自民党は野党としていい仕事をしているのではないか。私はそう思っている。
審議拒否、痛烈な政府・民主党批判。私は自民党を好きにはなれないが、自民党は野党として当然のことをしているに過ぎない。というより、政府を批判しない政党なんて野党とはいえないと私は考える。野党の最大の仕事は、政府・与党を監視することだからだ。
先月、自民党は2010年度予算案の審議に際して、鳩山首相、小沢幹事長等の「政治とカネ」の問題や、石川知裕議員の辞職勧告などについての集中審議を要求し、さもなくば審議拒否を行うと通告した。ところが実際に審議拒否に突入したのはいいものの、「一つでも自分の要求が通ればそれでいい」と自民党の側から譲歩してしまって、審議拒否をわずか3日で切り上げてしまった。
党内からも「値打ちがない」(谷川参院幹事長)などと疑問の声が挙がるなど、本当に中途半端なものだった。もし審議拒否するならば、もっと徹底的にやればよかった。1996年の住専国会において野党・新進党は3週間に渡って審議拒否(ピケ戦術)を続けた。新進党の国会議員は国会の赤いカーペットに座り込んで審議を妨害することで、住宅金融専門会社(住専)の税金(6850億円)による救済に抗議し、国民の関心を集めた。
本題に戻る。
私は、自民党が再び多くの国民の支持を集めるために最も必要と考えているのは、派閥の解消である。政権奪還に向けて一つにまとまるために、結党以来の伝統だった派閥を解消し、挙党一致の体制を作るべきだ。
ところが、昨日や今日になって、党内から谷垣執行部の退陣を求める声が強まった。「普段だったら内閣が倒れるような事件が起きているにもかかわらず、(野党の)自民党の評価が高まっていないことに深い反省をしなければならない」(与謝野元財務大臣)という批判である。舛添元厚労大臣や、与謝野氏らによる新党結成の噂も出た。
派閥解消という提案は過去にも出されてきた。リクルート事件の時であったり、野党時代の'94年であったり・・・。しかし実際にはこのような議論はうやむやになって、派閥は残されてきた。これでは挙党一致の体制は作れそうにもない。もし党分裂騒動が続くようならば、谷垣総裁はいっそのこと自民党の解党を決断すべきだと思う。これは1997年末の新進党と全く同じものである。もし分党させれば、自民党の国会議員は次の行動を取るだろう。
・民主党、国民新党など、思想信条の近い与党に入党
・構造改革推進派は、みんなの党に入党
・町村派+伊吹派+民主党の保守系グループ等による、保守系新党の結成
谷垣総裁よ、派閥解消によって党を一つにまとめられなければ党を分裂させるほどの覚悟を持って、仲間を統率してほしい。
次に重要なのは世代交代。民主党の剛腕・小沢幹事長に対抗して、小泉進次郎氏など中堅・若手の国会議員を積極的に党の重要役職に抜擢すべし。ところが世代交代の動きを「若手による権力争い」と批判する声がネット上であるようだが、そんなのはお構いなし!世代交代により、新しい自民党を国民に印象付けたほうが国民にとってもインパクトがあるのではないか。
イギリスの野党・保守党は2005年の党首選挙で、当時39歳のデビッド・キャメロン氏を新党首に選出した。これは保守党のイメージアップに少なからず貢献している。
また、野党時代の民主党にならって「次の内閣」を設置し、「次の大臣」にも若手を積極的に起用すべきだ。
今日のまとめ。
谷垣総裁は、民主党の小沢幹事長のような、「強すぎるリーダー」になれ!
昨年までの民主党がそうだったように、自民党は将来の政権奪還に向けて執念を見せよ!
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