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2007年08月04日
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カテゴリ:国内政策
自民、公明の与党が参議院選挙で大敗を喫したのに安倍総理は続投を表明した。これに対して自民党の執行部や公明党は続投支持を表明、さらに党内でも反対の声は一部にとどまっている。これは自民党の「人材不足」や政党としての活力が失われていることを如実に表した末期的現象と言っても良い。

ところで8月末には内閣改造が行われる予定だ。内政に関する法案に関しては政府・与党も参議院で多数を占める民主党の法案(例えば天下り根絶法案など)を丸呑みすることも増えるであろう。自民党の法案は従来、自民党や官僚の都合のいいように作られてきたため、野党案を丸呑みにすれば族議員や官僚の抵抗で苦しむことになる。

さらに安倍政権の死命を制するのは「日米関係」と「憲法9条」である。まず秋の臨時国会では11月1日で期限切れとなるテロ対策特別措置法の延長措置についての審議や採決が行われれる。小沢代表は従来の民主党の主張どおり延長に反対する姿勢を鮮明にしており参議院で「審議引き延ばし」か「否決」される可能性は高い。

もし「否決」されれば衆議院に差し戻して2/3以上の賛成で「可決」は可能だ。しかし審議引き延ばしにあえばテロ特措法の延長が不可能になり、インド洋から自衛隊を引き上げざるを得なくなる。そういう事態になれば、米国と主従関係にある安倍政権はブッシュ政権の信頼を失い内閣総辞職となる可能性もある。

また米国は北朝鮮との国交正常化を来年には実現する可能性があり、日本は「拉致問題」が中途半端のままで北朝鮮への経済支援を行わざるを得なくなるかもしれない。果たして安倍政権はご主人様の米国に対し「拉致問題」で突っ張れるのか正念場を迎える。いずれにしろ「拉致問題」で対応を誤れば安倍内閣は国民の支持を更に失うであろう。

ところで米国の東アジア政策に不満を持つ国家主義者は「憲法9条」を改正し、中国や朝鮮に負けない軍隊保有の動きを強めようとしている。すでに米国はこの動きを警戒し、米国下院では「慰安婦問題に対する対日非難決議」が可決され、また日本に対し最新鋭のF22戦闘機の販売をを禁止した。

自民党の国家主義者は「自衛隊のイラクやインド洋派遣」などで米国に貸しを作り、「北朝鮮の脅威」を煽って「憲法9条」を改正し軍事力を強化しようとしてきた。しかし参議院で野党が過半数を占めることでその図式が難しくなっている。「憲法9条」改正については自民党の7割、民主党の3割は賛成であり、公明党や社民党は反対である。

もし政界再編が大規模に行われるならば「憲法9条」を巡り自民党や民主党の内部分裂や合従連衡が進み、次の衆議院選挙での争点となる可能性もある。一方安倍政権が「憲法9条」改正に反対する公明党と連立関係を解消したら衆議院選挙で大敗することは明白である。従って大規模な政界再編が行われない限り「憲法9条」は封印されるだろう。

いずれにしろ安倍総理の政権運営は極めて難しく何時まで政権がもつのか予断を許さない。支持率が低迷し続ければ自民党は衆議院選挙のために安倍を早々に諦め見栄えの良い総理を担ぎ出すだろう。しかし賢い国民はもう騙されない。民主党が大ポカをやらない限り政権交代の流れは変わらないだろう。





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最終更新日  2007年08月04日 22時21分29秒
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