堕天使の囁き【序章・旅立ち】
この世界には悪魔が住みついているといわれる森がある。その名前は『A devilish abode(悪魔の棲家)』通称『A_D(アード)』と呼ばれ、人々から恐れられていた。その森には2人の悪魔がいて、黒と白の翼をもつ悪魔と赤い翼をもつ悪魔がいた。黒と白の翼の2つの人格をもつ『ゲイル』、赤い翼の過去と未来を操る時空の番人『レイラ』、そしてその2人を仕える者が『シリウス・ウォーカー』。それがこの物語の主人公、『ユーリ・ラミアス』だ。≪序章・旅立ち≫今から一年前の夏、ユーリは母に頼まれて町に出ていた。用事を済ませて帰ろうとすると、町に戻ることが出来る唯一の道が何者かによって塞がれていた。しかたなく、遠回りして森を通って帰っているところだった。少し歩いて森の出口が見えてきたころ、ユーリは急に身体が重くなったのを感じた。元々心臓が悪かったユーリは息を切らして歩き、やっとのことで家に着くと重たかった身体が急に軽くなり気を失った。目が覚めると、自分の部屋のベッドに横になっていた。きっと母が運んでくれたのだろう。ユーリはふと左手首をに目をやると、何かが埋め込まされていた。なんだろうこれは。丸くて透明な玉から長細い赤い棒と白黒の棒が突き出ている。自分の身体に変な物体が埋め込まされているというのに何でこんなに冷静でいられるのだとユーリはつくづく思った。小さいころからユーリはいつも冷静沈着で生徒からも先生からも冷たい視線で見られていた。それで友達も出来ずに14年の月日が経っていた。 「大丈夫? 熱は下がった?」母が部屋に入ってきてに聞くと、ユーリは熱は下がったけどまだ少しだるいとそう言った。あの森を通ったときのだるさと同じだ。 「明日も早いし、寝てなさい。早く直してね、おやすみ」そういって部屋を出ていった母の後ろ姿を見ながらユーリは眠りに落ちていった。次の日の朝、昨日までのだるさもすっかり直ってユーリは母に告げた。気になる事あると。そしてそれをハッキリさせたいと。母はそれを聞くと、気をつけてこいと、必ず帰って来いと。そう言ってユーリを送り出した。それがユーリ・ラミアスにとって本当の意味での旅立ちだった。――――――――――――――――――――――――――――あまり面白くないかもしれませんが続きが読みたい人はサイト内からどうぞ。(更新亀レベルです。)