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テーマ:ありがとう(609)
カテゴリ:追悼
「命を刻む~ハナのこと・1」はこちら
皆さん、こんばんは 第一秘書です 長い間、ブログの更新もできず 本当にご心配おかけしました ハナが亡くなった後 気付けば、自分の感情や思いを 言葉にすることができなくなりました ブログを書こうとして 一言も書けなくなったのは この7年間で初めてのことでした もちろん、ハナを亡くしたことが 大きな原因だったと思いますが… 私たちは、彼女の闘病を支えながら ずっと切なくなるほどの頑張りを見てきました だから、第二秘書とふたりで ハナを看取った日 どうしようもない悲しみや 悔しい気持ちはあったけれど… 彼女が、あの日 あの時間に逝ったのは たぶん、私たちに看取られることを 選んだのだと思いました だから、最期の瞬間に 頭を撫でて、手を握って そばにいられたことが嬉しかった… 安らかな顔で眠る彼女を見て これでやっとハナは解放される ああ、良かった… そう感じていたのです ただ、旅立ちの用意をして 「猫の部屋」でのお別れをすませて 空へ送り出した後 なぜだか、すーっと 体の力が抜けたようになりました まるで、取り残されたような とても心細い感覚 それは「猫の部屋」が始まった頃から ずっと一緒に歩いてきた存在が またひとつ、消えてしまった寂しさでした 私と第二秘書が通っていた 剣先の猫たち そして、この活動を始めてから出会った 広場、高架下、旧バラ園の猫たち… あの頃を知る彼らは 私たちにとって特別な存在です 最初は、決して 平坦だったとはいえない道を つまずいたり、迷ったりしながら 彼らと共に乗り越えてきました 今まで亡くした子たちも ハナもそう… そんな特別な存在が ひとつ、またひとつと消えていく現実を 改めて感じてしまって… 動けなくなってしまったのだと思います ハナと初めて会ったのは 2008年2月でした 一年半以上にも渡る 中之島公園再整備工事 私鉄の新線開通に伴う周辺工事もあり 公園全域を閉鎖して行うほど大規模なものでした 工事開始の2007年11月に 東端の剣先が閉鎖 次に、翌年1月 バラ園までを閉鎖 そして、少し時期を開け バラ園へ続く遊歩道の閉鎖も決まっていました そんな公園内に点在していた 猫たちの数、約80匹 いちばん数の多かった バラ園閉鎖から一月ほど経った頃 私たちは、捕獲を繰り返し 手術を行って、保護するという 日々を過ごしていました 毎日、絶えることなく 5台、10台…と回収されてくる捕獲器の中に 彼女はいました バラ園の猫たちのお母さん Sさんがお世話していた猫、ハナ --- 怖がりハナちゃん どうしても捕まえられなくて 手術できなかったんです--- とにかく警戒心が強く ご飯や水をくれるSさんにも 近寄ることはなかったそうです ハナと初めて会った日のことを 実は、あまり覚えていません まだ、電気などはなく 日が沈むと目の前のものさえ 見えなくなる部屋の中 あちらこちらから 雪や雨や風が吹き込むため 外側から何重にも毛布を巻き付けた 犬舎やケージ その中には、ご飯や水のお皿とトイレ それに、小さな毛布やタオルを何枚も敷き カイロを入れたダンボール箱 同じ状態の犬舎やケージが 数え切れないほど並んだ中のひとつに ハナは入っていました 毎日、増え続ける猫たちに すでに大きめの空きケージが 足りなくなっていた時期 今から思うと、彼女のケージは 可哀想なほど小さかったです 平面のままでは 必要なものが置けなかったから 公園事務所の職員さんが木を組んで 二階建てに改造したケージ そんな小さな空間だったのに… 私には、初対面の日のハナが どんな表情でこちらを見ていたのかも わからないのです なぜなら、姿はもちろん 彼女は気配さえも消していたから… ハナは、狭いダンボールの中で 極限まで体を小さくして 毛布にもぐり込んでいました 薄暗い箱の中、身じろぎひとつせず 気配を消していたハナ けれど、そうなることは ある程度、予測していたことでした あの頃、捕獲された猫たちの多くは 彼女と同じだったのです すでに、何十匹もの猫がいるはずなのに どのケージも空っぽかのように 静まり返った部屋 猫はここまで気配が消せるのかと 最初は、とても驚きました 元気なのかもわからず 少し心配になって ケージの中の様子を伺っていると… 突然、鋭い爪と牙で飛びかかり 低い威嚇の声をあげて 怯えと怒りの入り交じったような 冷たい目を向ける猫たち そして、また薄暗い箱の中にもぐり込んで… あれは、すべてのことに対する 拒絶だったでしょう 猫たちの多くは、人間に心を許さず 強い警戒心を持っていました 悲しいことだと思う方もおられるでしょうが… それは、野良猫だった彼らが生きていく上で どうしても必要なことだったのです 危険と隣り合わせの毎日で 自分の身を守るために 自然と身につけてきたもの そんな彼らが、自分を捕獲し 無理矢理、ケージに入れた人間を どう思っていたか… 当時の彼らの姿は すべてを物語っていました あの頃、私たち人間には 乗り越えなければならない壁が いくつもありました そして、猫たち自身にも 乗り越えなければならないものは 多かったのです 気配の消えたハナの小さなケージは やっぱり空っぽのようで… ああ、この子も… そう思ったことを覚えています 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 皆さん、大変ご心配をおかけしました 遅くなってしまいましたが ハナとの思い出を書きたいと思います ただ、ちゃんと言葉にできず まとまりのない内容になってしまうかもしれませんが… どうかよろしくお願いします 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ いつもたくさんの応援ありがとうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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