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カテゴリ:小説
まさかだけど、あり得る。
あんな整理整頓された軍隊は、海賊にはいやしないこと。 となれば、二者択一でこちらになってしまうのだが、 一体何故、と思った。 先日は隕石落としで表彰までされたというのに。 まさか、試されたのだろうか、どこまで逃げ切るのか。 海賊たちならいざ知らず、戦端を開く前に逃げ出すのが、 <ペルシアン・キャット>流なのだ。 宇宙にはたくさんの塵がる。これが船体に当たるたび、故障の原因になるので、地球連邦は塵の無い空洞の道を造った。普段、みんなが航行しているそれである。 新たな空間を作る計画は、どこでも出来ているし、自治体任せで行われているところすらある。 戦争が終わった今、航路の拡張が、一番の問題だった。戦争で破壊された船があちこちに散らばり、塵を巻き散らかしているからである。 各メーカーはここでも攻防を広げていた。最大で1.0ミリまでの人を除去できるクリーナーまで売り込まれてる。走る側は綺麗な方がいいから自治体に動いているのを待っているのが実態なのだが、湯湯として進んでいないところが多い。 ☆ <ペルシアン・キャット>とて同じ事で、どれだけ塵を寸前で避けてきたか。小さいものならともかく、大きなものになれば、レーダーでキャッチできるから良いが、結局残った傷は全部、自前で修復していかなければならないのである。 細かいものはみな、パテで埋めていくのだが危うく大きいのに当たってへこむと、こっちもへこむみたいな感じで修理が面倒になったりする。そんな傷は、船の実績とも言えるもので、帰って放っておくことが多い。 行きは荷物があったが、帰りは空荷である、ついでにリゾート地にでも行けばいいのだが、火星からではたかがしれている。それよりも、イージスシステムの方に興味があったので、裕はどこにも行かないことにした。 美奈はどうするのかと聞かれ、3泊4日のスパツアーに出掛けることにしていた。 優雅なものである。 さて、<ペルシアン・キャット>のブリッジ横である。ビスを全部外すところから始まった。 多重フレーム構造になっていたので、一枚、また一枚と外すのが面倒なのである。 最後の一枚が外されると、裕は急にほろりと涙が出た。中から見てきたブリッジの姿は、 もうこれで見られなくなったからである。 シートも次々に外された。内装の方は手早い。新しいのが入るからである。 手際よくやってくれているのを見ていると、明日にでも完成しそうな勢いであるが、 たっぷり10日は見てくれと言われている。インフォメーションとアウトソーシングとは、 一緒やらなければいけないからだ。外側にリンクを張りながら、中の方ではそれに対してリンクを張らなければならないのに業務は止められない。試行錯誤を繰り返しながら、<ペルシアン・キャット>版イージスシステムは構築されつつあった。要は敵襲を受けたことをチェックし、それに対してそれぞれが攻撃要項を決めるのである。兵器の少なさが露呈して、馬の耳に念仏になりそうなイージスだったが、ここで裕が、今よりも高出力の主砲を導入することにしたのである。大きさがコンパクト化されており、今と同じ大きさながら、出力容量が増したのである。これは2、3日すれば来るか。今日のっところはこれでおしまいっ――――。 裕はシャワーを浴びていた。ホテル住まいが勿体ないので狭いが、船の警備も含めてと言うことで、<ペルシアン・キャット>へ寝泊まりしていた。 美奈は今頃、どこかの海で戯れているか、ナンパされているかのどっちかだろう(笑) 銃を隠してまでナンパされたいのかと思わないでもないが、それだとしてきた方が可哀想である。 頼むから、着るものには気を付けて貰いたいものだ。 様々な資料を読んでいるのだが、さっぱり判らない。やっぱり、実地でないと判らないのがよく判ったところである。 部屋に戻ってみた。何が変わったって、テレビが依然と変わったのだ。ゴムのような粘質で出来ており、伸ばしてぴたっとっくっつけられるのだ。 裕は狭いながらも60インチを付けており、休日はDVD三昧である。 しかし、リビングの改装に伴いリビングのインチ数も60になったので無駄になったが。 他の部屋は皆36インチである、5人でいたころは、ギリギリここまでは変えることが出来たのだった、梁だけはテレビを持っていったので、何も残っていないが、随伴者がいるときなどのため、 もう少しベッドを増やすとか、やっておいた方がいいのかなと、思う今日この頃であった。 ま、6つめの部屋がもともとベッドルームだったので、そう焦ることはないが、 そんな日が来るかもしれない。それによってまた、仕事のやり方が変わってくるのだから。 ☆ 裕は船体の外側に、パルスレーザー群を置くことを決めた。当面10個ずつである。なんだかふくれあがっているように感じるが、当然これも、イージスでコントロールされる。近寄ってきたミサイルなど、これで落とせることが出来るはずだ。大きいミサイルだって勿論、主砲とリンクされているので落とせるはずだ。 さて、問題はまた内側である。椅子がひとつひとつ、宙に浮かんでいる状態でコントロールする。 裕と美奈の場合、2列並べても2弾上下に分けても良いと言うことになっていた。人数が増えなければ、の話である。 皆が出ずっぱりなので意見が聞けないが、隣通しの方がいいのでは、と言うことで収まった。 逆にケンカして擦れたとき、上下が良いと言い出すかもしれないが。なんだか完成まであと一歩と言うところだったが、実はシミュレーションを行ってみて対処できたかどうか調べるのはこれからなのだ。その作業がてんこ盛り合って5日くらいは掛かるだろうと。まだ、真ん中の最中なのである。長いねえ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年08月03日 14時04分34秒
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