私は昨年秋、授業を受け持ったあるクラスで、生徒との言い争いに巻き込まれました。理由は、評価の仕方の違いでした。
生徒からの「他のクラスメイトと自分との評価の仕方が違うのは何故だ!」という疑問に、私は上手く答えられませんでした。私はそのことを担任に報告。担任の先生はその日の放課後、私に疑問をぶつけた生徒を呼び出し、聞き取りをしました。その際、担任は「人間は、人それぞれ違う」という趣旨の発言をしました。
では私はどう捉えたか?
金子みすゞではないけど、どうして「みんなちがって、みんないい」のか?
それは、
人間は、ロボットではないから。
この一言に集約されると思います。
昨年のソフトバンク・ホークスを思い出します。新型コロナ対策で無観客試合となったプロ野球。福岡PayPayドームでの試合で、スタジアムに来られないお客さんの代わりにロボット(ペッパー君)がホークスを応援する姿がありました。
ロボットなら、行動や会話の内容、さらにはダンスの内容が事前にプログラミングされていて、決まったタイミングになると動き出します。つまり、ロボットには与えられた環境や仕様が統一されているのです。
しかし人間はそうはいきません。
例えば第一に、どの国(どの県)で生まれたか。両親がどんな人だったか。周りの親族がどんな人たちだったか。それによって環境が大きく変わります。お金持ちの子どももいれば、生活保護世帯の子どももいる。海外旅行に慣れている子どももいれば、その県から出たことすらない子どももいる。
もっといえば、どんな学校で学生時代を送ったかも影響するでしょう。普通科しかない高校だったら、「卒業したら大学進学が当たり前」と思うかもしれません。その一方で、工業高校や商業高校だったら「卒業に備えて自分の得意分野を考える。その上で就職か進学かを決める」・・・というのがなされているでしょう。
第二に、その人の得意分野は何か。人間と接するのが好きな人がいる一方で、モノと接するのが好きな人がいる。おしゃべりが得意な人がい一方で、おしゃべりが苦手な人がいる。目立ちたがり屋や人がいる一方で、恥ずかしがり屋で内向きな人もいる。
だとすると、人間一人一人が持っている特性は全然違うのです。
私は30年間、東京で過ごしました。そしてヨーロッパ(特にベルギー)と親密な関係にあります。職場ではひょっとしたら一部の人から「Nishikenは東京の大金持ちの息子」だと思われているでしょう。
ロボットは、統一されたプログラミングによって作られます。でも人間は違います。ひょっとしたら、誰一人として同じ環境の下で生まれ、育った人・・・というのは、ないでしょう。
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Last updated
Mar 21, 2021 07:08:58 PM
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