背が高い あなたの背中を
後ろから 眺めながら
あなたの先にあるものが
時々見え隠れするのを
風に吹かれながら 見る
遠いようで 近いような
あなたの未来を
あなたはただまっすぐに
真摯に見つめている
あなたを 未来に
少しだけでも早く近づけるように
私は そっと
後ろから背中を押す
それは
手を伸ばした先に
あなたの背中がなくなるということ
今まで触れていられた背中が
遠くに 離れてしまうということ
手応えは なくなってしまうけれど
遠くで 光を浴びて輝く
あなたの未来が見える
私は遠くから
あなたという空を見上げる
明るい光に包まれた
未来が満ち溢れている
私はまた
あなたの背中をそっと押す
遠ざかる 背中が見える
光をすかす後ろ姿
私の手は届かなくなるけれど
その光を帯びた背中は
私の夢でもあり
私の希望
私にとっては あなたの夢は
はるか遠い場所にあるけれど
あなたの手は
その夢を つかむ為に存在する
あなたは 後ろを振り返らず
まっすぐ上と 前を見据えて
進んでいけばいい
あなたの未来は
私の夢
2006.9