今年のF1はベッテルが既に4戦中3勝。若い力がますます強くなっていく一方で、皇帝と呼ばれたミハエル・シューマッハーの存在感がますます小さくなっていくような気がした。今日、ロイター通信が彼の再引退の可能性に触れた。
彼は本来ならば、2012年シーズン終了時まで契約が残っているのだが、その契約満期を待たずに再び引退する噂が浮上してきた。
F1=シューマッハー今季限りで引退か、元同僚が指摘(11日、ロイター通信)
自動車レースF1で通算7回の個人総合優勝を誇るミヒャエル・シューマッハー(ドイツ、メルセデス)が今季限りで現役を引退する可能性が高いとの見方を、元同僚のジョニー・ハーバート(英国)が示した。
42歳のシューマッハーは2009年シーズン終了後に現役復帰を果たしたが、それから23回のレース出場で1回も表彰台に上っていない。
1995年にベネトンでシューマッハーの同僚だったハーバートは、アブダビの新聞にコラムを寄せ、「(同選手は)メルセデスに勝利をもたらすために復帰したが現実にはなっておらず、もしこのまま現役を続行する道を選んだとしたら驚きだ」と述べている。
シューマッハーが勝てなくなった理由について、ハーバートは年齢の問題ではなく、
新世代のドライバーの台頭にあるとし、「F1で勝つためのレベルが上がっており、シューマッハーはもうその水準に達していない」と語った。
さらにハーバートは、シューマッハーがメルセデスの同僚、ニコ・ロズベルク(ドイツ)を常時下回っているなど、以前の神通力が消えかかっているとも指摘している。
シューマッハーは先日のトルコGP決勝で接触に遭い、
12位でフィニッシュした後にレースを走る楽しみを感じられなくなったと述べていた。
(引用終わり)
シューマッハーが活躍していた時代は、デジタル装置やチームオーダーなどが禁止または大幅に制限される前の時代(特に2002年以前)だった。また、KERSやピレリタイヤなど、彼が現役の時になかった、あるいはあっても全く慣れていない要素についていけない・・・という可能性もある。
そんな中「レースを走る楽しみを感じられなくなった」とコメントしたとすると、F1へのモチベーションが急速に落ちているのでは!?というのも考えられる。鳴り物入りで現役復帰してから2年目のシーズンを迎え、彼は大きな壁にぶつかったとも言える。これまでのギャップに苦しみ、F1で通算92回目の優勝への道をあきらめて引退するのか、それともこの壁を乗り越えて、優勝、あるいはせめて表彰台に登ることができるのだろうか。
何度かシューマッハーに引退勧告をしたことがある私だが(昨年11月18日の日記)、初めて彼の本質的な強さに向き合おうとしていると感じた。