079548 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

●○なつ。の本棚○●

●○なつ。の本棚○●

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
2005年11月09日
XML
カテゴリ:★★☆な本
私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた――。重厚で、新鮮な本格的文学と激賞された27歳、驚異の新人の芥川賞受賞作。

うぅ~~~ん。この本、とにかく暗いです(-"-;)

以前感想に書いた「グランド・フィナーレ」(阿部和重著)も芥川賞受賞作ですが、どちらもアンダーグラウンドに目を向けた作品という共通点があるからでしょうか、なんとなく似た印象を持ちました。

親から捨てられた子供達が住む施設で育った主人公。
養子として引き取られた先では、殴る、蹴るの暴行を受け続け・・・「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、身体に染みついている」状態に。


とにかくひたすらに、主人公の恐怖、痛みが描写されています。
あまりにも丹念すぎてちょっとくどいかな、と思えるほど、でも読者に訴えかけてくる、ある種「緻密」な表現力は強く感じました。

生きながらにして朽ちているような主人公。
読んでいるうちに、どんどん暗く、深いところへ落ちていくように感じて、すごく不安になります。

でも「僕は土の中で生まれたんですよ。だから親はいません。」

過去に決別したかのような主人公を見て、最後に少しだけ、明るい未来が見えたかな?
「グランド・フィナーレ」と違って、読後にようやく一息つけた、と思いました。


併録してある短編「蜘蛛の声」は、なんだかわけがわからなかったです。(読後は良くなかったです)

このわけのわからなさも、「グランド・フィナーレ」に併録されていた短編と似た印象を持ちました。(-"-;)

土の中の子供
「土の中の子供」






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年11月09日 09時43分57秒
コメント(8) | コメントを書く
[★★☆な本] カテゴリの最新記事


PR

プロフィール

natsu530

natsu530

カテゴリ

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X