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2017/05/08(月)20:00

爆買いの行方

中国、台湾(366)

 2015年12月、「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、中国人観光客による「爆買い」が大賞を受賞。 爆買いの恩恵をもっとも受けた企業として、免税店大手、ラオックスの羅怡文(ら・いぶん)社長が大賞を受賞。        2015年12月期、ラオックスの売上高は前年比2倍、純利益は7倍という数字を記録。 2016年12月期の連結決算で、売上高が前期比33%減、最終損益が15億円の赤字になったと発表。 3期ぶりの赤字決算で、店舗の閉鎖、新規事業の縮小による特別損失は11億円。 2017年2月10日、ブランド品買取、日本最大級のリサイクルショップをうたうコメ兵は、2017年3月期第3四半期に店舗閉鎖などで特別損失3億2200万円を計上したと発表した。 爆買いはどこへ行ったのか。 下記の記事によると、かつてのような爆買いが戻ってくることはなさそうだ。       中国人訪日客の「春節の爆買い」が減った意外な理由 中島 恵:フリージャーナリスト 2017年3月23日 DIAMOND online …(略)… だが、そんな中国のカレンダー通りの行動パターンは早くも崩れ去っている。 カレンダー通りに行動するのは、カレンダー通りにしか休暇が取れない人々であり、最近ではプチ富裕層や洗練された層が「えっ?そんな時期にも?」と驚かされるような「違う時期の日本」をめがけて、わざわざやってきているのだ。 …(略)…       ファッションであれば「セール」の時期に、観光であればそれに相応しい時期に来日するとの説は納得できる。 輸入関税の強化、EC市場の発達、公務員の不正の摘発も続いており、日本で爆買いする必然性は過去より大きく低下している。 日本の通販サイト Amazon も楽天市場も、送料が国内対象であることを強調しており、海外からの直接購入の増加を示唆している。      …(略)…中国社会は急激に成熟化「メンツ消費」は減少している        爆買いが終わったといわれて久しい。 むろん、まだ団体観光客は来日する全中国人観光客の半数ほどはいるし、免税店に行くのが目当てという人が消滅したわけではない。 春節や国慶節でなければまとまった休暇が取れないという人もまだ多いだろう。 中国は分母が巨大なだけに、それが完全になくなることなどありえないし、それを否定するものではない。       三越伊勢丹 社長交代で問われる百貨店の未来 2017年3月21日 日経 ONLINE ラオックスと三越とコメ兵 一瞬で爆買いバブル崩壊で売上「蒸発」 &閉店の嵐・・・三越免税店は閑散 2017年3月10日 Business Journal      百貨店の売上、国内最大規模の免税店を誇ったラオックス、コメ兵の状況をみても、買物中心の中国人の訪日は、急速に減少しているということだろう。 観光日本はこれからが正念場。

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