中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

以前、皆さんにもご報告しましたが
この春、第二秘書は職場が異動になりました

新しい職場では
お当番を担当している土曜日に
ちょこちょこ出勤日が重なります

その都度、時間をやりくりし
仕事帰りに「猫の部屋」までダッシュ
何とか連続出場の記録を守ってきました

すでにインフルエンザ事件で
フルイニングでの記録は途切れたために
せめて連続出場だけは死守したいと思う
第二秘書だったのですが…

先日、とうとう
その記録さえも途切れてしまいました

「…とても悔しいです」
「大丈夫、また一から積み上げましょう」

週に一度、仲間たちと遊び
写真を撮ることに
全情熱を傾けてきた第二秘書

仲間たちと会えない週末は
彼女にとって、ものすごく寂しいことのようでした

さてさて…
そんな第二秘書を尻目に
現在もフルイニングでお当番を続けるのは
お気楽な第一秘書

どんどん暑くなってきた「猫の部屋」で
仲間たちを独り占めする時間が
少しだけできました

「おっはよー」
「おっ、タマちゃん、挨拶してくれるの」
「さあ、ご飯食べよっか」

彼女が好きなことは
仲間たち１匹ずつに話しかけること

朝、ひとりで「猫の部屋」にやってきても
いつも通り、おはようの挨拶をするために
各ドミトリーをまわります

「猫の部屋」が始まった直後から続けてきたのが
おはようの挨拶とおやすみの挨拶

最初の頃は覗き込むだけで
怒っていた仲間たちですが…

今では、1匹ずつお顔を見ながら
ゆっくり声をかけると
甘えたさんの子も怖がりな子も
怒って叩いていたような子も
自分ができる精一杯の挨拶を
ちゃんと返してくれるようになりました

ご飯を作っている時も
ネット越しに第一秘書の手元を見つめる仲間たちに
ずっと話しかけます

「今日の缶詰はこんなんですけど…どう」
「ほら、しらす入ってるよ、おいしいかな」

気がつけば
棚の向こう側にも並んでいるお顔

呼びかけられるたびに
鳴いたり、まばたきしたり
それぞれの方法で返事を返します

「よし、できた」
「配るから、ちゃんと待ってなさいよ」
「ほら、今持ってくから、他の子のとらないの」

足元に寄ってくる仲間たちを踏まないように
全員にご飯を配り終えた後
しばらくボーッと見ているのが
一生懸命に食べる仲間たちの姿

お皿にお顔を突っ込んでいる子
ゆっくり味わっている子
ややこしい姿勢で食べている子

自然な姿で
仲間たちが過ごしている時間
第一秘書にとってもすごく楽しい時間です

仲間たちに話しかけながら
後片付けやお掃除を終え
ドミトリーに座って休憩していると…
仲間たちはウロチョロし始めます

くっついて来る子もいれば
少し離れて座る子
居眠りしながらも第一秘書を眺めている子
いろいろです

「今日は暑いねー」
「それだけモコモコしてたら、アンタたちも暑いでしょ」
「ちゃんとお水飲まないとダメだよ」

まるで言いつけを守るように
タイミングよくお水を飲んだりする仲間がいると
ビックリするようですが…

1匹ずつのお顔を見ながら
ずっと喋ってるのは
何てことない話ばかり

それでも仲間たちは
何だか真剣なお顔で聞いているそうです

「タマちゃん、そこで何してんの」
「へへっ、ちゃんと見てたよ」

ちょっぴり気をひこうとするのか
こっそりアピールする仲間たちもいるようで…

ふと視線を感じ振り返ると
ちょっぴり怖がりさんのタマちゃんが
棚の柱に、激しくスリスリ

「うわっ、なにそれ」
「もう一回やって」

調子に乗って
何度も声をかける第一秘書
その都度、柱にスリスリを繰り返すタマちゃん

まるで条件反射のような行動が
とても面白かったそうです

声をかけるのをやめて
知らん顔してみると
タマちゃんは第一秘書を見つめながら
そのままの姿勢で待機

「ほお、見事などや顔だね」
「すごいね、ありがとね」

どうやらタマちゃんは
第一秘書が名前を呼びかけるたびに
スリスリしていたようで…

タマちゃんの丸い頭を撫でると
いつも通りにお耳を下げながらも
何となく誇らしげなお顔をしていたそうです

その日の夜

「…という感じだったんだよ」
「いいなぁ…」
「タマちゃん『ちゃんと名前わかってるよ』みたいな顔してさ」
「行きたかったなぁ…」



フルイニングを続ける第一秘書が
連続出場の途絶えた傷心の第二秘書に
仲間たちの様子を説明していました

「あとはね、まるちゃんとねーちゃんとかさ」
「ああ、もう写真撮ってきてほしいよ見たいよぉー」
「…アンタ、この私に撮れというのかぃ」
「あっ」

その瞬間、第二秘書は
何かを思い出したような顔をしました
そして、その後
笑いを噛みしめるような顔に変わり…

「いやいや、1号は天才だと思うよ」
「…」
「ほら、すっごいカッコイイ写真撮る時あるし」
「…」
「まあ、ほとんどがアレだ…うん、まあ…その…」
「…」



秘書たちが大切にしているもの
それは数え切れないほどのアルバム

その中には、大好きな国の美しい風景や
優しい人たちの写真が
たくさん収められています

しかし、その中に何枚かだけ…

まるで心霊写真のような
背筋も凍る首なし写真が混ざっていることを
皆さんには、こっそりお伝えしておきます

「今度、納涼特集でスキャンして使う」
「…」

「中之島公園猫対策協議会ＨＰ」 web@nakanoshima-cats.com
「中之島公園の猫たち」 nekomat@nifmail.jp

秘書たちにとって、仲間たちと過ごす時間は
とても大切なものになりました
仲間たちも少しはそう思っていたらいいのですが…
出会うべきパパやママが迎えに来てくれるまで
秘書たちやお当番さんたちと一緒に
自然な姿でゆっくり過ごしてほしいと思います

しかし、秘書たちときたら…
やはり二人そろって、やっと一人前なんですね

　
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