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カテゴリ:本
警官の血(上巻) 今回の直木賞を受賞した2人のうちの1人が、この佐々木譲ですね。 もっとも、この人、元々売れてましたから今更って感じもありますけど(笑) それでも、受賞後は効果があって今まで以上に売れています。 この人の売れている作品は、警察というか警官のものが多いのです。 「笑う警官」は11月に映画でやっていて、「原作は面白い」との評判でした。ん?原作はって事は映画の評判は?? この「警官の血」はたまたま新潮文庫の新刊で出ていたものでして、じゃあ読んでみるかって読んだのですよ。 私は佐々木譲は初めてなので、この本だけで全てを語るわけではないんですが。 やはり、面白いですよ。 さすが、文章力がありますよね。直木賞は伊達じゃあない。 上下本と長い作品なのに、グイグイ引きこまれてあっという間に読破しちゃいます。 戦後に警察組織が新体制になって警官を大量募集する時代から始まって、つい最近までの事件まで網羅する戦後の事件のクロニクル的な要素もあります。 その時代を、3代にわたって警察官になる一家が主人公です。 これ以上はネタばれになりそうで、詳しく書かないほうがいいんですが、一つ一つの事件を解決していくような探偵小説ではないので、事件の顛末は数年後の事後談みたいに書かれたりして、時間の流れが心地良いのも特徴です。 ただ、話の最初から引っかかり続けるある事件だけは、最後の最後まで関わっていくんですね。 あと、ひとつ。左翼運動に深く関わっていた方には、一部気分の悪い小説かもしれません… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.01.31 09:48:12
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