Jリーグは11月30日に行われた理事会で、
ギラヴァンツ北九州(旧称:ニューウェーブ北九州)のJ2昇格を承認した。アマチュアサッカーリーグの最高峰であるJFLでリーグ4位に入り、J2昇格条件を満たしたためである。これによりJリーグは来季より全国37球団となり、さらに多彩な顔ぶれになる。そして
全国の政令指定都市の中で唯一プロスポーツチームがなかった北九州市にとっては、待ちに待った吉報だ。
ドキドキ?予定より遅れ「北九州」に“吉報”届く(30日、スポニチアネックス)
北九州市にあるニューウェーブ北九州の事務所には予定より遅れた午後4時45分すぎ、Jリーグの鬼武チェアマンから入会を認める電話が入った。報道陣が見守る中、応対した横手社長は「地域密着経営を行い、赤字にしないようにしたい」と健全経営を誓った。
北九州市は政令指定都市にもかかわらず、プロスポーツのリーグに参加しているチームがなかった。市では数年後を目標に球技専用競技場の建設が検討されている。市役所で横手社長らから報告を受けた北橋市長は「行政として応援したい。来年3月末をめどに基本方針を決めたい」と支援に前向きだった。
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一方で、同じくJ2入りを目指していたガイナーレ鳥取はJFL5位に終わったため、J2昇格が見送られた。・・・残念。これにより来年のJ2は19球団体制。2年ぶりに奇数チームで争うことになるので、私としてもすっきりしない。
しかし、Jリーグの急速な拡大路線に対して私は疑問を感じつつある。
J2昇格の条件を引き下げてまでJクラブの数を増やしたいのだろうか、と。2008年12月2日の日記「Jリーグは来季より、36球団体制へ!」において私は、JFLの強豪であってもすぐにJ1には上がれない、赤字クラブの経営支援制度を充実させるべきだと主張した。
他のJクラブを見てみると、今年は
東京ヴェルディがJリーグ脱退の危機に陥ったり、すでにJ2降格が決まっている大分トリニータ(運営会社の債務超過額が5億5800万円)が、資金繰り悪化のために
Jリーグ公式試合安定開催基金から2億円の融資を受けるなど、
深刻な経営難に悩むJクラブが少なくなくなった。
プロ野球と同様、Jリーグでも格差が激しくなっている。鹿島アントラーズ、浦和レッズ、川崎フロンターレ、ガンバ大阪といった勝ち組と、J2のほとんどの球団が大半を占める負け組に分かれつつある。
まさにJ1に生き残るため、あるいは昇格を目指すための戦国時代がもう到来しているのだと考えている。
ギラヴァンツ北九州はJFL4位という成績でもってJリーグ加盟を果たしたが、それ以前は昇格要件は原則2位以内だった。
これをはじめとする無理なJクラブ拡大路線が、果たして将来、どんな結末を迎えるのか・・・。新規参入の北九州の健闘を祈るが、心配である。