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カテゴリ:能
発表会が無事終わり、今日からは通常の稽古に戻りました。
■謡...「紅葉狩」2回目 時雨をいそぐもみぢ狩り、時雨をいそぐもみぢ狩り、深き山路を尋ねん。 これはこのあたりに住む女にて候。 げにやながらへて憂き世に住むとも今ははや、たれ白雲の八重葎。茂れる宿の淋しきに、人こそ知らね秋の来て、庭の白菊移ろふ色も、憂き身の類ひとあはれなり。 あまり淋しき夕まぐれ、時雨るる空を眺めつつ。 四方の梢も懐かしさに、伴なひ出づる道のべの、草葉の色も日に添ひて。下もみぢ、夜の間の露や染めつらん、夜の間の露や染めつらん。朝の原はきのふより、色深き紅を、分け行くかたの山深み。げにや谷川に、風の掛けたる柵は、流れもやらぬもみぢ葉を、渡らば錦中絶えんと、まづ木のもとに立ち寄りて、四方の梢を眺めて、暫らく休み給へや。 面白や、頃は長月二十日あまり。四方の梢も色々に、錦を彩る夕時雨、濡れてや鹿のひとり鳴く、声を知るべの狩り場の末、げに面白き気色かな。 明けぬとて、野べより山に入る鹿の、あと吹き送る風の音に、駒の足並み勇むなり。 ますら男が、弥猛心の梓弓、弥猛心の梓弓。入る野の薄露分けて、行くへも遠き山陰の、しがきの道の険しきに、落ち来る鹿の声すなり。風の行くへも心せよ。風の行くへも心せよ。 いかに、誰かある。 御前に候。 あの山陰に当つて人影の見えて候ふは、如何なる者ぞ。名を尋ねて来り候へ。 畏つて候。 名を尋ねて候へば、やごとなき上臈の、幕うち回し屏風を立て、酒宴の半ばと見えて候ふ程に、ねんごろに尋ねて候へば、名を申さず、たださるおん方とばかり申し候。 あら不思議や。この辺にてさやうの人は思ひも寄らず候。よし誰にてもあれ、上臈の道の辺の紅葉狩。殊更酒宴の半ばならば、かたがた乗りうちか叶ふまじと。 馬より下りて沓を脱ぎ、馬より下りて沓を脱ぎ、道を隔てて山陰の、岩の懸路を過ぎ給ふ、心遣ひぞ類ひなき、心遣ひぞ類ひなき。 今回の注意点 1、最初「時雨を急ぐ紅葉狩~尋ねん」しっかりと息をためて謡う。 2、2オ「面白や頃は長月」ツヨ吟なので体にためた息を前にぶつけるように謡う。そうでないと「おもしろやころはながつきはつかあまりぃ~」と軽く聞こえてしまう。それでも稽古場のような狭いところでは聞こえるが、屋外の能楽堂等では聞こえにくい。息を感じさせるようなツヨ吟になってほしい。 ・感想 先生に、「音階を間違うことはもうないので、音階に気をとらわれず、強さとか、どう表現しようかとかいうことを考えて下さい。『こういう風に歌ったら先生はどう思うのかな』と思って、稽古の度に挑戦してみて下さい。それで『やりすぎ』と言われたらいわれたら上等だし、足りない場合は『こうしたらいいんじゃないの』と言いますから。」と注意を受けました。『初心謡本』上・中・下と習ってきますと、記号はほとんど読めるようになりました。これからは今までよりももっと内容を読みとって、それを表現できるように努力したいと思います。予習が大事です。 ■仕舞「敦盛」キリ1回目 今回の注意点 1、左足を引きすぎると強さが失われる。 ・感想 はじめから「打物抜いて」まで習いました。「竹生島」「経正」キリに続いて、3番目の力強い仕舞です。私はこれらが苦手でなかなか型を覚えられないのですが、大好きです。これからの稽古が楽しみです。 仕舞「敦盛」キリは以前先生がTV出演された時にされていました。DVDに録画していますので、見返しながら自主稽古をするつもりです。 ・豆知識 ツレは"シテに連れ添う人"という意味なので、シテ方がする。ワキツレはワキ方がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月05日 19時25分39秒
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