その10の続きで、今回は山寺(立石寺)に登るところを書きたい。
今回行く山寺(宝珠山立石寺)は、東北一の天台宗霊場であり、860年に慈覚大師によって開基されたものである。17世紀後半には松尾芭蕉が訪れ、ここで残した「
閑さや 岩にしみ入 蝉の声」は著名である(しかし私が訪れたのは冬。雪が積もっていたので、そのような風景にはさすがに出会えなかった)。
山寺駅前の通りを歩くと宝珠橋を渡ることができる。そこからしばらくしたらT字路に出るのだが、そこを右に曲がると登山道の入り口に入れる。
入場料(300円)を払い、10時過ぎに立石寺に向けての登山を始める。階段は全部で
1015段。この年の3月に出かけた香川のこんぴらさんといい勝負である。この石の階段を一つ一つ上がっていくとともに、人間の持っている煩悩が一つずつ消えるとされている。しかしそうは言ってもかなりきつい。スタートからわずか5分ほどで足が悲鳴をあげそうになった。
私はまだ若いのにすぐ悲鳴をあげては困るのだ!
登山中、通りかかる人に「こんにちは」と挨拶をする。中には一緒にお話をして下さった人もいた。一人旅が好きな私であるが・・・、
「やっぱり旅行は2人以上で行くのも楽しい」と感じた瞬間だった。うっそうとした杉の木の森を抜ける途中には石仏、岩塔婆などがある。
登山開始から20分か25分ほど経っただろうか、山の上の本堂(奥之院)に到着した。開山堂、納経堂などが並ぶ中、舞台造りの五大堂から撮影した写真が以下の通りだ。
実に素晴らしい景色だった。苦労して登山したらこのような綺麗な景色に出会える。背景には蔵王の山々。雄大な姿で聳え立っている。まさに自分へのごほうびだったかもしれない。
2枚目の写真で、地平には山寺駅が見える。写真で見て右側が山形方面、左側が仙台方面である。こうして見てみると、
まるで模型鉄道のジオラマのようだった。
私は時間の関係上、すぐに下山しなければならない。雪が積もっていて滑りやすいので、下山は慎重に行かなければならない(山登りにおいては、下山が一番怖いのではないか)。無事にふもとに下りた後は昼食を取ることにする。
最後に、近くの食堂で昼食として食べたのが、山形県名物の
芋煮。
里芋、ネギ、コンニャク、舞茸、ふなどが入っててとてもおいしかった。特に芋。ホックホクだった。
私はこの後、山形市街地へと向かった。