イソップ物語に
「ロバを売りに行く親子」というおとぎ話があります。
あらすじは
Wikipediaに譲るとして、ある人がどんな決断を下しても、その「決断」を批判する人が必ず出てきます。おそらく、このおとぎ話は
「周囲の意見に流されず、自分の決断や覚悟を大切にしてほしい」という教訓ではないのでしょうか。
2つの事例を思い出します。
1つ目は、プロ野球で2007年オフにFA宣言した
新井貴浩選手のことです。
広島カープからFA権の行使を宣言した際、記者会見で
「つらいです。カープが好きだから」と涙を流したのは有名な話です。本来、FA権というのは実績を残した選手に与えられる権利です。結果、彼は阪神にFA移籍しますが、
与えられた権利を行使しただけなのに、プロ野球ファンからボコボコに言われたのです。
そして、2014年オフに阪神に対して自由契約を自ら申し出て、広島に復帰しました。歓迎した広島ファンも多かったと思いますが、
私が広島ファンだったら、
「広島カープは応援するけど、新井貴浩は絶対に応援しない。二度と広島に戻ってこないで欲しかった」
と言ったでしょう。マツダスタジアムでも、新井氏に打順が回ってきた時に限って応援をボイコットしていたでしょう。
ちなみにプロ野球がらみで言えば、2002年に日本ハムが東京から北海道への移転構想を発表した際にも、少ないながらも批判する人が出てきています。
「教えて!goo」ではこんな反対意見が出てきました。
「ファンが少ないから…東京ドームでは採算があわないから…それらはすべて球団フロントの怠慢に過ぎないと思ってます。そのツケをこれまで30年近く応援してきた在京ファンにかぶせ、ポイ捨てし札幌に行こうって魂胆が腐りきってます。
そもそも「札幌に行って地域密着」というんだったら、まず東京で地域密着する努力を見せろ。それから、この牛肉偽装事件のさいの球団移転に関しても、日本ハムブランドの信頼云々の話を出してきて…結局ファン無視。」
2つ目は、
芸能人や声優さんが結婚を発表した時のことです。
その場合、Twitterで「おめでとう」と祝福のメッセージが飛び交うかと思います。ですがその一方で、
不祥事を起こしたわけでもないのに「失望した」「裏切られた気分だ」と罵倒するコメントが必ず出てきます。
世の中には、必ず自分を批判する人が出てきます。
私も
「30過ぎなのに、仕事できない。マイペースでやってる」「場の空気が読めない」「暗黙の了解が分からないヤツ」「なんで東京を捨てて九州に来たんだ」と誰かから批判されているでしょう。