徒歩での通行は可能）・標高点609mまでは登山道（刈り払いされておらず草や灌木が被っている場所が多いが、足元はしっかりしている）・その先、巻き径や径の無い状態を経て大倉山山頂までかなりヤブっぽい踏み跡コースタイム：駐車地点（7:58）→車止め（着8:01、出8:03）→取り付き（着8:27、出8:35）→標高点609m（着9:12、出9:22）→明神山三角点（着10:07、出10:26）→大倉山（着12:12、出13:08）→明神池（着14:24、出14:31）→明神山三角点（着14:40、出14:44）→標高点609m（着15:22、出15:25）→取り付き（15:57）→水場（着16:04、出16:10）→駐車地点（16:30）　魚沼市内の県道328号三ツ又小出線を三ツ又集落へ向かって車を走らせました。集落内を通過し、やがて舗装されていた道が写真（復路撮影）ような状態になりました。轍の間に生えている草がことのほか高く、車の底と接触しながら進んで行くと、右に数台分のスペースがあり駐車しました（行動図スタート・ゴール地点）。今回はこの先予想される状況を勘案して、トレッキングポールなし・ゴム長で出発しました。そばにリンドウの花が数株咲いていました。　駐車地点から3分ほど歩くと、進入禁止の標識とともにコンクリート製の車止めがありました。ここに車が方向転換できる程度のスペースがあり、その手前に2台ほど駐車可能なスペースがありました。　その先、決壊している部分があり二輪でも通れませんが、刈り払いされており徒歩は可能です。　途中、小さな沢（行動図の水場）があり、下山時ここで顔を洗いました。　明神山へ通じる尾根の取り付きに着きましたが、草が被っていましたので林道をもう少し先へ進んでみました。　昔の駐車場と思われる広場がありました。先ほど通過した取り付きに戻りそこから登り始めました。　いきなり急登で、登山道の名残でしょうか、古そうなトラロープが所々設置されていました。径はしばらく刈り払いされておらず草や灌木が被っているところが多いものの、足元はしっかりしていました。　標高点492mを通過すると、これから登る大倉山（写真）が頭を覗かせ、振り返ると八海山やうっすら雪化粧した越駒ヶ岳などを望みました。径にクマのうんちが多く、草の陰など隠れて見えないところにあるものを踏んでしまう可能性があります。　標高点609mの手前付近からかなりヤブっぽくなりました。写真は明神山で二つに分かれています。　その先、ヤブで難渋し始めたものの尾根の東側に踏み跡を発見、巻き径（写真）でしたがしばらくそこを歩きました。ヤブを進むよりもはるかに楽で、帰宅後、昭和59年3月30日発行の1/25000地形図「大湯」を確認すると、この径が記載されており黒又川の方向へ延びていました。昔の山仕事の径と思われ、現在の地形図はまだ使えそうな径と廃道が錯綜しています。　途中で尾根に戻りしばらく進むと落し物の蚊取り線香ホルダーを発見。　小規模でしたが、ブナ林が現れその部分だけ歩きやすくなりました。　その先、ヤブの中にⅣ明神山の標石を見出しました。明神山は西峰と東峰に分かれ、その間に明神池、三角点標石は西峰のやや手前にあります。　邪魔な木を刈り接写しました。　国土地理院の成果は北緯 37°14′17″.6469、東経 139°06′18″.9901です。ここで休憩がてら軽く食事をしました。今回の主たる目的は大倉山の三角点の訪問ですので明神池や明神山東峰の散策は復路余裕があったら行うことにしました。　明神山の三角点からしばし径の無い状態が続いたものの「東の沢」の源頭付近で境界標（写真）が現れ、踏み跡も確認しました。境界標はその先大倉山の山頂付近まで点在していました。　踏み跡はかなりヤブ化が進んでおり辟易しました。　途中、標高約900mのピークへ向かって岩混じりの急な登りになり、東に毛猛連山（左から桧岳、中岳、毛猛山）が見えました。　振り返ると明神山を見下ろしました。窪地が明神池です。　標高約900mのピークに到着、この先登下降がありますが、大倉山の山頂まであとわずかです。ヤブはシャクナゲやリョウブ、矮小化したブナなどで、それらをかき分け進みました。　手前のピーク（標高約930m）に到着、最後に険しい登りがありそうです。　岩場は距離が短く、見た感じよりも傾斜が緩やかで、労せずして登り切りました。　山頂は狭いものの灌木は膝下で360度のパノラマが眼前に現れました。　最も高い場所よりも少し下に標石が倒れており、また例のごとく主三角点だろうと思いました。　写真では見づらいものの三等三角点と刻まれていました。余談ですが、三角点標石の構造は柱石の下に盤石があり、それが動かなければ復元できるようになっています。もし盤石が無くなっていても、現在はGNSS測量が主流ですので衛星の電波を受信できる測量機があれば再設もさほど難しくないと思われます。しかし、撤去されるかどうかまでは知りませんが、一部を除き廃止される方針のようで、もはや三角点は時代の遺物です。　標石先端部の角にハンディナビを置き、位置の確認を行いました。国土地理院の成果は北緯 37°14′48″.8210、東経 139°06′08″.7389で、ほぼ一致しており、もともとこの場所にあったようです。　展望は北から時計回りに、北に守門岳（写真略）、浅草岳（略）や眼下に黒又川第2ダム（写真）、北東から東にかけて毛猛連山（前出の写真とほぼ同じ）、　こちらは南東方向で未丈ヶ岳（写真中央奥）、中ほどの稜線左側にアプローチ困難な高倉山が見え、　南に燧ヶ岳、荒沢岳、中ノ岳なとを望み、写真左奥に越駒ヶ岳、右奥は八海山、手前は登って来た尾根、　西は小出市街地や刈羽黒姫山に米山が見え、北西方向は鋭鋒の唐松山（写真中央）、左奥は上権現堂山、　また、北に弥彦山や角田山も見え、写真は先日登った土崩山です。　下山時、明神池に立ち寄りました。これは北側にある浮島のような場所から撮った写真でアングルが悪く、南側へ回り込んで大倉山をバックに撮り直したかったのですが、時間が押していましたのでおとなしく下山しました。結局、明神山東峰にも寄りませんでした。大倉山の山頂で長居しすぎました。　このルート、明神山までなら容易ですが大倉山まで足を延ばすとなると、いくら踏み跡があるとはいえ尾根の灌木ヤブが手ごわく、ことのほか体力を消耗し、先日の土崩山よりもきつく感じました。いくつか理由がありますが、今回ゴム長を選択したのは正解でした。　帰路、中子沢温泉羽川荘の解体工事が行われており、営業時、一回くらいは入浴しておくべきだったと後悔しました。　写真は三ツ又集落の外れにある石碑・石仏群で、中央にある大きな石碑は二十三夜塔です。

  2023.10.30

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  松手山（Ⅲ河内山）、平標山（Ⅲ松出）、仙ノ倉山（Ⅱ千倉山）

  松手山（Ⅲ河内山）訪問日　2023年10月18日、晴れ（初回訪問日1991年8月14日）等級：三等標高：1613.8ｍ1/25000地形図：三国峠平標山（Ⅲ松出）訪問日　2023年10月18日、晴れ（初回訪問日1991年8月14日）等級：三等標高：1983.8ｍ1/25000地形図：三国峠仙ノ倉山（Ⅱ千倉山）訪問日　2023年10月18日、晴れ（初回訪問日1991年8月14日）等級：二等標高：2026.3ｍ1/25000地形図：三国峠　普段の山行は登山口まで専ら自動車（ごくまれに自転車）を使用していますが、昨今のガソリン価格の高騰や、ETC割引が無い平日の高速料金（5回以上走行しないと平日朝夕割引の対象にならない）などを考慮すると、単独行かつアクセスに恵まれた山域であれば公共交通機関を利用するのも一つの手段で、今回、何事も経験とばかりに新幹線などを使い紅葉に染まった山を訪ねてきました。具体的なルートは新幹線で越後湯沢まで行き、そこからバスで平標登山口へ、平標山に登り仙ノ倉山を往復後、平標新道を下り土樽駅まで歩き普通列車で越後湯沢に戻り新幹線で帰宅しました。運転不要なのはうれしいのですが、下山時の林道・車道歩きが予想以上の長さでうんざり、一長一短あると思いました。・整備された登山道を歩きました・行動図が大きいため適宜拡大するなどしてください・平標新道入口付近から土樽駅まではさらに行動図が大きくなるため省略しました（省略区間 徒歩約6km）コースタイム：平標登山口バス停（9:04）→登山口（着9:08、出9:12）→鉄塔（着9:58、出10:03）→松手山（着10:31、出10:40）→平標山（着11:45、出12:00）→仙ノ倉山（着12:39、出13:24）→平標山（着14:02、出14:08）→池塘（着14:16、出14:22）→矢場ノ頭（着15:07、出15:15）→仙ノ倉谷渡渉（着15:59、出16:07）→平標新道入口（着16:48、出16:53）→林道ゲート（着17:13、出17:15）→土樽駅（18:04）　自宅から燕三条駅までは自転車を利用、10分ちょっとです。　便利な世の中になったもので、行くと決めた朝に「えきねっと」で切符を購入、駅の券売機で発券しました。　今回、プチ贅沢をして往路グリーン車を予約しました。本来なら疲れている復路もグリーン車を予約したいところですが、泥まみれの靴で汗臭い格好をしていると、つまみ出されることはないにしても、カーペットなどを汚したり、他の乗客から顰蹙を買う恐れがありますので自重して自由席にしました。　新幹線は燕三条7時36分発、越後湯沢に8時10分着で乗車時間は爆速の34分、また路線バスへの乗り継ぎが順調で8時20分発の西武クリスタル行きがあり、ちょうど9時ぐらいに平標登山口バス停（写真）に到着しました。バスは平日にもかかわらず九割がた席が埋まっていて、ほとんど観光客で登山口で降りた人は10人くらい、他の乗客は苗場ドラゴンドラで紅葉見物に行くものと思われました。バス停の後ろに2014年（平成26年）閉校の湯沢町立三国小学校の校舎がありました。　バス停からは平元新道コースもありますが、三角点のある松手山回りのルートを利用することにしました。写真は登山口で、ここでトレッキングポールを組み立てたり、靴ひもを締め直して出発、しばらくつづら折りの登りが続きました。　人気の山だけあって登山客が多く、途中で何人かに抜かれたりもしましたが、やがて送電線鉄塔に到着、ちょうど四合目で何合目かを示す標識も整備されていました。　眺めも良好で休憩場所としてちょうどよく、苗場スキー場のある筍山（写真）が見えました。　登山道の様子です。紅葉がかなり進んでいました。途中、シナノキなどもありました。　松手山に到着しました。ここで二居からの径と合流しました。　標石を接写しました。傾斜しており下部の露出がもう少し進むと倒れそうな様子です。点の記記載の所在地は「南魚沼郡三国村大字二居字松手山」から「南魚沼郡三国村大字浅貝字河内山」に訂正されていました。南魚沼郡誌を調べると点名の河内（コーチ）山は、河内（コウチ）沢のツメにあたるコウチ沢ノ頭（地図上の大源太山）から名付けられているようで、ちなみに大源太山の点名は耕地（コーチ）です。　この写真は1991年8月14日に訪ねた時の標石です。当時、既に傾斜しており、マップモニターをしていた頃、国土地理院に報告した記憶があります。　国土地理院は標石が正常でないという理由で緯度・経度を公表していません。　松手山も眺望に優れ、この先登る平標山へ続く尾根（写真）、三国山、筍山、苗場山などを望みました。赤茶色に紅葉した木々と緑の笹のコントラストはこの時期ならではの風景です。　七合目を通過すると一の肩と呼ばれるところを見上げながら登るようになりました。合計10人くらいの登山者が上り下りしている様子が見えました。　時期的に花はほとんど咲いておらず、終わりに近いマツムシソウを見つけました。　平標山に到着しました。ここで仙ノ倉山・谷川岳方向への縦走路、三国山方向への縦走路、土樽からの平標新道と合流しました。山頂に10人くらいの方々が休憩していました。　こちらの標石も露出が進んでいましたが、傾いてはいないようでした。山頂は新潟・群馬両県にまたがっていますが、地形図をよく見ると標石は新潟県側にあり、所在地は南魚沼郡三国村大字二居字松出と設置当時の点の記に記載されています。　国土地理院の成果は北緯 36°49′04″.2537、東経 138°49′18″.8081です。　展望は360度、北西方向に苗場山が聳え、　南西方向は手前に苗場スキー場、右端奥に佐武流山が見えました。中央左奥は上ノ倉山などです。　南は三国山（写真中央）へ続く稜線で、左下に赤い屋根の平標山乃家が見えました。奥に聳える群馬県の山々は詳しくないので不明です、　三角点標石や景色の写真などを撮り終え、お昼時でしたのでここで食べていくかどうか迷いましたが、仙ノ倉山で食事をすることにして再び歩き始めました。左から2番目のピークが仙ノ倉山です。　仙ノ倉山手前のピーク（標高点2021m）に個人の設置と思われる前仙ノ倉山の標識がありました。　最後に標高差40mほどの登下降がありますが、仙ノ倉山は目前です。　仙ノ倉山の山頂です。　標石は若干傾いていました。こちらも新潟・群馬両県の県境ですが、標石は新潟県側にあり所在地は南魚沼郡土樽村字東山と設置当時の点の記にあります。郡誌には「また千ノ倉山とも書く」とあり点名も千倉山と書いて「センノクラ」のフリガナが記載されています。山名は「千ノ倉（嵓）即ち多数の岩山を意味したものといい、またセンと嵓、即ち滝と岩の山の意でこの山の北面が東ゼン、中ゼン、西ゼンの如き巨瀑とスラブで形成されているところからかく名付けられたともいう。……」と郡誌に記されています。　国土地理院の成果は北緯36°49′02″.8832、東経 138°50′22″.2644です。　山頂の群馬県寄りに展望盤があり、容易に山岳同定ができるようになっていました。　展望盤を見ながら南東に聳える赤城山をパシャ。写真中央に台形状の山が二つあり、左は吾妻耶山、右は大峰山です。　東に稜線続きの万太郎山などを望み、　北西に苗場山（右奥）や平標山（左手前）が見えました。ここで眺望を楽しみながらのんびり食事をしていると、7～8人いた登山客が徐々に減りはじめ数人になり、名残惜しくもありましたが平標山へ向かって下山を開始しました。それでもまだ何人か登ってくる人がいて、途中ですれ違いました。　平標山に戻りました。ここから平標新道を土樽駅に向かうわけですが、道標に275分とあります。この数字は仙ノ倉山へ行く前にすでに目に入っていました。しかし「いくらなんでも下りでそんなに時間が掛かるわけないだろう。かなりサバを読んでいるな。駅で時間を持て余すのも退屈だし。」と考え、仙ノ倉山で休憩時間を多めに取りました。現在の時刻は14時8分、乗車予定の電車の発車時刻は18時7分で239分しかありませんが、この時点でも余裕の行動してました。　平標山の頂から平標新道を見下ろすと池塘が確認できました。その先に日白山や東谷山が見えます。　急な坂を下り8分ほどで池塘に到着しました。あたりは草紅葉が広がっていました。　さらに3分ほど進むと二つの小さな池塘があり、仙ノ倉山をバックにその一つを写真に収めました。　平標新道もよく整備されていましたが、登山者が少ないせいかあまり踏まれていない様子です。　その先、紅葉に彩られた仙ノ倉谷西ゼンのナメ滝が見えました。　矢場ノ頭（標高点1480m）に到着しました。この付近、ヒノキなどで見晴らしはよくありませんでした。　急な下りが終わりを迎えるころ、じめじめした場所にダイモンジソウが咲いていました。　渡渉点の手前に仙ノ倉谷を示す道標があり平標山3時間、土樽2時間とありました。下の説明文を要約すると「仙ノ倉谷西ゼンで遭難した方の冥福と登山者の安全を図るために建設した（昭和三十七年六月十八日）」とのことでした。　仙ノ倉谷を渡渉しました。上にロープが張ってあり、一昨年の9月大源太山から七ツ小屋山へ登った時の北沢の渡渉に似ていました。ここで顔を洗ったりしました。　径はその先、勾配が緩やかになり仙ノ倉谷に沿ってその少し上を歩くようになりました。途中、多くのスギヒラタケがあちこちの倒木に発生していました。昔はみそ汁の具としてよく食べましたが、最近猛毒キノコ扱いされるようになり誰も採らなくなりました。　ようやく平標新道入口に到着。この辺りはバッキガ平と呼ばれています。ここから先は毛渡沢林道をひたすら歩きました。　橋を渡ってすぐ、少し小高い場所に群大仙ノ倉山荘が見えました。　林道の遮断機を通過、あたりは徐々に薄暗くなってきました。今回新しい登山靴での山行で、靴擦れなどで足が痛く、歩行ペースもあまり上がらないことから、予定の電車に乗れるかどうか少々不安になり始めました。　林道歩きの終盤近くで真っ暗になりました。そのため県道から駅に抜ける近道がよく見えず少々遠回りをしましたが、秘境駅の風格漂う土樽駅に18時4分に到着。18時7分発の電車にかろうじて間に合いました（電車も少し遅れていた）。水上⇔越後湯沢間は上り下りとも平日は1日5本のみで、もし乗り遅れたら最終の21時8分まで約3時間待つことになるため安堵しました。　スタートからゴールまでの歩行距離は計算していませんが、もはや修行レベルではないかと感じました。

  2023.10.24

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  土崩山（Ⅲ押折山）

  土崩山（Ⅲ押折山）訪問日　2023年10月14日、晴れ時々薄曇り等級：三等標高：934.3ｍ1/25000地形図：須原　魚沼市に2座の「土崩山」があり、昨年の11月12日に低い方の土崩山（Ⅲ土崩峯、753.1m、1/25000地形図：毛猛山）に登り記事にしました。その時点でもう一方の土崩山もいずれ登ろうと考えていたため、今回の山行となりました。往路は送電線巡視路をできる限り利用し、下山は行動図の送電線鉄塔12から高鼻山回りを予定していましたが、A地点⇔土崩山間の往復が予想以上に難渋し時間が掛かったこと、稜線伝いの踏み跡が見つからなかったこと（これは調査が甘く反省すべき点）などがあり結局往路を戻りました。・A地点まで送電線巡視路、その先土崩山まで不明瞭な踏み跡（かなりのヤブ）・14、13、12は送電線鉄塔の番号コースタイム：駐車地点（7:56）→Ⅳ鷹ノ巣沢（着8:25、出8:33）→鉄塔14（着9:08、出9:17）→水場（着9:21、出9:26）→A地点（着9:54、出10:01）→標高点866m（着10:08、出10:12）→土崩山（着11:15、出11:52）→A地点（着12:57、出12:59）→鉄塔12の周辺を調査（着13:07、出13:42）→A地点（着13:47、出13:54）→水場（着14:10、出14:19）→分岐（着14:42、出14:46）→駐車地点（15:10）　魚沼市松川地内で県道70号線から県道538号線に入り集落内を通過、唐松山松川登山口方向へ進んで行くと送電線巡視路の入口がいくつかあります。爼板倉橋を渡ると路肩の広がっている部分があり、そこに駐車（行動図スタート・ゴール地点、5台程度可）準備後歩き始めました。橋を渡り返し、松川集落方向へ2分ほど進むと写真の巡視路入口があります。　入口にある鉄パイプに最寄りの鉄塔番号が表示されており、15（写真）であることを確認する必要があります。他、松川寄りに16入口、さらに松川寄りに17入口があります。　巡視路は手入れが行き届いていました。行動図の赤いラインが潰れてはっきり表示されませんが、急勾配はなるべくジグザクに登るように径付けされており見た目以上に距離があります。　途中、巡視路はⅣ鷹ノ巣沢を巻いて進むものの、近くにあり立ち寄ることにしました。そこへ至る小径等は無く、そこそこのヤブでしたが、巡視路から6分ほどで到着、標石は容易に見つかりました。　四等三角点ですので無駄な手間は省き周囲を刈らずに接写しました。　国土地理院の成果は北緯 37°17′32″.1012、東経 139°04′21″.2386です。　周囲はヤブで見晴らしは悪く、南に唐松山（写真）がかろうじて頭を覗かせている程度でした。　再び巡視路に戻り、さらに進むと小規模なスギ植林地内（写真）を通過しました。　途中に分岐があり、左は鉄塔15で、鉄塔14～12へ行くことができる右へ進みました。　巡視路はごく最近刈り払われたばかりで刈られた草がまだ青々として残っており、タイミングのよさを感じました。　しばらく進むとまないた山と鉄塔14を結ぶ尾根のコルに到着、横沢側の窪地に小屋掛けしてあるのが見えました。　その先、尾根伝いに進むようになり鎖場（写真）を通過しました。　鉄塔14に到着です。見晴らしはそこそこ良好で北西は須原集落やスキー場、　南西側は、手前の尾根を隔てて上権現堂山（写真左）から下権現堂山へ続く稜線、東側は標高点866m付近から鉄塔12へ続く稜線（写真略）が見えました。この場所からさらに尾根伝いに進むとⅣ川内栗を経て高鼻山へ通じていますので、踏み跡の有無を確認しておくべきでした。今回の反省点の一つです。　巡視路は山腹をヘツリながら急降下、水場となりうる沢を跨ぎました。横沢の上流部で水量も豊富、下山時顔を洗ったついでに飲んでみましたが冷たくておいしく感じました。期待していなかっただけに休憩にうってつけの場所でした。　沢を通過すると再び登りになりました。このヘツリ径は一部コンクリート製の階段（写真）が設置されていました。　途中、つづら折りの登りに変わり鉄塔13に到着しました。この送電線は黒又川第二発電所（魚沼市大栃山）と黒又川第一発電所（魚沼市松川）を結んでおり、東北電力ではなく、J・POWER（電源開発）が管理しています。　ここも見晴らしが良く、次に続く鉄塔12（写真）や前の鉄塔で見えた景色に加え唐松山なども見えました。　巡視路は標高点866mを巻いていましたが、土崩山から高鼻山へ続く稜線上のA地点に達すると北東から南東側の視界が一気に開けました。写真は毛猛連山。　他にも鬼が面山・浅草岳（写真）、唐松山、上・下権現堂山、これから向かう土崩山など多くの山々を望むことができました。　土崩山へは稜線伝いに北進する必要があり、踏み跡（写真）は確認できましたがかなりヤブっぽく見えました。この付近にトレッキングポールをデポし突入しました。　目と鼻の先にある標高点866mのピークへ至るまでに7分もの時間を要してしまいました。山頂はちょっとした草地でここも眺望に優れていました。写真左奥の目立たないピークは荒沢岳、その手前に大倉山、右奥のピークは越駒ヶ岳です。　逆方向に目を転じるとこれから登る土崩山（写真）がよく見えました。距離が長そうで、かなりの重労働が予測され暗鬱な気分になりかけました。ちなみにその右奥に見える山は守門岳です。　昭和59年1月30日発行の1/25000地形図「須原」を見ると破線の径が鉄塔12付近からこの稜線伝いに黒又川の一の切橋付近まで続いていますが、現在地形図には記載されていません。途中、かなり古い鉈の跡が散見され、おそらく平成21年10月29日に土崩山の三角点を改測した時のものだろうと予想しました。山頂に至るまでのヤブの密度と言い、この雰囲気は昨秋登った鼓が倉山の稜線によく似ていました。　ヤブを掻き分けA地点から1時間11分（途中の休憩時間含まず）かけてようやく山頂に到着しました。計画段階ではもう少し楽に歩けるものと考えていましたので誤算でした。　山頂は狭く、標石の周囲がほじくり返されたような状態になっていて、接写の際、草を刈る必要はほとんどありませんでした。標石は瑕疵もなく正常でした。　国土地理院の成果は北緯 37°18′02″.2850、東経 139°05′21″.2101です。　周囲の灌木ヤブは高いところで2m以上ありましたが部分的で、そこそこ眺望が利きました。北に山頂部が少し色づき始めた守門岳（写真）を望み、　東に足沢山（中央右手前）、前毛猛山（中央左奥）、　南東に桧岳（左）や未丈ヶ岳（右奥）を望みました。何の目的で使ったのかは知りませんが、青いプラスチックの板が落ちていました。訪ねてくる人もいるんだなぁと思いました。景色を楽しみながらのんびり過ごし、食事後山頂を後にしました。　復路、ヤブの稜線で望んだ毛猛連山のベストショット。こちらも上部が色づき始めていました。　A地点に戻り、巡視路を高鼻山方向へ南進、鉄塔12まで足を延ばしました。さらに先を調査しましたが、次の鉄塔11へ向かって急な下りに変わり、その途中にあると考えていた高鼻山へ続く踏み跡がが見当たらず、登り返すのがきつくなると感じ再び鉄塔12へ戻りました。帰宅後、行動図を作成して気付きましたが、コルまで下りきっていなかったようで、もう少し突っ込んでいれば踏み跡が見つかったかもしれません。第二の反省点です。　上の写真は鉄塔12から見た高鼻山へ続く稜線です。高鼻山は名前の割に地味なピークで、既に2020年11月6日唐松山松川登山口付近から登っており、11月9日に記事にしていますので、またの機会があればということにしました。　鉄塔12で残しておいた昼食を食べつつ、山岳同定を行おうと電子コンパスを立ち上げました。前から薄々感じていましたが、鉄塔の下は磁場がおかしく、コンパスが安定せず役に立ちませんでした。それでも尾瀬の燧ヶ岳（写真）は一目瞭然でした。　久しぶりの本格的なヤブ歩きで達成感や疲労感があり、充実した一日を過ごしました。

  2023.10.19

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  尼池山、宝蔵山（Ⅲ宝蔵）を経て越後白山（Ⅱ大峰）

  宝蔵山（Ⅲ宝蔵）訪問日　2023年10月3日、晴れのち曇り（初回訪問日1990年11月3日）等級：三等標高：896.9ｍ1/25000地形図：越後白山越後白山（Ⅱ大峰）訪問日　2023年10月3日、晴れのち曇り（初回訪問日1989年10月28日）等級：二等標高：1012.4ｍ1/25000地形図：越後白山　7月4日に信越トレイルの仏ヶ峰から鍋倉山へ縦走して以来約3か月ぶりの山行です。標高2000m以上の山ならいざ知らず、夏の暑い盛りの低山・ヤブ山登りは苦痛かつ危険で、熱中症や疲労による行動不能など山岳遭難のニュースを耳にするたび無理に行く必要はないと感じています。　10月に入るとさすがに涼しくなり活動を再開、今回は出発するのが遅かったせいもあり、足慣らしも兼ね自宅近くの山をと思い、まだブログの記事にしていなかった越後白山（以下白山）をタイトルのルートで往復しました。白山は登山を一時中断していた時期もメタボ防止のため年に数回、また登山の記録を取る前も複数回登っており、かれこれ20回は越えているはずです。ルートは五泉市（旧村松町）の慈光寺から尾根線を登り田村線を下るのが一般的で、若い頃はズボンのポケットに水とカロリーメイトだけを入れ、慈光寺から2時間で往復したこともありました。また今回の通過点である宝蔵山は4度目で、加茂市上高柳から粟ヶ岳と白山を結ぶ縦走路中にある橋立へ行き、そこから権ノ神岳と宝蔵山をピストンした山行を2019年7月13日に記事にしています。・登山道入口まで造林作業道、その先登山道（A地点から宝蔵山の山頂付近まで草が被っている場所多い）を歩く・今回の行動図は敢えて北を上にして作成したため、横長で文字が小さく見えます。適宜拡大するなどしてください・行動図中の三角点、笠峰（Ⅲ藤沢）、Ⅲ砥ノ入についてはそれぞれ2019年7月9日と2021年5月7日に記事を公開していますコースタイム：駐車地点（9:33）→登山道入口（着10:00、出10:03）→尼池山（着10:17、出10:20）→A地点（着10:28、出10:32）→御前清水（着10:59、出11:02）→宝蔵山（着11:35、出11:57）→袖山（着12:13、出12:19）→白山（着13:00、出13:42）→袖山（着14:11、出14:21）→宝蔵山（着14:37、出14:43）→御前清水（着15:02、出15:12）→登山道入口（着15:51、出15:55）→駐車地点（16:25）　加茂市下高柳にある国道290号線と県道244号線の三叉路から県道を粟ヶ岳登山口方向へ進むとすぐにY字路があり左折、上高柳集落を目指しました。集落、水田地帯を過ぎると送電線保守の役割も兼ねた造林作業道（写真）が左に分岐。関係者以外の車両は通行禁止のためそこに駐車（1台程度可）、準備後歩き始めました。　作業道はスギ植林地内をくねくねと緩やかに登り、約30分で登山道入口に到着。そこには「宝蔵山に至る 中大谷コース」と記された道標や注意喚起の案内板、すぐ近くには中越幹線の送電線鉄塔No.119がありました。作業道はここまで舗装されていました。　径はよく整備されており、登山道入口から14分弱で尼池山（写真）に到着しました。雨池山とも記されます。山頂標識はなく、径の両側に高さ3m前後の根曲竹などが繁茂し眺望は得られず、単なる通過点でした。しかし、その先に平野部が望める場所がありました。　A地点に到着、ここで権現堂ルート（廃道）と合流。そちらはほんのわずか径の痕跡が観察される程度で、朽ち倒れている標柱（写真）に「権現堂○○○上高柳に至る」と記されていました（○は不明）。　径が刈り払われていたのはA地点までで、その先、所々ワラビやススキなどの雑草が径をふさぎ始めました（写真）。とは言ってもせいぜい腰の高さくらいで多少歩きづらいだけでほとんど問題ありませんでした。　A地点から少し進むと写真の案内標識がありました。「前宝蔵下白炭焼場跡」と記されているものと思われます。ここまでいくつか案内標識や道標を見ましたが、朽ちていたりクマがひっかいた跡などで読みづらいものがありました。　「アズキ坂」を登ると宝蔵山の山頂が見えてきました。少し拡大しています。　登る山こそ違うものの、これに似たシチュエーションはよく見受けられます。径はこの先、前宝蔵（766m）を巻いて進みました。　この付近、ブナ林の中を通過することも多く、久しぶりに心身ともにリフレッシュしました。　水量は少ないものの水場がありました。藤島玄氏の「越後の山旅 上巻」によると、御前清水と記され、この付近の小盆地を御所平と呼ぶとあります。下山時ここで顔を洗い、その際に飲んでみましたがおいしく感じました。　その先、今度は弥彦山から角田山へ続く稜線、その背後にうっすらと佐渡を望む場所がありました。　宝蔵山の山頂です。スペースはそこそこあるものの樹木に囲まれ眺望はありませんでした。　三角点標石の周りに雑草はなく、容易に接写することができました。ここは加茂市と五泉市の境界にありますが、標石は加茂市上高柳です。地味な山です。　国土地理院の成果は北緯 37°35′58″.5761、東経 139°10′46″.0554です。ここで休憩を兼ね軽く食事をし、再び歩き始めました。　宝蔵山山頂から少し進むと粟ヶ岳と白山を結ぶ縦走路との三叉路があり、今回は白山を目指しました。道標もありますが、朽ちて読みづらくなっていました。　稜線には営林局の境界標などが点在していました。　標高差およそ50m下り登り返すと標高点890mのピークで袖山と書かれた小さな標識が木の枝にぶら下がっていました。藤島玄氏の越後の山旅、日本山名総覧、旧村松町発行の地図等を調べてもその名が記載された文献は見つかりませんでしたが、加茂市史に「粟ヶ岳周辺の地名」と題して加茂山岳会の船久保幹夫氏調査の地図が載っており、この付近の稜線一帯に「ソデ山」と記されていました。この稜線は自宅ロフトの窓からよく見えるので帰宅後改めて注視すると宝蔵山より若干低く見えるものの、ピークとして認められます。　そこには営林署等のものと思われる複数の古そうな標石（写真）があり、他に宝蔵山方向を示す道標が地面に置かれていました。周囲は灌木ヤブで白山がかろうじて頭を覗かせていました。　その先、やせ尾根に差し掛かると見晴らしの良好な場所が続くようになりました（行動図の眺望箇所）。写真は白山へ続く稜線で大きなアップダウンはなくとても助かりました。　振り返ると粟ヶ岳（中央奥やや右）が見えました。その手前やや左は権ノ神岳です。　こちらは川内山塊の核心部で、奥に見える稜線左に五剣谷岳、中央に青里岳、その手前に昨年春に登った灰ヶ岳、右端は堂ノ窪山で、矢筈岳は青里岳に隠れて見えません。　白山の手前まで緩やかなアップダウンが続き、最後急登になりましたが労せずして白山避難小屋に到着しました。中は整理整頓され、大変きれいな状態でした。　山頂は小屋から少し進んだ場所にあり、山名が書かれた板が標柱から剥離した様子で上部に巻かれたリボンに白山の名がありました。　幾度となく訪ねている山頂ですが、昔のことで三角点標石の位置を完全に忘れており、なかなか見つかりませんでした。それもそのはず草むらの中に埋もれており（写真）、ハンディナビの電子コンパスの助けも借りて探し出しました。標石の脇に三角点を紹介する小さな木の板が置かれていました。　必要最小限だけ刈り払い、ヤブの中、苦しい体勢でしたがなんとか接写しました。点名は「大峰」で、山と渓谷社が出版している「分県登山ガイド 新潟県の山」によると「白山は『薬師嶽・大峰』とよばれ天狗や大蛇の伝説とともに人々の信仰の対象であった」とあり、その由来が予想できます。他にも滝谷山、寄草山の別称もあります。　国土地理院の成果は北緯 37°36′51″.9561、東経 139°11′42″.3389です。こちらも加茂市と五泉市の境界近くにありますが、標石の位置は五泉市蛭野です。　山頂の祠も草に埋もれかけていました。　山頂からの眺望はそれほど良好とは言えず新潟平野（写真）や菅名山塊などが見える程度でした。昔は五剣谷岳など川内山塊の山々も見えたような気がしましたが、ここから見えませんでした。　白山は慈光寺から登るのが一般的で、距離が短くアプローチも容易なことから山頂に登山者が何人かいるだろうと予想していましたが誰もいませんでした。のんびり食事をした後、距離は同じくらいと推測される橋立経由で駐車地点へ下山しようかと思いましたが、林道歩きが長くなりそうで結局往路を引き返しました。　雲の多い天気でしたが、周辺の山々も望むことができ、久しぶりの山歩きを堪能しました。このルートは歩き応えがあり、翌日はひどい筋肉痛でした。　写真は御前清水付近のムラサキシメジで、もう少し早めに出発していればキノコ狩りも楽しむこともできましたが、時間が押していましたので見るだけにしました。

  2023.10.08

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  仏ヶ峰（Ⅲ山婆岳）、信越県境の鍋倉山（Ⅱ黒倉）

  仏ヶ峰（Ⅲ山婆岳）訪問日　2023年7月4日、晴れ時々曇り等級：三等標高：1139.9ｍ1/25000地形図：猿橋（野沢温泉）鍋倉山（Ⅱ黒倉）訪問日　2023年7月4日、晴れ時々曇り（初回訪問日1991年6月8日）等級：二等標高：1288.8ｍ1/25000地形図：野沢温泉（猿橋）　先日歩いた信越トレイルのセクション2の前半部分とセクション1（6月28日の記事）に引き続き、今回はセクション4の戸狩温泉スキー場とん平（だいら）ゲレンデから仏ヶ峰、鍋倉山を経て関田峠へ至るルートを歩いてきました。前回からトレイルは途切れますがセクション2の後半部分とセクション3は県境から離れ長野県側を歩くルートでブログの趣旨に合致せず、行く必要はないと判断しました。今回、仏ヶ峰は初めて登る山ですが、鍋倉山は過去2回、いずれも関田峠からの往復しています。このルートは眺望は二の次で森林浴を楽しむのに適しており、県境稜線に広がるブナ林に癒されました。トレイルを歩きましたコースタイム：とん平ゲレンデ・スタート地点（9:12）→仏ヶ峰登山口（着9:32、出9:35）→仏ヶ峰三角点（着10:18、出10:33）→小沢峠（着10:51、出10:58）→A地点（着11:11、出11:15）→標高点1194m（着11:56、出12:13）→鍋倉山（着12:32、出13:03）→黒倉山（着13:16、出13:22）→筒方峠（着13:44、出13:51）→関田峠（14:06）　写真はスタート地点の戸狩温泉スキー場とん平ゲレンデの駐車場です。案内板等は合計6つあり、いくつか後述します。駐車場は広く、あたりは「戸狩温泉星降るキャンプ場」として利用されています。　今回歩き始めるまでのプロセスが大変で、先ず北陸道を柿崎ICで降り、県道30号線を上越市板倉区針まで進み、そこから県道95線に入り信越県境の関田峠（着8:17、出8:22）に駐輪、さらにJR戸狩野沢温泉駅へ行き、駅の西側にあるパークアンドライド用の無料駐車場（着8:49）に車を留め、駅前に待機していたタクシーでとん平ゲレンデ（着9:05）へ向かいました。途中、県道30号線と国道253号線の交差点で渋滞に巻き込まれ、意外と時間が掛かってしまいました。なお、戸狩野沢温泉駅からとん平まで、舗装はされていましたが狭いうえに勾配がきつく、標高差は約360m、ここを自転車で登るのは難儀で、タクシーは料金2440円、とん平と告げれば行ってくれます。　この写真は一番左の「戸狩トレイルマップ」案内板で、ここをスタート・ゴール地点に設定するのであれば、三角点マニア的には、すぐ近くにある城山（標高750.5m、Ⅳ城山、国土地理院の地形図では無名）を往復、次に仏ヶ峰登山口を経て仏ヶ峰へ登り、小沢峠まで進み北条歩道を通りここに戻ってくる周回登山が魅力的ではないかと考えました。　こちらは右側3枚で、写真左の大きく表示された「仏ヶ峰登山口」直進の道標が目に入り、他の案内板をよく読まずに出発しました。実は写真中央の案内板が重要で、帰宅後この写真を見ると「ここから50m先左方向へ」と記されていました。　すぐ近くに「お小夜の涙」と名付けられたキャンプ場用の水場がありました。　矢印方向へ進んで行くと径が分岐しますが道標がありません。たまたま近くにキャンプ場を整備・管理していた人がいましたので、径を尋ねると左が仏ヶ峰登山口、右が小沢峠と教えてもらい事なきを得ました。仏ヶ峰登山口まではゲレンデ内の作業道歩きで、オオバギボウシ（写真）が咲いていました。　その先、しばらく進むと信越トレイル（写真）に合流、径はきれいに整備されていました。ここにも道標はありませんでしたが、この付近がセクション4の起点、仏ヶ峰登山口になります（ショートカットで道標を通過していない可能性あり）。　くねくねと登る径で結構急登でしたが、戸狩温泉スキー場最上部のリフト終点に到着しました。すでに標高は1000m以上あり、ここまで来てしまえばあとは稜線の小規模なアップダウンの繰り返しだけで、きつい登りはありません。　信越トレイルの道標もありました。　待望の稜線歩きが始まりました。すぐ県境に合流し北進しますが、県境の南西側に踏み跡はないように見えました。　途中、千曲川を隔てて野沢温泉スキー場がよく見える場所（写真略）を通過し、しばらく進むと仏ヶ峰の三角点（写真）に到着しました。標石は径の中央にあり、保護石もきちんと4個揃っていました。なお眺望はありません。　標石の接写に草刈りの必要はありませんでした。ここは仏ヶ峰の最高地点ではなく、距離にして約320m北にある標高点1146mが最高点のようです。　国土地理院の成果は北緯 36°57′02″.5524、東経 138°21′53″.5388です。点の記を見ると所在地は長野県飯山市大字豊田字山婆岳とあります。　……！　仏ヶ峰の三角点から20分弱で小沢峠に到着しました。ここで北条歩道と呼ばれる戸狩温泉スキー場とん平ゲレンデへ下る径が分岐しました。なお国土地理院の地形図に記載されている新潟県側へ下る径は見当たりませんでした。　小沢峠から鍋倉山に向かって12分ほど進むと、かなり大規模なブナ林が広がり、とん平ゲレンデを起点に周遊登山をするにしてもこの辺り（行動図A地点付近）まで足を延ばした方が森林浴を堪能できます。　さらに進むと千曲川を挟んで野沢温泉スキー場やその奥にうっすらと苗場山が見える場所がありました。　その先でこんもりとした形状の鍋倉山も見えましたが、ガスが掛かり気味でした。　標高点1194mに到着しました。今回は時間が掛かるルートではありませんので、途中、小刻みに休憩しブナ林や景色を楽しみました。ちょうどお昼になりましたので、ここで昼食にしました。　鍋倉山への登りが始まりました。急登ではありません。　今回の最高点、鍋倉山1288.8ｍに到着、三角点標石の他に石祠がありました。眺望はほとんどありません。今朝、関田峠に駐輪した時は、登山口に車が1台留まっていましたが、山頂に誰もいませんでした。　新潟県には鍋倉山が、村上市に1座、阿賀町に2座（うち1座は会越国境）の合計4座あり紛らわしいため、タイトルに「信越県境の鍋倉山」と付け加えました。コンサイス日本山名辞典によると「倉は嵓で岩壁を意味する。山頂は鍋状で……」と記され、全国にもいくつかあり、形状から命名されているようです。なお三角点名は「黒倉」です。　国土地理院の成果は北緯 36°58′35″.6476、東経 138°22′56″.3045です。　山頂標識の左に営林署の境界標があり、三角点標石はその手前、新潟県側にあるため所在地は新潟県中頸城郡板倉町黒倉山と点の記に記されています。地形図を見ると妙高市と飯山市の境界のはずですが、なぜ板倉町（現 上越市板倉区）なのか謎です。　その先、黒倉山へ向かって下りになり、コルが久々野（くぐの）峠で、信越トレイルの公式ガイドブックによるとアプローチトレイルとして、長野県側は「巨木の谷」を経て県道95号線へ下る径が整備されているとのことです。　少し先へ進むと今度は新潟県側への分岐があり、柄山口やヨシ八池へ下山できるとあります。　黒倉山に到着しました。こちらも眺望は良好ではありませんdした。前出のコンサイス日本山名辞典には、この黒倉山について「……。頂上は2峰からなり、三角点のある峰を鍋倉山、約30m低い峰を黒倉山と分ける場合もある。新潟県側からは低い一峰しか見えず、長野県側からは逆である。……」と記されています。鍋倉山の三角点名がなぜ黒倉なのかなんとなくわかったような気がしました。　信越トレイルのセクション4を歩いて感じましたが、なるべく木を切らないというコンセプトなのか、木が横に張り出していて跨いだりくぐったりするところが多くあり、また足元を見て歩いていると木に頭をぶつけることもありました。　黒倉山からの下山途中、眼下に光ヶ原高原を見下ろす場所がありましたが、ガスがかかっていました。　筒方峠に到着、「水ばしょうの森」への分岐がありました。黒倉山・鍋倉山へは多数の登山口があるようです。　峠には黒倉小池（写真）と呼ばれる池があり、ここで休憩していると蚊が寄ってきました。　途中、茶屋池への分岐が2か所あり、その付近にも好ましいブナ林（写真）が広がっていました。鍋倉山と関田峠を結ぶ登山道は昔からあるせいか、よく踏まれていました。　関田峠に到着しました。峠の標高が1116m、駐車地点の戸狩野沢温泉駅の標高は320m、その差約800mの下りになります。　途中、茶屋池に寄り道、「茶屋池はうす」に池周辺の遊歩道の案内板がありました。先日登った斑尾山でも感じましたが、飯山市はたくさんのトレイルや遊歩道が整備されています。　関田峠から戸狩野沢温泉駅までの所要時間は寄り道も含め1時間ちょっとでした。交通量は少ないもののカーブが多く、漕がなくてもかなりスピードが出ますのでブレーキで減速しながら走らないと危険です。茶屋池の先、大神楽展望台に寄り、最後に駅にほど近い県道95号線脇のⅢ五丁（339.5m、写真）を訪ねました。標石の周囲は畑で、たまたま農作業をしている方がいましたので許可を得て写真を撮らせていただきました。このような場所にあるにもかかわらず標石にほとんど傷がなく、昔から大切に扱われていたことが分かります。若い頃、嬉々として平野部の三角点を訪ねた記憶がよみがえりました。

  2023.07.11

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  前ノ岳（Ⅲ前岳）、鷲ヶ巣山（Ⅱ鷲ケ巣山）

  前ノ岳（Ⅲ前岳）訪問日　2023年6月26日、晴れ（初回訪問日1991年6月8日）等級：三等標高：825.5ｍ1/25000地形図：三面鷲ヶ巣山（Ⅱ鷲ケ巣山）訪問日　2023年6月26日、晴れ（初回訪問日1991年6月8日）等級：二等標高：1093.2ｍ1/25000地形図：三面　最近、寄る年波に抗えず、前回の斑尾山のように長い距離を歩くと終盤バテ気味になることが多くなり、現在の体力を測る目的で健脚向きとされる鷲ヶ巣山に登ることにしました。果たして登れるのかどうか、標準のコースタイムから乖離しているのか、それを知ることが今後の山行を立案するうえで重要と考えました。　ここは1991年6月8日と1997年7月19日の二回登っていて、一回目は問題ありませんでしたが、二回目はヤマビル対策を怠った結果、複数のヒルに咬まれてしまいました。気付いた時はヒルが思う存分を血を吸ってパンパンに膨れ上がった後で、靴の中は血で真っ赤、帰宅後洗濯しても血生臭さが抜けず、まだ新し目のお気に入りの登山靴を捨てる羽目になりました。今回は絶対被害に遭わないぞという意気込みで対処しました。登山道を歩きました。山頂手前やや草が被っている場所あり（6/26現在）コースタイム：縄文の里 朝日（7:54）→登山口（着8:02、出8:08）→A地点（着8:33、出8:50）→避難小屋（着9:33、出9:37）→前ノ岳（着9:58、出10:18）→中ノ岳（着11:22、出11:39）→大日様（着11:51、出11:55）→鷲ヶ巣山（着12:55、出13:35）→大日様（着14:26、出14:31）→前ノ岳（着15:33、出15:43）→避難小屋（着15:55、出16:02）→タケン沢渡渉（着16:35、出16:43）→登山口（着16:51、出16:56）→縄文の里 朝日（17:04）　日本海東北自動車道の朝日三面ICから県道349号線に入り、村上市岩崩にある「縄文の里 朝日」を目指しました。施設入口の手前側に登山者用駐車場（十数台可）があり、案内板（写真）も設置されていました。　準備後、一旦県道に出てすぐに分岐する林道沼田線を歩き始めました。入口には「鷲ヶ巣山登山口 500M→ ※駐車場無」と記された道標がありました。なお、林道は鍵のかかったゲートがあり車の進入はできません。　8分ほどで登山口に到着、ポストがあり登山者カードに記入しました。登山届は、単独行ならなおさらのこと、提出すべきものと考えますが、ポストは鍵がかかる方式ではなく、氏名・住所・連絡先など他人に知られたくない情報が丸見えで、登山者数などを把握をするうえで本来してはいけないと思いますが、無事下山後、回収・破棄することにしました。また、ここは越後百山の一つでもあり、登山者が多いのではないかと予想していましたが、登山者カードを見た限りでは不人気のようで数えるくらいの人しか登っていませんでした。　今回、ヤマビル対策グッズとして「ヒル下がりのジョニー」を携行、ここで予め靴や帽子に噴霧しました。この商品は人体に有害とされるディートを不使用とのことです。　はじめはスギ植林地で、その後、雑木林に変わりました。登山口から行動図A地点付近まで、実際の登山道と国土地理院の地形図に記された登山道に大きな食い違いがありました。　途中、「タケン沢」を渡渉しました。水量もそこそこあり、下山時ここで水を飲んだり、顔を洗ったりしました。　問題のヤマビルは登山口付近から避難小屋の手前くらいまで生息しいるようでした。特にタケン沢の手前から尾根の取り付きまでの範囲に多く見られ、靴の上や横に蠢いているもの、ズボンを尺取り虫のように這い上がってくるものなど、合計9匹程度、見つけ次第除去しました。さらに行動図A地点で靴とズボンを脱ぎ入念にチェック、靴のベロの内側、靴下の中、ふくらはぎの3か所にいたものを除去、やっておいてよかったと思いました。また、例のスプレーを直接噴霧してみましたが、大型のものはその後30秒程度動き回っており、絶大な効果があるとは思えませんでした。写真も撮りましたが気持ちの良いものではなく省きました。　ヒル対策も一段落し、辺りを見回すとブナ林が広がっていました。　尾根を登って行くと鷲ヶ巣山避難小屋に到着、だいぶ老朽化していました。左の道標に「観測所 水」と記され、裏側の奥のほうに水場がありそうでしたが、不足なく持っているので補給しませんでした。　避難小屋から急登になりましたが、前ノ岳の手前で緩やかになり、前ノ岳に到着しました。さほど広くない山頂で、三角点標石は径の傍らにありました。　少し刈り払って接写しました。　国土地理院の成果は北緯 38°13′37″.6645、東経 139°38′27″.2538です。　山頂標識らしきものが置かれていましたが、文字は消えていました。　眺望は灌木が邪魔で、北に今年の4月下旬に登った鹿森山やその背後の日倉山などがかろうじて見える程度でした。　前ノ岳に20分ほど滞在後、次の中ノ岳へ向かって歩き始めました。少し進むと中ノ岳（左）、大日様、鷲ヶ巣山が見えました。かなりアップダウンがありそうです。当日は好天に恵まれ、6月下旬ということもあり、気温がぐんぐん上昇、かなり暑くなってきました。　コルへ向かって下る途中、ブナ林にヤマツツジが咲いていました。　地形図をよく見ると、コルまで標高差150mほど下り、そこから標高点774mへ登り返し、再度下った後、標高約950mの中ノ岳へ至る厄介なルートであることに気付きました。またこの間は粘土質の急な坂で、下山時は特に滑りやすく気を使いました。写真はコル付近のブナ林です。　中ノ岳への急登の途中で水場に向かうと思われる分岐がありましたが寄り道せず、さらに登ると分岐があり左へ行くと中ノ岳の山頂でした。写真は山頂の石祠で薬師如来が祀られているとのことです。　邪魔をするものはなく、展望は抜群、西に今しがた登って来た前ノ岳とその背後に日本海が見え、　北西は眼下に岩崩集落、その先に広がる平野部、　北は三面貯水池を挟んで鹿森山や日倉山、　北東は以東岳や大朝日岳などの朝日連峰（写真略）、南に頭布山（写真左）や光兎山（右）、その背後にうっすらと飯豊連峰を望みました、ここで大休止しつつ、先へ進むかどうかで悩みましたが、せっかくここまで来たので行くことにしました。　その先少し登ると大日様で、営林署のものと思われる標石（左）と大日如来尊と刻まれた石碑がありました。　標高点1004m付近から見た鷲ヶ巣山。この先、標高870m付近まで下り、再び急登が始まりました。山頂の手前に「だまかし坂」があり、その付近が、行程中、一番きつく感じました。　山頂直前の登山道はやや草が被っていました。　鷲ヶ巣神社の祠が見えるとそこは山頂の一画でした。祠には「祭礼 五月三日」「平成三年七月建 岩崩部落」と記されていました。　山頂の大きな岩にも石祠がありましたが、中は割れた盃があるだけで、どこから持ってきたのか分かりませんが「北大平橋」の橋名板が置いてありました。　三角点標石の周囲はツツジに囲まれていました。　字面側を刈って接写しました。ここは重要な三角点のようで度々測量が行われています。　国土地理院の成果は北緯 38°13′18″.9372、東経 139°40′08″.3763です。　こちらの展望もすこぶる良好で北東に以東岳（写真中央）を望みました。他は中ノ岳と一部重複するので割愛しますが、大朝日岳、祝瓶山など朝日連峰、頭布山や光兎山、その背後にうっすらと飯豊連峰、日本海などが見えました。　復路、前ノ岳への登り返しがきついのではないかと思っていましたが、それほどでもなく惰性で登り切り、ヒルの巣窟は足早に通過、駐車場でズボンを這っていた1匹を見ただけでした。今回、度重なるチェックを行ったこともありヤマビルの被害はありませんでしたが、暑くなりそうな上に登山道歩きということもあり、普段よりやや軽装のTシャツ＋ハイネックのアウターの組み合わせで出発しためマダニに1か所咬まれていました。　山と渓谷社が出版している「分県登山ガイド 新潟県の山」によると、この山のコースタイムは登り4時間25分、下り3時間20分ほどで、今回のタイムと比較すると、それ以上かかっている区間もあるかと思いますが、休憩や写真を撮ったり作業をしている時間も多いので、ほぼ同じくらいではないかと思いました。また同書には、この山の累積標高差は1880mと記載され、他の主だったところでは金城山が1059m、荒沢岳が1207mですのでかなり多いことが分かります。実際、そこまであったような気はしませんでしたが、きつかったのは事実で、ここを往復したことにより、まだそこそこの山なら登れるのではないかと多少自信がつきました。（写真は山頂付近から見た標高点1004mの峰と、左に前ノ岳、遠く日本海）

  2023.07.06

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  毛無山（Ⅲ大平峯）、袴岳（Ⅲ袴嶽）、斑尾山（Ⅰ斑尾山）

  毛無山（Ⅲ大平峯）訪問日　2023年6月20日、晴れ時々薄曇り（初回訪問日1996年6月2日）等級：三等標高：1022.1ｍ1/25000地形図：飯山袴岳（Ⅲ袴嶽）訪問日　2023年6月20日、晴れ時々薄曇り等級：三等標高：1135.0ｍ1/25000地形図：飯山斑尾山（Ⅰ斑尾山）訪問日　2023年6月20日、晴れ時々薄曇り（初回訪問日1992年8月10日）等級：一等標高：1381.5ｍ1/25000地形図：飯山　信越国境にある斑尾高原周辺の三角点を訪ねてきました。歩いたルートは信越トレイル（概要は後述）のセクション2の前半部分とセクション1のほぼすべて。本来ならガイドブック通りに歩くべきものと考えますが、歩かされている感があり、また諸般の事情により多少変更しました。毛無山や斑尾山は以前訪ねていますが、袴岳は今回初めてで、信越トレイルのおかげでそれらの巡回が可能になり、山行を計画しました。整備されたトレイル（歩くための径）を歩きました。複数のトレイルが交わるため、道標の確認は必要。ゴール地点→スタート地点（紫色）は自転車を利用。コースタイム：スタート地点・希望湖駐車場（8:35）→毛無山（着9:00、出9:14）→希望湖駐車場（着9:35、出10:06）→沼の原湿原トイレ（着10:38、出10:44）→赤池・豊葦遊森の館（着11:21、出11:25）→袴岳分岐（着11:47、出11:50）→袴岳（着12:25、出12:53）→袴岳分岐（13:24）→袴湿原（着13:30、出13:34）→万坂峠（着13:43、出13:46）→斑尾山（着15:10、出15:30）→大明神岳（着15:36、出15:46）→斑尾山（着15:53、出15:56）→ゴール地点（16:54）　斑尾高原を目的地に自宅からルート検索をすると、距離は最短ではないものの北陸道から上信越道を経由した方が圧倒的に早く、妙高高原インターで降り県道96号線（飯山妙高高原線、県道番号は新潟・長野共通）を通り一旦長野県に入り、万坂（まんざか）峠を経て斑尾高原へ向かいました。　当初、希望（のぞみ）湖駐車場（写真）に駐輪した後、斑尾高原ホテル付近にある「かえでの木登山口」に駐車、信越トレイルの順路である斑尾山→袴岳→毛無山の順に歩き、自転車でかえでの木登山口へ戻る予定でした。ところが、自転車の区間が標高差約150メートルの登り返しであることが判明、電動アシスト付自転車を持参したものの容易ではなく、急遽、逆ルートの毛無山→袴岳→斑尾山の順で歩くことにしました。相変わらず調査不足が露呈しました。　希望湖駐車場は広く、20台以上駐車可です。見たところ釣り客が多い印象でした。写真は駐車場付近にあるトレッキングトレイルの案内板で、多くのトレイルが紹介されていました。先ず涼しいうちに毛無山をピストンし、その後、かえでの木登山口へ自転車を運び、再びここに戻り沼の原湿原へ向かうことにしました。　駐車場から数分で毛無山の登山口に到着しました。中央は信越トレイルの案内板です。　すぐにトイレがあり、その先に人数調査のカウンターが設置されていました。刈り払われた直後で、毛無山へ向かってつづら折りの歩きやすい径が続いていました。　登山口から20分ちょっとで山頂に到着しました。国土地理院の地形図を見ると三角点標石は県境にありますが、点の記によると所在地は長野県で、山頂標識の左奥に国有林の境界を示す標石があり、その奥が新潟県側と思われました。　点名は大平峯で地形図にも毛無山と併記して大平峰の記載があります。この山の南東に大平集落があります。　国土地理院の成果は北緯 36°52′54″.8231、東経 138°17′45″.2807です。　山頂はミズナラやダケカンバ（写真）などの広葉樹林に囲まれ展望はありませんでした。​この先、信越トレイルのセクション2は県境から長野県側へ下り涌井新池を経て涌井集落へ続くため、ここまでとし早々に往路を戻りました。下山中、重そうな荷物を背負った二人連れの外国人ハイカーとすれ違いました。有名な場所は多様な人が訪れるようです。　希望湖駐車場に戻り、自転車を下山地点へ運んだ後、駐車場から沼の原湿原へ向かって歩き始めました。釣りをしている人の邪魔をしないように、セクション2の見所の一つ希望湖に映える斑尾山の景色を写真に収めました。この池はもともと沼ノ池と称し、昔から農業用のため池として利用されてきましたが、それを観光用に改名したそうです。希望湖には湖畔を周回するトレイルもありますが、信越トレイルはすぐに右折、分岐点には沼ノ池にまつわる伝説を記した案内板もありました。　一部、林道毛無山線を歩く箇所がありましたが道標のおかげで迷うことなく進み、途中「命の森づくり」と名付けられた標高900mほどのピークに到着しました。見晴らし（写真）が良好で、展望図も設置されていました。左のこんもりしたピークはこれから登る袴岳、中央やや右の雲がかかっているピークは妙高山で、その右に火打山も見えました。他、進行方向に斑尾山を望みました。　その先、下りになり林道沼・斑尾線に出ると駐車場と沼の原湿原公衆トイレ（写真）があり、ちょうど清掃直後で、気持ちよく利用させていただきました。　林道を挟んで反対側に沼の原湿原の入口がありました。写真左は湿原周辺のルートマップで、信越トレイルの他に、湿原周回ショートコース、湿原周回ロングコース、湿原西トレイルが記載されていました。　湿原は思いの外広く、歩道部分には一部木道が設置されていました。案内板や地名辞典によると、もとはここに沼集落があり、享保年間は75軒を数え、その後漸減、大正15年に発電用貯水池として買収され、残っていた3軒も離村、無人地になったとあります。　時期的な理由か花は少なく、径から離れた場所にアヤメらしき花（写真）が咲いている程度でした。信越トレイルは湿原のわずかな部分を通過しているだけで、またの機会があれば周回コースをゆっくり散策し、どんな花が咲いているのか見てみたいと思いました。心残りでしたが時間の都合長居することなく湿原を後にしました。　その後アップダウンを経て県道97号線（飯山斑尾新井線）に出ると、赤池の案内板が目に入りました。　県道を横断し赤池に沿った径を進むと途中信越トレイルのテントサイトがありました。　その先に駐車場と「豊葦遊森の館」と名付けられた施設があり、2階に登ると赤池（写真）が見渡せるようになっていました。また1階にはトイレがありました。「豊葦」は樽本、土路の2集落で構成された昔の村名で現在は妙高市です。ここが信越トレイルのセクション1の終点、セクション2の起点になっています。付近にヤマボウシ（写真略）が咲いていました。　当初、この先も信越トレイルを歩き柏ヶ峠付近を経て袴岳へ向かう予定でした。ところが、近くの道標に「袴湿原」「袴岳」を示す方向があり、次の目的地が袴岳でしたのでそちらへ進んでしまいました。逆順で歩いたのがいけなかったのかもしれません。途中で誤りに気付きましたが、地図をよく見るとこちらの方が若干近いのでそのまま進むことにしました。　行動図に袴岳分岐と記載した「袴岳」と「袴湿原・万坂峠」の分岐点に到着しました。袴岳はここから往復となります。山頂までの標高差は約150mですが、途中にアップダウンがあり、累積で200ｍほどです。　鬱蒼としたブナ林（写真）が袴岳山頂手前に広がり、径はその中をくねくねと登り、心地よく感じられました。　林の中は薄暗く、花はヤマツツジやマルバフユイチゴ（写真）が見られる程度でした。マルバフユイチゴの果実は食用可です。　袴岳の山頂に到着しました。二人の方が日陰のヤブの中で休んでいました。　三角点標石は路傍にあり、前後に2つの保護石が設置されていました。　標石周りを少し刈り接写しました。地形図を拡大すると、この三角点は県境からほんの僅か長野県側に設置されていることが分かります。点の記には県境から2mほど長野県側にあることが図示され、所在地は長野県上水内郡信濃町大字古海字袴ヶ嶽と記されています。　国土地理院の成果は北緯 36°51′55″.2668、東経 138°15′27″.8378です。　西から南西にかけて見渡すことが可能で、妙高山（写真やや左）から火打山に連なる稜線や　その左に地蔵山（写真）、さらに左に長野県の黒姫山が見えました。昼食・休憩後、次の目的地の斑尾山へ向かいました。今回計画したルートは歩く距離が長く、また途中に複数のアップダウンがあるため、この時点でかなり体力を消耗していました。　袴岳分岐まで戻り今度は万坂峠へ下って行くと袴湿原に到着、さきほどの沼の原湿原に比べるとかなり小規模ですが、木道も設置されていました。春の花はすでに終わり、緑一色でした。　万坂峠の手前でカラマツ林に変わりました。　万坂峠に到着。道標には斑尾山2.9kmと記され、山頂付近のアップダウンも加えると累積標高差は500ｍ以上あり、最後の難関です。既にかなり疲れており登れるかどうか少々不安でした。　県道を横断し、斑尾山へ向かって「万坂・山頂トレイル」を進むと、日当たりのよいスキー場のゲレンデ登りに変わりました。　紫の花が咲いており遠目で見るとトリカブトかと思いましたがルピナスでした。さすがスキー場は咲いている花が一味違うと感じました。　ちょうどこの尾根を境界にして二つのスキー場が東西に分かれており、標識に「両スキー場を滑るにはマウンテンパスが必要です」と書いてありました。　時々休憩を取りながら厄介なゲレンデをなんとか登り切り山頂手前の樹林帯に入りました。勾配も緩み安堵しました。　斑尾山の北峰に到着しました。ここでかえでの木トレイルと合流、山頂まであとわずかです。　シラカンバがありました。　北峰から10分ほどで斑尾山の山頂に到着しました。ここで大池と大明神岳方向からの登山道と合流しました。　標石に付着した砂を払い接写しました。セメントで補修され等級が見えませんが、一等三角点（補点）です。ここは信越国境から400mほど長野県側に入ったところにあり、厳密にはこのブログの趣旨に該当しませんが、新潟県にほど近いということで記事にしています（今回記事にした三角点はすべて長野県に所在）。　国土地理院の成果は北緯 36°50′14″.6255、東経 138°16′27″.5256です。　山頂に薬師如来が祀られた石祠がありました。帰宅後、この石祠について調べてみると眷属の十二神将も祀られているらしく、中を覗いてくればよかったと後悔しました。　祠のたもとに薬師如来にまつわる伝説を記した案内板がありました。　山頂の眺望は西方向のみで、飯山市街地や北陸新幹線の高架、その背後の山々が見える程度でした。欲張ったルートを計画したことで時間が押し気味でしたが、夏至の前日ということもあり日が長く、山頂での時間を堪能しました。　信越トレイルの公式ガイドブックには斑尾山の西にある大明神岳からの展望が素晴らしいとあり、足を延ばしました。6分ほどで到着、ヤマツツジが咲いていました。　すでに夕刻に近く、あまり陽が当たっていませんので山の形状くらいしか分かりませんが、西側の眺望が良好でした。写真は北西に聳える妙高山や火打山、　西は眼下に野尻湖、その先に黒姫山、その右に地蔵山、左に戸隠山が見えました。　南西は飯縄山が見えました。袴岳よりも邪魔な木が少なく、広い範囲を見渡すことが可能でした。　下山は斑尾山の北峰まで戻り、ペンション街へ下るかえでの木トレイルを歩きました。写真は北峰の少し先にあるリフト終点付近に咲いていたゴゼンタチバナです。　かえでの木トレイルは斑尾高原スキー場のゲレンデをつづら折りに下り進捗状況が一目でわかる見晴らしのよい径です。すぐに着きそうで、なかなか着かずじれったく感じました。写真中央やや右の建物が、駐輪地点に近い斑尾高原ホテルで、最後に若干登り返しがありました。　駐輪地点から駐車地点の希望湖駐車場へ戻る道すがら、Ⅲ八坊塚が近くにあるので立ち寄りました。ハンディナビで位置を確認するとヤブの中を示し、落ち葉に覆われ頭を覗かせていませんでした。時刻は17時を回っており、見つけるのに手間がかかりそうで早々にあきらめました。この写真は1996年（平成8年）6月2日に訪ねた時のⅢ八坊塚の写真で、当時は容易に見つかりましたが、最近は測量に三角点を使わなくなったせいか、訪れる人もなく見つけづらくなっています。ちなみに八坊塚は飯山市の地名で、この近くから八坊塚トレイルが沼の原湿原へ通じていますので、シラネアオイの咲く頃に訪ねたいと思っています。　信越トレイルは斑尾山から苗場山へ続く全長110kmのロングトレイルで1～10のセクションに分かれています。写真は信越トレイルの公式ガイドブック（左）、トレイル協力金タグ（2021年Ver.）です。このタグをバックパックにぶら下げておくと、トレイル内を気兼ねすることなく大手を振って歩くことができます (^_^)　信越トレイルの詳細については公式ホームページ https://www.s-trail.net/　を参照してください。

  2023.06.28

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  枯松山（Ⅲ枯松山）

  枯松山（Ⅲ枯松山）訪問日　2023年6月6日、晴れやや薄曇り等級：三等標高：1119.4ｍ1/25000地形図：長者原（朳差岳、安角）　枯松山に踏み跡があるのはだいぶ前から知っていましたが、アプローチが容易ではなく二の足を踏んでいました。しかし、先週、大境山の山頂から見た枯松山の山容に登高意欲をかきたてられたことから一念発起し山行を計画、既に6月に入り草木が生い茂り見通しが悪く時機を逸した感は否めないものの、日が長いことから何とかなるだろうと挑んできました。東俣彫刻公園から一号橋の区間は自転車。取り付きまで朳差岳登山道、その先不明瞭な踏み跡。コースタイム：東俣彫刻公園（8:01）→一号橋（着8:45、出8:50）→取り付き（着9:03、出9:05）→標高点670m（着10:17、出10:20）→枯松山（着12:44、出13:27）→標高点670m（15:10）→取り付き（着16:10、出16:13）→一号橋（着16:26、出16:31）→東俣彫刻公園（17:15）　大境山から見た枯松山（中央）後方は飯豊連峰の地神山や北股岳のあたり。（5月31日撮影）　関川村の国道113号線から県道272号線に入り、大石ダムを目指しました。ダムの先、自動車は東俣彫刻公園まで乗り入れ可能です。写真は彫刻公園の東屋ですが、倒壊の危険があるためか、立入禁止になっていました。　ここは日本200名山の朳差岳登山口になっており、既に林道の遮断機の付近に6台、東屋の前に1台の合計7台駐車していました。長岡ナンバーの1台を除き他は県外ナンバーでした。　写真は東俣林道入口の遮断機です。右手前に登山者カードのポスト（写真右）が設置されていました。今回、長い林道歩きが予想され、少しでも時間を節約するため折りたたみ自転車を持参しており、組立て後出発しました。　この林道は相当難があり、いきなり路肩が崩落していました。また、写真のように完全に決壊している場所も複数、他にもぬかるみや倒木、法面崩落で岩が積もっていたりと楽ではなく、時には自転車を押して歩いたり、持って通過したりで、電動アシスト付きではなく軽量自転車を持ち込んで正解だったと感じました。徒歩よりは確実に速いのですが、劇的なメリットはありませんでした。　既に疲労気味でしたが、およそ45分で一号橋（ブナイデ橋）に到着、この付近に駐輪しました。　橋のたもとに朳差岳登山道の案内板がありました。　橋から少し登るとブナに囲まれた平坦な場所がありました。月夜平と呼ばれています。　取り付きに到着しました。枯松山は尾根伝いに踏み跡を進みますが、トラロープが張ってありました。朳差岳へは右の斜面を横に進む径で道標が設置されていました。踏み跡は不明瞭で間違えて入る人はいないと思われました。　積み跡（写真）は所々外しやすいものの、尾根伝いに登るので迷うことはまずありません。見かけたものはギンリョウソウやヤマツツジ、ウロジロヨウラクくらいで特筆すべき花は咲いていませんでした。　標高点670m付近に到着しました。当日は気温が高めで、こまめに水分を補給し、ややゆっくりペースで進みました。　その先、ヤブの密度が増加（写真）し、通過に手間取るようになりました。いつ頃のか分からない年代物の踏み跡です。　標高740m付近に小規模なブナ林（写真）がありました。高い木ではゴヨウマツも目立っていました。　途中、北東方向に形のよい大境山が見えました。　標高900m付近は特にヤブがきつく（写真）ペースダウン、老骨に鞭打って進みました。930m付近に花が終わったシャクナゲの密ヤブがありました。　目指す枯松山が見えました。最後に急登がありそうですが、あとわずかです。　山頂に到着しました。三角点標石はヤブの中にあり上から全く見えない状態でした。主三角点らしきものが保護石を挟んで寄りかかっていました。　最小限刈り払い接写しました。県境に設置されていますが所在地は大境山と同じく山形県で、点の記に西置賜郡南小国村大字小玉川と記載されています。標石の近くに「資源調査？……」と書かれた古いプレートが落ちていました。　国土地理院の成果は北緯 37°58′32″.4368、東経 139°38′31″.1929で、ハンディナビの緯度経度と大差ありませんが、上が遮られていますので誤差半径が大きく、5mと表示されていました。　山頂の灌木ヤブは身長くらいで、良好とはいえないものの見晴らしはありました。北に大境山（写真）を望みました。標高はこちらの方が18m高い程度ですが、山頂にたどり着くまでに費やす労力と時間に雲泥の差がありました。その左にうっすらと見える鋭鋒は光兎山です。朝日連峰も見えましたが霞んでいましたので写真は省きました。　南南東に飯豊本山を望み、　南に地神山や北股岳のあたりが見え、　南南西に朳差岳を望みました。　時間が押していましたので、40分ちょっとの滞在で下山を開始、ルートを外さぬよう慎重に下りました。きつい山でした。　駐車地点に到着時、遮断機付近や彫刻公園に留まっていた車は長岡ナンバーの1台のみで、県外ナンバーの6台は下山したようでした。このルートでの朳差岳往復は通常一泊ですが、中には日帰りの人もいたかもしれません。朳差岳は奥胎内から登る方が楽で、2020年6月22日に記事にしました。

  2023.06.11

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  大境山（Ⅱ大境）

  大境山（Ⅱ大境）訪問日　2023年5月31日、晴れ（初回訪問日1992年5月30日）等級：二等標高：1101.5ｍ1/25000地形図：長者原　志無燈山に登って以降、好天の日に限って用事があったり予約が入っていたりとなかなか登山が出来ずにいましたが、5月の最終日、大境山に登ってきました。そろそろ夏山登山に慣れておこうと考え、久々に登山靴を履きトレッキングポールを使う、ごく一般的なスタイルで整備された登山道を歩きました。当日は好天に恵まれ、かつさほど暑くもなく、山頂で360度の大パノラマを満喫、またヒメサユリが咲き始めており、充実した時を過ごしました。この山は1992年（平成4年）にも登りましたが、だいぶ記憶が薄れており、それを思い出させてくれるよい機会になりました。整備された登山道を歩きました（大セド峰、モチバテ山の名称は関川村発行の山岳渓流地図による）コースタイム：駐車地点（8:27）→水場（着9:59、出10:08）→大境山（着10:47、出11:36）→水場（着12:00、出12:05）→駐車地点（13:08）　国道113号線、新潟・山形県境を経て山形県小国町に入るとすぐ県道15号線が分岐しますので、そちらへ進みました。県道は途中の交差点を過ぎると260号線に変わり、しばらく進み登山口付近に着きました。しかし、それを示す道標や案内板が無く、なかなか確信が持てませんでしたが、県道の路肩に新潟ナンバーの車が2台留まっていたこと、うろ覚えでしたが商店があったこと、ハンディナビに登録した取り付き地点がここを示していること、などを勘案すると登山口だろうと考え、路肩に駐車し、準備後、バス停（写真）のうしろに見える道を歩き始めました。県道の路肩は5～6台駐車可能で、道を挟んでバス停の向かい側に中田山崎公民館があり、それらが目印です。　はじめは沢沿いに歩きましたが、すぐに「沢入沢砂防ダム」に突き当たり、「左 大境山頂（写真）」の標柱が目に入りましたので、砂防ダムの手前で沢を渡り、そちらへ進みました。　水路に沿って歩くと、再び道標が現れ、右折しました。　途中、小さな沢を渡りました。下山時ここで顔を洗いました。　径はよく整備されていました。ブナが多くミズナラやリョウブもあり、心地よく歩くことが出来ました。この付近はイワカガミやチゴユリが咲いていました。しかし、標高400mを過ぎたあたりから急登が連続するようになりました。　標高740mを過ぎると路傍にヒメサユリの花を見るようになりました。　辺りに景色の良い場所があり、南に飯豊連峰（写真）を望みました。この時点でこれだけよく見えるということは山頂の展望は相当期待できそうです。　眼下に広がる景色に高度感があり、玉川発電所が箱庭のように見えました。　県境を跨ぎ新潟県側に入ると大境山が見え隠れしましたが、まだ遠く、かつ高く感じました。径は稜線を忠実に進まず一旦下りになり、大セド峰と呼ばれる標高点874mのピークは巻いて通過、沼川の源頭部に到着しました。二つ小さな沢を渡りましたが、いずれも雪が残っており水の補給は手間取りそうで行いませんでした（写真は手前の沢）。　ここを過ぎたあたりで続けざまに登山者二人とすれ違いました。駐車していた新潟ナンバーの主と思われ、随分早い下山なので話をすると、県道15号線が13時から17時ごろまで通行止めになるので急いでいるとのこと。今朝、そこを通過したのは8時頃で工事開始前だったらしく気付きませんでしたが、これから山頂へ行きくつろいだのち下山すると間に合いそうになく、いくら何でも迂回路くらいはあるだろうと考え、急ぐことなくマイペースで歩きました。　その先、県境稜線に沿って登るようになり、再び急登になりましたが、長くは続かず山頂の手前で緩やかになりました。途中、雪解け水のたまり場のような小さな池（写真）がありました。国土地理院の地形図にもよく見ると池が表示されています。　池の近くにはショウジョウバカマ（写真）やカタクリ、イワウチワなどが咲いており、その手前までヒメサユリが咲いていたりと、バラエティーに富んでいました。　山頂に到着しました。広くはありません。　標石の字面側の笹を刈り接写しました。県境付近にありますが、点の記に記載されている所在地は山形県西置賜郡小国町です。　国土地理院の成果は北緯 37°59′42″.7029、東経 139°38′36″.7243です。遮るものもなく天気も上々、測位精度も良好でした。　山頂は360度の大パノラマが広がり、ちょうど真北、写真中央に鋭鋒の光兎山、その右後方は前ノ岳から鷲ヶ巣山へ続く稜線、手前は湯蔵山から横松山へ続く稜線、右下にわかぶな高原スキー場（2020年のシーズンで閉鎖）が見えました。　時計回りに目立つ山を見ていくと、朝日連峰の以東岳から大朝日岳（右端）へ続く稜線、その手前に大上戸山や巣戸々山など燻銀の山々を望みました。　山形県の内陸部は省略し、南南東に聳える飯豊本山をクローズアップ。　南は飯豊連峰の稜線がよく見え、右に杁差岳（最近、国土地理院の地形図は「杁」を「えぶり」とかなで記すようになった）、手前やや左に見える複数のピークは枯松山です。　圧倒的迫力で間近に聳える杁差岳をクローズアップ。　杁差岳の右に二王子岳を望み、　北西は眼下に大石ダム、　その右は村上市街地方向で、日本海に浮かぶ粟島も見えました。　昔は山頂に反射板鉄塔があり、その名残のボルトナットが落ちていました。展望を楽しみつつ、少し早かったものの昼食を取り、50分程滞在し下山を開始しました。　帰路、前出の登山者の話通り、工事のため通行止めの箇所があり迂回路へ進みました。峠越えの一部狭隘な道で、途中片側交互通行があり5分以上待たされた挙句、かなり遠回りを強いられました。時間も20～30分は余計に掛かったものと推測されます。しかし、道の駅「白い森おぐに」に寄ることができましたので良しとしました。　台風2号が本州に接近しているものの翌日も天気が持ちそうで、味を占め連日の山行を予定していましたが、筋肉痛が発生、おとなしく家で仕事をしました。

  2023.06.04

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  志無燈山（Ⅲ志無登山）、善入山（Ⅲ善入山）

  志無燈山（Ⅲ志無登山）訪問日　2023年5月10日、晴れ等級：三等標高：601.4ｍ1/25000地形図：御神楽岳（越後豊川）　再三再四にわたり阿賀町の上川地区を訪ね、今回は志無燈山（しぶとやま）に登ってきました。郡誌を見ても山名に関しての記述はありませんが、越後山岳第弐号で川内の大先達笠原藤七氏が「川内地名考」と題して「五萬分ノ一陸測図には、随分奇妙きてれつ難解不可思議な地名が多い。……」で始まり「七．奈羅無登山と志無燈山」の項目で「志無燈山の東南に沢をはさんで一岩峯があるが、これを矢尽し山といひ、昔この二つの山に相寄つて戦が戦はれたことがあり、その時矢尽し山の軍勢は矢を射尽したので、之を矢尽し山と称し、志無燈山の方の軍勢は射殺されて死人の山を築いたので『シビト山』と呼ぶのだという口碑を傳えてゐる。……」とあり、要はシビト山に志無燈山の字を宛てたのは測量官の悪癖ではあるがこればかりは云々……とその由来を紹介しています。ちなみに志無燈山の三角点は冠字が「景」ですので、劒岳点の記で有名な陸軍参謀本部陸地測量部の柴崎芳太郎氏が明治41年に選点・観測しています。　今回、志無燈山の往復だけでは時間が余りましたので、近くの善入山（ぜんにゅうやま）も併せて訪ねてきました。これら二つは初めての三角点で順次記事にしました。A地点まで林道歩き、その先不明瞭な踏み跡コースタイム：駐車地点（8:13）→A地点（着8:44、出8:50）→志無燈山（着10:05、出10:39）→A地点（着11:41、出11:46）→駐車地点（12:19）　阿賀町上川地区の県道228号線を粟瀬集落で右折し、明谷沢集落を経て林道戸沢川線に入りました。林道は倒木で狭隘な部分やぬかるみが多く、悪路に辟易し作業道らしき道の分岐点（行動図のスタート・ゴール地点）に車を留め歩き始めました。写真のように舗装されている部分もありましたが落石があり、最近地震が頻発していますので、歩いた方が無難です。　写真はA地点近くの林道の様子ですが、倒木が完全に除去されているわけではなく、軽トラが通れるくらいの幅で切ってあるだけで、大きめのオフロード車は入れないのではないかと思いました。倒木は数箇所ありました。（5月10日現在）　A地点に到着、志無燈山の方向に法面を登った跡（写真）がありましたので、ここから取り付きました。　踏み跡があるのかないのかはっきりせず、林の中に入りなるべくヤブの薄いところを選んで進みました。　途中で小さな谷を隔てて右に小規模なスギ植林地があるのに気付き、そちらへ移動し、その中を登りました。　スギ植林地はすぐに終わりましたが、その先、よく観察すると所々踏み跡があり、古い鉈の跡も確認しました。　このルートは結構急登で、写真のような場所もありました。登りは問題ありませんが、時期的に見通しが悪く、下山の際は常に位置を把握しておく必要があります。　目立つ花はツツジやイワカガミ（写真）くらいでした。ユズリハが花粉をばらまいていました。　山頂が近づくと勾配が緩やかになりました。踏み跡はさらに先へ続いている様子でしたが、三角点は山頂の南東にありますので、そちらへ進みました。　標石は山頂の先、若干低い場所にありました。　広い山頂など、最も高い場所ではなく、測量の都合で端の方に設置していることはよくあります。写真は三角点から見た山頂方向です。　周囲を刈り、接写しました。　国土地理院の成果は北緯 37°33′40″.6807、東経 139°28′06″.2241です。　標石のある場所が分かるように木にピンクのテープが巻いてありました。　眺望は木々の隙間からわずかに飯豊連峰の大日岳などが見えました。手前の鋭鋒は土埋山かと思いましたが、兎ヶ倉山でした。昼食には早すぎましたが、軽く食事をして下山を開始しました。A地点に下山した瞬間、ゼンマイ採りの男性がタイミングよく熊よけのクラッカーを鳴らし始めたため、発砲しているのではないかと驚愕しました。　このルートは全体を通して踏み跡があるようで、昔の山径が年月の経過とともに草木の生えやすい場所はヤブと化し、そうではない所は踏み跡として残っているのではないかと考えました。どこを登ってきたのか分かりづらい場所があり、下山時は外しやすいと思いました。（志無燈山 終了）善入山（Ⅲ善入山）訪問日　2023年5月10日、晴れ等級：三等標高：297.5ｍ1/25000地形図：越後豊川林道および下草が刈り払われた広葉樹林内を歩きましたコースタイム：駐車地点（12:58）→善入山（着13:25、出13:58）→駐車地点（14:24）　志無燈山の下山後、県道228号線から県道227号線に戻り、室谷方向へ進みました。途中、八田蟹で左折し、「御神楽温泉みかぐら荘」を過ぎると「ブナの宿小会瀬」があり、その向かいの林道に入りました。坂を登って左折すると広い駐車場（写真）があり、今回は山頂までの距離も短いことから、ここに車を留め歩いて行くことにしました。　林道はそれほど悪路ではなかったため車で入っても問題ないように見えました。　左にカーブする地点の突き当たりに「猿倉ワラビ園」の入口がありました。　途中、御神楽岳を望みました。　季節の移ろいは早く、もうこの花が咲いていました。他にはツツジも…。車での移動と違い、歩いているからこそタニウツギや御神楽岳を見る余裕が生まれるので、歩くメリットは多いと感じています。　善入山の山頂へ通じる小尾根の入口に2台ほど駐車可能なスペースがあり、また広葉樹林内の下草や灌木がきれいに刈り払われていましたので、ここから取り付くことにしました。　どこでも歩けるような状態でしたが、尾根に山径らしきものがありました。林はナラが多く、森林浴にうってつけの場所だなと感じました。近くに「あすなろ森林公園」がありますが、ここまできれいに刈ってあると、もしかしてもう一つ公園を計画しているのではないかと思われました。　取り付きから8分ほどで山頂に到着、周囲はワラビなどが生えていました。林の中でしたので、眺望は全くありません。　この三角点も柴崎芳太郎氏が選点・観測しています。先日記事にした大倉（だいくら）山もまた然り。　国土地理院の成果は北緯 37°35′39″.0975、東経 139°26′10″.7870です。　三角点マニアか、はたまたピークハンターか、標石の近傍にピンクのリボンがぶら下げてありました。ここで遅い昼食を取り、心地よい林の中をのんびり下山しました。　この記事の冒頭で紹介した「越後山岳第弐号」です。昭和二十三年（1948年）九月三十日発行とありますが、所有しているのは復刻版です。

  2023.05.18

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  阿賀町の大倉山（Ⅲ大倉）

  大倉山（Ⅲ大倉）訪問日　2023年5月5日、晴れ等級：三等標高：950.3ｍ1/25000地形図：安座　昨年の金凍山（2022年5月16日の記事）に続き、今年も阿賀町柴倉を訪ね会越国境にある大倉（だいくら、だいぐら）山に登ってきました。アプローチに林道歩きはありますが、取り付きから山頂までヤブ歩きの距離が短く、容易に登れるのではないかと予想していました。　新潟県には妙高市と魚沼市に大倉山（おおくらやま）があり、（よく調べたわけではないので他にもあるかもしれませんが）紛らわしいのでタイトルに「阿賀町の……」を付けました。A地点まで林道歩き、その先は明瞭・不明瞭な踏み跡、中盤以降はヤブコースタイム：駐車地点（8:42）→A地点（着9:10、出9:12）→大倉山（着10:45、出11:36）→A地点（着12:44、出12:47）→駐車地点（13:14）　阿賀町の県道228号線、最奥の柴倉集落へ向かって車を走らせました。例のごとく大黒天の祠（写真）の横に車を留め、準備後歩き始めました。　歩き始めて少し進むと林道柴倉線の入口があり、そちらへ進みました。車止めのコーンの他にロープも張ってあり、厳重にガードが施されていました。　林道の入口から6分ほどで国有林の遮断機を通過、まれに鍵のかけ忘れで開くゲートもありますので押してみましたが、しっかりロックされていました。その先で軽トラに乗った男性とすれ違いました。鍵を持っているのであれば地元の人だろうと考え、大倉山の様子を尋ねましたが、「大倉峠の方は径がある。こちらは径がない」と云っていました。しかし、ここまで来てしまったからには、予定しているルートで登ることにし、もし県境稜線に踏み跡があれば、大倉山の山頂から大倉峠を経て下山できるのではないかと考えました。　昨年、金凍山に登った際、沢伝いに踏み跡があるのを確認していましたので、今回そこから取り付きました（行動図A地点）。　すぐに小規模なスギ植林地に入り、それを抜け尾根に登ると、急登でしたがそこそこ明瞭な踏み跡（写真）があり助かりました。　ちょうどツツジが見頃でした。　上の方ではタムシバが咲いていました。この付近から踏み跡は不明瞭になりました。　中盤以降、行く手を阻む根曲竹や縦横無尽に枝を張り巡らす小さなスギなどの密ヤブを進むようになり、思わず閉口しました。山頂までの距離が長かったらあきらめて帰るくらいのヤブです。　山頂（写真）もヤブに覆われ、眺望はほぼ皆無でした。国土地理院の地形図では福島県西会津町安座から破線の径が山頂まで記載されていますが、見当たりませんでした。後述の会津百名山ガイダンスによると「登山難易度 上級（登山道一部不明）」とあり、安座からのルートが紹介されています。　三角点標石は山頂のほぼ中央、少しくぼんだ場所にあり、容易に見つかりました。　周囲を丁寧に刈り払いました。保護石3個確認しました。　点名の読みは「だいぐら」で、日本山名総覧では「だいぐら」と「だいくら」の両方が併記されています。標石は県境にあり、所在地は「福島県河沼郡正中村字大倉」と、備考欄に「新潟県東蒲原郡東川村大字大倉字大倉」の記載があります。　国土地理院の成果は北緯 37°32′40″.9947、東経 139°34′08″.0817です。　よく調べませんでしたが、県境稜線に踏み跡はなさそうに見え（…と言うか、ヤブがひどいのであまり動きたくないのが本音）結局往路を戻ることにしました。帰り間際にブナに括り付けられた山頂標識（写真）を見つけました。ずいぶん高い位置にありましたので、残雪期に付けたのではないかと思いました。三角点に興味が無ければ残雪期に登るべき山です。下山は山頂直下の根曲竹の密ヤブで進む方向を間違いやすく、案の定、尾根からやや東へずれたため少々難儀しました。　意外と早く往復できたため、もう1座、お手軽な山でもと考えましたが、当日は少し暑かったせいもあり、おとなしく帰宅しました。　今から30年ほど前、××百名山がブーム（今でも続いているかもしれませんが…）になり、各県の百名山や一等三角点百名山などが本になっていました。新潟県でも越後山岳第8号（平成元年十二月二十日発行）に越後百山が発表されていました。それらの本の中に会津百名山（平成十年四月二十七日第一刷発行）があり、新潟県と関係があるところでは、会越国境の飯豊山から鬼ヶ面山まで12座、この大倉山も含まれていました。越後百山には毛猛山があるものの会津百名山にはなかったりと、各県いろいろ特色があるようです。

  2023.05.14

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  大段山（Ⅲ大段）

  大段山（Ⅲ大段）訪問日　2023年5月3日、晴れ時々曇り等級：三等標高：895.1ｍ1/25000地形図：日出谷　阿賀町日出谷の大段山に登ってきました。ルートは何通りか考えられますが、アプローチに林道長走線を利用し、林道の峠である標高点582mから東へ延びる稜線を歩き山頂を目指しました。このルートは山行記録が見つからず、長い稜線に踏み跡があるのかどうか、ヤブの状態、どのくらい時間が掛かるのか等、それらが不明でしたので、先日記事にした鹿森山同様、ダメ元で挑みました。標高点582mまで林道歩き、その先の稜線に所々不明瞭または明瞭な踏み跡ありコースタイム：駐車地点（8:00）→標高点582m（着9:00、出9:02）→炭焼窯跡（着10:53、出10:57）→大段山（着11:23、出12:05）→炭焼窯跡（12:26）→標高点582m（着14:05、出14:10）→駐車地点（15:13）　阿賀町の国道459号線を福島県方向に進み、水沢集落で左折、林道長走線（林道水沢下山線）に入りました。この近くに昨年記事にした竹ノ倉山があり、山頂で約3時間三角点標石を探したあげく、結局見つからなかった苦い思い出があります。　林道は悪路（写真）のため、奥まで入らず、早々に駐車可能なスペースを見つけ、車を乗り捨て歩き始めました（行動図のスタート・ゴール地点）。今回、林道歩きが長くなりそうなので、トレッキングポールを使い少しでも体力の消耗を軽減することにしました。　しばらくするとコンクリートの舗装に変わり、もう少し車で進めばよかったと後悔しました。写真は林道の分岐点で、左折は林道水沢下山線、直進は長走線でそちらへ進みました。　その先、石のモニュメントがありました。大きなスギのたもとにありましたので山の神でしょうか。　堰堤の先に棒掛山が見えました。　急峻な山が見えてきました。標高点582mと棒掛山の間にある約960mのピーク（無名峰）です。　標高点582mの切通に到着、林道はその先、長走川に向かって下って行きます。稜線左は棒掛山方向で、大段山は右です。駐車地点から標高差約330m、急いでちょうど1時間でした。ゴールデンウィーク期間中でもあり、途中で山菜採りと思われる軽トラやオフロード車とすれ違いました。先日登った鹿森山の時も痛感しましたが、林道歩きが必要な山を登るのであれば、悪路でも気にせず走れるジムニーとか軽トラが欲しいところです。　大段山側の稜線に登ると、古い石祠が散乱していました。ヤブ歩きではトレッキングポールは邪魔になりますので、この付近にデポしました。　はじめは明瞭な踏み跡があり、できるだけ長く続いてほしいと願いました。　途中で雪を拾うことができ、標高約670mのピークは巻いて進みました。しかし、雪の上を歩けたのはこの付近と大段山山頂手前のほんの短い区間だけで、あとは踏み跡やヤブを歩きました。　踏み跡は、消えたり、また現れたりの繰り返しで、外しやすく、時間が掛かってしまいました。新緑のミズナラやブナに癒されました。　「シャクナゲある所に密ヤブあり」　途中よりずいぶん古びたプラ製の境界標が現れ、それが大段山の山頂付近まで稜線上に点在していました。　大きな天然スギ（写真）もありました。　途中、大段山の山頂が見えましたが、まだまだ遠く感じました。　山頂に近づくとスギが混じったブナの二次林に変わり、歩きやすくなりました。　炭焼窯の跡らしきものを見つけました。良い目印になりますので行動図に記入しておきました。　クマの足跡が残る雪の斜面を登ると山頂はすぐそこでした。　三角点標石はすぐ目に入りました。稜線上にきついヤブが少なかったせいか、予想していた時間よりも早く到着しました。　周囲の笹などを刈り払って接写しました。標石はやや傾いていました。　国土地理院の成果は北緯 37°44′47″.7292、東経 139°33′39″.3912です。　スギが多く、薄暗い山頂でした。　南西側の尾根に踏み跡らしきものを見受けましたが、歩いて確認したわけではありませんので、詳細は不明です。　眺望は蒜場山（写真）が唯一よく見えました。他は木が邪魔で、飯豊山がほんの僅かに見える程度でした。少し早かったものの昼食を取り、40分ちょっと滞在し山頂を後にしました。　下山時、気を付けたいのは稜線が複雑な炭焼窯跡付近で、油断していたせいか進むべき方向を逸脱してしまい、2度軌道修正を行いました。今回、急登・急降下や連続した密ヤブがなく容易な方でしたが、長い林道歩きが体に堪え、最後は足が痛くなりペースダウンしました。

  2023.05.11

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  キュウゾウ山（Ⅲ久蔵）を経て鹿森山（Ⅲ鹿森）

  キュウゾウ山（Ⅲ久蔵）訪問日　2023年4月28日、晴れ等級：三等標高：640.3ｍ1/25000地形図：円吾山（塩野町）鹿森山（Ⅲ鹿森）訪問日　2023年4月28日、晴れ等級：三等標高：835.8ｍ1/25000地形図：円吾山　キュウゾウ山と鹿森山は村上市布部の東に位置し、南に三面貯水池を挟んで鷲ヶ巣山と対峙しています。キュウゾウ山は国土地理院の地形図に記載されていませんが、村上市朝日地区発行の地図にその名があります。久藏（くぞう、くんぞ）山とも呼ぶようですが、この記事ではキュウゾウ山（間違っている可能性あり）としました。　この手の山は記録がほとんど見つからず、踏み跡の有無、ヤブの状態やどのくらい時間が掛かるのか等、全く不明ですのでダメ元で挑むしかないのが実情です。今回、紆余曲折がありましたが、何とか三角点標石を確認することができました。・地図を見やすくするために北を右にしています・林道、廃道化した作業道、スギ植林地、明瞭・不明瞭な踏み跡、径の無い所を歩きましたコースタイム：駐車地点（8:05）→A地点（8:21）→キュウゾウ山（着9:43、出10:05）→標高点612m（10:34）→標高点616m（11:08）→鹿森山（着12:00、出12:49）→標高点616m（着13:30、出13:32）→標高点612m（14:06）→キュウゾウ山（着14:41、出14:48）→A地点（着15:55、出15:57）→駐車地点（16:12）　県道349号線村上市（旧朝日村）布部集落に林道白滝日倉線の入口があり、林道へ入りたいところですが、車止めのコーンが設置されていました。しかし、こんなところから歩き始めたのでは日が暮れてしまいますので、通行させていただきました。　林道を進んで行くと、途中で林道古蔵線が右に分岐しますので、そちらへ進みました。行動図のスタート地点の少し先で舗装区間が終わりましたので、その手前の路肩の広がっている場所（写真）に駐車、準備後歩き始めました。林道の状態はさほど悪くなかったので、まだ進むことも可能で、その先に広く整地された場所がありました。　昨年の春に買ったゴム長が、灰ヶ岳や守門山塊烏帽子山2往復など山行回数20回以上を数え、靴底もだいぶ角が丸まってきましたので今回新調しました。前回はコメリで購入しましたが、ホームセンタームサシの方が品揃えが豊富で「超軽量」「プロ仕様」という言葉が目に入り、少々値が張りましたが弘進ゴムの商品を履いてみることにしました。　林道を進んで行くと行動図A地点で廃道化した作業道の入口がありましたので、そちらへ進みました。尾根伝いに歩くのであればこの作業道へ入る必要があります。しかし、後で考えるとこの選択がよかったのかどうか疑問が残るところです。　今回の山行にあたって、キュウゾウ山や鹿森山などの三角点の正確な緯度経度、通るべきポイントなどをあらかじめハンディナビに入力しておいたのですが、先日登った芋沢山のデータを消去した際に同時に消去したらしく、ナビ画面にポイントが表示されないので慌てました。紙の地形図も持っていましたので、多少影響はあったものの、中止するほどのことではありませんでした。　廃道化した作業道は、横に木が張り出したりしており、かがんだり跨いだりする場所が多くありました。写真は作業道終点付近の様子です。　その先、不明瞭な踏み跡が所々出てきましたが、かなりヤブっぽく通過に手間取りました。　途中スギ植林地が見えてきましたので、そちらの方へ行きました。植林地内は下草がほとんどなく、歩きやすい状態でした。この状況を考えると林道古蔵線を終点近くまで歩くか、車で乗り入れるかし、そこから植林地を登った方が時間と体力を節約できたのではないかと考えました。事前に状況が分かっていればそうしたかもしれませんが、なかなか難しいものです。　また、植林地上部にⅣ杉山（449.7m）がありますが、前述したとおりハンディナビに登録したデータが失われており、かつ、四等三角点ですので、下山時余裕があったら探すことにして先を急ぎました。　スギ植林地の先は、広葉樹林の中を歩くようになり、大きなブナの木（写真）もありました。　ブナ林の下は、ツバキやユズリハなどが多く、踏み跡があるのですが外しやすく、それを忠実に辿るのは困難でした。しかし、きついヤブではなく歩きやすい方でした。　キュウゾウ山に到着しました。標石は通り道にあり、保護石もきちんと4個配置されていました。この佇まい、訪れる人は少ないのかなと感じました。　接写しました。さほど刈り払う必要もなく助かりました。点名の久蔵は「くぞう」と読みます。　国土地理院の成果は北緯 38°16′03″.8511、東経 139°37′27″.7329です。周囲は広葉樹林で展望はほとんどありませんでした。軽く食事をして出発しました。　イワウチワが咲いていました。　キュウゾウ山から先、標高点612mまでは所々明瞭な踏み跡（写真）があり歩きやすく感じました。コルの標高が約522mで、さほど急勾配ではないものの約120mの標高差がありました。標高点612mの手前で20匹ぐらいのサルの群れに出くわしました。　標高点612mから先はかなりのヤブで、先ほどまでのルンルン気分が一変、これはだめかと思うとまた踏み跡が現れたりしました。時折、鹿森山（写真）が見え隠れしましたが、意外と高く、山頂の手前に急斜面があることが分かりました。　この辺りまで来るとまれに残雪も現れましたが、その上を歩くことができたのは全行程の1％くらいでした。　バテ気味でしたが、最後の急斜面（写真）を何とか登り切りました。急登区間は明瞭な踏み跡があり、途中振り返ると三面貯水池に浮かぶ二子島森林公園が見えました。　山頂には大量の残雪があり、一通り雪の無い部分を探してみましたが三角点標石は見当たらず、あきらめムードが漂い始めました。標石の位置情報が消えているので、雪に埋もれているのかヤブの中にあるのかも不明です。　残雪のおかげかどうか分かりませんが、そこそこ眺望があり北東に朝日連峰の以東岳が見えました。　東は、木が邪魔でしたが、西朝日岳や大朝日岳。　南に鷲ヶ巣山（左）と中ノ岳（右）の急峻な山容が確認できました。展望を楽しみつつのんびり昼食を取りました。　荷物をまとめ、今一度、ヤブと残雪の境界をチェックしながら下山を開始すると、三角点標石を発見、小躍りしました。笹の下にあり目立ちませんでした。　時間がやや押し気味でしたので、手早く刈り払い接写しました。保護石二つ確認、残りは雪の下にあると思われました。　国土地理院の成果は北緯 38°16′24″.2989、東経 139°39′03″.7960です。　下山開始早々、眼下に二子島森林公園を見下ろしました。現在、県道349号線（朝日スーパーライン）は、二子島森林公園まで通行可能とのことです。時間が押していたこともあり、結局、Ⅳ杉山の標石探しはあきらめました。　今年もゴールデンウィークにテント泊まり山行を考えていたのですが、鹿森山の最後の急登と下山時のキュウゾウ山の登り返しでバテ気味なってしまい、その程度の体力では中止せざるを得ないと感じました。今回、下山を完了した時に得られた達成感はかなりのものでした。

  2023.05.06

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  芋沢山（Ⅲ芋沢）、雨乞立（Ⅲ雨乞立）

  芋沢山（Ⅲ芋沢）訪問日　2023年4月23日、晴れ時々曇り等級：三等標高：482.9ｍ1/25000地形図：木野俣（鼠ヶ関）　4月下旬、標高1000mクラスの山々の三角点標石は雪に埋もれている可能性があり、苦労して登っても標石が見つからないと残念な思いをしますので、500m前後のヤブ山を対象に数ある中からあれこれ検討、新潟と山形の県境にある芋沢山に登ることにしました。下山後、時間に余裕がありましたので近くの雨乞立も再訪してきました。順次記事にしました。林道、作業道、沢伝いの小径、スギ植林地、踏み跡（県境稜線）を歩くコースタイム：日本国蔵王堂登山口（8:27）→林道入口（8:35）→林道終点（着8:47、出8:51）→A地点（着9:37、出9:41）→芋沢山（着9:59、出10:36）→A地点（着10:47、出10:53）→林道終点（11:29）→日本国蔵王堂登山口（11:50）　国道7号線村上市（旧山北町）府屋から県道52号線に入り、日本国登山口のある小俣を目指しました。写真は県道から見たナガセ沢に沿った林道の入口です。ぬかるんでいるように見えたため、車で進入するのは控え、歩いて行くことにしました。　近くに適した駐車スペースが見つからず、少し歩きますが日本国の蔵王堂登山口（写真）に車を留めました（4～5台程度可）。　林道に入りしばらく歩くと、途中に分岐点（写真）があり、地形図を見ると左側の道がより長く、かつ県境稜線の方へ延びいていますので、そちらへ行く予定でしたが、見たところ倒木もあり廃道のようで、方針を変更し、右の道を進むことにしました。　林道終点の様子です。道の泥濘が激しく、車で入らなくてよかったと痛感しました。木材運搬用と思われる重機が駐車していました。　林道終点からは重機で道付けしたところを通りました。途中、ショベルカーが留まっていました。当日は日曜日でしたので作業を行っておらず、問題なく通行できました。4月上旬に村上市の烏帽子岳へ登った時は平日で、通行の際、作業を中断してもらい、ご迷惑をかけた記憶があります。　その先は沢伝いの小径を進むようになりました。時折、県境稜線が見え隠れしました。　ヤマエンゴサク（写真）やエンレイソウ、ミヤマカタバミがこの付近に咲いていました。　さながら沢登りの様相を呈し始めましたが、深い場所もなくゴム長で十分対応可能でした。　この付近のスギ植林地は急斜面でしたがヤブが薄そうに見え、県境稜線に向かって登ることにしました。　県境稜線（行動図A地点）に到着、明瞭な踏み跡がありました。　その先、急な登りもなく労せずして山頂に到着しました。雪解けして間もない様子で、所々カタクリが咲いていました。山頂は広いものの残念ながら木に囲まれ展望はほとんどありません。強いて言えば東に摩耶山、南東にⅡ大葡萄（地形図に山名なし）あたりがほんのわずかに見える程度でした。　標石周りを整理し接写しました。県境ですが所在地は山形県鶴岡市小名部となっています。ちなみにお隣の日本国の三角点も同じく県境にありますが小名部です。　国土地理院の成果は北緯 38°31′19″.1288、東経 139°37′52″.9832です。この度液晶保護フィルムを張り替えました。ここで軽く食事をして山頂を後にしました。　下山は、県境稜線に明瞭な踏み跡があったことと、日本国の蔵王堂登山口に駐車したことを勘案し、稜線伝いに堀切峠まで進み、そこから駐車地点に戻ろうと考えましたが、A地点のすぐ先でヤブが濃くなり時間が掛かると判断、結局往路を戻りました。そうは問屋が卸さないということでしょうか……　写真は蔵王堂登山口付近のリュウキンカで1997年4月19日に日本国に登った時もこの場所に咲いていたのを覚えています。山熊田辺りでも普通に道端に咲いていますし、この地域は多い印象です。　今回、効率の良いルートを選択したようで、時間に余裕ができ、ついでに日本国の登山も考えました。しかし、疲労困憊が予測されますので適期と思われる雨乞立を優先することにしました。日曜日だけあって日本国の小俣登山口には10台以上駐車していました。（芋沢山 終了）雨乞立（Ⅲ雨乞立）訪問日　2023年4月23日、晴れ時々曇り（初回訪問日1992年3月14日）等級：三等標高：247.1ｍ1/25000地形図：鼠ヶ関作業道およびスギ植林地を歩くコースタイム：駐車地点（12:28）→雨乞立（着12:51、出13:22）→駐車地点（13:41）　小俣集落から国道7号線へ出て北上、村上市の中浜集落を目指しました。羽越線のガードをくぐり、雨乞立方向へ延びる車道を進み、林道大須川線と作業道の交差点に駐車（1台のみ）、準備後出発しました。写真は途中で見えた雨乞立（中央やや左）です。　近くに池がありますので、先ずそこへ寄り道することにしました。大須川上池と呼ばれています。あまりきれいではないように見えました。ほとりに小径がありました。　雨乞立は山頂の近くまで作業道（間伐作業道大須川線）があるので短時間で往復できます。しかし、悪路ですのでこちらも普通車は進入を控えた方が無難です。　作業道の終点に到着しました。　その先、スギ植林地内の尾根を山頂に向かって登りました。　容易に到着しました。広い山頂です。　三角点標石がすぐに見つからなかったため、ハンディナビをコンパス画面に切り替え、指し示す方向へ行くと山頂西側の草むらの中にありました。ナビかGPSが無いと確認に手間取る可能性があります。　この草なんだろう……　刈ると茎は中空で独特のにおいを発していました。　必要最小限だけ刈り、接写しました。　国土地理院の成果は北緯 38°31′27″.9957、東経 139°33′07″.7375です。　眺望はほとんどなく、木々の隙間からかろうじて日本海が見える程度でした。名前からして雨乞いの祠でもあるのかなと思いましたが、見た感じ何もありませんでした。　ホウチャクソウ（写真）やツボスミレなど、地味な花が咲いていました。昼食が遅くなりましたが、ここで取り、滞在時間30分程度で下山を開始しました。　先日の鍋立山の記事で「星峠の棚田」について触れましたが、駐車地点へ戻る途中で見えた棚田（写真）もなかなか乙なものです。田んぼに水を張った頃、日本海をバックに水田に夕日が反射する光景が見えたら素敵ではないかと思いました。（雨乞立 終了）

  2023.05.04

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  つつい峰（Ⅲ岡）、鍋立山（Ⅲ鍋立）

  つつい峰（Ⅲ岡）訪問日　2023年4月20日、晴れ等級：三等標高：419.7ｍ1/25000地形図：松代（石黒）　4月20日は、午前中に鷲の巣山に登り、その後つつい峰に登るため上越市大島区の嶺集落から県道78号線を西進し板山集落へ向かいました。つつい峰は初めて登る山で、スタート地点からの標高差約170m、歩く距離も短いことから容易と考えていましたが、予想以上に難渋しました。下山後、板山不動尊に参拝し、車に戻った時は既に14時を回っていたものの、最近日が長くなってきたことから、さらに欲張り十日町市と上越市大島区の境界にある鍋立山に行くことにしました。順次記事にしました。車道から先は径なしコースタイム：板山不動尊駐車場（11:56）→つつい峰（着12:40、出13:12）→板山不動尊（着13:54、出14:02）→板山不動尊駐車場（14:05）　県道78号線、田麦川に架かる橋を渡ると上越市大島区板山で県道13号線との交差点があります。直進するとその先にカーブがあり、小海の池へ行くことができます。正面奥に見えるのがつつい峰です。板山不動尊はこの橋のたもとにあります。　駐車可能な場所を探しつつ、小海の池の手前まで行きましたが、付近に事業所があるようでダンプカーがひっきりなしに往来し、また小海の池の近くでショベルカーが作業中で、その付近の駐車は邪魔になると判断、少々歩きますが板山不動尊の駐車場に車を留めました。下山後、板山不動尊を参拝するのにちょうどいい機会だと考えました。　往路は一枚目の写真左側にあるやや急な枯れ草の斜面を登り、尾根に取り付きました。この付近、エンレイソウ、チゴユリ、イワカガミが咲いていました。　尾根に踏み跡ぐらいあるのではないかと期待していましたが、密ヤブの連続で手間取りました。　板山不動尊駐車場からおよそ45分で山頂に到着しました。結構疲れましたので、三角点に興味が無ければあまりお勧めできない山です。標石はヤブの中にあり、保護石も4個きちんと配置されていました（写真は刈り払い後）。　標石の前の部分を少し刈り、接写しました。点名の岡は、つつい峰西側の上越市大島区の集落名です。　国土地理院の成果は北緯 37°10′01″.1900、東経 138°31′16″.1555です。　山頂からは奥に菱ヶ岳などの関田山脈、手前左側に鍋立山が木々の間から見えました。　急斜面や密ヤブで苦労したため、別ルートで下山しました。途中スギが植林された平坦な所を通り、さらに下ると小海の池の全容（写真）を見渡す場所に出ました。地名辞典によると小海の池は「水面18,000平方メートルの自然池で深さは底なしと伝えられている」とのこと。また板山不動尊の案内板に「役行者がこの池のほとりで不動明王のお告げを受け、この地に不動明王の像をお迎えした」と記され、他にも「池の主として体長1m鯉が棲んでいる」などいろいろ伝説があるようです。　斜面にカタクリが群生していました。　下山後、駐車場に戻る前に板山不動尊に寄り道しました。歩行時間は県道から3分ほどで、川のほとりにありました。近くに案内板があり、要約すると「間口30m、奥行13m、高さ平均1.8mの半月形水成岩洞窟で、不動尊を祀り、二百数十体の石仏が安置されている」と紹介されていました。上越市指定文化財です。　その右には修験者が修行したとされる不動の滝がありました。　駐車場の奥の方に「板山不動尊の水」の標柱があり、塩ビのパイプから水が流れ出ていました。自販機でジュースを買おうと思っていましたが、ちょうど良いタイミングでのどを潤すことができました。水場の脇にシャガが咲いていました。（つつい峰 終了）鍋立山（Ⅲ鍋立）訪問日　2023年4月20日、晴れ（初回訪問日1993年5月8日）等級：三等標高：540.5ｍ1/25000地形図：松代　続いて鍋立山です。時間が押していましたが、登山口から鍋立山山頂までの標高差はつつい峰よりもさらに小さい120mほどで、歩く距離も短いことから敢えて登りました。ここは3回目で、曖昧ですが過去2回は踏み跡程度の径を辿った記憶があり、今回いざ行ってみると登山道が整備されており、少々驚きました。また、山頂に1984年（昭和59年）3月に閉校した松代町立峠小学校の記念碑があり、それが今でも現存しているかどうかも気になっていました。主として登山道を歩くコースタイム：駐車地点（14:48）→鍋立山（着15:08、出15:37）→駐車地点（15:53）　つつい峰の下山後、上越市大島区板山から県道13号線を経て国道253号線儀明峠トンネルを抜け十日町市木和田原へ。そこから農道を通り小豆峠へ向かいました。農道に雪はなく、何ら問題なく通行可能でした。峠集落と小豆峠との分岐点のY字路（行動図の標柱地点）に「鍋立山→」（写真）と書かれた道標があり「登山道が整備されたのかな」と期待しました。　小豆峠まで行き駐車可能な場所を探したところ、適当な場所が見当たらず峠を越え上越市大島区側の路肩の広がっている所に車を留めました。車にびっくりしたのかカモシカが慌てて逃げて行きました。こんなところにカモシカがいるとはこちらも驚きました。帰路、気付きましたが行動図の標柱地点の少し先に駐車場（8台程度可）がありました。写真は小豆峠の石仏です。お賽銭があがっていました。　小豆峠からは鍋立山に向かって延びる農道を歩きました。こちら側だとアングルが悪く、まだ田植え前で緑鮮やかではありませんが、棚田の写真を撮ることができました。峠集落側に撮影スポットがあり「星峠の棚田」として有名です。星峠と聞くと何ともロマンチックな呼び名ですが、国土地理院の地形図に「峠」の下に「星峠」と記載され、地名辞典にも「古くは法師峠・星峠と称された」とあり、十日町市峠は星峠とも呼ばれているようです。　規模は小さいものの、ブナ林もありました。　もうこの道は農道として使われていないのかもしれませんが、1993年5月8日に登った時は鍋立山の山頂直下南側にあった水田で田植えを行っていました。　散り始めていましたが、鍋立山をバックに桜の写真をパシャ。　途中で廃道気味の農道を左に分けると登山道に変わり、ツツジやトキワイカリソウ、イワカガミなどが路傍を彩っていました。　径は尾根を一本調子で登るわけではなく、やや巻き気味に徐々に標高を上げ、さほど労せずして山頂に到着しました。峠小学校の記念碑もありました。登山道は北西方向からも通じていました。　標石周りを少しだけ刈り、接写しました。　国土地理院の成果は北緯 37°08′12″.4707、東経 138°31′37″.7367です。　今回撮った峠小学校の記念碑の写真は反射などにより鮮明ではなく、1996年5月19日に訪ねた時の写真の方が文字がはっきり写っていました。「忘るまじ 睦みし友と峠校 名残りに登る鍋立の山　昭和五十八年十月五日　児童三十名職員七名」と刻まれています。　南東から南方向のみ眺望があり、眼下に星峠の棚田、奥に関田山脈、遠くうっすらと苗場山が見えました。　この写真は「星峠の棚田」の撮影スポットにある案内板で、だいぶ日が傾き少々写りが悪いのですが、左上に鍋立山が紹介されており、小豆峠からの径と木和田原へ通じる散策道が記載されていました。もう一度、折を見て訪ねてみたいと思いました。（鍋立山 終了）

  2023.04.30

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  鷲の巣山（Ⅲ嶺）

  鷲の巣山（Ⅲ嶺）訪問日　2023年4月20日、晴れ等級：三等標高：624.0ｍ1/25000地形図：石黒　天候に恵まれた4月20日、上越市大島区の東頚城丘陵とその周辺の三角点を訪ねてきました。前回の低山巡りで疲労困憊したにもかかわらず懲りずにまた3座登りましたが、いずれもスタート点からの標高差が小さく、さほど苦も無く三つとも登れました。その中で最も標高差が大きいのがこの鷲の巣山で280mほど。村上市にある似たような名前の鷲ヶ巣山は過去何度か登りましたが、この鷲の巣山は初めてです。長くなりますので記事を二つに分け、初めに鷲の巣山をアップし、残りは後日とします。不明瞭な踏み跡、ヤブも多いコースタイム：駐車地点（8:15）→鷲の巣山（着9:24、出10:02）→駐車地点（11:00）　国道353号線柏崎市石黒から県道78号線に入り、上越市大島区を目指しました。大島区に入ると嶺集落で林道藤尾嶺線がすぐに分岐、そちらへ進みました。途中、標高点345m付近に林道のカーブがあり路肩が広がっていましたので車を留め歩き始めました。季節柄、山菜採りの人が多く入山しており、すぐ近くに見える鷲の巣山について尋ねてみましたが、名前すら知らないようでした。近くに聳える刈羽黒姫山は知っていました。写真は林道の途中で写した鷲の巣山の南側です。正面やや左に見えるそこそこ急な尾根を登りました。　歩き始めてすぐ林道高所線の入口（写真）があり右折、その先で水田へ向かう農道との分岐点があり水田の方へ進みました。途中から尾根伝いに登りますので、進む方向はどちらでもいいような気がしました。　かなり不便なところにあるにもかかわらず、この付近の水田は維持されているようです。　農道の途中で、左の斜面を尾根に向かって登り始めました。　咲いている花の種類が多く、大多数のカタクリに混じってトキワイカリソウ（写真）、オオバキスミレ、イワカガミなどが見られました。他にチゴユリ（写真略）もあり、もう咲いているのかと少しびっくりしました。　かなりヤブっぽいものの不明瞭な踏み跡が尾根伝いやそのすぐ下にありだいぶ助かりました。下山時に気付きましたが、途中に八海山や巻機山を望む場所がありました。　なんだかんだ言ってもヤブのきついところがあり、ツバキやリョウブなどがうるさく感じました。距離は長くありませんでしたが、根曲竹もありました。　ユキグニミツバツツジが咲いていました。　急な登りに差し掛かると、左側に急峻な崖（地形図の崖記号付近）があり、踏み外したらひとたまりもないなと感じました。　山頂が近づくとヤブの薄いところが度々出現、林床にはカタクリやオオバキスミレなどが咲いていました。　山頂に到着しました。ここまで雪を見ることはあっても踏むことはありませんでしたが、山頂に大量の残雪があり、三角点標石は雪の下だろうと諦めかけました。　いずれにせよ標石の位置だけは確認しておこうとハンディナビの目標地点を鷲の巣山の三角点に設定し、コンパス画面に切り替えると雪の途切れかかったヤブの方を示し、そこへ行くと標石がありました。雪解け直後のようでラッキーでした。　さほど刈り払う必要もなく、上部を掃除して接写しました。今年は雪解けが早いと感じていましたが、侮ってはいかんと思いました。　国土地理院の成果は北緯 37°12′02″.2430、東経 138°32′43″.8025です。　山頂は広く、残雪のおかげでかろうじて眺望があり、北北西に米山（写真）を望みました。近くの兜巾山や尾神岳は左の木が邪魔で見えませんでした。　北東方向、奥にある山は八石山のようです。刈羽黒姫山は右の木が邪魔で見えませんでした。また雪面にカモシカの足跡がありました。　軽く食事をして、残雪と新緑の山頂を後にしました。　下山後、林道藤尾嶺線を進み藤尾集落へ抜けようとしましたが残雪のため行けず、農免農道角間線も雪で通行不能の場所があり、結局、嶺集落に引き返す羽目になり時間を浪費してしまいました。

  2023.04.24

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  城ヶ峰（Ⅲ北中）

  城ヶ峰（Ⅲ北中）訪問日　2023年4月10日、晴れ（初回訪問日1996年5月3日）等級：三等標高：330.8ｍ1/25000地形図：勝木　4月10日は午前から午後にかけて村上市中津原のハゲタ山と丸山に登り、疲労困憊気味でしたが少々頑張り、登山道の状態が気になっていた村上市北中の城ヶ峰も登りました。この山は地名辞典に「中世の城郭跡が山頂にある」と記載されていますが、集落の人の話では古戦場と云っていました。ここは1996年5月3日にも登っており、登山口の位置や途中の経路などを詳しくメモに残していたため、それを参考にしました。当時、山北町では各集落ごとに村おこしに取組んでいて、城ヶ峰への登山道はその際に出来たと聞きしました。同様のケースに2021年12月に記事にした村上市越沢の城山登山道があり、詳しくは知りませんが午前に登ったハゲタ山もそうかもしれません。しかし、どれも径の維持が長続きしていない様子です。登山道跡を歩く（往路の測位精度が悪く、行動ラインは復路のみとしました）コースタイム：駐車地点（13:54）→城ヶ峰（着14:28、出15:07）→駐車地点（15:30）　国道7号線、中津原集落から村上市街地へ向かって少し進むと北中集落で、かつて黒川俣村があった頃の中心地です。メモによると、城ヶ峰の登山道は曹洞宗耕太寺の脇から尾根伝いに登る径と、黒川俣小学校のプール脇から登る径の二つあり、その時は耕太寺から登り黒川俣小学校に下山したとありました。今回もそのルートで周回しようとしましたが、耕太寺の近くに道標や案内板が見当たらず、プール脇から登ることにしました。黒川俣小学校は2004年（平成16年）に閉校したとのことで閑散としていました。校門の脇からグランドの横を通り、プール（写真）脇の小さなスペースに車を留め歩き始めました。　車道は畑へ向かう道を右左に分け（左に数台駐車可能な広場があるのを確認）、その先、幅の狭い悪路（写真）になり、奥にある堰堤へ続いていました。　途中、路傍に傾いた標識を発見しました。　のぞき込んで写真を撮りました。　歩き始めて4～5分で堰堤に到着、車道は写真左側にあり行き止まりですが、登山道は堰堤手前の小さな沢を渡り、右から堰堤を越えて行きました。春先ですので不明瞭ながらも径は分かりますが、夏になると草木が生い茂り、歩きづらいのではないかと思われました。　苔がたくさん生えていますので、通る人は少ないようです。　往路は気付きませんでしたが、沢から尾根へ移動する場所に道標が残っていました（下山時撮影）。　尾根に出ると歩きやすくなりました。途中、イワウチワが咲いている場所がありました。　山頂の手前に唯一見晴らしの良い場所あり、眼下に大毎集落、左上にうっすらと蒲萄山を望みました。リサイズ前の写真では、国道を走っている車も確認できました。　山頂直前の登山道の様子（振り返って撮影）です。一部灌木が被っている場所もありましたが、意外と明瞭でした。やや急な坂に木製の階段が設置されていた跡がありましたが既に朽ちていました。　山頂に到着しました。標石は落ち葉などに埋もれ気味でした（写真）。低山と言えども一日に3座登るのは欲張りすぎたようで、最後のやや急な登りは体に堪えました。この程度で疲労困憊しているようでは、先が思いやられそうですが、寄る年波には勝てません。　周りを整理し接写しました。　標石の状態が気になりましたので、前回登った時の写真を確認しましたがやはり角が欠けていました（1996年5月3日撮影）。　国土地理院の成果は北緯 38°25′59″.7491、東経 139°36′03″.4554です。眺望は鰈山や蒲萄山、他にも近郊の山が木々の隙間からかろうじて見える程度でした（写真略）。　近傍に山頂標識らしきものが朽ち倒れており、他にもベンチの残骸が散乱していました。山頂の様子を察すると訪ねてくる人が少ないのは一目瞭然でした。　この写真は前回登った時の山頂標識ですが、倒れていたものとサイズが違いますので、その後新しく設置し直したのかもしれません。　下山は尾根伝いに耕太寺へ下る予定でしたが、見たところヤブ（写真）で往路を戻ることにしました。　グランド横にあった黒川俣小学校の校歌が刻まれた石碑。　三条市の大浦小学校に熊堂山という裏山があり、子供たちが自然観察等で利用するためPTAの方たちが径を整備されていると聞きました。この山も似たような状況だなと思っていましたが、閉校と同時に徐々に利用されなくなり整備も行われないのだろうと推量しました。プール脇からの登山道はまだしっかりしており、しばらく手入れされなくても歩けそうです。

  2023.04.18

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  ハゲタ山（Ⅲ猿坪）、村上市の丸山（Ⅲ丸山）

  ハゲタ山（Ⅲ猿坪）訪問日　2023年4月10日、晴れ等級：三等標高：410.9ｍ1/25000地形図：勝木丸山（Ⅲ丸山）訪問日　2023年4月10日、晴れ等級：三等標高：394.2ｍ1/25000地形図：勝木　先週の月曜日に引き続き今週の月曜日も村上市・旧山北町の地味な低山の三角点を訪ねてきました。国道7号線中津原集落を起点に、先ず北東にあるハゲタ山とその少し先にあるⅢ猿坪に登り中津原集落に下山、次に南西にある丸山に登り、勝木デジタルテレビ中継局へ足を延ばしました。これらはいずれも初めての山です。下山後、車で移動し、さらにもう1点訪ねましたが長くなりますので、この記事ではハゲタ山と丸山のみとし、続きは後日アップします。ハゲタ山：最近整備されていない遊歩道、往路は一部径ではない所も歩く丸山：コルまで配電線巡視路、その先丸山まで山径、踏み跡コースタイム：駐車地点（8:23）→中津原集落（8:27）→熊出没地点（着8:57、出9:00）→Ⅲ猿坪（着9:30、出10:06）→国道7号線（着10:43、出10:47）→配電線巡視路入口（着10:52、出10:55）→コル（着11:22、出11:28）→丸山（着11:49、出12:25）→コル（12:42）→テレビ中継局（着12:50、出12:57）→コル（13:02）→駐車地点（13:28）　国道7号線、村上市北中から勝木へ向かって進んで行くと、中津原集落の手前に中津原洞門の入口があり、その山側のトイレ付きの大きな駐車場に車を留め、準備後出発しました。　洞門内は歩道があり、それを抜けると国道7号線側の中津原集落で、ハゲタ山と丸山、登る順番は決めていませんでしたが、近いハゲタ山から登ることにし、国道7号線からサルツボ沢に沿った集落の奥へ進む道（写真）に入りました。　その先、土石流危険渓流の標識の下に「中津原『ハゲタ山』遊歩道 入口」の案内板がありましたが、倒れていましたので嫌な予感がしました。　道沿いの民家は数軒だけで、すぐにスギ植林地の中に入りました。道幅が狭く、倒木もあり、車の進入は控えた方がいいかもしれません。　車道はすぐに終わり、その先に堰堤が複数現れました。地形図にも堰堤の記号があります。下山時に気付きましたがこの時点で遊歩道ではない所を進んでいました。　堰堤を越え、しばらく沢伝いに歩きましたが、径ではないことがはっきりしましたので、左の急斜面を登り尾根に出ることにしました。ここまで歩いた状況から察すると径があるとしたら左の尾根だろうと感じました。　急斜面の途中で尾根を見上げるとクマがいました。クマに聞こえるように何回か声を出すと姿が見えなくなりましたので、不安を感じつつもそのまま登りました。尾根に到着後、付近を見回しましたが、すでにどこかへ移動したようで、何事もなく事なきを得ました（写真、行動の熊出没地点）。予想通り尾根に径らしきものがあり、どこに入口があったのだろうと不思議に思いましたが、下山時はそれを辿り入口を確認することにしました。　遊歩道と言うと勾配の緩やかな歩きやすい径を想像しますが、なかなか急登でした。また、最近手入れされていない様子で、灌木が被っている場所もありましたが、尾根伝いですので迷うことはありませんでした。　稜線に近づくと勾配が緩やかになり、スギ植林地に入りました。　植林地内の径ははっきりしませんでしたが、稜線に出ると再びはっきりし、ハゲタ山に向かって南東方向へ進みました。　ブナもありました。新緑です。　三等三角点「猿坪（さるつぼ）」の点の記に、ハゲタ山の頂上はⅢ猿坪の北西約150mの稜線上と図示されており、頂上と思われる場所（写真）を通りましたが、標識がなくはっきりしませんでした。名前から「はげ山」を想像しそうですが、そうではありませんでした。　Ⅲ猿坪に到着しました。三角点とポールの残骸、境界標があるだけでした。明らかに言えるのはハゲタ山の山頂よりも、こちらがより高いことです。　標石を接写しました。周囲に複数の保護石がありました。山頂はカタクリが咲いており、ギフチョウが飛んでいました。東側の一段下がったところに大きなブナがありました（写真略）。　国土地理院の成果は北緯 38°27′33″.8611、東経 139°35′03″.0567です。　眺望はほとんどないに等しく、かろうじて先週登った烏帽子岳（写真）や周辺の名もなき山々が梢越しに見える程度でした。軽く食事をして山頂を後にしました。　下山は遊歩道を忠実に辿りました。尾根の途中でスギ植林地側へ下る場所があり、ここが分かりづらく（道標なし）、少しだけそのまま直進してしまいました。上の写真は車道終点付近にある遊歩道の入口で、ここも判別しづらく道標が欲しい場所です。左の植林地へ入るのが正解ですが、枝打ちされ下草も刈ってあり、どこが径かわからない状態で、この山に登った経験のない人は直進し堰堤方向へ行ってしまいます。まあ距離が短く複雑ではありませんので、ヤブ歩きに慣れている方なら径が分からなくても容易に山頂へ行けると思いますが……　ハゲタ山から下山後、今度は丸山に登るべく、国道7号線を横断し勝木川に架かる中津原橋（写真）を渡り、対岸の集落へ向かいました。　見知らぬ人が集落内をうろうろしていると不審者として疑われる恐れがありますので、ひなたぼっこをしているご老人に用件を告げ、径の入口を教えてもらいました。径は墓地を通りスギ植林地の中へ入って行きました（写真）。　径は尾根を直線的に登るわけではなく、またつづら折りに登るわけではなく、くねくねとスギ林の中を緩やかに登って行きました。途中、しつこいほど東北電力の「配電線巡視路」の標柱（写真）やNHKの杭、目印となるスギにテープが巻かれていたりして迷うことはありませんでした。ただし、それらが無いと径を正確に把握するのは難しいと思われました。スギ林に咲いていた花は、下の方ではエンレイソウ、日が当たるところはカタクリやキクザキイチゲ、少し登ったところにミヤマカタバミやオオバキスミレなどで珍しいものはありませんでした。　こちらはNHKの杭で、これはテレビ中継局が設置されているところで見ることが多く、前にも兎ヶ倉山や柏崎市岡野町の城山の記事でこの杭の写真を載せた記憶があります。　行動図のコルに到着しました。標柱は中継局がある右へ矢印で示してありましたが、丸山は左ですのでそちらへ進みました。テレビ中継局は復路、余裕があったら行くことにしました。　丸山方向は稜線に沿って山仕事の径や明瞭な踏み跡があり、ヤブに苦労することなく歩けました。またスギ林の中は下草が少なく、ショートカットすることも可能でした。　コルから20分ちょっとで丸山の狭い山頂に着きました。こちらも標石の近くに測量用のポールの残骸が残されていました。　周囲はマツなどの木が多く、全く見えないわけではありませんが、眺望はほとんどなく、朝日連峰や周辺の山がかろうじて見える程度でした。近くの斜面にイワウチワの花が咲き、ギフチョウが飛んでいました。　国土地理院の成果は北緯 38°26′55″.5066、東経 139°33′45″.7411です。ちょうどお昼時でしたので、ここで昼食を取りました。　コルに戻り、ついででしたので眺望を期待しテレビ中継局まで足を延ばすことにしました。こちらの稜線は雑木林で、さほど急ではない場所にロープが設置されていました。　コルから7～8分ほどで到着しました。正式名称は「勝木デジタルテレビジョン中継局」とあります。周囲は木に囲まれ眺望は期待外れで、かろうじて近郊の山が見える程度でした。テレビ中継局がある場所は見晴らしがよさそうなはずですが、どうりでふもとからこの建物が見えなかったわけです。さらに稜線を北へ進むとⅣ中津原（330.9m）がありますが、笹が繁茂しそこへ行くのは大変そうに見えました。　下山時に気付きましたが、集落内にも「配電線巡視路」の標識が設置されていました。登るときに車道を左側から歩いてくればこの標識が見えたはずですが、右から歩いてきたことに加え、家のリフォームをしている大工さんに気を取られて気付きませんでした。　丸山は歩いた行程の大半がスギ林で、魅力に乏しいというか、今一つ物足りなさを感じました。先週、烏帽子岳に登った時も感じましたが、この地域のスギはあまり花粉が飛ばないようで気になりませんでした。

  2023.04.15

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  村上市の烏帽子岳（Ⅱ烏帽子岳）、大久保山（Ⅲ碁石）

  烏帽子岳（Ⅱ烏帽子岳）訪問日　2023年4月3日、晴れ（初回訪問日1996年5月3日）等級：二等標高：488.7ｍ1/25000地形図：勝木　村上市（旧山北町）の烏帽子岳に登ってきました。当初の予定では烏帽子岳から尾根続きのジャ林山へ縦走を計画していましたが、アプローチとして利用した林道芦谷板屋沢線が思いの外奥まで入れたことにより、縦走後、駐車地点まで自転車で登り返すのは大変だろうと思い、烏帽子岳の往復のみにしました。そして余った時間を利用して未だ登ったことのない大久保山へ行ってきました。烏帽子岳、大久保山の順で記事にしました。踏み跡を歩くコースタイム：駐車地点（9:00）→コル（着9:29、出9:33）→烏帽子岳（着10:00、出10:41）→駐車地点（11:22）　2019年4月にジャ林山へ登った際、烏帽子岳へつながる尾根のヤブが薄いように見えましたので今回縦走を計画しました。あらかじめ下山予定地である鵜泊集落に駐輪（写真）し、スタート地点の板屋沢へ向かいました。　板屋沢集落から見た烏帽子岳です。その名の通り急峻な山容です。かつてはふもとの集落の人達が、タイムカプセルに寄せ書きを入れ、それを山頂に埋め、5年後、7年後の再会を誓い記念登山をしたとのことです。スタート地点へ向かう際、地元のご婦人が畑仕事をしていましたので、様子を尋ねたところ「もう記念登山は行っておらず、登る人もなく、径も荒れわからないようになっているのではないか」と言っていました。　集落内を進んで行くと林道芦谷板屋沢線の終点があり、通行止ではありませんでしたので行けるところまで行くことにしました。但し、板屋沢集落の入口には「林道工事中 林道芦谷板屋沢線 板屋沢工区開設工事」の案内板がありました。　林道の途中で見えた烏帽子岳です。　林道は舗装されかなり奥まで進むことが可能でした。しかし、途中木材搬出のため重機で作業している現場があり、そこは通過できませんでしたので、手前の路肩が広がっている場所（写真の手前部分、行動図のスタート地点）に駐車しました。当日は月曜日で、もし休日ならおそらく作業をしておらず、もう少し奥まで入れるかもしれません。　駐車地点は標高320mを越えており、ここから烏帽子岳を往復後、ジャ林山を経て鵜泊へ下山し、ここまで自転車（今回持参した自転車は電動アシスト付きではない）で登り返すのは苦行と判断、またここから烏帽子岳を往復したのちにジャ林山も往復するのはヤブの状態によるものの時間が掛かる可能性があり、この時点で縦走はあきらめました。　林道を5分ほど歩き、現場で作業している人に烏帽子岳へ登ってくる旨を伝え、山頂へつながる尾根に入りました。さすが山仕事の人達で烏帽子岳は知っているようでした。写真左側がスギ植林地で右は雑木林、境目には作業用の小径と思われるはっきりした踏み跡がありました。カタクリが咲いていました。　小さなピークを越えコルに到着。村上市の旧山北町地域は特産の山北スギが有名で、枝打ちや間伐などを行い、良質材の生産に力を入れているそうです。　コルを通過すると徐々に勾配が増し、途中、かなりの急斜面になりました。ここを集落の人達が登っていたと考えると「すごいな」と感じました。また尾根伝いにプラスチック製の境界標を数多く見かけました。　途中咲いていた花はカタクリやイワウチワ（写真）、ショウジョウバカマで特筆すべきものはありませんでした。　山頂の一画に出ると、傾斜も緩やかになり、三角点へ向かって南へ進みました。　山頂です。タムシバの花が見頃を迎えていました。標石の手前にもう少し高い場所があるように感じました。　接写しました。近傍に複数の保護石がありましたが、きちんと配置されていませんでした。　国土地理院の成果は北緯 38°27′29″.7062、東経 139°31′56″.6588です。ここ最近は、昨年の秋に購入したリコーのデジカメを使っていますが、オートフォーカスのピントが甘いのでストレスが溜まっています。使い方が悪いのか？……　山頂の周囲は木が多く、展望はいまいちで、梢越しに摩耶山や朝日連峰、蒲萄山、新保岳、日本海がかろうじて見えました。上の写真は山頂手前の尾根から望む朝日連峰です。　休憩がてら食事をしていると、多くのマダニが活発に活動を始め、こちらへ寄ってくるのが分かりました。時期的に生まれたばかりのような幼ダニもたくさんいました。ギフチョウが飛んでいましたが、なかなか写真に収まってくれません。　これは1996年5月3日に登った時に撮ったもので、当時山頂にあった記念登山のプレートです。今回は見当たらず、山頂の人工物は三角点標石のみでした。　下山は、スギ植林地内の手入れが行き届いていることに気付き、往路を忠実に戻らず、途中のピークをショートカットしました。（烏帽子岳終了）大久保山（Ⅲ碁石）訪問日　2023年4月3日、晴れ等級：三等標高：161.7ｍ1/25000地形図：勝木林道、スギ植林地内を歩く（測位精度が悪く行動ラインに若干誤差があるかもしれません）コースタイム：駐車地点（12:08）→橋（12:19）→大久保山（着12:43、出13:20）→橋（13:38）→駐車地点（13:49）　烏帽子岳を往復した後、鵜泊集落に駐輪しておいた自転車を回収し、大久保山に登るべく国道7号線から碁石川に沿った道に入りました。しかし、その道は仮設の橋を建設中で通行止めでした。勝木集落からも大久保山方向へ行けますので、そちらから行こうとしたところ「この先積雪のため当分の間全面通行止」の表示（道中雪は全くなかった）がありました。近くに数台駐車可能なスペースがあり、歩いて行くことにしました（行動図スタート地点）。　小さな峠を越え碁石川に架かる橋に到着しました。橋を渡ると大久保山方向、渡らずに進むと碁石川上流方向です。スミレやキクザキイチゲ、ミヤマカタバミが咲いていました。　すぐに工事中と思われる仮設の橋に合流しましたが、段差があり通行止めの理由が分かりました。　その先、林道をしばらく歩くと途中に送電線の鉄塔へ向かう巡視路の入口がありましたので、そちらへ進みました。　2分ほどで送電線の鉄塔に到着しました。　鉄塔から先、スギ植林地に入り尾根伝いに登りました。スギはきちんと枝打ちされ、下草も少なく少々急登でしたが、歩きやすい状態でした。　鉄塔からわずか10分ほどで三角点に到着、標石のある場所はなぜか最も高い墓所ではありませんでした。　点の記を確認すると、この三角点は1994年（平成6年）9月9日に旧位置の北西約21mに移転していました。移転の理由は不明ですが、古い地形図を見ると確かに位置が若干異なり、標高も162.5mと表示されています。現在の標高より80cm高い値です。この山は碁石と府屋の境界にあり、現在の標石の所在地は府屋になっていますが、点名は碁石ですので移転前はおそらく碁石側にあったものと思われます。碁石の由来は「海浜で碁石大の色石が採取されることによる」と地名辞典に記されています。　国土地理院の成果は北緯 38°29′59″.1131、東経 139°31′32″.1122です。　ちょうど山頂がスギ植林地と雑木林の境界になっており、スギ林の方はエンレイソウが所々咲いており（写真略）、日本海側に面した明るい雑木林の方は林床にたくさんのフキが生えていました。この写真は三角点付近から山頂の最も高い方向を撮ったもので、左がスギ植林地です。　梢越しに日本海が見えました。小さな山ですが、木漏れ日射す山頂は心地よく、ここで残った昼食を平らげ下山を開始しました。　大久保山はすぐ登れてしまうので、他の山に登ったついでに余った時間で登るべき山です。（大久保山終了）

  2023.04.09

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