カテゴリ:本・読書
『逆説の日本史』シリーズは、7巻目の中世王権編「太平記と南北朝の謎」を読んでいます。
足利尊氏対後醍醐編、「太平記」に関する小論編、尊氏対直義編、 「日本国王」足利義満の野望編、「恐怖の魔王」足利義教編。 1340~1400年頃、室町幕府の時代です。 先月、ハードカバーで16巻目『江戸名君編 水戸黄門と朱子学の謎』が発売されたので買っておきました。1680円也。 12巻までしか文庫化されていないため、このまま進めば13・14・15巻も1680円で買うことになりそうです。 高い!( ̄■ ̄;) さてさて、天皇家を分裂させ、結果的に権威を失墜させるという愚かなことをした後醍醐天皇や、 天皇家を乗っ取ろうとする足利義満などを読んでいると、 日本史というのは天皇と武士だけの歴史のような感じで、もうご馳走様と言いたくなってきます。 これから戦国武将たちがいっぱい登場する時代に突入して行くわけですが、 そういう武将たちの活躍ばかりが日本の歴史ではなく、本当は名も無い庶民達も存在しているわけで、 名も無き自分の先祖たちはどうしていたのだろうと考えてしまう時があります。 奈良・京都を中心とする歴史を読んでいると、西の文化ばかりが語られます。 教科書で習うのは天皇、公家、貴族、武士のことばかりです。 歴史書を何冊か読んでいるうちに、網野善彦さんの名前が出てきて気になっていました。 歴史に疎い私ですから、恥ずかしながら存じ上げませんでした。 網野善彦さんとはどういう人? と思っていたら、 書店の棚に『僕の叔父さん 網野善彦』中沢新一 がこちらを向いて飾ってあった。 ほぉ、そうだったのですか。 読みたいと思っていたら図書館にありました。 その他に、『歴史を考えるヒント』網野善彦 『日本の歴史をよみなおす』網野善彦 『続・日本の歴史をよみなおす』網野善彦 『追悼記録 網野善彦』赤坂憲雄(編) 網野さん関連を計5冊借りてきました。 『追悼記録 網野善彦』は、2004年2月に亡くなった網野さんの訃報に対して、 各新聞社が追悼記事を掲載したものを集めたもので、 報道記事や研究者などが追悼文として提供したものやコラムなど、その数42。 そこから網野さんという方がどんな人であったかが伺い知れそうです。 午前中借りたばかりなので、まだ読んだとは言えませんが、こんな方のようです。 日本の歴史の根本から見直し続けた歴史家の網野善彦さん。専門は中世の社会史。 決して派手な分野ではないが、網野さんほど一般の読者の支持を集めた歴史家は近年いなかった。 日本列島には多様な人々、多様な地域、多様な社会が存在したことを掘り越した。 「単一民族による古くからの単一国家」などの「常識」を「近代社会が生み出した虚構」と否定した。 研究者としては遅咲きだった。 個人での賞はことごとく辞退。 人類は死を見つめる壮年期を迎えたと語り、進歩や発展への疑問、自然破壊への懸念など現代社会に向け強いメッセージを送り続けた。 遺志として葬儀など一切せず、献体された。研究の対象としてだけでなく、一人の民衆としての人生を貫いたように思える。 宮崎駿監督は、アニメ「もののけ姫」の幻想的なすばらしい世界を創作するのに、 網野さんの著作から多くのヒントを得たという。 そうだったのですか。あの「もののけ姫」が。 栄誉ある賞を拒み、通夜、葬儀も拒否し献体された方でしたか。 名も無き庶民の私の先祖は、網野さんの書く歴史の中に存在するのかも知れない。 歴史は天皇や将軍たちのものではないし、「民衆」が残したものも大きいはずだもの。 色々な角度から歴史を読んでいきたいと思うのでした。 その他に借りたものは、『日本史から見た日本人・鎌倉編』渡辺昇一 『トップの素顔論』幸田真音 『とっておきの手紙』黒岩重吾 『世界のとんでも法律集』盛田則夫 さあ、返却日まで読めるか・・・・・9冊。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.11.26 16:45:46
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