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職の精神史

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2008.05.07
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※この文章は、2003~2006年に大学生・若手社会人向けに配信されたメルマガ『内定への一言』のバックナンバーです。


32.「ロンドンの後に復帰すればいいじゃない」(宇津木麗華)


ゴルフにテニス、サッカーと、女子スポーツの最近の発展ぶりは素晴らしく、多くの若いスターたちが、「お兄さん」や「おじさん」たちを押しのけて注目を集めています。そんな中、「ソフトボール」も近年、そのスリリングなプレーが注目を集め、日本がオリンピックで世界を制覇できそうなスポーツでした。

そのソフトボールが、野球のあおりを受けたのか、二○○八年の北京オリンピックに次ぐ二○一二年のロンドンオリンピックで、開催種目から外されることになりました。

つい数日前の決定に、日本ソフトボール協会は「壊滅的な打撃」と嘆き、選手たちは「夢が打ち砕かれた」と失意のコメントを発し、関係者たちは「あまりに無残な決定だ」と口を揃えてIOCの判断に無念の気持ちを表明しました。

しかし、その発表当日に、「ロンドンの後に復帰すればいいじゃない」と発言していたのが、日本女子ソフトボール代表チームの宇津木麗華監督です。

宇津木監督が中国からの帰化人として、日本社会に溶け込むのにどれだけ苦労したかは、自宅にテレビが五年間ない僕も、聞き知っています。

数年前も、コメントの一つ一つが短くて爽やかな様子に、「素晴らしい人物だなぁ」と何度か感じたのですが、先日聞いた「今日の一言」は、ぜひ語り継ぐべき名言だと思い、今日、このメルマガで紹介することにしました。

僕は、政治的には中国は嫌いで、海外勤務で華僑を多数見てきた経験からも、「本当に民度の低い無礼な奴らばかりだ」とよく思いますが、政治とスポーツは別。

祖国に別れを告げ、新たに生きる場所として選んだ日本で、「自分」を表現する手段はソフトボールただ一つだけ、という境遇で宇津木選手が味わってきた逆境や苦難は、常人には思いもよらないものでしょう。

そんな環境に耐え抜き、偉大な選手として見事な実績を残した後も、決して好条件とは言えない中で、「女子ソフトボール」というマイナーなスポーツを、オリンピックに出場できるほどのレベルに育て上げて、「監督」になりました。

元・外国人である自分を信じ、ついてきてくれた若者たち…。手塩にかけて、時には厳しく、時には苦楽をともにして、一緒に辛い練習に挑戦してきた選手たち…。

オリンピック優勝を目指すため、思い切って選手の若返りを図り、「北京では三位以内を目指し、その次で優勝する」と決意したのは、わずか半年前のことだそうです。それが、文化の相違か興行的な魅力の弱さか、理由はよく分かりませんが、「開催種目から除外」という決定になったのです。

ワールドカップを目指してサッカー人生を歩んできた三浦知良選手が、夢の直前で代表選手から外されたように、ワールドカップでの活躍を目指して帰化した呂比須ワグナー選手が、出場後は不調で活躍できなかったように、同様の悲哀に満ちた今回の顛末で、一番悲しいのは、宇津木監督であっても、誰も不思議に思わないはずです。

それが、周囲の全員が悲しみのあまり、不満とも非難ともつかないコメントを発しているのと同じ時に、「ロンドンの次を目指せばいい」と言い切っているのです。

「将たる者」として、なんと素晴らしい態度でしょうか。資金的余裕もないソフトボール「業界」では、宇津木監督の計らいで、途上国に古いユニフォームやボールを贈ったり、選手を派遣して子供の教育を支援するようになったそうです。

「自分がきつい時ほど、仲間を応援する」というリーダーの哲学が、見事に発揮されています。そして、「こんな逆境だからこそ、ソフトボールというスポーツの魅力を高めるいいチャンス。

世界中の子供たちがソフトボールの魅力を知り、競技人口が増えていけば、何十年か後に、必ずオリンピックで優勝することが未来の子供の夢となる」(産経新聞)と、コメントを発表しているのです。

宇津木監督は、「日本代表の金メダルが最大の夢」と平素から言っていましたが、実は、もっとスケールの大きい夢を持っておられたようです。最大の危機に際しても、平然と「ロンドンの次を目指そう」と、選手や子供たち、協会関係者を鼓舞する言葉を発することができるあたり、本当に偉大な人物だと尊敬の念が消えません。

「当たり前のレベル」が違いますね。「自分がどうなるか」なんてことは、意識の中に一切、ありません。「夢に全面的に同意した人間」がいかに強く偉大かを示して余りある、素晴らしい姿です。「私たちの本気が試されるのは、これからだ」と聞こえてきそうです。

そして僕は同時に、FUNを作った安田君が、苦労して集めた仲間が発足半年にして全員去った後に、一人も恨まず、「貴重な体験をありがとう…。ここからが本当のスタートだ!」と、翌日から一層謙虚になり、より積極的になって、ビラを配り始めたのを思い出します。

 今も就活を頑張っている人や、志望(していたつもりの)業界に落ちてしまった人、何かをやろうと思っている人は、勝手に「夢が消えてしまった」と決め付けていませんか?夢が消えたんじゃなくて、あなたが消しただけでしょう。

たかが一回や二回、不採用を食らったくらいで捨てる夢など、偽物です。そんな人間は、仮に内定をしたとしても、どうせ仕事などできないでしょう。あなたの夢は「ロンドン」だったのでしょうか?それとも「北京」だったのでしょうか?それとも、「その辺の地区大会」?

あるいは…「ロンドンのずっとずっと先」だったのでしょうか?長期的な視点を失わなければ、心が失意に染まることなど、絶対にありません。

起こることが何であれ、それは全て、自分が同意した決断から引き起こされたこと。「人のせい」など、人生には一つも存在しないものです。よって、「起こったこと」ではなく、「受け止め方」があなたを夢に導きます。





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Last updated  2008.05.08 01:24:53
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