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テーマ:鬱病(2269)
カテゴリ:なぜ生きるのか、使命があるからか
女性労働者の大きな味方を失いました。女性がパート労働に出たとき、多くのフェミニストたちが反対する中、「一度踏み出せば、また次の段階(正社員)に出るから、まずは一歩踏み出せばいいのよ」といった中島さん。
実際にそうでした。社会保険がなかったのが、正社員の4分の3働いていれば、社会保険に加入できるようになりました。 いまは全員のパートに社会保険を、という声もでています。企業は企業負担があるから、反対していますが……。 女性のおかれた現実の立場にたって、モノをいう方でした。 私は女性に働けといっているのではありません。確かに二人で働いていれば片方が病気になっても安心です。しかし、子育ての10年はやはり子育てに集中するほうがいいと思っています。身体の弱い方など両立は難しいです。 多くの女性が彼女の影響を受け弁護士に、そしてその影響を受けた方からまた次の女性弁護士が生まれたのです。 土井たか子さんと少しお話しました。このあまりにもひどい、政府のやり方に、言葉がないという感じでした。「でも、選ばれたんですからね」。そうです。国民が選んだのです。いつアメリカの戦争の援軍として自衛隊が派兵されるかわからない、そんな憲法改正をしようとしている人を選んだのです。 社民党党首福島さんは、飾らない人です。 「福島さん、すぐ帰るんでしょ」 「いいえ、今日は時間をとって来ています」。中島さんにはかわいがってもらったそうです。「福島さんってめげないわね。でもシミをテレビで見るたび、かわいそう、と思うのよ」 「あら、じゃ、エステ行かなくちゃ、おしゃれもしないとね」そうそう。 「こんな葬儀のところでなんだけど、衆議院選挙、がんばろうね」「うん」。 「ね、福島さん本を読む暇ある」 「あるわよ」 「じゃ、私の本を読んでください」と渡しました。 福島さんと反対にH弁護士はもの静かな人です。そして美しい方。表だつこともなく、ちゃくちゃくと仕事をしているようです。ずいぶん前、日本ペンクラブ主催の講演を聞きましたが、見事でした。娘と楽屋をたずねると、気さくにお話をしてくれます。 挨拶に来る男性のマスコミ関係者、雑誌の編集者がペコペコしています。私たちが親しげなので、「この人たちナニモノなんだろう」と見るのでした。 私が事務局をしていた「行動する女たちの会」で中島さんの「お別れ会」をやろう、とH弁護士の意を組んでいったところ、「私と福島さんで相談して、やることにするわ」と。もちろん私もお手伝いをします。暑いので9月末くらいを希望しました。姪の結婚式があるので、その日を避けてくれるよう言わなくちゃ。 お葬儀にきていた知人はパートナーがうつで「死にたい」というそうです。最後には彼女が切れて「じゃ、死ねば」というと治まるのだそうです。ずいぶん高い病院にもかかったけれど、何年(30年?)かかって治らないから、医者不信は強いといいます。よく分かります。 「あなたの本、役にたったわ」といわれ、うれしかったです。甥の方はパニック障害とか。30代の過労でしょう。 それから、私がうつになるきっかけになった会社の社長がきていました。面と向かってお会いすればご挨拶するつもりでした。お世話になったことは事実ですから。後ろ姿はさすがに老いを隠せませんでした。私は誰かわからなかったのです。あとで知人に聞いて、分かりました。 たくさんのモノを私に与えてくれた中島弁護士の葬儀でした。私の周囲は人権派弁護士です。Hさんは東南アジアからきたフィリピンの女性たちを助ける、ボランティアを弁護士になったときからやっていました。修習生のときから、中島さんにはお世話になったそうです。 中島さんのご冥福をお祈りします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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