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「犯人に告ぐ」・・・ネタばれあり


犯人に告ぐ

 警察小説でして、ベストセラーのようです。人に薦められた本はめったに読まない私でありますが(笑)、そんな私を知っていてめったに本を薦めない人が薦めたので、読んじゃいました。(普通は、Bookoffに並ぶまで待つんですが)
 推薦者の前のご推薦が「黒い家」だったから、まー多少信用しちゃいますな。

 売れてるだけあって、当然におもしろいですよ。あーっというまに読めてしまう。読みやすい文体で、こなれてるし。かなり下調べを良くして書いているけれど、緻密と呼ぶにはまだもう一歩踏み込んで欲しかったという感じもします。調べに調べて、その下調べの余剰を切って書いたものと、せっかく調べたのだから、そのネタを全部書いておこうっていうのとは、ちょっと迫力がちがいます。

 ペリカンとすらかかず、いきなりスーベレーンを向けたと書くあたりは、なかなかかっちょいいのですが、デュオフォールドやマイスターシュテックに比べて知名度の劣る、スーベレーンといきなり書いて、100人中1人もわからんのではないかって?気がしますが、ものへのこだわりあるなぁっていう感じでよろしい。どうせなら、スーベレーンの何番かも書いて欲しかったぞ。800か、もしかして1000か?わたしのは730と1931WGだが、一緒か?(うるさい)

 これたぶん映画になると思うんですが、もうものすごく最初から映像化される事を考えて書かれている気がします。そこまで考えて書いてるなぁっていう気配むんむん。場面場面がとても視覚的。映画化やドラマ化されやすいと思いますな。とっても視覚的な文体であるようで、(文章だと先が読めるんだよねー、真犯人がわれる場面とか)そのぶん、おもっきり練りこんだ文章というのとはちがうかも。

 でもこれ連載で書いているんだからえらいよなー。連載ってやっぱり大変らしく、「辻褄」があわなくなるらしい。ワイン会にくる某作家さんが、初めて連載をやったとき、大変になって、単行本になるときに加筆修正したらいいや、でだいぶ見切り発車したらしい。この連載中に、「大変素晴らしくてワクワクします」とヤラセのおはがきを書いたら、実名入りで「読者のお便り」に使われてしまったのは私です。あれは穴があれば入りたくなるほど恥ずかしかった。

 全体的によく書けていて、最後の息詰まる展開まで一気に読ませてくれますが、警察小説らしい徹底した書き込みはちと欠けているのかなぁ。主人公の凛々しさがもうちょっと浮き彫りになったらなぁと思うんだけど、そこにあと一歩。

 スーパーセカンドと呼ばれるまで、まだあと一歩のところのボルドーっていう感じかしらん。最近のポンテカネくらいには上手く志も高いが、パルメやラスカーズほど徹底してないっていうところでしょうかしらん。


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