今年度のF1のエントリーについて書くのは、
昨年12月3日、
先月11日に続いて3度目となる。今日、FIAは今年度のエントリーリスト(最新版)を発表した。
先月末から開幕数戦の欠場を求めていたUSF1がついにエントリーリストから外れたのである。また、USF1に代わって参戦するのではないかと噂されていたセルビアのステファンGPも参戦を認められなかった。
今季のエントリーリストがついに確定! 全12チームで中嶋一貴は参戦果たせず(4日、ISM)
FIA(国際自動車連盟)が現地時間(以下、現地時間)3日に今季のエントリーリストを発表した。
USF1が除外され、代わりのチームは認められなかったため、2010年は12チームとなることが確定している。同日、『ロイター』通信が伝えた。
FIAはリリースの中で、
USF1が「2010年のF1世界選手権に参戦できる立場にないことを表明した」とし、「様々な選択肢を考慮した結果、この段階で代えのチームが選手権に参戦することは不可能であるとの結論に至った」とUSF1に代わるチームを認めないと明らかにしている。
ステファンGPはUSF1に代わり開幕戦バーレーンGPからの参戦を目指してきたが、今回の決定でその望みも消えることとなった。FIAはまた、2011年に空席を埋めるチームの選考手順については、近日中に詳細を明らかにするとしている。
USF1はヨーロッパではなくアメリカ・ノースカロライナ州シャーロットに本拠を置き、40年以上ぶりにオールアメリカンのチームとしてF1に参戦する予定だったが、アメリカを襲う景気悪化の影響を受け、資金難に直面。チーム代表のケン・アンダーソン氏は2日、参戦を1年延期するように要請したことを認めている。また、ファクトリーの従業員に仕事を中止するように伝えたとも語っていた。
なお、USF1はアルゼンチン政府の支援を受けるホセ-マリア・ロペスの起用を発表していたが、その後J-M.ロペス側が契約を解除している。
そしてゾラン・ステファノビッチ氏率いるステファンGPだが、昨シーズン終了後にF1を撤退したトヨタが今季に向けて造っていたマシンを使用することで合意。ドライバーの1人は中嶋一貴であると明言していた。しかしエントリーが認められず、中嶋の今季参戦もなくなった。
(引用終わり)
長く続いた、カンポス、USF1、ステファンGPによる参戦権争いはこれで決着した。シーズン開幕を1週間後に控えているのに、このようなレース以前の話は聞いてて醜いと感じた。
USF1の参戦権が認められたのは昨年6月のこと。それにもかかわらず、USF1の首脳陣の「アメリカ製のF1マシンを走らせる」という理想に悪い意味で執着したのは評価できない。参戦不可能という最悪の事態を回避するために最大限の努力をすべきだった。
一方、USF1と同様に参戦断念と伝えられたカンポス・メタについてだが、先月末に経営陣が交代。昨シーズンまでフォース・インディアのチーム代表だったコリン・コレス氏を新チーム代表に迎え、早急に体制の立て直しに着手した。また、カンポス・メタから「ヒスパニア・レーシング」へのチーム名変更も発表された。そうした努力の結果、今週末までには2人目のドライバー、そしてマシンを発表できる見込みが立ったそうである。
しかしステファンGPが参戦を認められなかったのは残念である。中嶋一貴の今年の参戦は不可能となった。1人でも多くの日本人がF1で活躍してほしいと考えていた人は多いだろう。そう考えると大変残念である。
しかし、そもそもステファンGPに数年間、F1に参加し続けるほどの経済的余裕があったのか?これも検証が必要である。