カテゴリ:★★☆な本
小説すばる新人賞受賞作です。
「となり町戦争」というタイトルを読んで、きっと抽象的な意味で「戦争」という言葉を使っているのだろう、となんとなく思っていたのですが、ずばり「戦争」について書いてあるものです。 ある日突然、日本国内で内戦が始まったら。 しかも、隣町と。。。。 きっと誰もがピンとこないと思います。 なぜなら、私たちは本物の戦争を経験したことがないのですから。 『今も、この町のどこかで、となり町との戦争が行われていて、誰かが血を流し、誰かが大地に倒れているのかな』 主人公である北原修路も、私たちと同じで『戦争』に対して現実感が持てずにいます。 そんな彼がとなり町の偵察業務を任命され、戦争のことが見えてくるんじゃないかという好奇心から戦争に関わっていきます。 そしてその任務にあたり役所の「となり町戦争係」に勤める香西さんという女性と知り合い、次第に好意を抱いていくが。。。。という内容。 明日もし戦争が起こったら・・・?と想像したときに、よりリアルに想像できるようになります(汗)。 戦争を正当化させるための言い分も、あまりにリアルなので、正直ぞっとします。 戦争を身近に感じることができるというか、想像することができるようになった、その描写がすごいなぁと思いました。 主人公と香西さんとの関わりは、少し後半で納得できないところもあったのですが・・・ 「なぜ戦争が起きるのか」を、よくよく考えてみたいと思った一冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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