今日、図書館である本を借りてきました。
『台湾総統列伝』(本田善彦著・中公新書ラクレ・2004年)です。
先日、大学院の法制史という授業に関連して、私には台湾の政治史や選挙制度を調べる機会がありました。台湾という地域が戦後どのように発展していったのかを、歴代の総統(大統領)の素顔を紹介しながら説明していく本です。
私はまだ第1章・蒋介石、第2章・蒋経国しか読んでいません。
ここでは蒋介石だけを取り上げたいと思います。
毛沢東とともに歴史の表舞台に登場した。これが小学6年生当時の私の蒋介石に対する印象でした。
1949年10月1日、この日に中国共産党による国家・中華人民共和国が成立しました。一方それまで大陸を支配していた国民党による国家・中華民国は台湾に逃げ込むことになりました。
この本によると、蒋介石は台湾という地域に根ざすという考え方はさらさら無く、台湾を「大陸奪還のための復興基地」としか考えていなかったことがうかがえます。蒋介石が大陸を去ったのは1949年。大陸奪還を実現させるまで台湾を離れないと誓った彼が、二度と大陸に戻ることはありませんでした。そういう意味で蒋介石は、夢・ロマンに生きた独裁者なのかもしれないと思いました。
大陸奪還準備のためという名目で、台湾全土に戒厳令を敷き、言論統制も行った独裁者でした。
しかし蒋介石は、プライベートでは質素な生活を好み、食事も実に質素な倹約家だと聞きました。「金銭や物品への淡白な態度は、権力欲と名誉欲の強さに反比例するかのようだ。」これが北朝鮮の金正日との大きな違いですね。だから台湾では蒋介石を尊敬している人が多くいるんだ、と感心しました。
また、日本に留学経験があるせいか、日本人との会見を喜んだそうです。生活態度も戦前の日本軍人のスタイルを通していた、と著者は書いています。
まさに、良くも悪くも現在の台湾の父と言えるかもしれない、偉人です。
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Last updated
Apr 26, 2009 10:07:23 PM
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