アストロ球団③
かなり久々ですがアストロ球団の記事の続きです。第1回:アストロ球団第2回:アストロ球団②【中古】【全巻セット】アストロ球団 (セレクション版) 全12巻完結セット 中島徳博 集英社 ジャンプコミックスセレクション【送料無料】230509-11-7価格:15,000円(税込、送料無料) (2023/5/15時点)楽天で購入アストロ球団とブラック球団の試合はプロ野球界にも刺激を与えました。その中で巨人の長島選手と川上監督は、アストロ超人というよりもブラック球団の無七志を獲得しなければならないと考えるようになります(アストロ超人の獲得を試みても困難であるという意図もあるかもしれませんが)。やはり長島選手と川上監督の目は確かですね。どう見ても最強の投手である無七志を獲得したいというのは納得の気持ちです。 無七志を獲得したいとブラック球団の監督(無七志の父)に伝えたところ、監督の意向により長島選手は無七志と対決することになります。 (アストロ球団ワイド版第1巻(ブラック球団編)515ページ) 対決の場面では「負けるということはすなわち長島の死を意味します」と無慈悲な実況が流れますが、もはや無七志に負けると死ぬということが公知の事実になっているのが凄まじいですね。 しかしこのような異様な状況の中、川上監督は長島選手を失うわけにはいかないということで自らバッターボックスに立ちます。 この戦いと並行して、アストロ球団の面々は、シュウロが準備したハイテクな本拠地で、無七志と川上監督の対決を見ながら無七志の魔球の謎を解こうとします。 そのハイテク機器によって無七志のボールを分析したところ、無七志のボールは巨大な竜巻を帯びており、これが球の威力につながっているということが分かりました。川上監督が空振りしたところ、バットのまわりをウズがまとわりつき、空振りだけで異常なショックを受けるほどでした。 (アストロ球団ワイド版第1巻(ブラック球団編)573ページ) 巨人軍の選手たちは川上監督に殺人L字投法を破る秘策があるのだと思い込んでこの対決を見ていましたが、実際には川上監督には秘策などなく、とりあえずミートしてみるという行き当たりばったりの作戦に出ます。するとやはり体が動かなくなり殺人L字投法の餌食になりかけます。しかし、川上監督はこの戦いの中で「打とうとする焦りが体を縛っている」ということに気付き、それまでの修行の成果により無欲の境地に至り、間一髪で一命をとりとめます。今さらですが、戦いの内容がスポーツ漫画というよりはバトル漫画ですね。 (アストロ球団ワイド版第1巻(ブラック球団編)587-588ページ)→ここから間一髪でバットを落とし、体でボールを受け止めます。さすが川上監督! そして起き上がった川上監督は対決に戻ります。川上監督は今まで左バッターボックスに立っていたのに次は右バッターボックスに立ちます。これを見て無七志は「ボールの握り方ひとつで回転は自由に変えられる」と言って右打者用のボールを投げますが、川上監督の狙いはそこでした。無七志が投げた後に尋常じゃないジャンプ力で左バッターボックスに移り、左から打ったのです。殺人L字投法は打たれた後に打者の方に向かっていくので、右打者用のボールを左から打ったら打者の方には向かってこないみたいです。そして川上監督は弾丸ライナーで無七志のボールをスタンドに叩き込むのでした。 冷静に考えると、右打者用と左打者用で全く逆の動きをする変化球を簡単に投げ分けられるというのは、殺人L字投法であることを差し引いても尋常じゃない気がしますがどうでしょう?(アストロ球団ワイド版第1巻(ブラック球団編)600-601ページ) これに対しブラック球団の監督は打席の移動がルール違反であると指摘します。しかしその一方で無七志は、潔く「男と男の勝負なんだぜ」などと言って負けを認めます。野球のルールではどう考えても負けていないのに、川上監督を殺せなかったことを以て潔く負けを認めるあたり、本当に殺すのが目的で殺人L字投法を放っていたということが分かります。殺す目的でボールを投げていたという異常性と潔く負けを認めるスポーツマンシップが両立しているのが無七志のよく分からないところですね。 ともあれ、これで無七志は巨人軍に入ることになります。また、もともとアストロ超人を探していた時にリストアップされていた知念という少年もこの対決を見ており、無七志と一緒に巨人軍に入団します。彼らが巨人軍に入団したことにより球一のライバルが増え、今後切磋琢磨していくことが予想されますね。 と言いつつ、実はこの漫画ではアストロ球団対巨人の対決は実現せずに終わることになります。というのも、次のアストロ球団の対戦相手は巨人ではなくロッテです。ロッテがアストロ球団を打ち倒す助っ人を手に入れてアストロ球団に勝負を挑むのです。さらにその次の対戦相手は普通の球団ではなく、その戦いが終わったら連載自体が終わってしまいます。週刊連載の漫画というものは恐ろしいですね。※ちなみに、この漫画はワイド版で全5巻で、ここまでが1巻の話になりますが、あと4巻で2試合しかありません。