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カテゴリ:内定への一言(人物/思想)
※この文章は、2003~2006年に大学生・若手社会人向けに配信されたメルマガ『内定への一言』のバックナンバーです。
33.「人の人格は、その人が一番時間を多く共有する相手を見れば分かる」 もう二年以上も前ですが、学生に「もうすぐ就職活動。楽しみだね」と言ったら、「え~っ、楽しみなんてものじゃありませんよ。先輩もきついって言ってるし、友達もみんな嫌だって言ってますよ」という答えが返ってきて驚きました。 僕はなぜ、自分は何も経験していないのに、勝手に「就活=嫌」と決め付けているのか、その心理を非常に不思議に思い、それから学生心理を観察しました。 数ヵ月後、今も毎回学生に話している講演内容を考案したわけですが、大学というのは表向きは開放的に見えて、実はものすごく閉鎖的で画一的な情報しかない環境です。 よって、自分の考え方や性格は、「今、毎日会っている人」に必ず影響されます。特に、上下二~三歳しか年齢差がない人と会っていては、居心地はいいものの、成長を実感する機会も乏しく、たかが「会社に入るあいさつをしに行くだけ」の就職活動程度で、不安や恐怖を覚えてしまうようになりかねません。 就活で打たれ強く、自分の考え方をしっかり持ってマイペースで作業を進めていく学生を見ると、大抵、年上の良い相談相手を持っています。 学生は毎日、同じように「授業⇒バイト⇒家」という生活を繰り返して年を取る人がほとんどですから、珍しい話を好みます。ギャップを喚起する話題だと、「ありえんくない?」と精一杯大げさに反応しあっていたりして、嫌がりながらも、自分がその話題の当事者であることを、ちょっと友達にアピールしたいような心理を感じます。 辛抱強く学生と接し、こっそりと口癖や考え方を観察して、スピーチを今まで一○○個以上作ってきましたが、ほぼ予想通りの反応なので、僕もやっと学生に慣れてきたということでしょうか。 あなたは、毎日、誰に一番多く会っていますか? 友達?先輩?先生?バイト仲間?兄弟?それとも、テレビの中の芸能人?あるいは、小説の主人公? 話しているにしろ、本を読んでいるにしろ、その行為自体が対象からの「影響」です。どうせなら、「すごい」と尊敬する人から、良い影響を受けたいものですね。 最後に、人が一番多く時間を共有する相手は、ほかならぬ「自分」です。自分が暗い人は、際限なく暗くなっていきます。明るい人は、自分で自分にチャンスを作ることができます。 去年の内定者の中で大人気だった「人生を動かす80対20の法則」(リチャード・コッチ 阪急コミュニケーションズ)には、「師と仰ぐ人と過ごす時間をケチってはいけない。少々お金がかかろうと、何でもいいから理由を作って側にいる理由を作り、考え方や動き方を学ぶことだ」と書いてあります。 僕も全面的に、この意見に賛成です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.08 01:26:26
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