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カテゴリ:国内政策
民主党は8月20日、自衛隊の海外派遣など国際貢献のための「恒久法」制定に向けた議論を行う「総合安全保障調査会」の設置を決めた。「恒久法」を小沢一郎代表が反対を表明している「テロ特措法」の対案と位置づけ、国際貢献に対する民主党としての見解をまとめる方向のようだ。
ところで日本の安全保障のあり方について、かねてより「憲法9条改正」勢力と「憲法9条擁護」勢力との間で意見の相違がある。両者とも自国の防衛は必要と認めつつ、国外での「国際貢献」のあり方で対立している。改正勢力は「テロ特措法」や「イラク特措法」に代表されるように海外に自衛隊を派遣し国際(米国)貢献したいと考えている。 しかし憲法9条の縛りがある限り「非戦闘地域」での活動に限定せざるを得ないが、現実問題として戦闘地域か否かを線引きするには無理がある。そこで近い将来、憲法9条を改正し海外の戦闘地域でも集団的自衛権を行使し米国とともに自衛隊も一緒に戦えるようにしたいという狙いがある。 しかし核の傘という弱みを米国に握られた日本は、米国の要求を受け下手をすれば世界中の戦場を米国とともに駆け巡らなければならなくなる。一方、民主党小沢代表は憲法9条を変更しなくても「国連待機軍」構想で国際貢献はできるという立場である。この「国連待機軍」は国連に自衛隊の一部(国連待機軍)を預けるという構想である。 そして自衛隊は従来どおり国内の防衛に専念させ、海外の戦争は国連軍の指揮下にある国連待機軍に任せるという発想である。こうなれば米国が行う海外での戦争に対し、日本は国連を通じてでなければ戦争協力ができなくなる。すなわち日本が永久に放棄した「国際紛争における武力行使」は国連に任せるということになる。 これに対し自民党国防族の石破元防衛庁長官は「国連待機軍」構想は国連至上主義の幻想だと批判する。もしそういう方法を採れば日本が北朝鮮に武力制裁を加える場合、国連の決議を待たなければならなくなる。しかし中国やロシアの利害が絡んでくるので制裁決議が通らず攻め滅ぼす機会を失すると主張する。 要は国連の意思とは関係なく戦争ができるようにというのが本音であろうが、これでは戦前に国際連盟を脱退し第2次世界大戦に突入した時と同じ状況になる。いずれにしろ国民は「憲法9条」を改正し自衛隊を戦前の軍隊のようにするのか、あるいは「憲法9条」を守り国際協調(国連)主義を採るのか、次の衆議院選挙で判断を迫られることになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年08月27日 09時45分35秒
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