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秋が深まってくると半分や四つ割りにされた白菜が干されている場面に遭遇し、今年も冬を迎える準備がはじまったと思えてきます。今ほど流通や栽培技術が発達していなかった頃、凍て付く寒さの中で野菜、特に葉物野菜を確保する事が難しい地域では、漬物による保存と野菜由来の栄養の確保は重要な事だったという事ができます。
漬物作りが本格化する頃、南阿蘇ではホームセンターなどでも漬物用のプラスティック製の桶や頑丈そうな紙袋に入った大きな塩の袋が売られ、その大きさに漬物を漬ける重要性と伝統を感じさせられます。 白菜漬けは漬け込む際の作業がしやすいように半分や四つ割りにした白菜を天日に干して水分を減らし、塩をまぶしながら容器に漬け込み重しをして保存します。大量の塩を使用する事から塩漬けと思われがちですが、乳酸菌による乳酸発酵が行われており、発酵食品となっています。 同様の食品は中国の北部にも見られ、「酸菜」と呼ばれる白菜の漬物は大量の白菜を購入し、それらを2、3日天日に干して大きな甕に白菜を入れながら塩をまぶし、重しを乗せて保存します。乳酸発酵による酸味が強い方が美味しいという意見もあり、11月に漬け込んだ酸菜は4月の上旬に行われる清明節の頃が一番美味しいという事から、「清明節の酸菜が一番美味しい」ともいわれます。 葉物野菜の乳酸発酵としてはザワークラウトが思い浮かび、酸味の強さからも乳酸発酵漬物の代表格のように思えます。酸味が強い事から酢漬けのキャベツと思われてしまう事もあるそうですが、酢は一切使われておらず、すべて乳酸発酵による酸味となっています。 白菜漬けに酸菜、ザワークラウト、いずれも自然に存在している乳酸菌が美味しさを増してくれていて、発酵という加工技術の奥深さを感じてしまいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年11月05日 08時10分01秒
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