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カテゴリ:能
■謡い…「井筒」3回目
「クリ」は、劇的な効果を狙っていると思う。ワキが「尚々業平の御事委しく御物語候へ」の後は、効果的に謡う。その前の「上歌」は非常に静かに謡う。静かなところから一転して目が覚めるような感じを観客に与えといて、それからまた新たにギュッと締める。 ……「クリ」の役割は、テレビドラマの「ジャジャーン!」という効果音のようなものでしょうか…… 先生はまた、このようにも仰いました。 「井筒」が『伊勢物語』からの言葉の取り方は本当によくできている。原文を無茶苦茶取り入れているが、どこからどこまでが『伊勢物語』かはわからないくらい作品にしている。昔は本歌取りが盗作にならなかったので、自由に取り込んでいた。節をつけて「井筒」の世界を描き出している。サシからクセにかけてが特にすごい。 ちなみに、「井筒」のクセは居グセで、ずっと座っているからお仕舞はない。観客の知っている「井筒」の話を自由に想像して、自分の「井筒」を作らせようとしている。舞ってしまって観客に型を見せると、そこで想像の範囲が狭められてしまうから。 〈注意点〉 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月23日 15時55分29秒
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