昨日、「無駄な勉強」について考えさせられる記事を見つけたので紹介したい。
愛知県:トイレ掃除いや! 観光人材育成研修、相次ぎ脱落(15日、毎日新聞)
愛知県が緊急雇用対策として10年度に実施した「観光地域づくり人材育成事業」で、雇用した6人のうち、研修修了者が1人しかいなかったことが14日分かった。関係者によると、中途退職した5人の中には「観光に役立つ人材を育てると説明されたのに、トイレ掃除や駐車場の誘導をやらされた」と不満を述べた人が複数いたという。県観光コンベンション課は「見解の相違だと思うが、誤解を招いたとしたら申し訳ない」と釈明している。
同事業は「観光を担う地域のリーダーを育成する」とうたい、昨年6月~今年3月に実施。ハローワークなどで参加者を募った。予算は約2970万円。県観光協会に委託し、県の産業、歴史などを学ぶ講義研修35日間と、同協会や旅行会社、ホテルなどで観光業務を体験する実技研修56日間で構成された。
参加者には研修中、月給二十数万円が支払われた。トイレ掃除などは実技研修の一環だったが、昨年11、12月に各1人、今年1月に2人、2月に1人が中途退職し、研修を終えたのは1人だった。
同課は「観光業務の実態を知る意味で意義がある事業だったと思う。トイレ掃除などに不満な人がいたのは事実だが、どんな業務でもやり遂げてほしかった」と話している。
(引用終わり)
私も似たような考えを思ったことが過去にある。代表的なのが、例えば高校受験や大学受験で、なぜ受験科目でない科目(音楽、美術、家庭科など)も勉強しなければならないのか、とうことだった。
その疑問や上記の新聞記事での問題に対する私なりの答えは、「人生に無駄な勉強はない」だ。これは3年前、私が教育実習に行く前の教育相談で担当教員から言われた言葉だ。世界史の授業で指導の自信がなかったメソポタミア文明などを担当することになり、どうしたらいいか悩んでいたところ、担当教員から「人生に無駄な勉強なんてないよ」と言われたことにより、吹っ切れた気持ちになれた。
例えば家庭科にしたって、どの栄養分を補給するかで効用が変わってくるだろうし、風邪を引いた時にはどういう風邪薬を飲み、どんなものを食べたらいいのか。知ってると役に立たないことはない。
新聞記事の上の問題は、「観光を担う地域のリーダーを育成する」が目標だが、トイレ掃除や駐車場での車の誘導も研修の一環だったことだ。確かに「つまらない研修」「何の役に立つのか分からん」という愚痴が聞こえてきそうだ。でも現場(観光客が集まるスポット)に行ったら、これらの雑用は避けられないことが多い。トイレが汚かった、それだけの理由で観光客が逃げてしまう可能性もあると思う。
教員採用試験では、一般教養試験で数学や理科、家庭科の問題も出題してくる県もあるが、将来いつかきっと必ず役に立つ、そう信じて勉強するしかない。
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Last updated
Oct 31, 2020 11:06:13 PM
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