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人形の家新版 ねずみ女房
先日、日記でお人形の事をちょっと書きました。 私はお人形が好きで、お人形に学生服を着せて青春を謳歌させたり、 踊ったり、サーフィンをさせたり、 様々なものになって自分の果たせなかったことや願望を満たしたり、 お人形にぴったりの小さな小さな道具を与えて整えて楽しむのです。 いただいたコメントの中に、お人形好きのきっかけは、 子供の頃ルーマー・ゴッデンの「人形の家」を読んで、というものがあり、 ああ、確かに以前私もその小説を読んでみようとして、読むのを途中でやめてしまったのだったと 思い出したのです。 そのころの私は、今のようにお人形遊びをしてはいなかったのですが。 ゴッデンの「人形の家」と「ねずみ女房」の2冊を取り寄せて読んでみました。 まず、ねずみ女房を。主人公はタイトル通り、ねずみの奥さん。家ねずみの主婦です。 これはほんの50頁ほどの、絵の多い童話です。 主な主人公はねずみと、ご主人、そしてたまたま捕らえられ、鳥かごに入れられた野性の鳩です。 ねずみは与えられた食べ物や水を摂ろうとしない鳩をいたわり、話を聞きます。 飛ぶって、どんなこと? 鳩はおしえてやります。 そして、最後にはねずみは鳥かごの扉を渾身の力で開けてやり、鳩を逃がします。 出だしから、いきなり私の気持ちをざわつかせる何かがこの話にはあります。 もう途中では胸がくるしくていっぱいになり、 悲しくもないのに泣き始め、最後はしばらく号泣して止められませんでした。 まったく、自分の家で良かったです。 これは、本当に童話なのでしょうか?あまりにも深く考えさせる話です。美しく残酷なまでに現実的です。 そして「人形の家」。主人公はやはりタイトルどおりお人形たちです。 これは筋を説明するのは難しいのでやめます。 お人形好きを満足させるディティールがちゃんとあります。 がしかし、この話も答えの見つからない、どうにもならないことが描かれている話です。 同じく苦しい、現実世界の真実が、残酷なまでに明晰に描かれています。 紛れもない名作です。 あとがきで、作者が「(殺人のような出来事が)子供に受け入れられるように書けるかどうか、試してみたかったのです。」と語るとおりだと思います。 今が私の、この本を読む時期だったのだと思います。 こうして、ブログを不特定の人々に向けて綴り、何かを確かめたかった私の。私たちの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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