もし衆議院比例代表の選挙区がブロック別ではなく全国区(180議席)だったら、どのような結果になっていただろうか。そのように思った人は多いだろう。日本でも共産党、社民党を始めとして現在の比例代表制(ブロック別)の欠陥を指摘する人・団体は多い。ちなみに外国で比例代表(全国区)を採用している国は、ドイツが例として挙げられる。
そこで私は180人分計算してみた(今年の総選挙の結果に基づく)。大変気の遠くなるような作業だった。
計算結果は以下の通り。なお、青い政党は実際の獲得議席を下回った政党、赤い政党は実際を上回った政党である。無色は実際と変わらず。
政党名 :計算結果(実際の獲得議席)
民主党 :78議席(87議席)
自民党 :49議席(55議席)
公明党 :21議席(21議席)
共産党 :12議席(9議席)
社民党 :7議席(4議席)
みんなの党:7議席(3議席)
国民新党 :3議席(0議席)
新党日本 :1議席(0議席)
幸福実現党:1議席(0議席)
新党大地 :1議席(1議席)
この結果の通り二大政党は議席数を減らし、小政党が軒並み議席を増やしたり、議席を獲得したりした。また、新党大地は北海道ブロックのみの立候補。みんなの党、国民新党などは一部ブロックには立候補していない。それを考えると全国区となれば小政党はもっと得票増ができただろう。
1994年に政治改革関連法案が審議された際、細川首相(当時)が最初に提案した新しい選挙制度は、小選挙区250議席、比例代表(全国区)250議席だった。これを考えるといかに小政党に有利な案だったかを思い知らされる。一方で自民党の河野洋平総裁(当時)が提案した新制度は、小選挙区300議席、比例代表(都道府県ブロック)177議席。都道府県別ブロックで177議席ということは、自民党は小政党の排除を狙っていたと根拠付ける案だ。最終的には細川・河野のトップ会談の結果、小選挙区300議席、比例代表(地域ブロック別)200議席という妥協案が提案された。これが衆参両院を通過し成立した。
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Last updated
Nov 10, 2009 08:06:04 PM
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