テーマ:八重山的随筆(111)
カテゴリ:島ネタ
八重山の女性ドライバーは運転マナーがおかしい。全員とは言わぬが総じておかしい。
例えば脇道から幹線道路に出て来ようという女性ドライバー。見れば誰も道を譲ってやらないのでなかなか幹線道路へと出られないでいる。そんな彼女を不憫に思った私は一時停車。道を譲る旨ゼスチャーまでつけて女性ドライバーを幹線道路へと出して差し上げたのに何を思ったか彼女はノーリアクションで走り去って行くのである。 ここは一般的には運転席から軽く会釈するとか、「プッ!」って具合に極短くクラクションを鳴らすなどして謝意を簡便に表現する場面である筈だし、ほとんどの男性ドライバーはそうするのである。道を譲るなどして謝意を表さなかった男性ドライバーが皆無とは言わないが、これまで20年以上に渡り公道を走ってきてその謝意表現行動をスルーした男性ドライバーは二名を数えるだけである。 つまりほとんどの男性ドライバーは道を譲られたりするとthanksとやるし、それは本土も八重山でも同様なのであるが、何故だかこれが八重山の女性ドライバーで言うと半数くらいのご婦人方は謝意表現行動をスルーしやがるのだ。何故だか理由はさっぱりわからないが、とにかく譲られようと教えられようと手伝ってやろうと、運転中にそのような事態など最初から起こらなかった。わたしは何も見てないワ。誰からも気遣いなど受けてないわ。簡便だろうと何だろうと感謝なんてするもんですか!道を譲ったり教えたりしたぐらいで偉そうになんてしないで欲しいわね。まったく内地の男は気に入らないわ。ってなぐらいの風情にて現場から走り去るばかりだ。 繰り返すが理由はわからない。 道を譲ったり教えたりして偉そうにした覚えもないし、あまりに下手くそな後進を見るに見かねてバックオーライの声を掛けて差し上げても、それを機会と食事に誘ったことは無ければ携帯電話の番号を訊き出そうとしたこともないのである。こちらとしては親切や気遣いと言うよりもスムーズなる日常生活と社会生活を送るために必要最低限の行動言動に留めているつもりなのであるが、何故に八重山の女性ドライバーの多くは無言ノーリアクションで走り去るのであろうか。 理由はわからないが、わからないままだとなんだか癪に障るので色々と考えてみた。三日三晩眠れぬ夜を送りながら思慮考察してみたところ有力なる仮説を立てられたので開陳しておこう。 これ、実は八重山の女性の問題ではなく。男の問題、社会の問題なのである。一部、八重山マニアの方などは御存知のことと思うが、ご当地八重山は男性社会である。本土の皆さんが想像している以上にガリガリの男社会であって、島の女性らなどありていに言えばかなり従属的な立場にいる。 ま、従属的とは言っても21世紀の昨今ともなると道端でたまたま出会った同僚の男性と挨拶程度の会話をしただけで彼氏や旦那から叱責される。殴られる。謝るまで蹴られる。などなど肉体的物理的に従属する女性はだいぶ減ったようだが、精神的には従属者としての立場から脱して切れていないのだ。 脱し切れないのは何もご本人だけの問題ではない。八重山の社会に生まれ育った者たち全員が共有尊重保守している得体の知れぬものが問題の核なのだ。きっと。 現行、長きに渡った飯炊き・出産・育児マシーンの立場から解放され、車を運転するものとして一般社会にデビューしたかに見える八重山の女性たちであるが、アクセルとブレーキを踏むその華奢なる足首は得体の知れぬものにがっちりと掴まれ離してもらえぬのであり、ついでに言うと会釈したり極短くクラクションを鳴らすことも躊躇わせるのではなかろうか。長きに渡った従属者としての立場では社会的責任など問われなかった。家内安全ならそれでよかったのだ。対外的責任は全て家長たる立場にあるものが負えばよかった。無論、車などなかったし、車があったところで女たる立場のものが車を運転して一般公道を走れるわけがない。公道上で発生する大小の責任など女性には無縁だったのである。時は移りて現代となり、身体肉体は解放されてもその心は祖父に父に兄弟に、男社会に従属したままになのだ。従属する限り責任など知らずにいられるのである。彼女達が会釈すら出来ない理由はきっとそこにあるのだろう。 なんてことを三晩も寝ずに深淵思慮考察してみたものの、やはり無言ノーリアクションで走り去る八重山の女性ドライバーを見るたびに小さき我が心はムカつき、畜生このバカオンナ、そのまま電柱にでもぶつかって事故りやがれ。などと散り散りに乱れるのである。 嗚呼精進精進。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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