恐山の工事
先日の恐山から頼まれた工事について・・・・・少しご説明しましょう。この写真は、恐山菩提寺の中枢をなす「地蔵殿」と呼ばれる建物です。この建物には、ご本尊様である「延命地蔵菩薩」を始め・・・・たくさんの「お地蔵様」が祭られています。荒々しい彫りかたで有名な、「円空」の彫った「お地蔵様」もあるのですが・・・・今回工事をしなければならないのは、「地蔵殿」ではなく・・・よく見えないとは思いますが・・・地蔵殿の右側に繋がっている「回廊」・・・・・その「回廊」の「犬走り」を利用して、車いす用の舗装をしてくれというものなんです。「犬走り」・・・あまり建築関係に詳しくない方は、「何のことだ?」と思われるでしょうが・・・・建築物の軒下、外壁周辺部を砂利敷きやコンクリートを打って、「構造物保護」のために設けられるものなんです。よく、コンビニなんかで・・・若い人たちが座り込んでる・・・・それが「犬走り」なんですけど・・・・・ところが、この「回廊」・・・・もともとの設計では、構造物を保護するほどの重量でもなかったんで「犬走り」は設けられていませんでした。しかし、「回廊」が出来上がってみると、なんとなく、「犬走り」がないと見栄えが良くないと思ったんでしょうね?急遽、「犬走り」風な舗装が施されました。実は、この「犬走り風」のもの・・・・・私が請け負った工事には入ってなくて・・・・大手ゼネコンが請け負った「宿坊工事」の中に含まれていたんですよ。出来るものなら地元の私にやらせていただければよかったんですけどね・・・・「宿坊」や「そのほかの工事」だけで・・・・何十億という工事だったんで・・・・資金力の弱い地元建設会社では請け負いきれない。だから、大手ゼネコンに任せて・・・私は「下請け建設会社」ということで、工事をやらせてもらったんですけど・・・・この「回廊」の「犬走り」に関しては、うちの下請け・・・つまり孫請け会社が請け負ったんです。というわけで・・・・どんな設計で作られたものなのかも全くわからなかったんですけど・・・・今回呼ばれて行ってみて驚きました。「回廊」ができた後の施工・・・・・幅が80センチの「犬走り」でしたが・・・・この幅では・・・構造物が邪魔になって転圧できなかったはず・・・・つまり基礎の部分を地固めしてないんですよ。それに、使った舗装材が・・・・「レミファルト」・・・・これは舗装会社から出された「アスファルト合材」ではなくて、家庭用に袋詰めされた「アスファルト」だったんです。つまり・・・ふつうの道路工事には必ず入っている石材がはいっていなくて・・・・・最小の砂の粒のようなものしか入っていない・・・ただの「アスファルト」なんですよ。ハンマーで叩いてみました。中が空洞です。・・・・音でわかります。見た目にはなんにも問題がないように見えますが、この80センチ幅の「犬走り」・・・歩車道境界ブロックの代わりに、御影石造りの長いブロックを使って、崩れないように抑えているのです。ということは・・・・この御影石ブロックを外したとたん・・・すべて崩れ落ちちゃって・・・・マア構造物には何の影響もないと思いますが・・・・「犬走り」としては使い物にならなくなっちゃうんです。困りました・・・・・・注文は、「御影石ブロックを外し・・・80センチの幅を120センチにすること」なんですけど・・・・そんな簡単に行かないことがわかりました。さて・・・どうしよう・・・・今アイディアとして4つほど考えていますが・・・・どれを採用するかは、「方丈様」が会議からお帰りになられる29日まで決定できません。 ということで駄洒落でごまかしましょう。「あたたかい空気は上昇するっていう実験をしてるんだけどね・・・・どれくらいの気温になってるか、ハシゴを昇って確認してきてほしいんだ。」「私がですか?・・・・高いところは苦手なんだけどな・・・それじゃ昇ります・・・・」「大丈夫かーっ?ハシゴに昇って下を見るんじゃないぞ・・・怖くなるからねーっ?」「そんなこと言われると逆に、見ちゃうじゃないか・・・・」「どんな様子だ?」「あっ、高!!」