テーマ:八重山的随筆(111)
カテゴリ:島ネタ
いやぁ、もはや本土の都心あたりじゃ小学生が三々五々空き地や公園の片隅なんかで集まって草野球に興じる姿なんぞお目にかかれぬだろうが、石垣島あたりじゃまだまだ健在なのだよ。やっぱイイよ石垣島。なんかずうっと思っていたのであるが、先日、よくよく子供らの動向を伺うになにやら事情が違う。 やってることは間違いなく三角ベースだったりするのであるが、まずチーム編成がおかしい。小学生が低学年から高学年まで八人とか十人集まって2チームに分かれるわけだが、私が少年期を過ごした札幌あたりの慣例に倣えば「三角ベースするもの、この指とまれ」の号令にワラワラと群がる近所のガキどもをチームを分けをするに当たって当事者全員が気を揉み、気を配るのは両チームのパワーバランスである。通例、年長の者が心を砕き若輩の低学年各位の体格差や能力差、経験値や将来性までを考慮して両チーム間の力の均衡を目指すのである。要はゲームとして面白くなることに主眼を置くわけだ。 一方、石垣島に見る三角ベースの2チームに力の均衡はない。片方が小学二年生チーム。対戦相手は四年生チームだったりする。言うまでもなくこの年齢層の一年二年の差は大きく、二年生と四年生の能力差は歴然としている。結果も試合をやるまでもなく明かで2イニング目に30対0のワンサイドゲームなんかになるわけだが、これが延々と1時間2時間と続けられるのだ。二年生チームは何十分間も守備が続き、攻撃は約二分間で終わる。完全にサンドバッグ状態である。 で、体力差能力差だけでもワンサイドなのに、そこに加えて年長者側が自分たちに都合のいいルール運用をするから低学年はひたすらに守り、打たれ、堪え続ける。つまり草野球なんてレベルでも遊戯の範疇でもなく、あえて言えば修練。修養。修身。ってことになるのだろう。ひらたく言えば『しごき』である。先輩が後輩に対してその力の差をまざまざと見せ付けることで上下関係をより堅牢なものするのだ。 だからか四十になっても五十になっても幾つになってもシマンチュの皆さん、一向先輩どもに頭があがらない。多分、皆それぞれに追憶のサンドバッグ記憶が刷り込まれている筈である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.11 23:58:38
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