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カテゴリ:本
これ、安東次男が訳してるんですね。安東次男って、小学生の頃実家にあった『百人一首 注釈』(タイトルてきとーです)の作者じゃなかったかなあ。同一人物なのかしら。
そんなことはさておき。久々に児童文学なんぞ読んでみました。実は、小学生の時に読みかけて挫折していた、『みどりのゆび』。 読み始めてなるほどコレは挫折するかも・・・・と思いました。多分小学4年生くらいの頃に読もうとしたのです。最初の方に主人公チトが生まれて洗礼を受け、名づけられるくだりに大人の悪口のようなものがからんでいるのですが、これは子供が読んでも退屈でしょう。 それにしても惜しい。実は小学四年生の時には『星の王子様』も挫折しているのですが、これは中学生になってから読んで「なんて面白いんだ!」と感動した記憶がありますが、その勢いでコレも読んでおけば良かったのに。できればまだ自分が「少女」に分類される頃に(今だって気持ちは少女ですが 爆)読んでおきたかった。 訳者のあとがきに、非常に感銘を受けましたので長いですが引用します。 「人間は、なにからなにまで詩につつまれて生活することはできませんし、またそんな純粋な世界ばかりで生きていたら、とても生きてはいけないでしょう。・・・(中略)・・・しかし、本当に勇気をもって生きていくためには、詩がひつようなこともまたたしかです。それと同じように、こどもたちが読む本が、ぜんぶ『星の王子様』や『みどりのゆび』のようなおはなしばかりでは、すこしばかりお行儀がよくなりすぎてこまる、とわたしはおもいますが、いっぽう、わんぱくな子供たちの冒険がいっぱいでてくるおはなしに、みなさんが胸をおどらせるかたわら、とても詩的な童話をよむことも、是非ひつようなことだとわたしはおもうのです」 この文章は1965年に書かれたものだそうですが(私が生まれる前ですよ!いやほんとに。嘘じゃないですって 笑)、今の子供たちにもそのまま当てはまると思うのです。やがてうちの子供たちもジャンプやマガジンに夢中になるんでしょうが(そして母も便乗して読んじゃったりするのは間違いないんですが)、たまにはこういう寓話を楽しむ心を是非持ってもらいたいものです。 それにしても最後の章のタイトル、「けっきょくチトはだれだったのでしょう?」は秀逸ですね。夜中に起きた次男坊を寝かせつけながら、「ほんと、だれだったんだろう」と考えてしまいました。みどりのゆび、とは触ったものから思うとおりの植物をあっという間に生えさせることのできる指のことです。死生観は若干うなずきがたい部分もありますが、メタファーでありながら訴えることはストレートで、ぜひ子供たちにも読んでもらいたい本の一冊であります。 でもな~。小4で挫折したんですよね、私。中学生の男の子にすすめられるかな~・・・・うーむ。でも子供たちも小学生の時読んで挫折するとは限らないし・・・・。『星の王子様』とセットでわたすっていうのはどうだろう。『ナルニア国』シリーズと一緒でも可かも。作戦を練っておこう・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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