ケルトの夢

大ヒット中ですね！
ラデュ・ミヘイレアニュ監督のオーケストラ！
原題は Le Concert　（フランス映画）


ボリショイ交響楽団の元天才指揮者アンドレイ。今は劇場の清掃員…
偶然届いた、パリのシャトレ座からの出演依頼に、とんでもないことを思いつく。

かつての仲間とオーケストラに成りすまし、30年前に中断されてしまったチャイコフスキーを、もう一度演奏する！

アンドレイが指揮者の座を追われた背景には、ブレジネフ時代のユダヤ人迫害がある。
この「ロシアとユダヤ人」問題は、色々複雑みたいですね。
でも、いわゆるシオニズムではなく、描かれているのは普遍的な人間の尊厳の復権、少なくても、たくさんの人の熱い共感を巻き起こしているのは、この一点でしょう。


寄せ集め楽団。
ソリストとのリハもなしに、いきなりの演奏。
映画的「嘘」というか、ありえない奇跡なのですが、でも嘘を成立させる確かな土台はある。

30年もの不遇であるけど、天才指揮者であること。
楽団員もオーケストラからは離れさせられたけど、実力があり、なんらかの形で音楽を続けて来たこと。
そして、出だしはバラバラだったけど、一瞬にしてみんなを一つにした「レダ」のヴァイオリン。


音楽への熱情と狂気。



アンドレイを演ずるロシアの名優アレクセイ・グシュコブ筆頭に、役者ぞろいです。
アンドレイのかっこいい奥さんに、ロシアの人気女優アンナ・カヴェンコア
KGBのイヴァン、いいですね！
親友でオンボロ救急車の運転手のチェリスト・サーシャ、ビザの発行だってお手のもののロマのコンサートマスター。
崖っぷちシャトレ座の支配人。
「パリ・サンジェルマンなら安いから買いなさい」という、ガス王のお母ちゃん…

トレイラーでも伝わると思いますが、もちろん音楽がすてき！
そしてロシア語ってやっぱり可愛いなあ。