時折光る きれいな糸に
引き寄せられて
危ない糸
それは知ってる
だけど
危ないものは
とても綺麗で
ほんの少しだけ
近づいてみる
触れてはいけないのは
わかっているのに
あぁ
それでも
触れてみたい
あなたは
自分が絡まる事のない
さまざまな光を放つ糸の上
笑いながら
手を差し伸べる
ほら 大丈夫だ
僕だってここにいるだろ?
堕ちる事はないし
何もしやしないから
ここに来てごらん
そんな常套句を
さらさらと並べて
牙を磨く
蝶のように
美しくない私を
あなたは
どんなふうに食べるのか
思い巡らせながら
わたしは
真珠のように磨かれた
その牙をみて見ぬふりをして
玉虫色の一本の糸に
そっと爪先をのせて
オルゴールのバレリーナのように
手の表情を作りながら
渡りはじめる
食べられる恐怖と快楽が
背中合わせの前奏曲に
あらぬくらいに
心音を早めて
食べられることも
堕ちる事も
すべては
自分できめた
運命だと
光る糸に
いつの間にか
絡め取られながら
白日夢の
うわごとのように