2022年 脈管専門医試験 受験体験記・問題復元
昨日、受験してきました。コロナ禍にて自身、2年間先送りしてきましたが意を決して受験してきました。昨日は、コロナ禍というより猛暑が大敵でした。室内はそれほど寒くなく、むしろ会場設営の先生方は温度を下げようと努力してくださいました。脈管専門医試験は、循環器を主に内科系の先生、血管外科などの外科系の先生、放射線科の先生がた幅広く受けられる試験です。そのため、問題も各分野(内科、外科、放射線科)からまんべんなく出題されていました。難問・奇問はなく、「臨床脈管学」に準拠して出題されているように感じました。60問の共通問題ですが、選択肢も1行で、分かればすぐに解けてしまうので1分はかかりません。迷うことも多々ありましたが。選択問題は外科、内科、放射線科各30問づつあり、ここから40問選択して、計100問マークシートに書く形になります。2つ選ぶものは2つと書かれていました。見返してみますと、2つ選べと言われていなくても2つ選ばないといけない問題はあったかもしれません。なかなか、細部までの再現は難しいですが、記憶の新しいうちに問題や選択肢を書き残していきたいと思います。【共通問題】・創傷治癒に関連するのは? SPP/TcpO2・皮膚環流圧で正しいものは? モニター電極を貼りその波高/駆血して解除した後血流が再開する圧/駆血していきその血流が途絶える圧・抗血小板薬で正しい組み合わせは? クロピドグレル-P2Y12ADP受容体阻害・リンパ浮腫と関係ないものは? 弾性ストッキング/間欠空気圧/利尿薬/蜂窩織炎・ABIについて正しいものは? 健常人ではABIとTBIは一致する/1.0以上から異常とする・単純CTで評価するのが好ましくないものは? 血栓閉塞型大動脈解離の偽腔評価/下肢動脈狭窄/下肢静脈瘤の全貌・造影CTで遅延相の評価が不要なものは?2つ選べ 冠動脈狭窄/肺動脈血栓/大動脈解離偽腔/DVT/・リンパ浮腫について誤っているもの 上肢スリーブは保険適応ではない/・血管内皮機能検査はどれ? ・腎血管エコーにて誤っているものは? PSV>150cm/秒で狭窄とする・CAS適応で誤っているのものは? 無症候性の50%狭窄/・胸郭出口症候群について誤っているもの? 神経性TOSはMRIで診断できる/動脈性TOSの造影CTでは上肢位で罹患血管が異なって描出される/静脈性TOSにはステント留置/・下肢末梢動脈瘤で正しいものは? 膝窩動脈瘤が一番多い/・透析シャントについて正しいもの 2つ選べ 1cmの瘤は切除する/上肢腫脹をみたら中枢静脈狭窄を疑う/手首より肘で作成したシャントのほうがスチールのリスク高い・腎機能障害患者に造影剤を使用すると起る可能性があるものは? 後腹膜線維症/・体外増幅自己赤芽球移植の適応としてよいのは?2つ選べ TAO/DMのない動脈閉塞/・BlueToe症候群の治療として正しいのは?2つ選べ ステロイド投与/抗凝固/高圧酸素療法・膝窩動脈補足症候群について正しいものは? Type5は動静脈両方が圧迫される/腓腹筋束に対する動脈の走行異常である/高齢者に多い/・膝窩動脈外膜嚢腫について正しいものは? 膝窩動脈の腹側に起りやすい/・トレッドミル運動負荷試験について正しいものは? 2mpH,12%傾斜,3分/心負荷試験より高い負荷である/心筋虚血を診断できる/・リンパ浮腫・マッサージについて リンパ管に弁はない/マッサージ前に鎖骨上窩をマッサージする/下半身のリンパ管は胸管に合流しない/・リンパ浮腫に関連して、ストッキングやスリーブの圧が問われた問題あり・肺動脈血栓にて起こりえない症状は? 胸痛/嗄声/・A型解離について Debakey2は上行大動脈に限局している/・静脈奇形でないものはどれ? 重複IVC/左側IVC/上大静脈症候群/輪状後部静脈叢隆起?/・上肢リンパ浮腫の原因として多いのは?誤っているもの 胃がんのリンパ節転移/【内科系】・頻脈に注意しないといけない抗血小板薬は? シロスタゾール・外科手術前に休薬すべきは?2つ選べ Ca拮抗薬、抗凝固薬、β遮断薬、SGLT阻害薬、・画像問題 単純CTで左腎周囲のLDAの画像1枚、の画像1枚。血圧は110と保たれた腹痛考えられるものを2つ選べ 腎出血/後腹膜血種/腹部大動脈瘤切迫破裂/腹部大動脈瘤破裂・画像問題 カラー画像(血管超音波)にて大腿動静脈瘻の所見 数日前にカテーテル検査を施行された方が鼠径部痛にて受診、考えられるものは? 動静脈瘻・ヨード造影剤アレルギーについて誤っているものは? ビグアナイド薬は休薬が望ましい/気管支喘息患者は健常人に比し起こりやすい/ステロイド投与が発症を低減させる/撮影前後の生理食塩水点滴が予防になる・冠攣縮性狭心症について正しいものは? 日本よりも欧米に多い/本邦では飲酒常習者に多い・腎動脈狭窄における病態で正しいのは? 高アルドステロン症‐低カリウム/低アルドステロン症-高カリウム/低アルドステロン症-低カリウム・脾動脈瘤について正しいもの 女性に多い ・PCI時における出血のリスクは? 貧血/高齢/腎機能障害/心房細動/・PCIの適応について誤っているもの? 画像診断のみの狭窄率/・ベーチェット病について誤っているもの HLAB51の関連は必須である/・胸部大動脈瘤について正しいのは Marfan症候群では55㎜から手術適応とする・下肢PTAについて正しいものは? タクロリムス溶出ステントが総腸骨動脈に使用できる/エベロリムス溶出ステントが浅大腿動脈に使用できる【外科系】・SMA閉塞のCT画像 臨床所見提示あり(急激発症の腹痛 LDH高値、Cre2.2 pH7.2 乳酸高値など)すべきことは? 補助体外循環/透析/試験開腹/・敗血症治療後に動脈瘤が指摘された。考えられるのは? 炎症瘤/感染瘤・大動脈気管瘻について正しいのは? TEVARが増えるにつれて減少している/TEVARで治療すべきである/手術による再建、肺切除も要することがある・大動脈腸管瘻について誤っているものは? 手術は必須である/EVARで治療すべきである/十二指腸に多い/初回手術時に人工血管と腸管の接触回避が重要である・高齢男性、最大径5㎝の孤立性総腸骨動脈瘤と両側胸水を認めた。考えられる病態は? 腸骨動静脈瘻・腸間膜静脈血栓症について正しいものは? 内科治療で完結することが多い ・腸管膜静脈血栓症の症状は? 緩徐に発症することが多い/嘔吐/下痢・小型血管炎はどれか? 高安病/IgA血管炎/・大動脈瘤術後の脊髄虚血予防のための処置として誤っているもの 脊髄液ドレナージ/高体温/高めの血圧管理/・鈍的大動脈損傷について TEVARで治療してよい/大動脈脈峡部大彎側に多い/腹腔内動脈は骨盤骨折に伴うことが多い・TEVARについて誤っているものは? 開窓型ステントグラフトであれば頸部分枝は全て温存される/【大動脈解離・瘤】半年で5㎜以上の瘤拡大に対しては侵襲的治療を考慮する。(選択肢のみ)超音波検査だけでの腹部大動脈瘤のフォローは推奨されない (選択肢のみ)超音波検査で楕円形に描出された腹部大動脈瘤、長径を瘤径とする (選択肢のみ)・腹部大動脈瘤の破裂因子で誤っているものは? 女性/喫煙/COPD/飲酒・A型解離で正しいものは? 血栓閉塞型は保存的加療/急性期は発症48時間を指す/急性期の死因の多くは心タンポナーデである/・B型解離のTEVERについて誤っているものは? 1cm以上のlarge entry/65歳以下/偽腔20mm以上/大動脈径40mm以上/発症15ヶ月以降での施行・画像問題 type2ELの治療にて提示血管を塞栓した場合、どんな合併症が直接的に起きるか? 臀筋はこう/大腿神経麻痺/心不全/腎機能障害・TEVER施行にあたり、脊髄麻痺が起こりやすくなるのは? 腹部人工血管置換術後/Th@-@/内腸骨動脈閉塞・AK動脈が派生するのはどこが一番多いか? ・TAAの降圧薬第一選択は? カルシウム拮抗薬/利尿薬/ACE阻害薬/β遮断薬【下肢静脈瘤】・下肢静脈瘤の血管内治療について誤っているものは? 伏在静脈系であれば第一選択/ベナシールにおいてjunctionから1㎝離してグルーを投与した【ASO、TAO】・TAOの塩野谷基準について誤っているものは? 喫煙歴/40歳以下/膝下の動脈閉塞/逍遥性静脈炎【放射線科】下肢静脈瘤エコー検査にて下腿ミルキングは禁忌である(選択肢のみ)・冠動脈CTの画像問題、単一冠動脈?考えられるものは?2つ選べ 単一冠動脈/左回旋枝起枝異常/右冠動脈起枝異常/Blite-White-Garland症候群・SMA血栓のCT画像? ゴールデンタイムが存在する/血管造影検査の適応である・共通問題から続き、医療従事者の被爆してよい限界値(mSv)がよく問われた。皮膚は500mSv/5年とか、妊婦や女性の内部被曝、水晶体など