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カテゴリ:映画鑑賞
「わたしに会うまでの1600キロ」
2014年アメリカ映画、原題は"Wild"です。 原作は、シェリル・ストレイドの同名自叙伝(原題:"Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail")です。 アカデミー賞主演女優賞・助演女優賞にノミネートされたものの受賞は逃し、ロケーション ・マネジャー組合賞の映画部門最優秀賞他計8つの賞を受賞しています。 アメリカでR指定、日本ではR15+指定です。
あらすじシェリル・ストレイド(リース・ウィザースプーン)は、大切な存在だった母ボビーこと バーバラ・グレイ(ローラ・ダーン)を癌で亡くしたショックから麻薬に溺れ家出をして、 探しに来た夫ポール(トーマス・サドスキー)と共に自宅に戻りますが、夫にも愛想を尽か されて離婚の道を選びます。 シェリルは、麻薬で頭がボーッとなっていたにもかかわらず、ふと店で見かけたパシフィ ック・クレスト・トレイル(PCT)のガイドブックに目が釘付けになり、思わず買い求めます。 PCTとは、メキシコ国境からカナダ国境までアメリカ西海岸を南北に縦走する全長4,260キロ に及ぶ長距離自然歩道のことで、シェリルが買った本は、トレイルの全区間を数カ月掛けて 歩き通すスルーハイキングに挑戦するハイカー向けのガイドブックでした。 かつて母が誇りに思ってくれていた頃の自分を取り戻すべく、PCTのスルーハイキングに一人 で挑もうと考えたシェリルは、ポールと弟リーフ(キーン・マクレー)に連絡を取り、トレイル 入口がある町のモーテルに宿泊します。 自分で持ち切れないほどの大荷物満載のバックパックを背負い、トレイル入口の入山ノートに 記入して歩き始めますが、荷物が重すぎるのと、準備不足だったために火が起こせずビスケッ トをかじる他食べるものがないため、こんなはずじゃなかったと後悔しボヤキます。 歩きながら、幼い頃の母との思い出、麻薬に溺れた日々のことなどを思い出しながら、無人の 荒野の中歩き続けて8日目、ついに食糧が底をつき道に迷います。 そこに現れたのは、トラクターに乗った男性フランク(W・アール・ブラウン)で、作業が終わ るまでは帰らないというフランクの作業が終わる夜までじっと待っていたシェリルは、トラッ クに乗せてもらってフランクの自宅に泊めてもらうことにし…。
私の感想
期待せずに見始めましたが、意外に心引き込まれる作品でした。 PCTは全長4200キロというから、シェリルは途中の区間1600キロにチャレンジしたという ことでしょうね。 以前ご紹介したミア・ワシコウスカ主演作「奇跡の2000マイル」は、ラクダと愛犬と共に 西オーストラリアの砂漠を横断する2700キロの道のりをたった一人で旅した女性ロビン・ デヴィッドソンの自叙伝の映画化でした。
あちらは道中道なき道を進み、人間に遭遇しない日も多かったため素っ裸でラクダの綱を 引っ張って進んでいたこともあったようですが、こちらは山あり谷あり、積雪ありの野山を 歩いたかと思えば砂漠も歩き、トレイル途中には山小屋らしき宿泊所や郵便局もあり、そこ 宛てに先々の食料や着替えなど荷物を送っておくことができます。 他のハイカーと出会って知恵や情報をもらったり、一緒にキャンプをしたりと孤独感を癒す ことも出来る半面、恐い目にも合いかける危険とも隣り合わせでした。(・m・ )
以前ご紹介したマーティン・シーン主演、その長男エミリオ・エステベス監督・脚本・製作 ・出演作品「星の旅人たち」は、フランスの町サン・ジャンからスペインのキリスト教の聖 地サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの巡礼の旅をするはずで現地で亡くなった息子の 代わりに眼科医である父が辿るという作品で、こちらは野宿ではなく、宿屋に泊り、道中も いろんな国からやってきた巡礼者と出くわすため、嫌がおうでも交流が不可欠でした。
そうそう、本作の原作者シェリル・ストレイドが劇中、シェリルをトラックに乗せて送って くれる女性役でチョイ出演していました。 思いがけず様々な人々に出会い助けられてシェリルが無事旅を続けて行く様を見ていると、 日常生活からかけ離れた場に自分を追い込み自分と向き合う他ないのが、冒険旅の醍醐味 だったなあと、自分の若かりし頃の冒険旅をちょっと懐かしく思い出してみたりもしました。 劇中流れる、サイモン&ガーファンクルの"El Condor Pasa(If I Could)"も懐かしくて よかったです。
☆☆☆☆ ↓↓↓ 原作本
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最終更新日
2016.03.03 22:41:58
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