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テーマ:食べ物あれこれ(49933)
カテゴリ:食事
ミドリムシと言われると、どんな虫だっけと考えてしまいます。おそらく肉眼で見た人はいないと思うのですが、水田などの流れが緩やかな淡水に生息する体長30~50ミクロンのごくありふれた原生生物です。
全く姿を見た事がないかというとそんな事はなく、水の中を尻尾のようなべん毛を回転させて移動する姿は、理科の授業などでべん毛の説明の際によく使われています。 べん毛を使って移動する事から、動物としての特徴を持つだけでなく、ミドリムシの名前の由来ともいえる緑色は葉緑素の色で、光合成を行なうという植物としての特徴も兼ね備えてします。そのため、唯一の植物と動物の中間の存在とも言われる事があります。 ミドリムシは光合成を行なって二酸化炭素を固定する際、非常に多くの二酸化炭素を効率よく固定する事でも知られ、地球温暖化で二酸化炭素が問題になる中、注目を集めはじめています。 通常、光合成による二酸化炭素の固定効率は、我々が主食としている米を作る際が0.7%、トウモロコシで1.5%とされますが、ミドリムシは30%近くもの固定効率を発揮し、炭素濃度が高いほど効率が上げられる事から、二酸化炭素を25%も含む鉄工所の排煙の中では、実に78%もの固定効率を記録すると言います。 ミドリムシの優れた特性はそれだけでなく、水や栄養塩、二酸化炭素、太陽光さえあれば、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどの人が生命を維持する上で必要となるほとんどの栄養素を作り出す事ができます。 50万キロワットの電力を作り出す火力発電所が一日に出す二酸化炭素を吸収させる場合、縦横800m、深さ1mの水槽が必要となると試算されていますが、そこで培養されたミドリムシを乾燥させて食料とした場合、カロリー換算で19万人分の食料が生産できると言います。 環境問題と食糧危機を併せて解決してくれそうなミドリムシですが、欠点があるとすれば名前かもしれません。栄養価が高く健康に良いとされる食品が新発売されて店頭に並んだとして、手にとって裏面のラベルを見ると原材料にミドリムシ...。ちょっと食欲がなくなるかもしれません。学名「ユーグレナ」と呼ぶ事で、少しは緩和されるのではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月27日 17時18分04秒
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