[野良猫] ブログ村キーワード たまには、ちょっと真面目に考えてみようと思う…
ボクたちは、今「猫の部屋」にいるけど
少し前までは、みんな何でここにいるのかあんまりわかってなかった
ボクたちは、公園でずっと暮らして来た
厳しいこともあったけど、それなりに楽しいこともあった
優しい人たちがボクたちを可愛がってくれたし
生きていくために必要な食べ物も、ちゃんともらうことができた
だから、ボクたちは公園で暮らし続けた
他に行くところがなかったから
そこでしか暮らして来られなかったから
でも、ある日を境に
ボクたちのことを可愛がってくれた人たちが
誰も来なくなった
雨の日には小屋の軒先で雨宿りさせてくれた
優しいおじさんもいなくなった
そして、毎日遊んでくれた秘書たちも
橋の上から、ボクたちを見ているだけで
公園の中まで降りてきてはくれなくなった
きっと何かが起こったんだろう…
それくらいはボクたちにだってわかったけど
それがいったい何なのかはわからない
人にとっては大変なことなのかもしれないけど
ボクたちには、まったく関係ないことだと感じた
きっと誰かが、ボクたちにも説明しにくるはずだと思った
だって、ボクたちが公園にいることは
誰もが知ってたはずだから
ボクたちが、そこで暮らし
一生懸命に生きていることはわかってたはずだから
しばらくは優しい公園のおじさんたち以外、誰も来なかったけど
ある日、おじさんの車に乗って秘書たちが来た
橋の上からずっと覗いていた秘書たちが
やっと下まで降りてきた
そう思って、ボクはいっぱい話をした
ボクたちにはわからなかったこと、全部聞いてみたかったから…
秘書たちは悲しそうな顔をして”モデル、ごめんね”って何度も言った
あの時、ボクには何で謝るのかわからなかったけど
ひどく裏切られたような気持ちになった
だから、その後もずっと怒ってた
「猫の部屋」に来てからも
ボクたちは、すぐに公園に帰れるんだって思ってた
いつものように、お昼休みのサラリーマンさんやOLさんたちが
お弁当を片手にやってくる、あの公園に
ふさこ姉ちゃんやちびた姉ちゃんと一緒に
お昼寝した河岸や
お気に入りのベンチのある、あの公園に
でも、しばらくして公園には帰れないことを知った
あの公園は、ボクたちの居場所じゃなかったらしい
なんで ずっとボクたちは、あそこにいたよ
ボクはそう思った
けど…
ボクたちは、あの公園には”いなかった存在”らしい
さっぱり意味がわからなかった
ボクたちはしっかり毎日を生きて、ここまで大きくなった
たくさんの仲間たちがそばにいて、優しい人たちともふれあって
ちゃんと、この体で時間を刻んできた
人の都合なんてことは、ボクたちにはわからないから
いつもマイペースに過ごしてきた
おいしいご飯を食べたり、くっついて眠ったり
追いかけっこして遊んだり、たまにケンカをしたり
ボクたちが、ちゃんとこの世に”存在する”からこそ
出来ることばかり…
難しいことはわからないけど
ボクたちは、公園にいてはいけなかったらしい
そして、他の場所にいる野良猫と呼ばれる猫たちも
その多くが、いてはいけない場所にいるらしい
何も起こらない時は、それで普通に過ごせるけど
もしも、何かが起こると
ボクたちのことを誰もが知っているはずなのに
”いなかった存在”として扱われてしまうらしい
そんなのおかしいと思った
ボクたちは、何も悪いことなんかしてないし
ただ一生懸命に生きているだけ
そこにボクたちがいたことは、わかってるはずなのに
なんで
「猫の部屋」にやって来てすぐの頃、秘書たちはボクにこう言った
”みんなが公園で生きてきたことを証明しよう”
”そして、本当の居場所を見つけよう”
だから今、ボクたちの仲間だったタキシードは
ボクたちのことをブログに書いているらしい
ボクたち、1匹1匹がどんな性格で
毎日、どんなふうに生きているのか
たくさんの人たちに知ってもらうために
たくさんの人たちに知ってもらうことでしか
ボクたちの存在を証明できないことは、少し悲しいことだったりするけど
存在を否定されることだけは、嫌だと思う
「猫の部屋」に暮らす仲間たちには
今、全員に”中之島”という苗字がついている
それはボクたちが暮らしていた公園の名前
少し前まで、ボクたちが自分の居場所だと思っていたところ
でも…
ボクたちに、本当の居場所が見つかったら
それは変わるのだと秘書たちが言ってた
”ずっとそばにいてくれる家族と同じ苗字になるんだよ”って
「中之島公園の猫たち」nekomat@nifmail.jp
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「猫の部屋」の仲間たちは、一生懸命に生きているだけです。
だから、私は仲間たちの日常の様子をお伝えしていこうと思います。
そして、それを多くの人たちに知ってもらいたいと思っています
仲間たちの存在を証明するために…
本当の居場所を見つけるために…
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