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カテゴリ:本
京極堂シリーズの3冊目。
思えば『姑獲鳥の夏』を読んでから1年半以上経っています。なので記憶があいまいなのですが、キャラクターの性格がずいぶん極端になってきていると感じるのは私だけでしょうか。 特に榎木津。台詞のほとんどが「!」で終わるという、大人向けの小説ではかなり反則的なしゃべり。そしてあの性格。でもスキ(笑)。 ところでこの間の『魍魎のハコ』のコメント欄で、嫁に行くなら誰がいいかで若干盛り上がりましたが(笑)、今まで気にも留めてなかった伊佐間。私は奥さんになるなら彼が良いですね。たま~に覇気の無さにいらいらしそうになったら関口をみて「あの人よりは趣味があるだけいいわ」とか榎木津を見て「覇気がありすぎるのもどうかと思うの」とか自分を納得させて(笑)。 全国を放浪している伊佐間。前作で最小の登場時間で、ある意味最もおいしいところを持っていっていた彼が、今回はほぼ主役。前作の木場修の立場になってました。生来の楽天的な性格と、彼岸の風景もそのまま受け止める器の大きさで、自分の中の修羅をそれほど突き詰めて覗かずともすんでいる、シリーズのメンバーには珍しいバランスのよさを感じさせます。 こういうシリーズで伊佐間のような人物が中心になると話が盛り上がらないものですが、その分この話限定の登場人物の闇がそれぞれ掘り下げられていました。古事記から南北朝時代からフロイトからはなしがあっちこっち行っている割にはぐちゃぐちゃにならずにすみました。それってやはり京極夏彦の筆力によるものでしょう。 が、ネタバレをしたくないのでこらえますが最後の種明かしの方で伊佐間がちょっとこんらんしてるのかな?あれ?混乱してるのは私か?という感じの部分が無きにしも非ず。多分一番初めに読み返すことになるのはこの本じゃないかという気がします。 え~、まだまだ話すことはあるので続きは明日。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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