中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

先日、プーマさんからいただいた猫草
「猫の部屋」の仲間たちには大好評で、あっという間に完食してしまいました

「やっぱり大人気だったから、一気に食べちゃったね」
「うん、猫缶より人気だったという…」

その後、
ブログを見てくださった方たちが、
”猫草栽培キット”や”猫草の種”など、
たくさんの猫草グッズを送ってくださいました

「本当にありがたいよね」
「悟空が一人占めしてるのが可愛かったって、メールとかいただいたよ」
「あ、モデルと取り合いしてた時でしょ」
「そうそう、舌出して挑発してたの」

あるお当番の日
「猫の部屋」の扉を開けた秘書たちは、思いがけないお出迎えを受けました

「うわー、誰、アンタたち」
「すごい、可愛いぞ」

そこにいたのは、可愛い猫３匹
”白茶ぶち”、”タキシード”、そして”茶トラ”
３匹の可愛い猫プランターでした

「ちょっと、アンタたち可愛いね」
「こっそり連れて帰ろうか」

秘書たちは、そんな悪いことを言っていたそうですが、
可愛い３匹の猫プランターの上には…

「あー、Ａさんの仕業か」
「すごいね、こんなにたくさん栽培してるんだね」
「さすが、やりますな」
「よし、これで取り合いもなくなって食べ放題だね」

秘書たちは、Ａさんの注意書きを守って、
こっそり中身を覗きたい衝動を我慢しました

そして、またまたお当番の日
司令塔Ａさんと運び屋Ｔさんもやって来て、
いよいよ秘書たちも、猫草の成長を見られる瞬間がやって来ました

「こ、これは…」
「…ど、どしたの」

可愛い猫プランターたちの背中で、すくすく育った猫草
確かに食べられる長さには育っていたのですが…

「なんだか、ちょっと…薄毛だったりして」
「う、うん、夏毛なのかな…」

ちょっと量が少ない猫プランターの猫草は、
そよそよと風になびきながら、お日様をいっぱい浴びていました

「これな、公園の人が手伝ってくれはってん」

Ｔさんの話によると…
ある日、Ｔさんはせっせと猫草作りを行っていました
そこにやってきた公園のおじさんたち
少しだけ猫草作りを手伝ってくれたのだそうです

「おっ、すごい」
「優しいじゃないですか」
「そやねん、嬉しいなぁーって言うてたんよ」

ＡさんとＴさんは、種まきをした猫草に覆いをかけて、
大きく育つことを楽しみにしていました
そして、そろそろ芽が出たかなと思う頃、
かけていた覆いを外してみると…

「あっ」
「少ないやん、これ」

公園のおじさんたちは、植物を育てることにかけてはプロ中のプロ
しかし…
どうやら猫草作りは初めてだったようです

「バラとかは、栄養が回るように間隔をあけて植えるもんね」
「そやねん、でも猫草はきっちり種まかんとあかんやろ」
「なるほど、だからか…」
「まあ、食べられるやん」
「う、うん」

こうして可愛い３猫プランターは、
いよいよ「猫の部屋」デビューすることになりました

やって来たのはブラックスモーク大黒ちゃん
冬毛に生えかわったからか、少しフカッとした毛並みになりました

「おっ、大黒ほら新しい猫草」
「ほらほら、食べてみて」

大黒ちゃんは、トコトコと”白茶ぶち”の横に来て、
背中から伸びる猫草を一口パクリ
続いてパクパク、ムシャムシャ
いつものように食べ始めました

しかし…

「…あれどうした」

勢いよく食らいついた大黒ちゃんでしたが、ハタと食べるのをやめ、
なにやら”白茶ぶち”の背中を眺め出しました

「こ、これ大黒…」
「あんまりジロジロ見ないのよ」

大黒ちゃんの興味をひいているのは、猫草の根元
まるで不思議なものを見るかのようでした

「…大黒よ」
「…気にせず食べなさい」

しかし大黒ちゃんは、お鼻で猫草をかき分けて…
興味深そうに猫草が生えている根元を見ていました

「自分がされてるのと同じことしてるみたい」
「確かに、大黒の毛を分けて、生え際の白い部分を見るからね」

３猫プランターのうち、いちばん猫草の生え方が少なかった”白茶ぶち”
親近感を持ったのかは定かではありませんが、
しばらくの間、大黒ちゃんは”白茶ぶち”から離れませんでした

次にやって来たのは、甘えた全開のキラちゃん
”茶トラ”を横目に見ながら、なぜかその横に座り込んでしまいました。

「キラ、猫草だよ」
「ほらほら、新しいうちに食べてごらん」

キラちゃんは”茶トラ”横に座り、チラチラと猫草を見ていました
その視線の送りかたは、
何だか見てはいけないものを、こっそり見ているかのような…

「…アンタたち」
「ちょっと失礼だよ…」

”茶トラ”横から立ち上がり、横目で”タキシード”を見ながら、
”白茶ぶち”の前までやって来たキラちゃん
３猫プランター全部が見える位置に座り、しばらくジッとしていました。

「キラ、何やってんの」
「見てても、何も出てこないよ」

その後、またもや”茶トラ”のところに戻ったキラちゃん

「このあと、キラはどうするんだろう」
「ちょっと興味が湧いてきましたぞ」

すると突然、キラちゃんは後ろを振り返りました
そこには…
お客さまと楽しそうにお話ししているＡさんの姿

「…」
「…」

『…あのぅ、何だか少なくないでしょうか』

”白茶ぶち”、”タキシード”、”茶トラ”の可愛い３猫プランター
ちょっぴり厳しいチェックが入った「猫の部屋」デビューでした

「中之島公園の猫たち」nekomat@nifmail.jp
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