外は冷たい雨が降る。
こんな日は全く頭が動かない為、然したる思想もせず部屋の片付けなどをしております。
嗚呼、非生産的な日曜の午後。
鬱々として体は動かず
遅々として部屋も片付かず
苛々は増すばかりです。
そこで、何やら
○○○様(僕の本名)と宛てた
切手も消印も
宛先すら書いていない茶封筒を見つけました。
差出人の名前を見ると
「○○○(本名)」と書かれておりまして
中学生の自分が
二十歳になった自分に宛てた手紙だと
思い出しました。
授業か何かで
「二十歳の自分へ」という題目で書かされ
成人式の折に受け取ったものです。
茶封筒の中から
青空のイラストの入った便箋を取り出し
思春期の多感だった頃の自分を
懐かしむように目を通しました。
2001年の私へ。
拝啓
お元気ですか。
私は元気です。
まずは御成人、おめでとう御座います。
心からお悔やみ申し上げます。
さて、早速ですがお聞きしたい事が幾つか有りますので、
以下に書かせて頂きます。
お金沢山ありますか？
今、お付き合いされている方はいらっしゃいますか？
同じクラスだった方で結婚された方はいらっしゃいますか？
前から欲しがっていたバイクは買えましたか？
アメリカへは行きましたか？
麻原は死刑ですか？
終身刑ですか？
それともまだ裁判は終わっていませんか？
痩せてますか？
太ってますか？
背は伸びましたか？
ギターは上手くなりましたか？
カバディのルール分かりましたか？
まさかハゲてはいませんよね？
眠れますか？
アナタは神を信じますか？
幸せですか？
1999年に何がありましたか？
以上です。
質問の中に失礼な物もあった事をお詫びいたします。
しかし、是非ともお聞きしたい事ばかりですので
是非とも目を通して頂きたいと思います。
また、ご返事を頂けると大変光栄です。
では、この辺でペンを置きます。
敬具
1997年3月5日 15歳の○○○(本名)
追伸 春休みにそちらへ伺う事を考えています。
その時はよろしくお願いいたします。
痛。
痛いです。
この子、イタイ子です。
イジメにあっていないか
心配になってきたので、
こっちに来た際には
優しくしてあげようと思います。
そんな日曜の昼下がり。
外は冷たい雨が降る・・・
