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テーマ:DVD映画鑑賞(13981)
カテゴリ:浪費日記
今日は12月14日。討ち入りの日。マニアとしちゃ、ぜひとも忠臣蔵の舞台を観に行かねばと思う日でござんす。
去年は、国立劇場でやってた仮名手本を観に行ったもんなぁ…幸四郎が、姿見の師直ってのをやってたんだっけ。今年も国立で、今度は吉右衛門が元禄忠臣蔵をやっている。 なのに。 日中には動かせない仕事が入ってしまいましたとさ。残念。 でも仕方ないんですよねー、春先から夏にかけて震災の営業でずいぶん仕事がキャンセルになってるし、その分がこぞって秋以降に移動してきていて、個人事業主としては断りづらい。売り上げの総量としてみても、ここで働かなきゃ年が越せない(爆) 仕事があるのはありがたい。 吉右衛門の内蔵助は外での仕事を納めてからにして、今日はできる範囲で忠臣蔵することにしましたゎ。ちょうど今年、DVDレンタルしてみたところだし、何か借りて見てみる? と、思って探したところ…そりゃぁマニアですから、有名どころの映画はかなり古いモノでもテレビ放映された時に見ているモノが多くて、物珍しいモノはキワモノばかり。わんわん忠臣蔵だの必殺忠臣蔵だのってのは、ちょっとねぇ。ナニワ忠臣蔵なんてのは、ヤクザの抗争だもん(爆) でも…探せばあるもんですね。しかも不人気?この時期に簡単に借りられました。他は出払ってるのに(大爆) 松竹映画の「大忠臣蔵」だって。かなり古い作品。しかも、解説を見ると「仮名手本忠臣蔵を映画化した」とある。え、仮名手本なの?塩谷判官? 主役は猿之助…って、これ、先代よね、当然。 と、いろいろもろもろ想像しながら借りて、観てみました、先ほどまで。 おおおお…こんなのもあったんだ…これ、どれくらい動員できたんだろう…なんとも不可思議な作品です。ええ。 仮名手本、なんですけど… 播州赤穂の浅野と吉良です。あ、そうなんだ?と思っていると、いきなり刃傷で、斬りかかり方、斬られ方が、一般的な忠臣蔵とは違う。背中に一太刀がない。ああ、仮名手本?と思っていると、浅野内匠頭を抱きとめるのはたった一人の武士で、なんと加古川本蔵。そこへ駆け寄る同輩は、なんと桃井若狭介。そ、そうなんですか。 刃傷から始まったから、その前の、普通の忠臣蔵でお馴染のイジメシーンはなく、仮名手本2段目の松切り(だっけ?)もない。代わりに刃傷の後に桃井館へ主税(力弥ではない!)が訪ねてきて、婚約解消を申し出る。主税だけど、許嫁は小浪。そうなると、父・本蔵の後妻はもちろん戸無瀬ってことだ。 でもね、次の切腹は、浅野内匠だから、田村右京大夫の屋敷の庭先で、なの。大星はまだか?というシーンはもちろんないんだけど、その時遠く赤穂にいた大石内蔵助には殿の呼ぶ声が聞こえる…うーん、スピリチュアル! そして、赤穂城の大広間、城代家老は大石内蔵助であって大星由良之助ではない…が、隣にいるのは斧九太夫! あ、そうそう、もちろん、萱野三平じゃなくて早野勘平で、ちゃんとお軽ちゃんと色にふけっていて大事の時にいあわせず。片岡源五右衛門はそのままだけど、神崎弥五郎じゃなくて千崎与五郎だったなぁ…ま、勘平さんだから、そうなるか。 現代風と仮名手本を行ったり来たりする感じがしていた前半が終わり、後半になると、しばらくはすっかり仮名手本。まずは勘平の早とちり切腹がある。お軽ちゃんの父は与市兵衛だし母はおかや、ちゃんと一文字家おさいまで出てきちゃう。もちろん定九郎も。 そして続く場面は七段目。前半で大石は伏見撞木町で遊んでいたのに、後半になったらちゃんと祇園一力茶屋にいるぞよいるぞよ。あくまで主税だけど、ちゃんと木戸からやってくるし、九太夫は縁の下、お軽ちゃんは2階から。 さらに加古川本蔵がいる以上、次の山科閑居だってある。大石だし主税だけど、なんと妻は、妻だけは!お石。小浪と戸無瀬がやってくる。虚無僧姿の本蔵もやってくる。絵図面を渡して死ぬ。ああ、絵図面、現代風の方は色男が大工の妹をたぶらかしてせしめるのになぁ(爆) ところが…仮名手本はここまで。なんだなんだ、天川屋儀平はオトコでござーる!がないなんて、どうしてよー ココからいきなり現代風に戻ってくる。討ち入りの夜、直前に、大石が奥方を訪ねてきて血判状を置いて帰る。腰元にはちゃんとお約束通り吉良方の間者がいる。 討ち入ると清水一学がいる。小林平八郎ではない。でも泉水で立ち回る。うーん、中途半端なっ ここから後、泉岳寺で主君のお墓に報告し、最後切腹して果てるまで、あっという間にさっさっさと過ぎる。そうよね、仮名手本には無関係なところじゃないか。いやぁ、なんだかなぁ。これ、この映画、流行んなかったでしょ?ね?どうなんだろう、そうじゃないかなぁ? ちなみに主役の大石は猿之助…ってもちろん、先代。 当代の猿之助はまだ團子で、主税で出ている。 お石は先代の水谷八重子 戸無瀬・山田五十鈴、小浪・嵯峨三智子って、ホントの親子ですよね… 勘平は高田浩吉で、お軽は高千穂ひづる。 七段目のところで出てきた平右衛門が、いやに松方弘樹に似ていると思ったら!近衛十四郎でした。そりゃそうだな、うん。 そうそう、いよいよ江戸に下る時、どういうわけか箱根の関所で止められて(禁中御用っていうあれ)関所の番人とのやりとりがあるんだけど、それがまるで勧進帳。関所の関守は亡くなった白鸚。いかにも歌舞伎ファン向けに作りましたって演出なんだけども…そうか、そういう狙いか? それにしてもなぁ… とりあえず、これだけでは終われない。終わるつもりもない。もう一つ、映画としては王道の長谷川一夫主演作品を借りてありまする。口直ししなくちゃっ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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