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カテゴリ:思ふこと/旅日記
連休中もサークルの勉強会は開催された。 5年もたつと、学生たちも習慣的に出席するようになった。 発足時は「休日」、「朝」は集まりが悪かったのを考えると、感慨深いことだ。 今いる学生たちは、発足時の動員・勧誘・説明・定着がどれほど大変だったかを知らない。今はそんなことはほとんど問題にならないほどの一体感と仕組みが出来上がりつつあるからだ。 この日は「職業観ゼミ」と「起業塾」の間奏曲として、『ミニ取材塾』をやった。 このサークルは「企業取材」を主な活動として、毎月、月刊誌を発刊している。経済誌記者として雑誌を作り、あらゆる雑誌を読んできたが、その中でも、私は学生たちが作るこの雑誌が一番好きで、思い入れが深い。 その取材・編集活動も、5年もやってくると、やはり所々慢心や手抜きが生まれ、創刊時の初心を忘れやすくなる。そこで開催したのが「ミニ取材塾」というわけだ。 もっともこの塾、私が発案したものではなく、学生たちから提案を受けたものだ。やはり、4年生には何がしかの問題意識が生まれていたのだろう。 いくつかの項目に分けて簡潔に説明すると、学生たちはとても素直に学び、自分たちの役割において反省し、それぞれ改善策を考えてくれた。実践はこれからなのだろうが、いつも感じるこの素直さは本当に素晴らしいものだと感心する。 あと2、3年もたって社会人になると、「頑張っているのに」、「忙しい」、「他にやることがある」といくらでも言い訳が生まれ、腰が重くなる人も多い。それを考えると、学生時代に本気の学びや活動をやることがどれほど大切かと思う。 午後は「集客塾」をやった。 これは、現在、サークルで外部に向けた勧誘活動をやっており、その告知・集客活動が思いのほか難しいということで、希望者向けに実施することにしたミニ勉強会だ。 「ビラ配り」。 創業で苦労していた頃、何度これに苦しみ、学び、感謝したことだろうか。 この経験はサークル発足にも生き、学生たちは私よりうまく、楽しくやっていた。 発足時は人も集まらず、集まっては去り、来ては続かず苦労したが、会社もサークルも同じだと思い、粘り強く改善を重ねて頑張ったものだ。 私の仕事もサークルも、それ以来、別に告知をしなくても口コミで人が集まるようにはなったが、今年は初心に返ろうということで、15人規模の集客部隊が結成され、先週あたりからイベントを企画して、その動員のためにビラ配りをやっている。 私は発足時の学生たちがやっていたことを、できるだけコンパクトに話した。学生たちはまたも素直に学んで、意欲を高めあっていた。頼もしいことである。 自ら考えて行なうと、難しさが楽しくなってくる。それを共有した仲間には、強い信頼感が生まれる。一番人数が少なく、活動基盤もなかった初代の卒業生たちが、今でもサークルに最も愛着が強い世代のひとつであるのは、そういう苦しみを分かち合った仲間という実感が残っているからだろう。 来週はどんな展開になるのか、今から楽しみだ。 ![]() 昼からは韓国料理「ハナハナ」に行き、それから古本屋「痛快洞」に行った。 『ベローチェ→中央市民センター→食事→痛快洞→入江書店→ブックオフ』というのは、サークル勉強会終了後は定番の散歩コースである。 この痛快洞、長年親しんで多くの名作を買ってきたが、今もって何が「痛快」なのかが分からない不思議な店だ。 店の中の説教っぽい貼り紙か? 看板通りではない自由気ままな営業時間か? 狭い通路か? 一見怖そうだが、話してみると気さくな店主か? いきなり表示価格から値引きしてくれる意外性か? ここではこの前、私が密かに集めている筑摩書房の「現代思想体系」の『アジア主義』と『社会主義』を買ったので、この日は何も買わなかった。 その代わりに入江書店で買ったのが ![]() 『岡田啓介回顧録』(岡田貞寛・毎日新聞社)だ。 岡田啓介総理大臣は、海軍大将であり、ロンドン海軍軍縮条約が締結された頃の政府と軍に深く関わっていた軍人だ。 この条約は『統帥権』の解釈論争を起こしたこともあって、戦時中の世論に興味がある私は、ぜひ読んでみたいと思っていた一冊だ。 本書には「付 ロンドン軍縮問題日記」と記されているように、この条約の責任者として見聞した一次情報が収録されている。 近現代史の学びは、一つ分かると十の疑問が出てくる。 今を生きる我々は、少しの事件や事実を知ると、それで分かったような気持ちになってしまうが、それは戒めなければならないことだ。 歴史はいつも複雑である。ことに昭和史は信じられないほど複雑だ。この学びさえ十分にできないまま、私の一生は終わってしまうのかと思うほどである。 だからこそ、虚心坦懐に学ぶ姿勢を持ち続けたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.05 09:22:34
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