■2008年 収穫関連情報Les Vendanges 2008(FRANCE)
☆ボージョレーの2008年ヴィンテージ(ボージョレーワイン委員会)[収穫量はとても少なく日照に恵まれた9月の恩恵を受け、香り豊かで果実味が主体のワイン]Millesime 2008 dans le Beaujolais(InterBeaujolais)収穫も終わりに近づき、ボージョレーの2008年ヴィンテージの最初の姿が現れてきた。リヨとマコンの間に広がる12アペラシオンの香りと味わいの正確な品質を捉えるには、まだ数週間必要であるが、多くの特徴がすでに明らかになっている:・ 収穫は9月15日に始まり、一ヶ月近く続いたが、理想的な天候のもとで行われた。9月は雨が一滴も降らず、日照に恵まれ涼しかったので、ぶどうの成熟はむ らなく進み、畑の衛生状態安定し、生産者は天候から最高の恵みを引き出そうと、収穫の開始を数日遅らせることができた。・2008年のぶどうの収 穫量は、どの区画でもとても少ない。例年の収穫量が100万hlであのに対し、現在の08年の予測収穫量は80万hl以下で、これが確実なものとなれば、 1975年以来ボージョレーで記録されている収穫量の中で、最も少ないものとなるであろう。収穫の際の恵まれた天候と合わせると、これは確かな品質の証で あり、「成功のヴィンテージに向けて条件が揃っている」と生産者を考えさせるに至っている。・醗酵が始まったカーヴでは、最初の果汁が、とても香 り豊かで、明らかに果実味主体のワインとなることを予告している。ボージョレーのガメイでは伝統的な、キイチゴやカシスなどの小さな赤い果実はもちろんの こと、今年はさらに赤桃のニュアンスも感じられ、溢れるような、美味い、多彩な香りが広がる。・色は輝きのあるルビー。味わいは、「果実味が支え」となり、爽やか。タンニンは9月に日照に恵まれたおかげで柔らかく、ワインに丸みを与えている。いろいろな天候上の問題があったが、2008年は全体的には「生産者の年」として分類されるであろう。数週間の後に品質が明らかになるであろうが、素晴らしいワインを造るためには、ノウハウと注意が必要とされた年であった。(ボージョレーワイン委員会 10月7日付プレスリリース)☆プロヴァンスの2008年ヴィンテージ(プロヴァンスワイン委員会)Premier bilan des vendanges 2008 en Provence(C.I.V.P.)収穫は、早熟であったこの数年よりも、平均して一週間から10日ほど遅れて始まり、現在ほぼ終わりに近づいている。最後の収穫鋏(はさみ)の音は、10月中旬頃、コトー・デックス・アン・プロヴァンスかコトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスで聞かれるであろう。プ レスした後の果汁の量は07年と同じ程度のため、ロゼワインの全体量は07年と同じか、5%程度少ないと見られる。しかし地域により状況は異なる。海岸沿 いやコトー・デックス・アン・プロヴァンスでは9月の上旬に雨がかなり降った一方、その他の地域はわずかに水分不足が見られた。カビ病の発生で、収量が少 なくなったところもある。また開花時期の変わりやすい天候のために、花ぶるいが多く起きたところもあった。コート・ド・プロヴァンスは、特にヴァール県で収穫量が減少する見込みである。コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスは昨年に近い量、コトー・デックス・アン・プロヴァンスも昨年並みと予想される。2008 年ヴィンテージの官能的な特徴は多岐にわたる。気温の下がった夜間が、フェノール類の成熟を促進したが、場所によっては、昼間の気温が上がらず、糖分の成 熟が遅くなった。ロゼはアロマが豊かだが、アルコール度が軽めで、「爽やか、エレガント、繊細、軽い」などと表現されるであろう。赤は丸く、シンプルで心 地がよい。白は柑橘類のニュアンスなど、果実味が豊かである。*)コート・ド・プロヴァンス、コトー・デックス・アン・プロヴァンス、コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスの3つのAOCが対象(プロヴァンスワイン委員会 10月10日付プレスリリース)☆農水省 2008年のワインの収穫量予想 4,440万hlに下方修正Un potentiel de recolte estime a 44,4 millions d’hectolitres農水省の統計局(SSP)が発表した10月1日付けの2008年のぶどうの予想収穫量は4,440万hl。00年以降最も少ない収穫量であった昨年(07年:4,650万hl)を、さらに5%下回る見込みである。内訳は、VQPRD(AOC+VDQS)が 2,230万hl、ヴァン・ド・ペイが 1,210万hl、コニャック向け 720万hl、その他 280万hl。過 去5年平均(5,130万hl)に対しては、13%減となり、AOCが4%減、ヴァン・ド・ペイ16%減、コニャック向けは12%減、その他のワインは 48%減と、すべてのカテゴリーで減少する。地域別でもシャンパーニュとアルザスを除きすべての地域で、過去5年平均を下回る。最初の収 穫は南部で、8月下旬に始まった。ロワールやブルゴーニュなどフランス北部は、9月に涼しく、乾燥し、日照に恵まれ、ボトリティス菌の発生も抑えられた。 一方、南東部は雨のため、ぶどうの成熟が遅れるなどの影響があった。ラングドック・ルーシヨンや南西地方を中心とした生産調整のためのぶどう樹の引き抜き も収穫量の減少につながった。(Agreste Conjocture, no.4,2008年10月)*)SSP9月1日時点の収穫量予測:4,560万hl 8月1日時点の収穫量予測:4,600万hl(フランス食の広場199号参照)7月1日時点の収穫量予測:4,710万hl(フランス食の広場196号参照) VINIFLOR(全国果実、野菜、ワイン、園芸同業者連合会;旧ONIVINS) 9月2日時点の収穫量予測:4,367万hl(フランス食の広場201号参照)7月22日時点の収穫量予測:4,583万hl(フランス食の広場198号参照)引用元:「フランス食品振興会発行メールマガジンhttp://www.franceshoku.com/」